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ユーザー属性や消費行動などの個人情報は、システム開発やマーケティングのために必要です。
しかし、必要以上に情報を取得してしまうと、情報漏えいや不正アクセスのリスクも。
そこでおすすめなのが、必要な情報のみを抽出し、不要なデータは削除してくれる自動マスキングツールです。
自動マスキングツールは機密情報を自動で匿名化してくれるため、適切かつ効率的に個人情報の保護ができます。
本記事では、自動マスキングの重要性や導入するメリットと共におすすめの自動マスキングツール9選を紹介します。
このページの目次
自動マスキングとは個人情報や企業情報など、機密情報が記載された部分を自動で匿名化(マスキング)することです。
機密情報を自動マスキングすることで、プライバシーを保護しながら、安全に商品やサービス開発、マーケティングなどに活用できます。
これまでのデータ管理、手動でのマスキングでは、情報漏えいや不正アクセスなどのリスクがあったため、自動マスキングによる安全なデータ活用法には注目が集まっています。
自動マスキングが重要な理由は「機密情報を適切に保護する」ためです。
データ社会となった近年、個人情報の取り扱いとプライバシーの保護に課題を感じている企業も少なくありません。
しかし、すべての情報を手動でマスキングするには工数も多く、処理漏れや必要なデータが取得できていないなどさまざまな問題が発生します。
自動マスキングであれば、マスキングルールに基づいてデータの匿名化や削除を自動で処理してくれるため、効率的に機密情報が保護できるでしょう。
情報漏えいのリスクを抑えつつ、効率良く取得したデータを活用するには、自動マスキングの活用が重要だといえます。
また、マスキング処理する際に必要な情報のみを抽出できるため、マーケティングやAI開発などにも役立つでしょう。
マスキングが必要な情報はさまざまですが、具体的に下記のような対象物があります。
個人情報のなかでも、特に重要な「機微情報」の取り扱いには気をつけなければいけません。
たとえば、本人確認時に提出された書類の「被保険者番号」や「臓器提供に関する意思表示」など、本人確認に必要ない情報の取得は法律で禁じられています。
自動マスキングであれば、上記の情報も適切なマスキング処理が可能です。
自動マスキングツールを導入する大きなメリットには、次の4つがあります。
自動マスキングはマスキングルールを設定すれば、基本的に自動でマスキング処理をしてくれます。
フリーテキストやファイル形式や書式が異なる場合でも、機械的にマスキング箇所の抽出・削除してくれるので、業務効率化に役立つでしょう。
目視確認の工数が削減できるため、人材不足の企業でも適切なデータ管理が可能になります。
必要箇所のマスキング漏れなど、ヒューマンエラーを低減できるのも自動マスキングツールを導入するメリットです。
精度の高い自動マスキングツールであれば、不鮮明な写真や映像内の看板や人の顔も、しっかりとマスキング処理してくれます。
自動マスキングツールは、機密データの抽出および削除が可能です。
外部へデータ解析を依頼するときも、必要ないデータを削除した状態で共有できるため、機密情報が漏えいするリスクが低減します。
氏名、住所、性別など細かい項目のマスキング処理ができるツールは、システム開発などのテストデータ生成に活用できます。
本番データを使用してのシステム開発は禁止されている企業が多く、テストデータの作成に悩んでいる開発者は多いです。
マスキングされたデータを活用すれば、本番に近い環境で性能チェックや開発ができるでしょう。
ツール名 | マスキング対象 | クラウドorオンプレミス | 活用業界 | 特長 |
---|---|---|---|---|
ProTech AI Masking | 本人確認資料 | クラウド | 年齢確認・会員登録が必要なサービス業 など | BPOサービスと合わせた高精度なマスキングが可能 |
Masking-AI | 映像 | クラウド・ オンプレミス |
保険会社 映像制作会社 医療法人 など |
リアルタイムマスキングで作業時間の短縮 |
AIマスキングロボ | 映像・写真 | クラウド・ オンプレミス |
不動産 映像制作会社 |
平均90%以上の高精度マスキング |
Polarify eKYC ライト | 本人確認資料 文書 |
クラウド | 金融 年齢確認が必要なサービス業 など |
さまざまな文書のフォーマットに対応 |
SYS AI-Masking | 映像 本人確認資料 |
クラウド・ オンプレミス |
映像制作会社 医療法人 など |
1枚約3秒の高速マスキング |
画像出典元:「ProTech AI Masking」公式HP
「ProTech AI Masking」は、さまざまなアップローダーを使用して24時間365日間自動マスキング処理ができるツールです。
保険証や運転免許証など、さまざまな本人確認書類をマスキング処理できるだけでなく、BPOによって高性能な検知精度になっています。
また、eKYCサービスとも連携できるため、さまざまなサイトへのアップロード対応も可能です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Masking-AI」公式HP
「Masking-AI」は、人の顔は30fps、車のナンバープレートは20fpsまでの映像をリアルタイムマスキングできる自動マスキングツールです。
情報量の多い映像でも、最新の技術を使った独自のライブラリを活用して、高精度なマスキング処理ができます。
マスキング処理専用のPC提供もあり、セキュリティ面が気になる企業も安心です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「AIマスキングロボ」公式HP
「AIマスキングロボ」は、30fps映像をリアルタイムでマスキング処理できる自動マスキングツールです。
文字や人物の顔を最短0.06秒で抽出、マスキング処理してくれるため、テレビ業界や動画配信者の方におすすめです。
抽出精度も平均90%以上と高く、大量のマスキング処理が必要なときも大幅に作業工数が低減できるでしょう。
クラウド版、オンプレミス版が用意されているため、自社のセキュリティや運用方法に合わせて導入できるのも特徴です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Polarify eKYC ライト」公式HP
「Polarify eKYC ライト」は、運転免許証の真贋判定や顔写真の使いまわしなど、不正利用防止のオプション機能がついた自動マスキングツールです。
撮影フローの柔軟さや、OCRサービス、BPOサービスなどの便利な機能が豊富なため、自社の利用用途に合わせたカスタマイズができます。
自社で運用要件が決定すれば、平均3ヶ月で導入できるので、具体的な要件を先に考えておくとよいでしょう。
導入時に初期費用が発生し、月額利用料金は基本料金+従量料金がかかります。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「SYS AI-Masking」公式HP
「SYS AI-Masking」は、免許証などの申請書類を1秒間で3枚ほどマスキング処理できる超高速自動マスキングツールです。
認識率約95%と精度も高く、画質の荒い写真などももれなくマスキングできるでしょう。
クラウド版であれば10万円から利用できるため、初期コストをかけたくない企業におすすめです。
クラウド版 | オンプレミス版 | |
利用料金 | 100,000円〜/月 | 4,000,000円〜 |
マスキング枚数やPC要件等によって料金が異なります。詳細についてはお問い合わせが必要です。
ツール名 | マスキング対象 | クラウドorオンプレミス | 活用業界 | 特長 |
---|---|---|---|---|
aiezmask | 要介護認定資料 | クラウド | 老人ホーム 要介護審査が必要なサービス業 |
別サービスと組み合わせて紙文書をマスキングデータへ変換 |
MetaVu | 映像 | オンプレミス | 映像制作会社 など | マスキング対象の変更が可能 |
個人情報マスキングAIツール | 文書 | クラウド・ オンプレミス |
行政 映像制作会社 など |
WebAPIへの組み込みが可能 |
画像出典元:「PRIVACY MASKING」公式HP
「PRIVACY MASKING」は、リアルマスキング処理に対応した自動マスキングツールです。
カメラの画質が悪い場合でも、人の顔や車のナンバープレートなどをしっかりと検知してくれるため、ストリーミング配信時も心配ありません。
また、クラウド、オンプレミスに対応しているので、セキュリティ面も万全です。
自動車メーカーや監視カメラ設置会社での導入実績もあり、映像マスキングツールを探している企業に向いています。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「aiezmask」公式HP
「aiezmask」は、自治体の介護認定に必要な審査会資料のマスキングに特化した自動マスキングツールです。
PDFをアップロードすると自動で個人情報をマスキング処理し、必要に応じて文書の確認、修正もできます。
1STEPでマスキング処理が完了するため、要介護者認定数の増加に伴う職員の負担軽減も期待できるでしょう。
紙文書を自動テキスト化したい場合は、別サービスのAI-OCR機能が利用できます。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「MetaVu」公式HP
「MetaVu」は、マスキング処理したい対象物を指定できる自動マスキングツールです。
車のナンバープレートや人の顔などを対象としたり、映像全体の一部の対象物のみをマスキング対象外としたり、調整できます。
シンプルな操作性なので、動画編集に慣れていない方でも作業に手間取らないでしょう。
テレビ局で導入された実績もあり、マスキング対象の変更が出来るツールが欲しい企業に向いています。
利用ライセンス数に応じて価格が異なるため、詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「個人情報マスキングAIツール」公式HP
「個人情報マスキングAIツール」は、WebAPIにも組み込める選べるUIが特長の自動マスキングツールです。
AIが文章中の個人情報を自動検知してくれるため、コールセンターの対応履歴や提案履歴などを匿名化して共有できます。
クラウド、オンプレミス両方に対応しているので、特に厳格な情報管理が求められる金融、行政でも導入しやすいでしょう。
詳細については、お問い合わせが必要です。
ここからは自動マスキングツールを導入する際の比較ポイントを3つ解説します。
自動マスキングツールを比較する際、押さえておきたいポイントは「対応しているデータ・ファイル形式」です。
たとえば、自社システムやデータベースに対応させる場合、CSVやParquetなど汎用性の高いファイル形式に対応しているか確認するとよいでしょう。
また、Microsoft SQL ServerやOracle Databaseなど、データベースの形式も確認してみてください。
初期の導入や運用、保守にかかわるため、自動マスキングツールを導入前に比較しておきたいポイントです。
クラウド型は比較的コストが安価で、システム要件を定義できればすぐに導入できるのがメリットですが、大量のデータ処理には別料金が発生する可能性も。
一方、オンプレミス型はシステム構築や運用・保守の手間はあるものの、自社専用にカスタマイズしやすいメリットがあります。
取り扱うデータの機密レベルによっては、オンプレミス型のほうがよいケースもあるため、処理するデータ量やコスト、セキュリティなど総合的に判断するとよいでしょう。
マスキング処理した後、元データが残るのか、上書きされるのかも確認しておくのがおすすめです。
元データに上書きされる不可逆性マスキングツールの場合、マスキング箇所の修正や情報の再取得が難しくなります。
マスキング処理した後に比較修正ができる「aiezmask」のようなツールであれば、適切に必要な情報が取得できるでしょう。
利用用途や取得するデータに合わせて、元データの保持や取り扱い方法についても確認してみてください。
業務のなかで取得した有用なデータを活用するためにも、個人情報のマスキングは重要です。
膨大な情報も自動マスキングツールを使えば、効率的かつ漏れなくデータを保持できるでしょう。
自動マスキングツールを導入する際は、自社システムで取り扱っているファイル形式との互換性や、ツールの操作性について比較してみてください。
画像出典元:写真AC