雇用契約書の電子化に要件はある?雇用関連書類電子化のメリットとは

雇用契約書の電子化に要件はある?雇用関連書類電子化のメリットとは

記事更新日: 2021/04/23

執筆: 編集部

コロナ禍でリモートワークが浸透し、書類や業務の電子化の波はすぐそこまで来ています。

雇用関連業務においては、2019年4月に労働条件通知書の電子化が解禁されました。

しかし、雇用契約書、労働契約書、労働条件通知書など、雇用関連書類にはいろいろな種類があり、どの部分をどのように電子化していいのか理解が不十分になりがちです。

当記事では、雇用契約書、労働契約書、労働条件通知書の違いを解説し、電子化するために必要な要件について詳しく記載します。

電子化がスタンダードになる時代は遠くない未来。雇用業務の効率化とコストダウンにもなりますので、雇用契約書などの雇用関連書類の電子化を検討してみてはいかがでしょうか。

契約関連書類は電子化できる!「雇用契約書」「労働契約書」「労働条件通知書」とは

混同し易い3種類の契約関連書類について解説していきます。

雇用契約書とは

雇用契約書は、労働者と会社の間での労働と報酬についての取り決めを文書にしたものです。

そもそも雇用契約とは、民法に基づいた契約で、労働に対する対価が「報酬」と記載されており、金銭に限定していない点が特徴として挙げられます。

雇用契約をしたのであればそれを書面にする義務がないため、雇用契約書を作成していない企業もあります。しかし、後々言った言わないのトラブルになることを避けるため、多くの企業が雇用契約書を作成しています。

作成する場合、雇用契約書は民法に則って作成し、双方の合意の上、署名・記名捺印がなければなりません。

雇用契約書は書面での交付が義務付けれらていませんので、すでに電子化(メール等で交付)している企業も多いでしょう。

労働契約書とは

雇用契約書に似た名前の契約書に、労働契約書というものがあります。

雇用契約書とほとんど同じ意味で使われていますが、違いは「雇用」と「労働」という文言です。何が違うのか確認しておきましょう。

労働契約書は、従業員と会社の間での労働と賃金についての取り決めを文書にしたものです。雇用契約書は「報酬」という文言でしたが、労働契約書は労働の対価は「賃金」だと明記しています。

雇用契約書と同様に、書面での交付が義務付けられているわけではありません。しかし、作成する場合、労働契約書は労働契約法に則って作成しなければなりません

細かいことを言うと、「労働」の範囲内に「雇用」という労働形態があるということを理解しておくべきでしょう。

労働形態にはほかにも「委託」や「請負」などがありますが、雇用契約書は「雇用」という労働形態での労働についての契約書となります。

労働条件通知書とは

労働条件通知書は、どのような条件で働くのかを詳しく記載した文書です。労働基準法に則って作成しなければならず、違反した時の罰則も設けられています。

その作成のためには、労働基準法施行規則を遵守します。絶対に明示しなければならないことなど明示事項が事細かに定められており、非常に重要ですので確認しておきましょう。

厚生労働省ホームページ内、「労働契約締結時の労働条件の明示~労働基準法施行規制が改正されました~」において、事業者向けリーフレットを見ると、簡潔にまとめられているので分かりやすいです。

労働条件通知書には、賃金はもちろんのこと、休憩や交通費、休業や退職に関わることまで詳細に記載します。

その量は膨大であり、それを全労働者(従業員)に交付しなければならないのです。

企業はコストと時間をかけてこれを作成していました。その労働条件通知書が2019年4月に電子化することが容認されたのです。

人事・労務担当者にとっては、待ちに待った電子化だったと言っていいでしょう。

3書類を表で比較してみよう

 

  雇用契約書 労働契約書 労働条件通知書
要約 労働者と会社の間での取り決め
(労働と報酬について)
従業員と会社の間での取り決め
(労働や賃金について)
どのような条件で働くのかを詳しく記載した文書
関係法令 民法 労働契約法 労働基準法
法令違反による罰則 なし なし 30万円以下の罰金
(労基法120条)
交付 義務ではない 義務ではない 義務
電子化 要件を満たせば〇
2019年4月から


労働条件通知書のみ、交付の義務があります。雇用契約書・労働契約書に義務はなく、電子化についても要件がありません。

電子化の要件があるのは労働条件通知書です。詳しく見ていきましょう。

労働条件通知書の電子化要件と注意点

原則として書面交付ですが、以下の要件を満たせば電子化が許可されます。電子化するにあたっての要件と、それに不随する注意点を確認していきましょう。

1:労働者本人が電子化を希望している

希望しているかどうか、本人の意思をきちんと確認する必要があります。

希望していないにも関わらず、メールに添付し送付するのみでの明示は労働基準関連法令違反となりますのでご注意ください。本人が書面での交付を希望した場合は、従来通り書面で交付しましょう。

2:労働者本人に届くこと

通知媒体について「受信をするものを特定して情報を伝達するために用いられる電気通信」と定められています。

これはGmailやYahoo!メールなどで本人のみが閲覧できるようなメールサービスなどが挙げられます。ブログやホームページへの書き込みでの明示は認められません。

文字制限があるようなSMS等も、ファイル添付ができないため望ましくありません。そして、送付したままにせず、本人に届いたかどうかをきちんと確認しましょう。

3:本人が書面として出力できること

なるべく出力して保存するように記載されています。そのため、印刷がし易いように、PDFファイル等での添付が推奨されています。

SMSなどの文字制限の都合で細切れに文章を記載すると、保存・印刷しづらいので望ましくありません。

電子化で業務効率が向上、大幅なコスト削減も

雇用関連書類が電子化できるとどのようなメリットがあるのでしょうか。導入する前に知っておきたいメリットを詳しくみていきましょう。

煩雑な雇用関連業務を電子化で効率的に

雇用関連業務を電子化する企業が増加している背景には、煩雑な業務の実態があります。

義務ではないとはいえ、トラブルを未然に防ぐために、雇用契約書や労働契約書は多くの企業で採用されてきました。

業務の電子化を進んで導入している企業では、すでに雇用契約書は電子化されています。

しかし、労働条件通知書は書面で交付が義務付けられおり、雇用契約書と労働条件通知書を別々に作成する手間がありました。

少しでも業務を効率的に進めるために、「雇用契約書兼労働条件通知書」として書面交付を実施していた企業も多くあることでしょう。

2019年4月に解禁されてから1年は、電子化を導入する企業の増加はあまり著しくありませんでした。

ちぐはぐは業務のままでも我慢できたからです。しかし、新型コロナウィルスの蔓延でリモートワークを余儀なくされ、契約書類の作成や送付、管理に不便を感じるようになり、電子化する企業が一気に増加しました。

ペーパーロジック社の最近の調べによると、東京に本社を置く企業の2割が、すでに雇用関連書類の作成から管理までを電子化しているようです。

当該業務の一部で電子化を採用している企業はなんと5割を超えます。それらの企業は一様に、煩雑な業務からの解放を喜んでいることでしょう。

業務効率化はコスト削減とともにある

2019年の電子化解禁を受け、雇用契約書・労働条件通知書をどちらも電子メールなどで送付することができるようになりました。

これで、バラバラに作成する手間も、まとめて出力するコストもかからなくなったわけです。

嵩んでいた印刷代、用紙代、郵送代などが不要になるわけですから、とてつもないコスト削減になります。

さらに、雇用関連書類を作成する業務が一つに集約され得ることで、ツールやソフトウェアサービスを容易に利用できるようになりました。

雇用契約などを電子化したサービスは、これから多くの企業で導入されることが予想されます。

コロナ禍のリモートワークにおける不便を取り除き、よりスムーズに業務を進めるためにも、サービス導入を検討してみてはいかがでしょうか。

これなら失敗しない!おすすめ労務管理システム4選

リモートワークの浸透で、ずいぶん多くのサービスが開発されています。どのようなものがあるのか、おすすめの労務管理システムを紹介いたします。

1. シェアNo.1の人事労務ソフト!『SmartHR』

画像出典元:「SmartHR」公式HP

特徴

「SmartHR(スマートエイチアール)」は2万社以上の導入実績を誇る労務管理システムです。

最大の特徴は質問に答えるだけで重要書類が作成できる簡単さです。Web上で書類作成や管理が行われるため、紙もハンコも使う必要がありません。

e-Gov APIと連携しているため、役所やハローワークへの書類提出もWEB上からできます。

実際にSmartHRを導入した企業では、「2人で1,700人分の給与計算が可能になった」「社員の60%の生産性が向上した」などの実績も出ています。

従業員情報を一元管理するクラウド人事労務ソフトなので、社労士がいなかったり従業員が多い企業には特におすすめです。

機能

  • 従業員情報の一元管理
  • Web上で給与明細、年末調整など自動で作成
  • 入退社・社会保険・雇用保険などの手続きや管理が可能

料金プラン

プラン 月額費用 機能 従業員数
¥0プラン 0円 一部利用できない機能あり 30名まで
スモールプラン お問合せ 労務手続きや情報管理の効率化
(小規模の企業向け)
50名以下
スタンダードプラン お問合せ 人事・労務の効率化と従業員情報の一元管理(あらゆる規模の企業に対応) 50名以上


どのプランでも初期費用はかかりません。

 

2. 119種類もの帳票に対応!『オフィスステーション』


画像出典元:「オフィスステーション」公式HP

特徴

「オフィスステーション」はプロも納得できる数の119帳票に対応しています。帳票のPDFがあるのはもちろん、そのまま電子申請ができる種類もあります。

業界最安値の料金に加え、誰でも使えるシンプルな操作性であるため初心者にもうってつけの労務管理システムです。

また、オフィスステーションシリーズは使う機能や必要な機能だけを選ぶ事ができる「アラカルト型(バラ売り)」のソフトウェアなため、無駄な出費を抑え、低額で利用することができるのも大きな特徴です。

料金プラン

オフィスステーションは利用人数によって変動する料金体系をとっています。

従業員100名で労務・年末調整・給与明細・有給管理・マイナンバーの全てのオプションをつけた場合でも、1人あたり月額403円という安さで利用することが可能です。

従業員数 年間利用料 従業員1人あたり月額
100人 40,333円 403円

 

 

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オフィスステーションの評判・口コミ・特徴・料金・価格を徹底解説!

この記事ではオフィスステーションの評判や口コミ・特徴・料金や価格などをご紹介していきます!

 

3. 新しく組織人事を練りたい方におすすめ!『sai*reco』


画像出典元:「sai*reco」公式HP

特徴

sai*reco(サイレコ)では、自社の業績好調時の組織体制や状態を振り返って現在の組織戦略にも役立てることができます。

「人材に対する投資の質を高めたい」「ルーチンワークに追われてしまう」という方にはうってつけのシステムです。労務管理の業務の中でも人事面に特化したシステムです。

社内申請・情報更新・給与明細などの定型業務の自動化はもちろん、異動・組織シュミレーションなどのタレントマネジメント機能も備わっています。

初期費用がやや高めではありますが、月額費用は100人より多い会社でも1人あたり180円で利用可能です。

料金プラン

システム導入費 システム利用料(月額) システムメンテナンス費
400,000円(初回のみ) 一律18,000円/100人以下
(100人超過は月180円/1ユーザー)
1,000円/月

 

sai*recoの資料を無料ダウンロード

 

実際に使った人の評判・口コミ

 

人事・管理職の人事評価業務負担を減らすために導入しました。導入前はエクセルで管理していたのですが、過去資料の管理が杜撰になっていました。導入後は過去の評価内容の管理も容易となり、電子上で評価シートのやりとりが行えるようになりました。
(コンサルティング:従業員50人以下)

 

月額は安いのですが、初期費用は他社と比べて高い点が導入時のハードルになりました。会社規模がまだ大きくないため、人員配置等のツールを活用しきれていません。人員配置の適正化を考えるレベルに達していないベンチャー企業にも対応した機能があればありがたいです。
(コンサルティング:従業員50人以下)

 

 

4. 労務管理システム初心者なら絶対!『ジョブカン労務管理』


画像出典元:「ジョブカン労務管理」公式HP

特徴

「ジョブカン労務管理」は、初めて労務管理システムを利用するという方に絶対的におすすめしたいシステムです。

導入実績はシリーズ累計で70,000社以上とかなり多くの会社で使われてて、とにかく使いやすく労務業務に不慣れな人でも書類作成から申請まで簡単に行うことができます。

たった1分で無料アカウントが発行できて、即日簡単に始められるという導入ハードルの低さも初心者にお勧めしたい理由です。

帳票は自動的に作成され、ボタンひとつで主要な社会保険・労働保険の書類を提出することができるため、役所まで足を運ぶ必要もありません。

「システム導入の際の初期設定が面倒だ」という方でも、初期設定を代行してくれるオプションプランもあるので安心です。

機能

  • 従業員情報の一元管理
  • あらゆる手続きの自動化
  • TODOリストによる進捗管理等、各種機能で業務効率化をサポート

料金プラン

プラン サポート&初期費用 月額費用 従業員数
無料プラン 0円 0円/ユーザー 5名まで
有料プラン 0円 400円/ユーザー 無制限

 

 

 

忘れないで!電子帳簿保存法への対応

電子契約サービスを検討している方も多いと思いますが、契約書のデータ保存は、電子帳簿保存法に対応させて、法的な効力を保持するようにしてください。

その注意点を詳しくみていきます。

1:雇用契約書(労働契約書)の電子化

雇用契約書は数ある契約書の中の一つです。電子契約を導入してそれを電子化する場合は電子帳簿保存法に則り進めましょう。

契約書はもともと署名・記名捺印をすることによって、本人であることを担保していました(本人性の担保)

記入された日付により、いつ作成したのかが明示的であり(原本性の担保)、書面で交付されることによって改ざんされていない証明となります(非改ざんの証明)

電子契約を締結するのであれば、本人性の担保のために「電子署名」を、原本性の担保のために「タイムスタンプ」を用い、その2つをもって非改ざんを証明し、締結された契約書の完全性(真実性)を担保する必要があります。

さらに、画面や出力時にきちんと内容が見て取れるようにし(見読性の確保)、範囲指定などで検索をかけられるようにします(検索性の確保)

これらを満たす必要がありますので、電子契約締結サービスをお探しの場合は、電子帳簿保存法への対応があるかどうかが、取捨選択の一つの判断となるでしょう。

2:労働条件通知書の電子化

労働条件通知書はあくまで「通知書」ですので、契約書ではありません。しかし、雇用契約書と兼用している場合は、その電子化に注意が必要です。

労働条件通知書の電子化要件を満たし、さらに雇用契約書の電子帳簿保存法へ対応しているかどうか、きちんと確認しましょう。

雇用契約書と労働条件通知書を別々に作成すると二度手間になる場合が多くあります。

ですので、これからどちらかを電子化しているのであれば、兼用書類を作成し一つにまとめるほうがより業務を効率化できると言っていいでしょう。

兼用書類の作成に対応しているサービスをご検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

雇用契約の電子化が大きく進んだことは、非常に喜ばしいことです。

ほかにも、給与システムや勤怠管理などの電子化が次々と進んでいます。それに伴い、セキュリティーやプライバシーの管理、権限付与の制限などに注力することが急務だと言えます。

さらには、その他の契約書の電子締結業務や、国税書類の電子化と並行して進めていくのであれば、電子帳簿保存法にも対応できるようにして、書類や業務の電子化時代を先取りしましょう。


画像出典元:Pixabay

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