「年末調整はいつまで?」「年末調整で遅れてしまったときはどうしたらいいの?」など、年末調整に関する疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
年末調整は提出期限を過ぎてしまうと、自分で確定申告を行わなければなりません。
それゆえ期限を過ぎないように、余裕をもって準備するのが得策です。
本記事では年末調整の提出期限、遅れた時の対処法、修正方法、人気のツール5選などを解説します。
このページの目次
年末調整とは、端的に表現すると「源泉徴収した所得税の過不足を調整する手続き」のことです。
会社員の所得税は、毎月の給与や賞与から天引きされ、会社が代わりに納税しています。
しかし、これらはあくまでも概算に基づいた金額で、正確な金額ではありません。
そこで本来徴収すべき所得税の年間総額を再計算し、源泉徴収した合計額と比較することで、過不足金を調整します。
余分に源泉徴収していた場合には、差額分が従業員に還付される仕組みが年末調整です。
その際、年末調整と混同しがちなのが、確定申告です。
確定申告はフリーランスや個人事業主で事業収入がある人などが、毎年2〜3月の定められた期間に、前年の1〜12月の所得を税務署に申告する手続きのことです。
ただし、会社員でも数ヶ所から給与を受け取っている場合や、寄付金や医療費の控除を受ける場合は自分で確定申告を行います。
ここからは年末調整の提出期限について解説します。
年末調整に関連する書類は、翌年の1月31日までに所轄税務署長に提出する必要があります。
そのため企業では、通常11〜12月に年末調整を行います。
多くの場合、従業員には11月中に必要書類を提出してもらい、12月の給与で過不足の清算が行われます。
年末調整の結果、源泉徴収された所得税額が本来の税額よりも多かった場合、過払い分が12月の給与に上乗せされ、反対に少なかった場合には不足分が12月の給与から徴収されます。
年の途中で退職し、12月時点で次の会社に入社していなければ年末調整は必要ありません。
ただし退職した企業で発行された源泉徴収票をもとに、退職した翌年に個人で確定申告する必要があります。
年の途中で退職し、その年に別の企業に転職した場合には、転職先の会社で年末調整をしてもらいます。
年の途中で海外転勤をする場合は、出国するまでに年末調整が必要となります。
社会保険料や生命保険料などの控除は、出国するまでに支払われた金額が控除対象となります。
ここからは年末調整の必要書類の提出が遅れた場合の対処法について解説します。
社内で取り決めた提出期限に間に合わなくても、企業側が翌年1月31日までに税務署に必要書類を提出できれば、法令上何も問題ありません。
そのため、まずは勤務先に相談をしましょう。
通常は従業員からの申告書類を取りまとめるため、期限を早めに設定しているはずです。
社内で決められた期限を多少過ぎてしまっても、対応してもらえる可能性が高いでしょう。
もしどうしても企業として対応できない場合は、個人で確定申告をする必要があります。
万が一、企業の提出が遅れた場合でも、数日間の遅れであれば、所轄の税務署に事前に連絡をしておくことで、提出を待ってもらえるのが一般的です。
しかし大幅に遅れる場合には、各従業員に確定申告をしてもらう必要があります。
企業には年末調整を行う義務があるため、怠った場合には、脱税として10年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される可能性があります。
アルバイトやパートも、働き方の区分に関わらず、年末調整が必要です。
それゆえ従業員と同様で、提出が遅れた場合は、まずは勤務先に相談しましょう。
たいていの場合、多少の遅れであれば、対応してもらえる可能性が高いです。
ここからは、年末調整の修正方法と書類提出後に間違いや不備が発覚した場合の対処方法を解説します。
年末調整書類の修正方法は以下の通りです。
この時、修正箇所への修正ペンや修正テープの使用は認められていません。
また、訂正印に関しては特に法的な定めはありませんので、自社のルールに従いましょう。
年末調整が完了後、会社側で修正ができるのは、翌年1月31日までです。
期日までに間に合うのであれば、会社の総務部や人事部に報告し、修正を依頼しましょう。
ただ源泉徴収票の再出力や給与支払い報告書の再作成なども必要となるため、会社に面倒をかけたくない人は、確定申告で修正するという手段をとることも可能です。
年末調整の訂正期限を過ぎた翌年2月1日以降の場合は、社内でやり直すことができません。
そのため、やり直しが必要な従業員は自分で確定申告する必要があります。
ここでは年末調整で失敗しないためのポイントを解説します。
年末調整で非常に多い失敗が、記入漏れもしくは控除の適用漏れです。
記入漏れや控除適用漏れで起こりやすい項目は「16歳未満の扶養親族」の記入漏れ、「配偶者特別控除」の控除漏れです。
両方とも漏れがないかを事前にチェックしておきましょう。
年末調整に関しては、毎年のように細かい改正が行われています。
それゆえ改正された部分を見落とし、誤ったまま提出してしまうケースが多いです。
今年度(令和4年度)の年末調整に関する改正内容は、以下添付書類の電子データでの提出範囲が拡大された点のみです。
【電子データで提出可能な書類】
年末調整は、短期間に大量の書類を準備・処理しなければならないため、時間的な余裕を持つことが重要です。
従業員から回収した書類には不備があったり、添付書類が不足していたり、そもそも提出されていなかったりすることもよくあります。
その場合、従業員に差し戻して修正を指示するなどの対応が必要になりますが、そうなると期日までに時間的余裕がなくなる可能性が高いです。
そのため、こうした事態を見越して期限を設定し、ミスを防止・削減する仕組みが求められます。
最後に年末調整を楽にしてくれるツールを紹介します。
画像出典元:「ジョブカン労務HR」公式HP
ジョブカン労務HRは、シリーズ累計15万社を突破している、従業員情報をクラウド上で一元管理できるツールです。
全ての労務業務を自動化・効率化でき、社会保険や労働保険の手続きは帳票作成から提出までサポートしてくれます。
年末調整においては、簡単なアンケート方式で社員から情報収集し、必要な書類を自動作成することができます。
メールサポート、チャットサポート、電話サポートの3種類のサポートがあり、全て無料で制限なく利用できます。
ジョブカン労務HRについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ!
画像出典元:「オフィスステーション年末調整」公式HP
オフィスステーション年末調整は、従業員全員の年末調整の状況を自動で数値化してくれるクラウドソフトです。
PCの他スマートフォンにも対応しており、従業員は「はい」「いいえ」の質問に回答するだけなので、空き時間に最短3分で書類を提出できます。
法改正にも自動対応するだけでなく、いつでも好きな機能を拡張できるのが特長です。
オフィスステーション年末調整についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
画像出典元:「簡単年調」公式HP
簡単年調は、証明書類をスマートフォンで撮影・送信・確認するだけで申告入力が可能な年末調整システムです。
従業員はスマホから必要書類をアップロードするだけで済むため、書類の回収やチェックなどの時間を大幅に削減できます。
2022年11月下旬時点で、1,000社以上66万人の導入実績があります。
簡単年調についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
画像出典元:「マネーフォワード年末調整」公式HP
マネーフォワード年末調整は、年末調整の書類配布から入力、回収、提出までの一連の作業を全てWeb上で完結できるシステムです。
年税額の自動計算や訂正、修正、行政機関への電子手続きも対応可能。
他社の給与計算ソフトも使っていても、従業員情報や給与情報のインポートなどに対応しているため便利です。
マネーフォワード年末調整について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
画像出典元:「ジンジャー給与」公式HP
ジンジャー給与は、シリーズ導入社数15,000社以上のクラウド型給与計算システムです。
給与の自動計算だけでなく、勤怠管理や経費精算、契約業務など日常の業務を効率化できます。
さらに、ジンジャー人事労務の従業員情報と給与情報をもとに年末調整の計算を自動で行い、年末調整結果を簡単に給与計算に反映させることも可能です。
ジンジャー給与についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください!
今回ご紹介した以外の年末調整システムも知りたい方は、こちらの比較記事をぜひご覧ください!
今回は、年末調整の提出期限、遅れた場合の対処方法、修正方法、おすすめのツールなどを解説しました。
年末調整は複雑で多くの書類を準備する必要があるため、余裕をもって対応することが肝要です。
もし提出期限に遅れてしまった場合には、企業の総務部や人事部に相談し、その後の対処方法を確認してみてください。
画像出典元:O-DAN, unsplash
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