年末調整の書き方がわかる!2020年の変更点やおすすめシステムも

年末調整の書き方がわかる!2020年の変更点やおすすめシステムも

記事更新日: 2022/08/27

執筆: 編集部

毎年年末が近づくと、勤務先から、所得税の控除申告に必要な年末調整の手続きをするよう求められます。

毎年のように税制改正が行われていることもあり、その度に書類の書き方や控除額の算出方法に変更が加えられるため、年末調整の書類の書き方に戸惑うことになります。

しかし、年末調整のためにしっかりと書類を作成して手続きをしないと、控除の適用を受けられなくなることもあります。控除を受けるためには、申告書の書き方を把握しておかなければなりません。

今回は、年末調整について、申告書の書き方のほか、おすすめの年末調整システムについても紹介します。ぜひ参考にしてください。

年末調整とは?

年末調整とは、会社員や公務員などの給与所得者が、毎月の給与から差し引かれていた1年分の所得税を年末に調整するための手続きのことです。

本来は、1年間の所得に応じて年間の所得税が決まりますが、給与所得者は、毎月概算の所得税を差し引いた後、給与を受け取っています。

そのため、年末に実際の所得税額との差額を調整する必要があり、その過不足分について還付または追加徴収しているのです。

年末調整の対象となるのは、勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している従業員で、「1年を通じて勤務している人」「年の途中で就職し、年末まで勤務している人」です。

ただし、「年収が2,000万円を超える人」「災害減免法の規定で、所得税の支払い猶予や還付を受けた人」「2ヵ所以上から給与をもらっている人」などは年末調整の対象にはならず、確定申告しなければなりません。

2020年の年末調整の変更点とは?

税制改正等に伴い、2020年の年末調整において大きな変更点があります。

2020年の年末調整から、いくつか控除額が見直されることになります。基礎控除が一律38万円から最大48万円に引き上げ、給与所得控除が一律10万円の引き下げとなります。

納税者の負担を軽減させるため、新設された控除項目もあります。

子育て世帯や介護世帯の負担を大きくさせないために「所得金額調整控除」が、未婚のひとり親に寡婦(寡夫)控除を適用するために「ひとり親控除」が新設されました。

これらの控除額の見直しや控除項目の新設によって、控除申告書の様式が変更されました。

従来の「配偶者控除等」申告書が「基礎控除・配偶者控除等・所得金額調整控除」申告書となり、1枚で3つの控除申告をすることになります。

2020年の年末調整の変更点について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

 

年末調整に必要な申告書

年末調整で控除申告のために必要な書類は、主に3枚になります。

2020年の年末調整で提出するのは、「令和3年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」「令和2年分 給与所得者の保険料控除申告書」の3つです。

令和3年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

この申告書は、給与所得者が扶養する家族について、翌年分の所得税・住民税の扶養控除等を受けるために作成します。

扶養家族がいなくても、いない旨を証明するために提出する必要があるため、給与所得者全員が作成し、提出しなければなりません。

出典元:国税庁「令和3年分扶養控除等(異動)申告書

令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

この申告書は、給与所得者が基礎控除、配偶者(特別)控除、所得金額調整控除を受ける場合に作成します。

年末調整を受けるためには、基礎控除申告書の提出が必要です。そのため、配偶者控除等や所得金額調整控除がなくても、年末調整の対象者全員が提出する必要があります。

出典元:国税庁「令和2年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書

令和2年分 給与所得者の保険料控除申告書

生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料・地震保険料・社会保険料・小規模企業共済等掛金の控除申請するには、この申告書の作成が必要です。

これらの保険や掛金を支払っている人が控除の対象となります。

出典元:国税庁「令和2年分保険料控除申告書

申告書の書き方のポイント

年末調整で控除申告するためは、控除の対象ごとに控除金額が決まるため、それぞれ申告書を作成する必要があります。

ここでは、3つの申告書ごとに書き方のポイントについて解説していきます。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

まずは、給与所得者全員が提出を要する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」から見ていきましょう。

 

1.氏名・住所などの記入

まず、給与所得者に関する情報を記入します。

①と②については、勤務先に関する情報になります。通常は会社側で記入するため、個人では記入する必要がない場合が多いです。

③に、給与所得者本人の氏名、生年月日、マイナンバー、住所のほか、世帯主の氏名と給与所得者と世帯主との続柄を記載します。

④は、2か所以上から給与をもらっている人で、他の会社等に「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している場合、◯を記入します。

独身または扶養家族が1人もいない場合、この申告書についてはここまで記載すれば終了です。

2.扶養家族に関する情報を記入

給与所得者に扶養家族がいれば、その情報について記入します。

源泉控除の対象となる配偶者がいる場合、①の欄に記入します。給与所得者の翌年中の所得見積金額が900万円以下であり、同一生計の配偶者の翌年中の所得見積金額が95万円以下の人が対象になります。

年齢16歳以上の扶養家族がいれば、②の欄に記入します。

対象者それぞれのマイナンバー、給与所得者との続柄、生年月日を③に記入します。

扶養家族の年齢が70歳以上の場合は「老人扶養親族」となるため、④の欄にチェックが必要です。

給与所得者本人または配偶者のいずれかと同居していれば「同居老親等」に、それ以外であれば「その他」にチェックを入れます。

控除対象となる扶養家族の年齢が19歳以上23歳未満の場合は、「特定扶養親族」の対象となります。その場合は⑤の欄の「特定扶養親族」にチェックをします。

扶養家族が国内に住所を置かず、現在まで1年以上国内に住んでいなければ、⑥の「非居住者である親族」の欄に◯を記入します。

ほかに、扶養家族の翌年の所得見積額、住所等をそれぞれ記入します。

3.障害者、寡婦、ひとり親または勤労学生について記入

給与所得者本人、同一生計の配偶者や扶養家族が、障害者、寡婦、ひとり親または勤労学生に該当する場合、その情報について記入します。

同一生計の配偶者が「一般の障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」であれば①の欄に、扶養親族が障害者であれば②の欄に、それぞれチェックを入れます。

給与所得者本人が寡婦、ひとり親、勤労学生のいずれかであれば、③の欄の該当する箇所にチェックします。

④には、障害者や勤労学生に該当する人の氏名と、その詳細を記入します。

4.16歳未満の扶養家族に関する情報を記入

扶養家族に16歳未満の子どもがいれば、氏名、マイナンバー、給与所得者本人との続柄、生年月日、住所等について記入します。

国内に住所を置かない扶養家族がいれば、②の欄に◯を記入します。

 

(引用元)国税庁「《記載例》令和3年分扶養控除等(異動)申告書

給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

続いて、年末調整を受ける人全てが提出を要する「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」について説明します。

給与所得者本人の合計所得見積金額が1,000万円以下で、配偶者の本年中の合計所得見積金額が133万円以下であれば、「基礎控除申告書」「配偶者控除等申告書」の順に記載します。

また、上記に該当せず、給与所得者本人の合計所得見積金額が2,500万円以下ならば、「基礎控除申告書」のみ記載し、「配偶者控除等申告書」の記載は不要です。

 

1.氏名・住所などの記入

まずは、他の申告書同様、給与所得者に関する情報を記入します。

①と②については、勤務先に関する情報になります。通常は会社側で記入するため、個人では記入する必要がない場合が多いです。

右側部分に、給与所得者本人の氏名・住所を記入してください。

2.給与所得者の基礎控除申告書の記入

給与所得者の基礎控除申告書については、合計所得見積金額が2,500万円以下であれば、対象者全員が記入します。

①の欄には、本年中の給与所得者の合計所得見積金額を記入します。

まず、給与所得に関して、給与収入の合計金額を収入金額欄に記入し、その金額から給与所得控除を差し引いた金額を所得金額欄に記入します。

給与所得以外の所得があれば、その所得金額も記入し、合計所得見積金額を算出します。

①で算出した金額と②の控除額の計算表を比較し、該当する欄にチェックを入れて、判定結果に対応する基礎控除の金額を右下の欄に記入します。

配偶者控除または配偶者特別控除も受けようとするならば、③の区分Ⅰの欄に②の判定結果に対応するA~Cの記号を記入します。

3.給与所得者の配偶者控除等申告書の記入

配偶者控除等の対象となるのであれば、この申告書を作成してください。

まず、①の欄に、配偶者の氏名、マイナンバー、生年月日等を記入します。

②の欄には、本年中の配偶者の合計所得見積金額を記入します。

まず、給与所得に関して、給与収入の合計金額を収入金額欄に記入し、その金額から給与所得控除を差し引いた金額を所得金額欄に記入します。

給与所得以外の所得があれば、その所得金額も記入し、合計所得見積金額を算出します。

②で算出した金額と③の判定表を比較して、判定の該当する欄にチェックを入れて、判定結果に対応する①~④のいずれかを区分Ⅱに記入します。

④の控除額の計算表と基に、基礎控除申告書で判定した区分Ⅰと③で判定した区分Ⅱから配偶者控除または配偶者特別控除の金額を算出し、⑤の該当する欄に金額を記入します。

4.所得金額調整控除申告書の記入

年末調整で所得金額調整控除を受けようとする場合は、この申告書を作成してください。ただし、主たる給与収入金額が850万円以下の場合は、適用を受けることができません。

また、所得金額調整控除を受けるためには、「給与所得者本人、同一生計の配偶者、扶養家族のいずれか一人以上が特別身障者である」「扶養家族の年齢が23歳未満である」のいずれかの要件に該当しなければなりません。

該当すれば、①の欄の該当箇所にチェックを入れます。2つ以上該当する場合は、いずれか1つの項目にチェックをします。

①の欄で「あなた自身が特別身障者」以外の欄にチェックを入れた場合は、②の欄を記入する必要があります。

該当する家族の氏名、マイナンバー、生年月日、給与所得者本人との続柄、合計所得見積金額を記載してください。

特別身障者の障害の状態や障害者手帳に関する情報については、③の欄に記入してください。

(引用元)国税庁「《記載例》令和2年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書

給与所得者の保険料控除申告書

生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料・地震保険料・社会保険料・小規模企業共済等掛金を支払っていれば、この申告書によって所得税控除を受けることができます。

1.氏名・住所の記入

他の申告書同様、給与所得者に関する情報を記入します。

①と②については、勤務先に関する情報になります。通常は会社側で記入するため、個人では記入する必要がない場合が多いです。

右側部分に、給与所得者本人の氏名・住所を記入してください。

2.生命保険料控除額を記入

加入している生命保険について、生命保険料控除証明書や契約証書などを基に記入していきます。

この控除の対象となるには、保険金等の受取人が給与所得者本人または給与所得者の配偶者や親族(個人年金保険料では親族を除く)でなければなりません。

また、生命保険料控除申告に関して、旧生命保険料で一つの保険料の金額が9,000円以下である場合を除き、証明書等の添付が必要となります。

一般の生命保険料であれば②、介護保険料なら③、個人年金保険料は④の欄に記載します。

それぞれに保険会社等の名称、保険等の種類、保険期間、契約者氏名、保険金等の受取人、本年中に支払った保険料等の金額などを記入し、該当する計算式に当てはめて、それぞれの控除金額を算出します。

⑤の生命保険料控除額については、最高120,000円となるので、各保険料を合計した金額が120,000円を超えれば120,000円と、それに満たなければ合計金額を記入することになります。

3.地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除を記入

ここにある項目については、該当者のみ記載します。

地震保険に加入していれば、①の地震保険料控除を受けることが可能です。

ただし、保険等の対象とする家屋等に居住または家財を利用している人が、給与所得者本人または本人と同一生計の親族でなければなりません。

保険会社等の名称、保険等の種類、保険期間、契約者氏名、区分、本年中に支払った保険料等の金額を記入し、地震保険料控除額を算出します。

国民年金保険料など、直接支払った社会保険料があれば、②の社会保険料控除申告ができます。給与から差し引かれている社会保険料は該当しません。

社会保険の種類、支払先名称、保険料の負担人、本年中に支払った保険料の金額を記入し、その合計額を算出します。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金など、直接支払った小規模企業共済等掛金があれば、③の欄を記入して控除申告ができます。

該当する種類の掛金について、本年中に支払った金額を記入し、その合計額を算出します。

地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除を申告する場合は、それぞれ証明書等の添付等が必要になります。

(引用元)国税庁「《記載例》令和2年分保険料控除申告書

おすすめの年末調整システム3選

年末調整は従業員一人ずつ行う必要があり、申告書を作成するためには時間と労力がかかります。

国による年末調整の電子化に向けた取組が進む中、申告書の作成をシステム化すれば、従業員の負担はもちろん、チェックする担当者の負担も軽減されます。

年末調整システムを導入すれば、事務作業の効率化につながり、人件費の削減も可能となるのです。

ここでは、厳選した年末調整システムを詳しく紹介します。導入する際に参考にしてみてください。

1. 操作が簡単で顧客満足度が高い!『オフィスステーション年末調整』


画像出典元:「オフィスステーション年末調整」公式HP

特徴

「オフィスステーション 年末調整」は、従業員全員の年末調整の状況を自動で数値化してくれる年末調整ツールです。

従業員は「変更あり・なし」で回答するだけで済み、変更がなければ余計な入力を行う必要がないため、簡単に申請ができます。

もし変更があった場合には差分データが自動表示されるため、人事担当者も効率的にチェックできるのも、嬉しいポイントです。

機能

・申告の手続きが簡単
・催促メール一括送信
・変更の差分データの自動表示機能
・セキュリティ専門部隊が24時間365日監視
・専門家によるサポート

料金プラン

初期費用が110,000円(税込)、製品利用料が5,000名まで従業員1人あたり550円(税込)です。

従業員が5,000人を超える場合は、「さらにお得になる割引をご用意」と公式ホームページに記載*されていますので、お問い合わせをおすすめします。
(*2022年3月時点)

なお、 従業員数が20名以下の場合、年額利用料一律11,000円(税込)です。

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2. クラウドで紙のいらない年末調整!『マネーフォワード クラウド年末調整』


画像出典元:「マネーフォワード クラウド年末調整」公式HP

特徴

マネーフォワード クラウド年末調整は、web上での書類配布、入力・回収・進捗確認・差戻、提出(e-Tax、eLTAX 連携による電子手続)に対応しており、従業員も労務担当者も煩雑になりがちで面倒な年末調整業務が、Web上でかんたんに行うことが可能です。

また既存の給与計算ソフトはそのままに、年末調整部分だけクラウド化(電子化)することもでき、大変便利なサービスです。

機能

<年末調整機能の詳細>

・従業員情報登録
・年末調整計算の対象者を一元管理
・従業員情報の更新状況を一元管理
・年末調整計算の進捗状況を一元管理
・年末調整の精算月を選択可能
・給与等総額の自動集計
・各種控除額の自動計算
・年末調整の自動計算
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書出力
・給与所得者の保険料控除申告書出力
・源泉徴収簿出力

料金プラン

【スモールビジネス(小規模法人向け)】

年額プラン:2,980円/月
月額プラン:3,980円/月

【ビジネス(中規模法人向け)】

年額プラン:4,980円/月
月額プラン:5,980円/月

詳細は以下の資料をダウンロードしてご確認ください。

マネーフォワード クラウド年末調整 含む資料を一括DL

 

 

3. 月額400円~利用できる!『ジョブカン労務HR』


画像出典元:「ジョブカン労務HR」公式HP

特徴

労務担当者300人の声を活かして作られた、ジョブカン労務HR。

年末調整はクリックするだけで必要な書類を自動作成でき、クラウド上でまとめて処理できます。

無料お試し期間中からサポートが充実しており、システム導入時の有料初期設定サポートもあります。

機能

・手続きの自動化・効率化
・従業員情報一元管理
・セキュリティ

料金プラン

・初期費用:0円
・月額費用:400円/1名

500名を超える大規模企業で利用の場合や、詳細については以下の資料をダウンロードしてご確認ください。

ジョブカン労務HR 含む年末調整の資料を一括DL

 

 

まとめ

毎年のように税制改正が行われるため、その度に年末調整に関する書類の作成方法や、控除額の計算方法が変更になることがあります。

そうなると、作成する従業員の負担だけではなく、従業員一人ひとりの申告書をチェックする担当者の負担はかなり大きくなります。

年末調整を正確にスムーズに行うには、早めの対応が必要となります。申告書の作成から内容のチェック、調整など、年末調整の事務作業の効率化には、年末調整システムの導入がおすすめです。

年末が近づく前に、年末調整を効率的に進められるよう、しっかりと準備しておきましょう。


画像出典元:写真AC、Pixabay、Unsplash

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