画像生成や自動音声応答など、私たちの日常にAIを活用したツールが増えてきました。
自社でもAIを導入したいと感じつつも、専任プログラマーがいなくて諦めた方もいるのではないでしょうか。
近年、専門的な知識がなくてもAIモデルが作成できる、画期的なツールが注目を浴びています。
今回は手軽にAIモデルが作成できるAIモデル作成ツール11選をご紹介します。
導入するメリットや選ぶポイントについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
このページの目次
AIモデル作成ツールとは、機械学習やプログラミングの知識がなくてもAI開発ができるツールのことです。
AIモデル作成ツールは、AI開発に必要なデータ収集や前処理、モデル構築など、必要な機能が搭載されています。
これまでAI開発を行うには専門的な知識が必要でしたが、AIモデル作成ツールは直感的なマウス操作のみで開発ができます。
AIモデル作成ツールはクラウド上で開発できるツールが多く、従来のAI開発よりもコストと手間を削減できるのが特徴です。
製品によって作成できるAIモデルの特徴が異なり、特定の課題解消を目的とした特化型と、画像認識や音声認識などさまざまなAI技術を活用できるPaaS系AIツールがあります。
プログラマーがいなくても、効率よく自社やプロジェクトにあったAI開発ができるため、AI市場への敷居が低くなったともいえるでしょう。
AIモデル作成ツールのメリットとして、小規模でAI開発できる点が挙げられます。
はじめてAIを導入する企業であれば、一部の領域や業務などで効果検証を行いながら段階的にAIを活用していきたいと感じるでしょう。
AIモデル作成ツールなら、一部の業務に特化したAIモデルの開発も柔軟に対応できるため、大掛かりなAI導入が難しい企業も安心です。
AIモデル作成ツールはプログラミング知識がなくても、実用的なAIモデルの作成が可能です。
AI開発に必要な機能は基本的に最初から搭載されているため、専門エンジニアがいなくてもAI開発ができます。
手軽にAIモデルの開発と運用が実現でき、社内にAI開発の知見がない場合でも業務の効率化や新しいニーズへの対応ができるでしょう。
ITスキルの低い新入社員でもAIモデルの開発に携われるため、エンジニア不足にも対応できる画期的なシステムでもあります。
ツールによっては簡単な登録だけでAI開発ができるAIモデル作成ツールは、開発コストや人件費の削減が期待できます。
社内で一からAI開発しようとすると膨大な時間と開発コストがかかりますが、AIモデル作成ツールであれば比較的低コストかつ短期間にAI開発が可能です。
AIモデル作成ツールには導入コストや運用コストが必要ですが、専任エンジニアが不要なため自社開発と比較して圧倒的にコストを削減できます。
自社の分野にあったAIモデルを活用すれば、より短期間かつ低コストにAI開発ができるかもしれません。
画像出典元:「Google Colaboratory」公式HP
「Colaboratory」は、Googleが提供するブラウザ上でPythonが実行できるサービスです。
機械学習に必要な外部ライブラリが利用でき、有料プランであれば高性能なGPUが利用できます。
無料プランでも十分な性能を持っていますが、有料プランでは性能のよいGPU、長時間実行が利用可能です。
さらに大きなメモリも使用できるため、より安定した計算が実現するでしょう。
▶初期費用:無料
▶月額利用料:無料
【有料プラン料金表】
Pay As You Go | Colab PRO /100コンピューティングユニット |
Colab PRO+ /500コンピューティングユニット |
|
初期費用 | 無料 | ||
月額利用料 | 従量課金 | 1,179円 | 5,767円 |
実行時間 | 最長12〜24時間 | 最長24時間 |
(税表示なし)
画像出典元:「Neural Network Console」公式HP
「Neural Network Console」は、SONYが提供している高性能AIモデル作成ツールです。
ドラッグ&ドロップで簡単にAIモデルの作成、編集ができます。
メールアドレスなど簡単な登録を済ませると、すぐに利用できるのも特徴の一つです。
ニューラルネットワーク構造も自動で構造検索してくれるため、面倒なネットワークの微調整が必要ありません。
学習履歴の管理もダッシュボードで簡単に確認できます。
▶初期費用:要問合せ
▶月額利用料(税抜):50,000円〜
▶CPU/GPU利用料(税抜):5,200円〜
▶追加ワークスペース:200円(10GB追加)
画像出典元:「Watson」公式HP
IBMが提供している「Watson」は、ビジネス活用を目的としたAIモデル作成ツールです。
コールセンターの支援や、お客様サポートの自動化など、ユーザー向けサービスに活用されています。
無料プランが用意されているため、操作感や構築済みモデルの精度なども事前に確認できるでしょう。
用意されている学習モデルは、厳選した信頼性と効率性を兼ね備えたIBM独自の基盤モデルが使用できます。
▶初期費用:要問合せ
▶月額利用料(税抜):$140〜
▶無料トライアル:あり
画像出典元:「DataRobot」公式HP
「DataRobot」は、世界的コンペであるkaggleの上位データサイエンティストが構築した、手軽さがウリのAIモデル作成ツールです。
モデルの構築やMLOpsの検証の自動化、本番環境へのデプロイ準備も自動で完了します。
あらゆる人が簡単にAIモデルを作成できるよう、3,000種類のモデルの中から適した予測モデルを提供、構築可能です。
RやPythonで作成した予測モデルの取り扱いもできるため、本格的なAIモデルの作成をしたい企業にも向いています。
詳細については、お問い合わせが必要です。
▶無料トライアル:あり(30日間)
画像出典元:「MatrixFlow」公式HP
「MatrixFlow」は、社内にAIやプログラミングに知見がいる人材が不足している企業におすすめのAI作成モデルツールです。
課題別のAIテンプレートが用意されているため、誰でも簡単に求めているAIモデルが作成できます。
最低100件以上のデータがあれば、精度の高いAIモデルの作成が可能です。
AIやMatrixFlowの操作に不安がある場合は、勉強会も実施してもらえるので、はじめてAI導入する場合でも安心でしょう。
詳細については、お問い合わせが必要です。
▶無料トライアル:あり
画像出典元:「RapidMiner」公式HP
株式会社KSKアナリティクスが提供する「RapidMiner」は、世界中で利用されているAIモデル作成ツールで、高速なデータ分析を得意としています。
データサイエンティストが行う高いレベルのデータ分析を、ドラッグ&ドロップだけで実現可能です。
分析に活用するデータの前処理から可視化、モデル作成〜運用まで一気通貫で開発できるのも特徴にあります。
詳細については、お問い合わせが必要です。
▶無料トライアル:あり
また、RapidMinerでは、実務直結型のトレーニング講座が用意されています。
【RapidMiner Learningサブスクリプション料金プラン】
Educational | Standard | Advanced | Enterprise | GLP |
無料 ※学生のみ |
月額 199,000円/人 |
年額 360,000円/人 |
年額 3,600,000円 ※社内無制限 |
3ヶ月 1,000,000円/25人 |
画像出典元:「AutoML」公式HP
「AutoML」は、Googleのクラウド上で計算された機械学習モデルを活用できるAIモデル作成ツールです。
機械学習やディープラーニングなどの専門的知識がなくても、学習済みの機械学習モデルを活用することで簡単にAIモデルが作成できます。
利用料金は取り扱うデータ、ノード時間によって異なり、利用した分だけ課金される従量課金制です。
取り扱うデータやノード時間による従量課金制です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
▶無料トライアル:あり($300クレジット分)
画像出典元:「Create ML」公式HP
「Create ML」は、Appleが提供するMac向けのAIモデル作成ツールです。
オブジェクト検出や形状識別などの画像識別モデルをはじめ、ビデオやモーション検知、音声識別や表形式、テキスト識別など6種類のプリセットモデルが用意されています。
Swiftのスクリプトが活用できるため、モデル試行の自動化も可能です。
ドラッグ&ドロップだけで、機械学習モデルが作れる手軽さも魅力のひとつでしょう。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Azure Machine Learning」公式HP
「Azure Machine Learning」は、ほかのMicrosoft製品との互換性もあるAIモデル作成ツールです。
Microsoftが提供しているクラウドサービス「Azure」を利用して、AIモデルの構築からデプロイまでオールインワン開発ができます。
プログラミング知識がなくても使用できるツールですが、Pythonなどを組み合わせればより高度なAIモデル開発が可能です。
クラウドで学習するため、AIモデルを開発するマシンのスペックが低くても利用しやすいのは嬉しいポイントでしょう。
▶初期費用:無料
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「AI画像認識エンジン構築サービス」公式HP
「AI画像認識エンジン構築サービス」は、Panasonicがこれまで培ってきた製造ノウハウを生かしたAI画像認識ツールです。
製品の不良検知や部品識別、ラベルの読み取り、紫外線カメラや赤外線カメラで撮影した果物の傷検出など、さまざまなシーンで活躍します。
学習モデルの作成は直感的な操作でできる専用ソフトが用意されていて、プログラミング知識がなくても学習データを評価するアプリの作成が可能です。
画像認識処理を行うための「画像認識ライブラリー」の作成も、専用ソフトで簡単に開発できます。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Deep Analyzer」公式HP
「Deep Analyzer」は、画像分類や物体検出・異常検知など代表的なアルゴリズムが最初から登録されているAIモデル作成ツールです。
ノーコードでAI開発できるツールで、マウス操作のみでAI開発から学習、検証ができます。
プリセットされているアルゴリズムは「画像分類・ペア画像生成・物体検出・教師なし学習&生成・異常検知・音源分類」の6種類です。
製造現場や農業、医療などの現場で導入されていて、不良品の分類や機械の異常検知、患者の見守りなどに活用されています。
詳細については、お問い合わせが必要です。
AIモデル作成ツールを選ぶ際は、専門的な知識・技術がなくても扱えるか確認しておきましょう。
多機能なAIモデル作成ツールは高度なAIモデルの作成には向いていますが、専任エンジニアがいない場合、うまく使いこなせない可能性が高いです。
社内に専任エンジニアがいないようであれば、下記のポイントに合うAIモデル作成ツールを選ぶようにしましょう。
AIモデル作成ツールには業界に特化したツールがあり、汎用性の高いツールよりも自社業界に特化したツールのほうが扱いやすいです。
ツールによって得意分野が異なるため、業界にマッチしていないと求めるAIモデルが作成できません。
業界独自の工程や習慣に対応できるAIモデル作成ツールか調べる際は、導入実績を確認し、どの分野に特化しているか確認してみてください。
AIモデル作成ツールを導入する際は、サポート体制を確認しておきましょう。
専門的な知識がなくてもAIモデルを作成できるとはいっても、ある程度知識がなければスムーズなAI開発はできません。
特にはじめてAI開発を行う企業であれば、専門的知識を保有したエンジニアが24時間いつでもサポートしてくれるようなツールがおすすめです。
AIモデル作成ツールは、誰でもAIモデルを作成できるよう設計されています。
専任プログラマーがいなくてもAIが導入できるため、使いこなせれば業務効率化も実現するでしょう。
しかし、設計したい内容や解消したい課題がなければ、うまく活用できません。
AIモデル作成ツールをうまく活用したいのであれば、自社の業界や職種に合っているのか確認してから導入するようにしましょう。
画像出典元:写真AC
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