データ入力は単純作業でありながら正確性を求められるため、意外と時間がかかります。
そこでこの記事では、データ入力を自動化できるツールを4つ紹介します。
自動化するメリットや、作業の流れについても解説しているので、業務効率化を目指す方に必見の内容です。
ぜひ、参考にしてみてください。
このページの目次
データ入力の自動化とは、これまで人が手入力で行っていた作業を、ロボットを使って自動的に処理させる方法のことです。
従来の自動化ツールには、プログラミングの知識が必要不可欠でしたが、近年では特別な知識がなくても利用できるツールが流通しています。
例えば、話しかけた言葉の内容を文字に起こす音声入力や、Webサイトから必要な情報だけを抜き取るWebスクレイピングツールなどです。
これらのツールを上手く活用することで、従業員の作業負担が軽減され、業務効率化に繋げることができます。
まずは、データ入力を自動化することで得られるメリットを4つ紹介します。
ビジネスシーンでデータ入力を自動化させるメリットは、作業時間の短縮が可能になることです。
ひとつひとつの情報を手入力する場合、ロジックが単純な作業でありながら時間と手間がかかります。
一方、自動化ツールであれば、一定の速度で情報処理が成されるため、人間が行うよりも早く、より多くの処理を進めることが可能です。
作業時間が減れば、その分の時間を別のコア業務に割り当てることができます。
自動化ツールで作業の工数が減れば、必要な人員も少なくて済むため、人件費を削減することができます。
また、データ入力の処理スピードは従業員によって個人差が出ますが、自動化することで能力による差がなくなり、業務の平準化に繋がります。
手作業によるデータ入力では、誤字脱字やデータの削除、入力箇所の間違いといったヒューマンエラーは避けられないものです。
その点、自動化ツールであれば、ミスすることなく正確に情報を入力できます。
「絶対に間違えてはいけない」という従業員の精神的ストレスやプレッシャーもなくなるでしょう。
人間が作業をする場合、深夜や早朝などの勤務時間外は働くことができません。
しかし、ロボットが作業を行う自動化ツールであれば、24時間365日の稼働が可能です。
昼夜を問わず、週末も無休で働いてくれるという点は、ロボットならではのメリットといえます。
データ入力を自動化できるツールは複数ありますが、今回は代表的な4つのツールについて解説していきます。
OCRは手書きの文書や印刷された文字を読み取って分析し、文字データとして認識する技術です。
日本語訳では「光学的文字認識」と呼ばれています。
近年、AI機能が搭載されたことで文字識字率が高まり、従来のOCRが苦手としていた「手書き文字の読み取り」も可能となりました。
例えば、手書きの契約書や領収証、アンケート用紙といった書類の入力・出力に役立ちます。
データの格納までを一元化できるため、利便性が高いのも特徴です。
Excelのマクロとは、Excelにおける一連の動作を自動化できる機能です。
例えば、経理業務やECサイト運営などで必要となる、データ入力や分析、収集したデータの分類、印刷といった業務を行う際に役立つでしょう。
かつてはVBAというプログラミング処理が必要であったため、知識が豊富でなければ利用しにくいものでしたが、近年では、誰でも気軽に利用できるよう操作性が高められています。
Excelのマクロ機能を活用すれば、売上分析に伴うグラフの作成、報告書の作成、取引先企業の連絡先抽出などを実行できます。
WEBスクレイピングとは、WEBサイトから特定の情報を収集する機能のことです。
WEBサイトの中には大量の情報が掲載されていますが、WEBスクレイピングを用いれば、その中から必要な情報だけを抽出できます。
例えば、ECサイト運営において、市場の動向を調査したいときや価格調査をしたいときに役立ちます。
市場変化にリアルタイムで対応し、データ収集や分析が行えるため、企業のマーケティング活動等に活用されることが多いです。
RPAは「Robotic Process Automation(ロボットによる自動化)」の略語で、ルールや作業手順が決まっている定型業務を自動化できる機能です。
始めに実行させたい業務内容の設定をすることで、人間に代わって業務を遂行します。
WordやExcelへのデータ入力、書類に記載されている情報の転記、メール送信などの作業で自動化が可能です。
メールマーケティングを展開する企業や、多くの顧客と取引する業種に適しています。
前章で4つの自動化ツールを紹介しましたが、なかでも近年導入する企業が増えている「RPA」について、詳しく解説していきます。
「定型作業を自動化する」という点で、Excelのマクロ機能とRPAはよく似ていますが、自動化できる作業範囲に大きな違いがあります。
Excelのマクロ機能がExcel上の作業に限定されるのに対し、RPAは複数のアプリケーションを横断できるので、パソコン上のすべての作業に対応することができます。
例えば、営業業務において、顧客ニーズを分析し、その結果を社内報告する場合は、以下の作業をRPAひとつで行うことができます。
このように対応範囲が広い分、できる業務内容も多いのがRPAのメリットです。
自動化ツールは、役割分担が異なる2つを組み合わせることで、自動化できる業務範囲が広がります。
その代表的な例が「RPA」と「AI-OCR」の連携です。
例えば、経理業務で交通費の精算を行いたい場合、以下のような流れで作業を行います。
このように、各ツールの得意分野を組み合わせることで、より効率的に作業を遂行できるようになります。
RPAは定型作業であれば、さまざまな業務を遂行できます。
業務の効率化、ヒューマンエラーの防止はもちろん、リアルタイムで市場をチェックできるようになったり、スピード対応が可能になったりするという点も評価のポイントです。
ここでは、一般的な企業で発生する自動化しやすい業務の一例を解説します。
経理の業務は、ある程度手順が決まっているルーティーン作業が多いため自動化ツールと相性が良いといわれています。
例えば給与の計算であれば、経理システム上のデータをもとにRPAが給与を算出し、銀行口座への振込みや帳票の作成といった、一連の流れを自動化することが可能です。
取引先とのやり取りが多い営業活動において、業務のすべてを自動化することは難しいですが、繰り返し行う定型業務であれば、自動化ツールに任せることができます。
例えば、名刺の顧客情報を登録する場合は、AI-OCRとRPAを連携させる方法が有効です。
AI-OCRが名刺から顧客情報を抽出し、その情報をRPAがシステムへ入力、さらにダイレクトメールを送信するところまでを自動で行います。
膨大な時間を要する人事関連の業務は、自動化することで、工数削減やヒューマンエラーの防止に繋がります。
とくに、さまざまな作業が発生する採用活動においては、担当者の負担を軽減することができるでしょう。
具体的には、説明会の案内メールの送付、書類選考、採用試験の採点、面接のスケジュール調整、結果通知のメール送付などの代行が可能です。
規模が大きくなればなるほど、業務の複雑化や人手不足といった課題が発生しやすくなる、ECサイトの運営業務。
自動化ツールを活用すれば、受注処理から出荷、在庫管理などといった業務をロボットに任せることができます。
顧客からの問い合わせで、メールの見落としや二重対応などを防止したい場合は、ECサイト専用のメール管理システムを導入するのがおすすめです。
最後に、業務を自動化する際の大まかな手順とポイントを紹介します。
前述したように、自動化ツールが得意とするのは、ルールや作業手順が決められた定型的な業務です。
まずは、従業員への聞き取り調査やアンケートなどを実施し、どのような業務が負担になっているのかを明確にします。
そのなかで、自動化に適している業務があるかどうかを確認しましょう。
自動化する業務が決まったら、次は導入するツールを探しましょう。
自動化ツールにはさまざまな種類があり、RPAひとつとっても、各社で特徴が異なります。
操作性やコストパフォーマンス、セキュリティ面などを考慮して、自社に合ったツールを選定してください。
自動化ツールの製品には、トライアル期間が設けられているものが多くあります。
対象の業務を実際に自動化させて、効果を確かめてみましょう。
トライアル期間内であれば、複数の自動化ツールを試すことができるので、自社に合った製品を比較検討することも可能です。
使い勝手を事前に確認しておくことで、従業員のスキルや企業課題に適したツールを選択できるようになります。
トライアルを実施して大きな問題がなければ、本格的な導入を開始します。
導入後は、業務がどれくらい効率化されたか、定期的に従業員から情報収集し効果を分析することが大切です。
場合によっては「操作が難しく余計に時間がかかった」「操作方法が面倒で結局誰も利用していない」といったことも起こり得ます。
定期的に現状把握や状況分析をしながら、活用方法を見直していきましょう。
データ入力の自動化とは、現在手入力で行っている作業をロボットやAIによって自動的に処理させる方法です。
手作業でのデータ入力と比較して、「作業にかかる時間を削減できる」「打ち込みミスやデータ紛失リスクを防止できる」といったメリットがあります。
データ入力を自動化できるツールは複数あり、ツールによってできる作業が異なります。
自社の課題や問題点の解決に繋がるようなツールを選択しましょう。
画像出典元:pixabay、O-DAN、Burst、Pexels
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