AIエージェントを導入することで、業務効率化や顧客対応の質を飛躍的に向上させることが可能です。
しかしながら、種類や機能が多岐にわたるため、どのサービスを選ぶべきか迷うことも少なくありません。
本記事では、おすすめのAIエージェント9選を徹底比較し、それぞれの特徴や強みを紹介します。
AIエージェントの基礎知識や活用のメリット、導入時の注意点、選定ポイントなども詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
AIエージェントとは、人間の指示に応じてタスクを実行しつつ、自律的に学習・判断して業務を支援するAIシステムのことを指します。
自然言語処理や機械学習などの技術を駆使し、対話を可能にするとともに、状況に応じた柔軟な対応が行える点が最大の特徴です。
AIエージェントと生成AIは、どちらも人工知能を活用しますが、その役割や用途には明確な違いがあります。
生成AIは、おもにテキストや画像などのコンテンツ生成に特化しており、たとえば文章作成や画像生成などで活用されるのが一般的です。
一方、AIエージェントは、生成AIのようなコンテンツ生成能力に加え、タスクの実行・自律的な学習・システム連携など、業務全体を支援する機能を備えています。
つまり、生成AIは「創造」に強みを持つツールであり、AIエージェントは「実行と支援」に強みを持つツールです。
AIエージェントは、大量のデータを自律的に管理する機能を備えています。
人間が手をかけずとも、情報の収集をはじめ、整理・分析・保存などのタスクを効率的に行うことが可能です。
たとえば、毎月の売上データを手動で整理していたものが、売上データや顧客のフィードバックを自動的に収集し、カテゴリー別に整理されるようになります。
そして、必要な情報をすぐに検索できる状態にすることが可能です。
AIエージェントは、過去のデータや現在の状況を的確に分析し、最適な判断ができます。
膨大なデータを活用し、機械学習アルゴリズムを用いて意思決定を支援することで、業務プロセスの合理化を実現します。
たとえば、顧客の取引履歴や市場の動向を分析し、最適な投資戦略を提案することが可能です。
これにより、業務の効率化だけでなく、企業の収益向上にも寄与します。
AIエージェントは、ユーザーの行動や環境の変化に応じて継続的に学習し、その機能を進化させることができます。
たとえば、顧客の好みを学習させてパーソナライズされた提案を行ったり、新しい業務フローや規則にも柔軟に対応することが可能です。
この適応能力により、利用を重ねるごとに精度が向上し、企業のニーズにより精密に対応できるようになります。
APIを介して、既存のCRM(顧客関係管理システム)、ERP(基幹業務システム)などと統合し、データやプロセスを一元化することが可能です。
これにより、分断されたシステム間での情報共有がスムーズに行われ、業務全体におけるパフォーマンスの向上が期待できるでしょう。
さらに、異なる通信プロトコルやデータ形式にも柔軟に対応でき、レガシーシステムから最新のクラウドサービスまで幅広い情報交換を実現します。
各システムの特性や負荷状況を考慮してタスク分散処理も実行できるので、システム全体の最適化にも有効です。
AIエージェントを選定する際には、まず自社にとって必要な機能が何かを明確にすることが重要です。
たとえば、顧客対応に特化したAIエージェントを求める場合、自然言語処理や多言語対応の能力が求められるでしょう。
一方で、ルーチンワークの効率化を目的とする場合には、データ処理や分析機能の精度が重要です。
AIエージェントが自社の業務フローや目標に適合しているかを検証することで、最大限の効果が得られます。
AIエージェントは、運用する従業員にとって使いやすいものであることが不可欠です。
操作が難しいインターフェースは、導入後の活用率の低下につながることがあります。
トライアルやデモを活用して、負担なく活用できるかを確認することが大切です。
くわえて、適切なサポート体制があるかどうかも確認しましょう。
AIエージェントのサポート体制は、対応方法(メール・チャット・電話)や対応時間(24時間対応か)、日本語サポートの有無の確認が重要です。
無料プランではサポートが限定的で、有料プランでは専任サポートや優先対応が受けられることが多いです。
最近はAIチャットボットを活用した自己解決型サポートも増えています。
迅速で充実したサポートがあるかを比較し、トラブル時に安心できるサービスを選びましょう。
企業が成長するにつれて、AIエージェントに求められる役割や機能も変化する可能性があります。
システムが容易にカスタマイズできるか、あるいは新しい機能を追加できる柔軟性を持っているかが重要です。
また、外部のシステムやツールと連携できる互換性も重要な要素といえるでしょう。
導入後のアップデートや保守体制が整備されているかを確認することで、将来の課題に柔軟に対応できるAIエージェントが選べます。
ツール名 | 主な特徴 | トライアル | サポート体制 | 機能 |
---|---|---|---|---|
AgentGPT |
多様なコンテンツの自動化を実現
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無料プラン
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プランによりサポート範囲が異なる
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・タスクの自動実行 ・マルチエージェントの連携 ・カスタムタスクの作成
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AutoGPT |
機械学習モデルのため、使うほどに精度が向上する
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オープンソース
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要問合せ
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・タスクの自動化 ・LLMによる高度な言語処理 ・情報収集/データ分析
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CrewAI |
フォーチュン500社のうち40%が導入している
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オープンソース
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メールおよび コミュニティフォーラム
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・AIエージェントテンプレート ・エージェント設計 ・タスクの監視と分析
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CAMEL-AI |
AIとAIが会話しながら 課題を解決
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オープンソース
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メールサポート
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・エージェントのカスタマイズ ・マルチエージェントシステム構築 ・多様なAIモデルとの統合
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AutoGen |
AIと人間の協調による安全な意思決定が可能
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オープンソース
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メールサポート
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・マルチエージェント協調 ・ヒューマンインターフェース制御 ・最適化された高度な大規模言語 モデル(LLM)推論
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ZEALS AI Agent |
計画・記憶・振り返りの機能で、複雑なタスクも自動化できる
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デモあり
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万全なサポート体制
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・インテリジェント会話 ・自律的なタスクの実行 ・マルチチャネル対応
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JAPAN AI AGENT |
日本のビジネスシーンに最適化されたシステム
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要問合せ
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専任担当による伴走サポート
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・標準/独自のAIエージェント作成 ・画像生成/ロゴ作成/動画生成 ・コンテンツ作成
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Agentforce |
ローコードで AIエージェントのカスタマイズができる
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無料プラン
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専門家による手厚サポート
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・AIエージェントの構築とカスタマイズ ・自然言語処理による自律的な会話 ・既存システムとのシームレス連携
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watsonx Orchestrate |
AIがアシスタントとして 一緒に仕事を進めてくれる
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トライアル (30日間)
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要問合せ
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・AIエージェント設計 ・自然言語対話システム ・多様なタスクの自動化
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画像出典元:「AgentGPT」公式HP
「AgentGPT」は、自律型AIエージェントを、直接ブラウザ内で簡単に作成・展開できるプラットフォームです。
エージェントに名前と目標を設定するだけで、自動的に目標達成に向けたプロセスを自律的に実行します。
GPT-4などの大規模言語モデルを活用し、戦略の策定から実行、結果の提供までを人間の介入なしに実現することが可能です。
評価の高いポイント3つ★★★
主な機能 |
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デメリット | 英語出力が基本となるため、日本語でのコンテンツ生成には翻訳ツールなどとの併用が必要 |
サポート体制 | プランによってサポート範囲・対応が異なる |
こんな企業におすすめ |
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Free Trial | PRO | Enterprise | |
初期費用 | 0ドル | ||
月額利用料 | 0ドル | 40ドル | 要問合せ |
画像出典元:「AutoGPT」公式HP
「AutoGPT」は、ユーザーから割り当てられた目標を達成するため、自ら考え、計画し、実行する自律型AIエージェントです。
単一タスクだけでなく、複数のタスクを連携させる機能を搭載しているため、日常業務はもちろん、複雑な業務の自動化にも対応します。
また、オープンソースとして提供されており、商用利用や企業ニーズに合わせたカスタマイズも可能です。
評価の高いポイント3つ★★★
主な機能 |
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デメリット | プロンプトを具体的かつ詳細に設定する必要がある |
サポート体制 | 具体的なサポート内容については確認が必要 |
こんな企業におすすめ |
|
基本的に無料で利用できますが、OpenAI APIの使用量に応じて課金が生じます。
具体的な料金については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「CrewAI」公式HP
「CrewAI」は、複数のAIエージェントを組み合わせ、さまざまなタスクの自動化を実現するPythonフレームワークです。
業務フローや人間の意思決定プロセスを自然に反映できる仕組みとなっており、実際のビジネスロジックをAIシステムへ移行する際もスムーズに行えます。
専用フレームワークやテンプレートを活用することで、プログラミング技術者だけでなく、業務の専門家もシステム設計に参加できる点が特徴です。
評価の高いポイント3つ★★★
主な機能 |
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デメリット | 環境構築や運用には、一定の技術知識を持つ人材の確保や育成が求められる |
サポート体制 | メールおよびコミュニティフォーラムによるサポート |
こんな企業におすすめ |
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詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「CAMEL-AI」公式HP
「CAMEL-AI」は、自律的なAIエージェントが協働し、タスクの分担や進行を効率化させるAIプラットフォームです。
プロンプトに対して、エージェント同士が対話を行い、効率的かつ最適な解決策を導きます。
AI同士が会話して課題を解決するため、人間の知識や思考に依存せずにタスクを実行できる点も大きな強みです。
評価の高いポイント3つ★★★
主な機能 |
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デメリット | タスクを繰り返すことでコストがかかる |
サポート体制 | メールでのサポートのみ |
こんな企業におすすめ |
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詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「AutoGen」公式HP
「AutoGen」は、Microsoftが開発した自律型AIエージェントで、複数のAIが互いに協力し合いながら複雑なタスクをこなします。
完全自動化ではなく、進行中に重要なタイミングで確認や承認を求める、「人間参加型設計」となっている点が、このフレームワークの特徴です。
AIの効率性と人間の判断をバランスよく融合させることで、より精度が高く信頼性のある結果を導き出します。
評価の高いポイント3つ★★★
主な機能 |
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デメリット | 運用には一定の専門知識が必要 |
サポート体制 | メールでのサポートのみ |
こんな企業におすすめ |
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オープンソースソフトウェアのため、無料で利用できます。
画像出典元:「ZEALS AI Agent」公式HP
「ZEALS AI Agent」は、生成AIを基盤に、高度な自然対話を実現する自律型AIエージェントです。
AIエージェントに搭載された「計画・記憶・振り返り」の機能により、目標を設定するだけで、複雑なタスクも自律的に実行できます。
評価の高いポイント3つ★★★
主な機能 |
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デメリット | コード生成が必要な開発系のサポートは難しい |
サポート体制 | 安心して利用できる万全なサポート体制 |
こんな企業におすすめ |
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完全成果報酬型のため、詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「JAPAN AI AGENT」公式HP
「JAPAN AI AGENT」は、日本企業のビジネスシーンに最適化された、実用性の高い自律型AIエージェントです。
市場調査・画像生成・コンテンツ作成など、多様なタスクに対応できる数十種類以上のAIエージェントを標準装備。
企業の業務フローに合わせて、独自のエージェントにカスタマイズすることも可能です。
評価の高いポイント3つ★★★
主な機能 |
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デメリット | 比較的新しいサービスのため、実際の運用において予期せぬ課題が発生する可能性がある |
サポート体制 | 専任担当による伴走支援 |
こんな企業におすすめ |
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詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Agentforce」公式HP
「Agentforce」は、主体的に行動し、リアルタイムの顧客対応を自動化する、完全自立型AIエージェントです。
既存のSalesforceプラットフォームとシームレスに連携し、豊富なデータを活用することで、よりパーソナライズされた顧客体験を提供します。
標準搭載されたAIエージェントを、ローコードでカスタマイズできる点も大きな特徴です。
評価の高いポイント3つ★★★
主な機能 |
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デメリット | 高度にカスタマイズする場合、専門知識やスキルが必要となる可能性がある |
サポート体制 | 導入から活用まで、専門家による手厚サポート |
こんな企業におすすめ |
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Salesforce Foundation | Agentforce | Standard Success Plan | |
初期費用 | 0円 | ||
利用料 (JPY/会話1件あたり) |
0円 | 240円 | 要問合せ |
(税表記なし)
画像出典元:「watsonx Orchestrate」公式HP
「watsonx Orchestrate」は、生成AIを活用した、IBMが提供するAIエージェントおよびAIアシスタント、自動化ソリューションです。
自然言語での指示に基づき、複数のアプリケーションやシステムを連携させ、タスクの自動化を実現します。
ローコード・ノーコード開発のため、コーディングなど専門的な技術知識がなくても、直感的な操作で業務プロセスの自動化が可能です。
評価の高いポイント3つ★★★
主な機能 |
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デメリット | 既存の業務フローの見直しが必要となる場合が多い |
サポート体制 | サポート内容に関しては、問い合わせが必要 |
こんな企業におすすめ |
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Essentials | Standard | |
初期費用 | 無料 | |
月額利用料 | 1,500ドル | 4,500ドル |
AIエージェントは24時間365日稼働し、データ入力や定型的な文書作成、スケジュール管理といった反復的な業務を継続的に処理することが可能です。
これにより従業員は、より戦略的なコア業務に時間を費やすことが可能となり、企業全体の生産性が向上します。
AIエージェントを導入することで、日常業務全般の効率が大幅に向上し、企業におけるリソースの最適化も期待できるでしょう。
AIエージェントは、常に一貫した対応を提供し、感情に左右されることなく正確な情報を迅速に提供することが可能です。
とくに顧客サポート分野では、基本的な問い合わせに対して迅速に対応することで、待ち時間を大幅に削減できます。
また、過去の対応履歴や顧客データを活用することで、個々の顧客ニーズに合わせたパーソナライズされた質の高いサービスを提供することも可能です。
これにより、顧客エクスペリエンスの質が向上し、結果的に顧客ロイヤリティの強化につながります。
人間が行う作業では疲労や注意力の低下により、誤入力や計算ミスが発生する可能性があります。
一方、AIエージェントは、プログラムされたルールに従って正確に処理するため、ミスなく遂行することが可能です。
とくに、金融取引や在庫管理といった正確性が求められる業務において、このメリットは顕著であるといえるでしょう。
AIエージェントは、大量のデータを処理する際でも一貫した精度を維持し、人為的ミスによる損失やリスクを最小限に抑えられます。
これにより、業務の信頼性が向上し、企業における競争力強化にもつながるでしょう。
AIエージェントは高度な技術に基づいて動作しており、適切に運用するためには、アルゴリズムの理解やシステムの構成など専門的な知識が求められます。
とくに、AIエージェントの導入時には、業務フローや目標に合わせ、AIの設定を最適化しなければなりません。
運用中も、継続的なモニタリングや改善が求められるほか、状況の変化に応じた学習データの更新や新たな対応パターンの追加も必要となるでしょう。
こうした管理を怠ると、AIエージェントのパフォーマンスが低下し、期待する成果を得ることが難しくなります。
専門知識を持った管理者の存在は、AIエージェントの成功運用において重要な要素です。
AIエージェントは多様なタスクの自動化が可能ですが、すべての問題を自律的に解決できるわけではありません。
たとえば、AIが未経験の質問や予期しない状況に直面した場合、適切な対応ができず、誤った判断を下してしまうリスクがあります。
こうした予測不能なトラブルや高度な判断を要する状況では、人間の介入が不可欠です。
そのため、万が一の事態に備え、迅速に対応できる体制を整えることが重要です。
必要に応じて人間が介入できる仕組みを構築することで、システム全体の安定性を保ちながら、顧客や業務への影響を最小限に抑えられます。
もっと詳しくAIエージェントについて知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
AIエージェントの導入は、企業の業務効率化や顧客対応の向上を実現するうえで、とても有効な選択肢です。
自社の課題や目標に合った適切なサービスを選定し、段階的に導入することで、生産性の向上や人材の有効活用が期待できます。
ぜひ、AIエージェントを導入し、次世代のビジネス運用を始めてみてはいかがでしょうか。
画像出典元:O-dan