電子契約とは?法的な有効性やメリット・デメリットを解説

電子契約とは?法的な有効性やメリット・デメリットを解説

記事更新日: 2025/04/18

執筆: Ryo.Yama

電子契約を使ってみたいが、セキュリティ面が気になる、どのサービスを選べば良いかわからないという人は多いのではないでしょうか。

自社にあった電子契約システムを導入することで、業務効率化やセキュリティ強化など多くのメリットが得られます。

この記事では、電子契約の基本から、書面契約との違い、導入のメリット・デメリットを解説し、さらにおすすめのサービス5選も紹介します。

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電子契約とは?

電子契約とは、紙の書類ではなくデジタル上の記録によって契約を締結する方法のことです。電子署名法をはじめとした法令の成立によって、電子契約も法的に有効と認められるようになり、広く利用されるようになりました。

時間や場所にとらわれずインターネット上で契約を完結できるのが大きな特徴です。

書面契約と電子契約との違い

書面での契約と電子契約には、以下のような違いがあります。

  書面契約 電子契約
媒体 デジタルデータ
署名/押印の方法 印鑑 電子署名
必要な手間 印刷・郵送など オンラインで完結
本人証明の方法 印鑑証明書 電子証明書
改ざん防止の方法 割印 タイムスタンプ


おもな違いは契約の進め方にあり、書面契約では、紙の書類に署名・捺印して契約を締結しますが、電子契約の場合は電子署名やタイムスタンプなどを活用します。

また、書面だと契約書の印刷や郵送などの手間がかかりますが、電子契約ならそうした手間を省くこともできます。

契約書を送る側・受け取る側、それぞれの使い方が知りたい方はこちら

電子署名の仕組み

電子署名は、電子契約における重要な技術であり、書面での契約における署名・捺印と同様の役割を果たします。

電子証明書

電子証明書は、電子署名を行う際に署名する人の身元を証明するもので、これによってデジタルな契約でも信頼性を確保することができます。

認証局という機関によって発行され、署名者の情報や署名が本人によって行われたこと、内容が改ざんされていないことなどを証明できます。

タイムスタンプ

タイムスタンプとは、契約データが作成された日時を記録するもので、ハッシュ値と呼ばれる文字列の情報が含まれています。

契約データが変更されると、このハッシュ値も変化するため、改ざんを検知することができます。

この仕組みにより「契約データが特定の時刻に存在し、それ以降改ざんされていない」ことが証明できるのです。

タイムスタンプの仕組みについて詳しく知りたい方はこちら

電子契約のメリット

電子契約には、以下のようなメリットがあります。

コスト削減

電子契約を導入することで、印刷代や郵送費用、人件費、保管コストなど、契約に関わる各種コストを削減することができます。

単一の契約で見れば小さな効果ですが、何十件、何百件と契約件数が増えていくほど、大きなメリットをもたらします。

業務効率化

電子契約なら、オンライン上で契約書の作成から締結までを完結させられるため、時間や場所にとらわれずに契約手続きを進めることができます。

書面の準備や郵送などの手間もかからないため、業務効率化や担当者の負担軽減に役立ち、より付加価値の高い業務にリソースを注力できます。

契約手続きの可視化

電子契約を導入することで、契約手続きの進捗状況をリアルタイムで可視化することができるのもメリットです。

書面の場合、担当者に確認が必要ですが、電子契約なら常に最新のステータスが表示されるため、手続きの遅れがあってもすぐに発見して対応することができます。

多様な働き方に対応

電子契約なら、場所や時間にとらわれず契約手続きを進めることができるため、テレワークや在宅勤務といった多様な働き方にも対応できます。

担当者は柔軟な働き方を選択できるようになり、ワークライフバランスや従業員満足度の向上にもつながります。

契約更新ミスの防止

多くの電子契約システムでは、契約更新の期限を自動で通知する機能が搭載されています。期限が近づくと自動的にアラートが送信されるため、契約更新のし忘れや対応のミスを防止することができます。

コンプライアンスの強化

電子契約システムでは、契約内容や締結日時などの記録が全てシステム上に残るため、契約書の紛失や改ざんのリスクを大幅に低減できます。

これによって、企業としてのコンプライアンスの強化につながります。

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電子契約のデメリット

電子契約には、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。

電子契約ができない契約もある

法律で書面での契約が義務付けられている場合や、一部の取引においては電子契約を行うことができない場合もあります。

そうした場合に備えて、電子と書面のどちらにも対応できる体制を整えておく必要があります。

取引先への理解を得る必要がある

電子契約を実施する際には、契約相手の同意が必要になります。

切り替えの段階で、各取引先に説明する手間がかかることにも注意が必要です。

電子契約を導入するにあたって、電子契約のメリットや安全性についてしっかりと説明したうえで、取引先の理解を得ることが重要です。

社内調整が必要となる

電子契約を導入する場合、オペレーションの変化や各種対応のために、社内での調整や準備が必要となります。

電子契約システムの選定や導入計画を含めて、従業員への説明や研修などを行う必要があり、担当者の負担が一時的に増加する可能性があります。

電子契約に関わる主な法律は?

電子契約を導入するなら、関連する2つの法律についても知っておく必要があります。

電子署名法

電子署名法は、電子署名の利用促進を目的として、2001年4月に施行された法律です。

一定の要件を満たす電子署名が書面への押印と同等の法的効力を持つことを認めていて、電子契約の法的な根拠となる重要な法律です。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は、一定の要件を満たすことを条件に、帳簿書類を電子データで保存することを認める法律です。

この法律によって、企業は紙の書類を電子データに置き換えることができ、電子契約を実施することができます。

契約書の保管期間や取り扱い方について知りたい方はこちら

電子契約の導入フロー

電子契約を導入する際は、以下の流れで行うのが一般的です。

通常契約業務の洗い出し

まずはじめに、通常の契約業務の流れを詳細に洗い出します。

契約書の種類、作成から締結、保管までの各プロセス、担当者などを明確にします。

導入計画の立案

次に電子契約導入の具体的な計画を立案します。

電子契約導入の目的や目標、スケジュール、予算、担当者などを明確に定めましょう。

電子化する契約書の選定

導入計画に基づいて、どの種類の契約書から電子化を進めるのかを選定します。

優先順位をつけ、段階的に電子化を進めることが一般的です。

また、このタイミングで取引先への説明もはじめておきましょう。

電子契約サービスの選定

電子化する契約書を選定したら、利用する電子契約サービスを選定しましょう。

必要な機能や費用、セキュリティなどを比較し、自社に最適なサービスを選びます。

電子契約サービス導入後の業務過程の取り決め

電子契約システムを導入した後の業務プロセスを固めます。

契約書の作成、承認、締結、保管などの各業務の運用方法を設計・計画しましょう。

社内講習会の実施

システムを従業員がしっかり使いこなせるよう、目的や使い方を周知する社内講習会・説明会を実施します。

具体的な操作方法や運用上の注意点なども説明し、スムーズに導入できるようにします。

取引先への説明・同意の取得

すでに事前説明を行っている場合でも、取引先に対して最終的な同意を得る必要があります。

電子契約のメリットや手続きについて丁寧に説明しましょう。

電子契約サービスの選び方について詳しく知りたい方はこちら

電子契約導入の成功事例

すでに多くの企業で電子契約が導入されており、効率化や業績アップなどの実績を挙げています。

住宅リノベーション企業

住宅リノベーション業のA社では、電子契約システムを導入し、契約の大半を電子化することに成功しました。

導入後は、担当者が記載内容をチェックする手間がなくなり、いつでも顧客に契約書を送信できる環境を実現したことで、業務効率が大きく改善しました。

参考:月400件の契約書を電子化 Salesforceとクラウドサインのシステム連携で管理・営業両者の負担を大幅軽減

英語学習サービス企業

英語学習サービスを展開するB社では、サービスの利用申込書や解約届け、業務委託契約など幅広いドキュメントに電子契約サービスを活用しています。

情報を複数のシステムに入力することで起きていたミスを削減したほか、申込の自動化によって月間で80時間近い工数削減を実現しました。

参考:月77時間もの工数削減に成功。Salesforceとの連携により、入力の手間と人的ミスを削減。

おすすめの電子契約サービス5選

1. 電子印鑑GMOサイン

画像出典元:「電子印鑑GMOサイン」公式HP

「電子印鑑GMOサイン」は、国内シェアナンバーワンの電子印鑑サービス。

⽴会⼈型電⼦署名の送信料金は1通あたり100円と比較的リーズナブルで、コストをかけずに利用できます。

また、不動産業向け、自治体向けなど業界別の特化型サービスも提供されています。

料金

  お試しフリープラン 契約印&実印プラン
月額費用 無料 8,800円
送信費用 無料 100円 / 件(立会人型)
300円 / 件(当事者型)

(税抜)

2. クラウドサイン

画像出典元:「クラウドサイン」公式HP

「クラウドサイン」は、250万社以上への導入実績を持つ業界トップクラスの電子契約サービス。

弁護士がサービスを監修し、電子署名法への準拠を法務省・デジタル庁に認められているため安心して利用できます。

また、官公庁や金融機関でも使えるセキュリティレベルの高さも魅力です。

料金

  フリープラン Light Corporate Business Enterprise
月額費用 無料 10,000円 28,000円 要問合せ 要問合せ
送信費用 無料 200円 / 件 200円 / 件 要問合せ 要問合せ

(税抜)

3. マネーフォワード クラウド契約

画像出典元:「マネーフォワード クラウド契約」公式HP

「マネーフォワード クラウド契約」は、電子契約だけでなく、契約書の作成から申請・承認、管理までオールインワンで対応できるカバー範囲の広いサービスです。

また、他サービスと異なり、契約書の送信に追加費用がかからないのもポイントです。

料金

  契約締結のみ フル機能版
初期費用 無料
月額費用 2,980円 要問合せ
送信費用 無料

(税抜)

4. freeeサイン

画像出典元:「freeeサイン」公式HP

「freee」は、中小企業での導入実績が豊富なfreeeシリーズの電子契約サービスで、freeeの他プロダクトと連携することで契約書の保管・管理まで対応できます。

また、サポート品質が高いのも特長で、安心して利用できます。

料金

  Starter Standard Advance / Enterprise
年一括払い 5,980円 / 月 29,800円 / 月 要問合せ
月払い 7,180円 / 月 35,760 / 月
送信費用 SMS送信:100円 / 通
電子サイン:100円 / 通
電子署名:200円 / 通

(税抜)

5. ContractS CLM

画像出典元:「ContractS CLM」公式HP

「ContractS CLM」は、契約のライフサイクル全体の管理ができるサービスです。

契約書の作成から確認、承認、締結、管理までカバーしており、一元管理によって大きな効率アップを実現することができます。

契約方法の選択肢が豊富なのも特長で、英語での契約、紙での契約などニーズに応じて最適な手法を選択できます。

料金

詳細についてはお問い合わせが必要です。


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まとめ

電子契約を導入する企業はますます増えており、これからさらに当たり前になっていくことが予想されます。

自社にあったサービスを選定することで、業務効率化やコスト削減など多くのメリットを得られます。

まずは自社の業務を棚卸しして、どのように電子化できるかを検討してみることからはじめてみると良いでしょう。

画像出典元:O-DAN

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