電子帳票システムとは、紙の帳票をデータ化して、送受信・保存・管理ができるシステムです。
見積書や請求書などのデータ化推進や、電子帳簿保存法への対応が求められる今、導入企業が増え注目を浴びています。
以前は、これらの書類は法定の保存期間も長く、企業独自のフォーマットが多いため電子化しづらいと思われていましたが、昨今の電子帳票システムは手軽で法令対応も可能なものが沢山あります。
今回は世間に数多く展開されている電子帳票システムの中から、おすすめの18選をご紹介します!それぞれの特徴をまとめたので、比較検討する際のご参考にしていただければと思います。
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このページの目次
電子帳票システムとは、商品の売買や在庫管理情報など、会計業務に使用する帳簿をデジタル化し、クラウド管理するためのシステムです。
電子帳票システムの導入によって、以下が期待できます。
毎回帳簿から請求書などを紙に出力して管理する手間が省けることにより、効率的に会計業務を進められるようになります。
画像出典元:「ショルイラ」公式HP
「ショルイラ」は働き方改革の実現に役立つ帳票のペーパーレス化サービスです。
パソコンやタブレット・スマートフォンを活用し、場所を問わずに記録や業務指示が可能になります。
紙のコスト削減だけでなく確認・承認作業もオンライン化できるので業務効率化が可能となる点も魅力です。
初期費用や月額費用はお問合せが必要となります。
無料トライアルが用意されているので、まずは使ってみたい!という企業におすすめです。
「FIBRIDGEII」は、電子帳票システム12年連続シェアNO.1を誇る数多くの導入実績を持つシステムです。
金融・製造・流通・サービス・公共など業種を問わず対応しており、高速処理による帳票の即時閲覧や、高い拡張性を活かした全社帳票の集中管理を実現できます。
帳票ごとの参照権や機能制限など、きめ細かい権限設定も可能となっており、複数サーバーを使用したとしても内部統制が乱れる心配はありません。
画像出典元:「楽楽明細」公式HP
楽楽明細(らくらくめいさい)はあらゆる帳票をクラウド上で発行できるWeb帳票発行システムです。
帳票データをアップロードするだけで自動発行されるので、印刷・封入・発送の手間がかかりません。
また、送付した帳票のステータス管理ができる機能や、メールに添付したURLから帳票をダウンロードできる機能など、便利な機能を多数搭載。
初期費用:100,000円~
月額費用:25,000円~
画像出典元:「Bill One」公式HP
「Bill One」は、紙の請求書の受領代行も可能な受取請求書データ化サービスです。
スキャンニングされた請求書は、AI・OCR・オペレーターによりデータ化され、そのデータ化の精度は99.9%の正確性を保持しています。
紙の請求書は代理で受け取ってもらえて、面倒なスキャンも代行。電子帳簿保存法/インボイス制度で求められる要件や対応については、Bill Oneが請け負ってくれます。
PDFの請求書はアップロードするだけの簡単操作で運用で可能。
会計システムとの連携も可能で、会計業務全般のデジタル化や効率化が狙え、テレワークでの会計業務も実現できるでしょう。
通常プランとスモールビジネスプランの2つがあります。
初期費用には、専任コンサルタントによる導入支援も含まれています。
【ユーザー数、請求書保存枚数】…無制限
初期費用:0円、月額料金:0円
【全社で受け取れる請求書】…無料(100件/月)
【閲覧できる請求書数】…無制限
画像出典元:「マネーフォワード クラウドBox」公式HP
マネーフォワード クラウドBoxは、経理担当者の負担を大幅に軽減する電子帳票サービスです。
請求書や領収書などの仕訳や証憑データを自動で処理し、ペーパーレス化を実現。
電子帳簿保存法にも対応しているので、安心して利用できます。
また、Amazonギフトカード最大50,000円分のプレゼントキャンペーンを実施中。
(2024年4月25日まで限定、マネーフォワード クラウド年額プランの新規契約に限る)
マネーフォワード クラウドBoxは、ユーザー数、ファイル数、マネーフォワード クラウド サービスの利用有無に限らず、無料で利用することができます。
ただし、2024年6月より有料となるため、無料で利用できるのは5月末までとなります。
画像出典元:「奉行Edge 発行請求書DXクラウド」公式HP
「奉行Edge 発行請求書DXクラウド(旧奉行Edge 請求管理電子化クラウド)」は、請求業務の電子化によってコスト削減や担当者の業務負担軽減に期待ができるサービスです。
紙で取り扱っていた請求書を全て電子化することができ、印字から郵送までの業務を自動化することができます。
他の基幹システムや販売管理システムと自動連携することもでき、バックオフィス業務のDXを推進することができるでしょう。
年間の請求書発行数600枚までで月額7,000円の費用がかかります。
初期費用は不要で、年間の請求書発行数や管理ライセンス数によって料金が変わる料金体系になっています。
プラン | |
月額費用 (税抜) |
7,000円〜 |
スペック契約発行数(年間) | 600 |
ライセンス数 | 管理者1ライセンス |
画像出典元:「TOKIUM電子帳簿保存」公式HP
「TOKIUM電子帳簿保存」は、請求書だけでなく、納品書や契約書など取引に関係する全ての書類を代行で電子化し、原本まで保管してくれる電子帳票システムです。
ファイリングや現場管理が困難となった帳票などは、クラウド帳票として画面上で簡単に確認できるようになるため、経理業務効率化にもつながります。
改正電子帳簿保存法に完全対応し、取引関係書類の紐づけを行うことで一元管理が可能に。
ISMS認証・Pマークを取得済みであり、万全のセキュリティ体制も整っています。
ユーザー数問わず、データ容量も無制限に利用できるため、コストを抑えて電子帳簿保存法への対応を実現したい企業におすすめです。
TOKIUM電子帳簿保存の料金プランは、「セルフ入力プラン」「AI-OCRプラン」「オペレーター入力プラン」の3つのプランが用意されています。
月額基本料金に加えて、証憑件数に基づく従量課金で利用することができます。
セルフ入力プラン | AI-OCRプラン | オペレーター入力プラン | |
初期費用 | 5万円 環境提供/マニュアル提供 初期設定に関するメール/チャットサポート |
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基本利用料 | 1万円〜 メール/チャット/電話サポート 電帳法/ インボイス制度対応機能 |
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オプション | IPアドレス制限、SAML認証 | ||
従量課金/月 | 0円 | 2,500円〜 | 12,500円〜 |
オプション付/月 | ー | ー | 25,000円〜 紙スキャン 保管代行オプションあり |
(税抜価格)
注:従量課金部分は、その他国税関係書類の件数(WEB経由で発行・連携されるデータを含む)に応じて個別見積り
画像出典元:「奉行Edge 受領請求書DXクラウド」公式HP
「奉行Edge 受領請求書DXクラウド(旧奉行Edge 支払管理電子化クラウド)」は、だれもが知る「勘定奉行」など”奉行シリーズ”を提供している株式会社オービックビジネスコンサルタントのクラウドサービスです。
請求書の受領から支払処理までを広範囲に自動化し、ある調査では請求書支払の業務時間を約72%削減できました。
勘定奉行とも、勘定奉行クラウド以外の会計システムとも連携が可能です。
初期費用は無料で、利用料は年額156,000円~となっており、月額に換算すると13,000円~になります。
契約は法人単位で年間契約が必要です
奉行Edge 受領請求書DXクラウド | |
初期費用 | 0円 |
月額利用料 | 13,000円~ |
スペック 受取請求書枚数(年間) | 600枚 |
ライセンス構成 | 管理者1ライセンス ユーザー1ライセンス |
(税抜き)
画像出典元:「OPTiM 電子帳簿保存」 公式HP
「OPTiM 電子帳簿保存」は、AIによる自動解析機能を搭載しており、あらゆる取引書類をアップロードするだけで、金額や日付などの情報を管理台帳に自動入力可能。
電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しており、法令遵守と書類管理業務の効率化に貢献するサービスです。
無料トライアルプランも用意されていますが、ファイル保存期間に期限があるので注意が必要です。
OPTiM 電子帳簿保存は、初期費用無料で利用することが可能です。
トライアル | スターターS1 | スターターS2 | スターターS3 | |
初期費用 | 無料 | |||
月額費用 | 無料 | 9,980円 | 19,800円 | 29,800円 |
「FNX e-帳票FAXサービス」は、取引先への発注書・納期回答書・支払通知書などの帳票を手作業でFAXしていた会社にはもってこいのサービスです。紙の使用量が削減されるだけでなく、人的ミスでFAXが送られていなかったなどの心配もなくなります。
基本使用料が月額10,000円~です。FAXのボリュームによっては金額が変わることもありますが基本使用料は安く設定されています。
FAX送信の際に使用するテキストファイルのタイプを選ぶと別途帳票フォーマット作成料金80,000円/枚が発生するため、注意が必要です。
コストを削減したい、帳票類を効率よく管理したい会社にはうってつけです。
帳簿を電子化することで、印刷コストをカットできます。また、契約書・納品書・請求書などのあらゆる帳票を一元管理することで、業務効率の大幅アップが見込まれます。
画像出典元:「OCRデザイナー(オーシーアールデザイナー)」公式HP
「OCRデザイナー」は紙媒体をスキャンすることで情報の取り込みを簡単に行え、編集可能なテキストデータ(CSV)に変換することでデジタル管理を実現しているシステムです。
膨大な過去データをキーボードで打ち込みする必要がありません。複数ページや両面印刷の読取にも対応しており、過去データも全てデジタル化したい場合には特におすすめできるシステムです。
ペーパーレス化によるインク代やコピー機の維持費などコスト削減を考えている会社におすすめの電子帳票システムです。
「File Volante」は帳票データを一括で管理し、帳票を探したり編集することが直感的に行えます。
帳票を電子化することで、コスト削減はもちろん大幅な業務量削減が見込めるでしょう。
「PandoraClimber」は電子帳簿保存法及びe-文書法に対応しており、国税関連帳簿や書類の長期保存にも安心して利用できる電子帳票保存ソリューションです。
その他、オフィス文書や画像・動画の保存も可能。「PandoraClimber」内に保存したデータ全てを検索対象にできるため、企業の書類管理業務がスマートに行えます。
導入環境や利用規模により利用料金が異なります。詳しくは問合せの必要があります。
「EdiGate/POST」は、ブラウザベースの電子帳票システムです。仕入先とのEDIを低コスト、短納期で実現したい企業にはうってつけです。
「FILIST SYSTEM」は、社内のPDFファイルを一元管理できるシステムで、他社ソリューションとの連携が可能です。
「FILIST SYSTEM」内でPDFファイルを振り分け指定したフォルダに格納できる機能により、業務の効率化を実現できます。
「AUTO帳票EX」は、帳簿類を取引先ごとに自動でFAX送信を行ってくれるサービスです。
テキストファイルをFTPなどを経由してアップロードするだけで自動配信するので、業務を大幅にカットできたり、わざわざFAX機器を導入する必要もありません。簡単・安全・確実にFAXを送信できます。
画像出典元:「DOCUMENT MARK(ドキュメントマーク)」公式HP
「DOCUMENT MARK」は、PDFを活用したペーパーレス化を実現したデジタル文書管理ツールです。
QRコードでの管理やPDFへのタイムスタンプ付与などの機能を使って、文書の自動検索や自動分類なども簡単に行えるなど、デジタル管理した文書の取り扱いを楽にしてくれる機能が揃っています。直観的なUIで誰もが操作し易い画面になっている点も魅力です。
※本サービスは2020年6月30日にサービス終了しています。
電子帳票システムと一口に言っても、業種によって管理する情報は異なります。
帳簿管理としては全業種共通の処理を行いますが、例えば請求書1つ挙げても企業ごとに異なるフォーマットが使われているものです。
データとしてはデジタル管理なので汎用的な画面や管理で良くても、いざ印刷する場合に企業に合ったフォーマットで印刷できるかを確認しておく必要があります。
また、帳簿データを会計処理だけではなく他部門でも活用できるかを重要視する場合は、必要な情報を顧客先など社外でも利用するシーンに備え、モバイル対応がされているか・セキュリティ対策は万全かなども重要なチェックポイントです。
電子帳票システムを導入する際には、自社に合った帳簿データ管理を行える機能を組み合わせることが大事となります。
電子帳票システムを導入するメリットの1つとして、帳簿データをデジタル化することで長期的に保存活用できる点が挙げられます。導入時に過去の帳簿データをどうするかを検討しておきましょう。
過去の帳簿は紙媒体で歴代管理されているケースが多いです。そして、紙媒体は年数の経過により劣化し、記載されている文字が読みづらくなってしまうのがデメリットです。
せっかく電子帳票システムを導入するのでしたら、これらの紙媒体で管理している過去データも取込み活用したいところです。今回ご紹介したサービスの中には、過去の大量の紙媒体を簡単にデータ化する機能を備えたものがあるので、導入するにあたって過去データの移行が可能かどうか確認をとることが重要です。
電子帳票システムを導入するメリットとして、帳簿データの検索が容易になる点が挙げられます。ただし帳簿データの検索はWeb上でキーワードを指定して検索するのとは異なり、「取引先単位」「日付単位」「商品単位」など、企業によってよく使う検索方法がある程度決まっているものです。
そのため帳簿データを入力した時点で適切に管理できる機能を備えたシステムを導入することが望ましいです。すばやく検索できるだけではなく、検索後に速やかに利用できる機能が欲しいところです。
例を挙げると
など、いつもの会計業務に取り入れやすい機能があるかをチェックすると良いでしょう。
帳票の電子化を進めるのであれば、2024年の義務化に向けて対応が迫られている「電子帳簿保存法」へ対応しているシステムかどうかは確認すべき重要事項です。
法令を満たす要件は、「タイムスタンプ」や「検索性」「編集履歴の保存」などがありますが、どのシステムが対応しているかわかりづらい場合は「JIIMA認証ロゴ」をチェックしてください。
JIMMA認証ロゴとは、電子帳簿保存法の要件を満たしているシステムやパッケージについているマークです。
ガバナンスの強化や法令対応の効率化を求めるのであれば、元々要件を満たしたシステムを導入するようにしましょう。
電子帳票システムの導入には大きく3つのメリットがあります。
これまで帳簿データは過去データからの引継ぎが重要なこともあり、紙帳簿での運用や請求書なども紙媒体のまま管理しているケースが多く見受けられます。
これら過去のデータも全てデジタル化することで、紙資料の劣化によりデータの読み取り不能になるリスクを回避することができます。
また全てのデータをクラウドで一元管理することでセキュリティも向上し、参照・編集権限を活用することで適切な管理者により帳簿データを参照・編集することができます。
さらにデジタル化することで検索も容易になり、会計業務全体の効率化も期待できます。
電子帳票システムにて管理を行うと、必要な情報の検索や抜き出しが容易になります。
この機能を利用して、例えば顧客先へ限定してデータを公開し次の取引に繋げるなど、会計業務以外の場面で帳簿データを活用できるようになります。
もちろん情報は限定して権限を付与することができるため、誤って社外秘のデータが顧客に流れる心配もありません。
さらにデータはデジタルのままでも、規定フォーマットに沿った印刷を行うことも可能なため、あらゆるシーンで有効活用できるようになります。
電子帳票システムをクラウドで管理する場合、社外のシステム運営会社が管理するサーバにて帳簿データが管理されます。
もし災害などで自社内のサーバが損傷しても、電子帳簿システムのサーバが無事であれば帳簿データもそのまま守られるメリットがあります。
また、帳簿データは災害発生後でも即使用できる確率が高くなりますので、業務にいち早く復帰することができ、企業としての信用向上につながることも期待できます。
一方で、電子帳票システムを導入するデメリットもいくつかあります。
電子帳票システムはあらゆる業種の帳簿に対応することができますが、逆に企業としてどの機能を使用するべきかを選択する必要があります。ベースとなるシステムにオプションとして各機能を追加するケースが多く、どの機能を利用するかで料金も変わってきます。
またデータ数の違いによって料金が変わってくるため、初期費用も含めた料金は電子帳票システムの運営会社に見積りを出してもらわないとわかりません。
企業ではどんな帳簿体形となっていて、どのような管理を行うことが望ましいかを事前にしっかりと確認しておくことが大事です。
電子帳票システムは確かに便利であり、特に検索機能など魅力的な機能が揃っています。しかし利用料金は他のシステムと比べるとおおむね高額で、初期費用も含め十分な検討が必要です。
もしくは自社PC内でExcelやOCRソフトなどを活用したり、クラウドサーバを契約してデータをバックアップ管理する程度で、データの損失リスクには十分対応できるかもしれません。
現状を十分把握し、自社にとってどこまでの機能が必要なのか検討する必要があるでしょう。
起業ログ編集部おすすめの電子帳票システムを比較紹介しました。
今回ご紹介した電子帳票システムの導入によって、過去の紙媒体管理から帳簿データをデジタル管理できるようになり、セキュリティ対応の強化や帳簿データの取り扱いが容易になることで、会計業務全体の効率化も期待できるようになるでしょう。
一度電子帳票システムを活用してみたいと考えている方は、ぜひ今回紹介したシステムを始めとした電子帳票システムの導入を検討してみることをおすすめします!