AI技術の発展により画像認識サービスの精度がどんどん向上しており、製造業やセキュリティ業などをはじめ、様々なサービスや業種で応用されています。
今後、ますます多様なビジネスシーンで生産性を向上させ、業務効率化に役立つことが期待できるでしょう。
本記事では、フリーツールを含む導入しやすいおすすめのAI画像認識サービス13選を紹介。
さらには、自社に合った画像認証サービスの選定ポイントについても解説しているのでぜひ参考にしてください。
このページの目次
AI画像認識サービスとは、人工知能の技術を活用して画像を解析し、高い精度で画像の内容を識別・理解することが可能な技術です。
写真や動画に写っている物体の形状・特徴などから、その物体が何であるかを判断したり、どこに写っているのか・どれくらいの大きさなのかを検出できます。
人物や物体以外にもテキストを読み取ったり、情報を紐付けるラベル付けをして一枚の画像に何が写っているのか分類させることも可能です。
画像出典元:「Google Cloud Vision API」公式HP
「Google Cloud Vision API」は、アメリカ合衆国に本社を置くGoogle LLCが提供する画像認証サービスです。
Google独自の機械学習モデルを使用しており、オブジェクト検出や手描き文字の読み取り・有用な画像メタデータの構築などを高速分類できます。
その他にも、不適切な画像を検出してぼかしを施すなど、Google Cloud Vision APIとGoogleサービスを組み合わせることで多くの機能を実現できます。
一方で、料金形態は1画像ではなく1機能の計算となるユニット方式のため、1001ユニット以上は料金が嵩む可能性があるため注意が必要です。
機能 | 〜1,000 ユニット/月 |
1,001~5,000,000 ユニット/月 |
5,000,001以上 ユニット/月 |
ラベル検出 | 無料 | 1.50米ドル | 1.00米ドル |
・テキスト検出 ・顔検出 ・ドキュメント テキスト検出 ・ランドマーク検出 ・ロゴ検出 ・画像プロパティ検出 |
無料 | 1.50米ドル | 0.60米ドル |
セーフサーチ検出 (不適切なコンテンツ) |
無料 | 1.50米ドル (ラベル検出を利用している場合は無料) |
0.60米ドル (ラベル検出を利用している場合は無料) |
クロップヒント検出 | 無料 | 1.50米ドル (画像プロパティ検出を利用している場合は無料) |
0.60米ドル (画像プロパティ検出を利用している場合は無料) |
ウェブ検出 | 無料 | 3.50米ドル | ー |
オブジェクトのローカライズ | 無料 | 2.25米ドル | 1.50米ドル |
(税表記なし)
画像出典元:「Amazon Rekognition」公式HP
「Amazon Rekognition」は、アメリカ合衆国に本社を置くAmazon.com, Inc.が提供する画像認証サービスです。
機械学習の専門知識がなくても、簡単に画像やビデオ分析をアプリケーションへ追加することができます。
高速で正確な顔検出機能が搭載されており、性別や年齢・目の大きさなど様々な属性を分析して取得することができるので、身元確認にも活用可能です。
Amazon Rekognition Image | ||||
API | 〜1,000,000 ページ/月 |
1,000,001~4,000,000 ページ/月 |
4,000,001〜30,000,000 ページ/月 |
30,000,001〜35,000,000 ページ/月 |
・顔の関連付け ・顔の比較 ・顔の関連解除 ・顔の索引 ・画像による顔検索 ・顔検索 ・画像によるユーザー検索 ・ユーザー検索 |
0.0013 米ドル |
0.001 米ドル |
0.0008 米ドル |
0.0005 米ドル |
・顔検出 ・モデレーションラベル検出 ・ラベル検出 ・テキスト検出 ・有名人の認識 ・PPE検出 |
0.0013 米ドル |
0.001 米ドル |
0.0008 米ドル |
0.0003125 米ドル |
画像プロパティ | 0.000975 米ドル |
0.00075 米ドル |
0.0006 米ドル |
0.0002344 米ドル |
(税表記なし)
画像出典元:「Azure cognitive services」公式HP
「Azure cognitive services」は、アメリカ合衆国に本社を置くMicrosoft Corporationが提供する画像認証サービスです。
AIやデータサイエンスのスキルや知識がなくても、Microsoftが学習させたAIの活用により、簡単にアプリケーションを構築することが可能です。
視覚・音声・言語など人間の認知を模した機能を追加できるため、業務の効率化や生産性の向上など身近なAIシステムの活用が期待できます。
Computer Vision S1(画像認識) | ||||
機能 | 〜1,000,000 トランザクション |
1,000,001~ 10,000,000 トランザクション |
10,000,001〜 100,000,000 トランザクション |
100,000,001〜 トランザクション |
・タグ ・顔 ・サムネイル検出 ・色 ・画像の種類 ・関心領域の検出 ・人物検出 ・スマートトリミング |
1米ドル /1,000トランザクション |
0.65米ドル /1,000トランザクション |
0.60米ドル /1,000トランザクション |
0.40米ドル /1,000トランザクション |
・OCR ・成人 ・有名人 ・ランドマーク ・検出、オブジェクト ・ブランド |
1米ドル /1,000トランザクション |
0.65米ドル /1,000トランザクション |
0.60米ドル /1,000トランザクション |
0.40米ドル /1,000トランザクション |
・説明 ・読む ・キャプション |
1.5米ドル /1,000トランザクション |
0.65米ドル /1,000トランザクション |
0.65米ドル /1,000トランザクション |
0.65米ドル /1,000トランザクション |
Content Moderator S0 | ||||
レビュー | 1米ドル /1,000トランザクション |
0.75米ドル /1,000トランザクション |
0.60米ドル /1,000トランザクション |
0.40米ドル /1,000トランザクション |
Face API | ||||
・顔検出 ・顔検証 ・顔識別 ・顔のグループ化 ・似た顔の検 |
1米ドル /1,000トランザクション |
0.80米ドル /1,000トランザクション |
0.60米ドル /1,000トランザクション |
0.40米ドル /1,000トランザクション |
フェイスストレージ | 0.01米ドル(1 か月につき顔 1,000 個あたり) |
(税表記なし)
画像出典元:「Clarifai」公式HP
「Clarifai」は、2013年に創立されたアメリカ合衆国のスタートアップ企業であるClarifai,Inc.が提供する画像認証サービスです。
企業向けや有料のプランもありますが、毎月1,000オペレーションであれば無料で利用が可能です。
画像解析により自動でタグ付けが可能なだけでなく、視覚的な特徴に基づいて類似画像を検出したり関連性の高い画像を順番に表示することもできます。
プラン名 | COMMUNITY | ESSENTIAL | PROFESSIONAL | Enterprise |
月額利用料 | 無料 | 30米ドル | 300米ドル | 要問い合せ |
(税表記なし)
画像出典元:「日立AIソリューション」公式HP
「日立AIソリューション」は、株式会社日立システムズエンジニアリングサービスが提供する画像認証サービスです。
パッケージでの販売ではなく、業務や業種に合わせてカスタマイズしたAIモデルを提供してくれます。
AI画像認証を含めた業務全体の効率化や課題解決を包括的にサポートしてくれるため、安心して導入できます。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Hakky」公式HP
Hakkyは、「データでプロダクトを価値あるものにする」というミッションの元、データとAIの力でプロダクトをアップデートする企業で、画像処理AI開発なども強みとしています。
このような課題解決において、企業のデータ利用環境を最適化しサポートしてくれます。
料金の詳細や見積もりについては相談・面談が必要となります。
詳しい内容について一度、問い合わせてみるのが良いでしょう。
画像出典元:「Deeptector」公式HP
「Deeptector」は、NTTグループであるエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社が提供する画像認証サービスです。
インストール版とクラウド版で用意されているため、自社のポリシーや状況に合わせて選択することができます。
機械学習をさせて画像認識AIを作成するまで一連の作業をワンストップで実現できるため、AIのスキルや知見がなくても導入が可能です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Lightblue Technology」公式HP
2018年に創立されたスタートアップ企業の株式会社Lightblue Technologyが提供する画像認証サービスです。
人に特化した画像解析となっており、カメラ映像から人が何の動作をしているのか、どのような状態にあるのかなど高精度な判定を実現します。
建設現場や製造・物流、飲食・小売など幅広い業種において、人が目で見て判断していた業務の自動化を可能にします。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「computer vision API」公式HP
「computer vision API」は、アメリカ合衆国に本社を置くMicrosoft Corporationが提供する画像認証サービスです。
サイバーセキュリティの研究と開発に年間USD10億を超える投資を行っており、高いセキュリティを誇るAzure上のAPIを無料で使用することが可能です。
機械学習に関するスキルや専門知識がなくても使用できるので、画像認証を活用して業務改善や生産性向上に繋げることができるでしょう。
▶初期費用:無料
▶月額利用料:無料
※5,000件のトランザクション/月 最大12ヶ月間まで
画像出典元:「ImageJ」公式HP
「ImageJ」は、アメリカ合衆国にある国立精神衛生研究所 (NIMH) の研究サービス部門によって開発された画像解析サービスです。
OSに依存しないソフトウェアであるため、Macintosh・Linux・Windowsで同じ動作をしてくれます。
インストール版とブラウザ版が用意されておりどちらも無料で使用できるため、個人でも気軽に使いやすいといえるでしょう。
▶初期費用:無料
▶月額利用料:無料
画像出典元:「AT Image」公式HP
「AT Image」は、日本人の遠藤 善道さんという方が開発した画像解析サービスです。
Windows XPが最新の動作OSとなっているため、リリースから時間が経過してしまっていますが、フリーソフトとして公開しているため無料で使用が可能です。
画像処理や解析の学習として使いやすい反面、PhotoshopやPaintShopのようなことはできません。
▶初期費用:無料
▶月額利用料:無料
画像出典元:「Open CV」公式HP
「Open CV」は、アメリカ合衆国に本社を置くIntel Corporationによって開発された画像処理・解析サービスです。
Windows・Linux・MacOSはもちろん、iOSやAndroidにも対応しており、オープンソースライブラリであるため誰でも無料で使うことができます。
プログラミング言語はC++やJavaなど幅広く利用できますが、主にPythonで使われることが多く、初心者でも十数行のプログラミングで顔検出を実現できる簡単さが特徴です。
▶初期費用:無料
▶月額利用料:無料
画像出典元:「AIメーカー」公式HP
「AIメーカー」は、日本人である2Z(@2zn01)さんによって開発された画像認証サービスです。
Twitterのアカウントを連携してログインすることで、誰でも無料で使うことができるようになっています。
機械学習におけるスキルや専門知識は不要となっており簡単に操作できるだけでなく、完成したAIをサイト上で公開することも可能です。
▶初期費用:無料
▶月額利用料:無料
どこまで精度の高い画像解析が必要であるか、どのような性能があれば事業に活用できるかは選定する際の1つのポイントです。
例えば、製造現場で商品の品質をチェックする際に活用する場合は、高い画像解析の精度と同時に異常検知やレベル判定・分類などの機能が必要となります。
まずは導入において「AIの機械学習は自社で必要なのか」「既にサービス内で学習済みモデルを使用できるのか」など、精度や機能が自社のニーズにマッチしているかを見極めましょう。
画像認識サービスの導入実績やセキュリティ対策も選定する際のポイントです。
画像やビデオから解析を行う場合は、データに人物や製品など個人情報や企業秘密が映っている可能性が高いと考えられます。
導入実績が確認でき安定的な稼働が担保されるか、サイバー攻撃などに対してしっかりとしたセキュリティ対策がされているかは事前にリサーチをしておきましょう。
価格や導入予算も画像認識サービスを選定する際のポイントです。
画像認識サービスは基本的にデータの数量やクラウドの使用量に応じて設定されていることが多く、利用用途によっては高いコストが毎月発生します。
中長期での導入計画を立てて予算を検討するか、無料のサービスから試してみるかを検討すると良いでしょう。
今回ご紹介した画像認証サービスの導入によって、人が目視で確認をしていた作業の削減や施設や機器のセキュリティ管理を自動化できるようになります。
また、顔認証などを活用して出退勤の管理や本人確認のシステム化などもできるようになり、様々なサービスへ応用も期待できます。
画像認証サービスを活用したいと考えている方は、ぜひ今回紹介したツールを参考に導入を検討してみてください!
画像出典元:pixabay