就業規則を変更する!変更が必要なケースと手順とは?

就業規則を変更する!変更が必要なケースと手順とは?

記事更新日: 2021/03/18

執筆: 編集部

リモートワークなどワークスタイルの多様化に合わせて就業規則を変更しなければならない場合があります。

また給与の見直しや手当の廃止などの理由で就業規則を変更する場合もあります。

そうした場合、労働問題のトラブルを避けるためにも就業規則変更の手順や注意点をきちんと踏まえなければなりません。

それで、この記事では以下の点を解説します。

  • 就業規則とは
  • 就業規則変更の手順
  • 労働者の同意を得ずに会社側が勝手に就業規則を変更することができるのか
  • 就業規則変更の相談はどの士業に依頼すべきか


この記事を参考にすれば、トラブルを避けながら就業規則の変更をどのように行うことができるのかわかります。

就業規則を変更する

まずは、就業規則とはどういった会社が作らないといけないのか、どんなケースで就業規則の変更をする必要があるのかについて紹介します。

就業規則とは

就業規則とは、労働時間や賃金などについて会社が定めたルールをまとめたものです。

常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法第89条の規程により就業規則を作成し、所轄の労働基準監督所長にそれを届出しなければなりません

就業規則の記載事項

就業規則に必ず記載しなければならない事項には次の3つがあります。

1. 労働時間関係

始業及び終業時刻、休憩時間、休日、休暇など

2. 賃金関係

賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締め切り及び支払いの時期、昇給に関する事項

3. 退職関係

退職金など


これら必須の記載事項に加えて、臨時の賃金、最低賃金、従業員の費用負担、安全衛生関係、災害補償など各会社で定めたルールを記載します。

就業規則が変更が必要な時とは

次に挙げるケースでは就業規則の変更が必要です。

法令の改正に対応する場合

労働基準法などの労働関連の法令が改正された場合、それに対応するために就業規則の変更が必要なケースがあります

たとえば、最低賃金に関する法令が改正され、最低賃金の基準が高くなり現行の就業規則の最低賃金がそれを下回っているならば、最低賃金に基準に達するように変更しなければなりません。

社内のルールの変更、もしくは新たなルールを導入する場合

労働時間を変更する、新たな手当制度を導入する、賃金規定を見直すなど社内にあったルールを変更する場合にも就業規定の変更が必要です。

さらに、リモートワーク導入などで新たなルールを既存の就業規則に盛り込む必要が生じるケースもあります。

リモートワーク勤務を導入する場合、次の事項を就業規則に含めます。

  • リモートワーク勤務を命じることに関する規定
  • リモートワーク勤務用の労働時間に関する規程
  • 通信費などの負担に関する規定

 

就業規則の変更の手順

就業規則を変更する手順を順番に説明します。

原案・概要作成

労務管理や総務部などの担当部署で新しい就業規則の変更案をまとめます

変更箇所については、下記の例のような適用範囲を定める必要があります。

  • 通常業務のみなのか
  • リモートワークにも適用されるのか
  • 正社員だけなのか
  • パート・アルバイトにも適用されるのか

 

労働組合・代表者へ意見聴取

画像出典元:厚生労働省「様式集 」

就業規則の変更時には、従業員代表者からの意見聴取が義務化されています。

聴取した従業員代表者の意見を書面にまとめ、日付と代表者の署名捺印が入った「意見書」を作成します。

意見書は、就業規則の作成または変更の内容に対し、労働者側の意見を記載する書面です。

就業規則の変更のときには、全従業員からの同意を得る必要はありません。

しかし、給与カットや手当のカットなど従業員への不利益変更を行う場合は、この意見を聞く段階できちんと説明するのがベストです。

就業規則の変更には、従業員の意見聴取と意見書の労働基準監督署への提出が義務化されているので、会社側が従業員に黙って勝手に就業規則を変更することはできません

変更内容決定・書類作成

画像出典元:厚生労働省「様式集 」

労働基準監督署に提出する「就業規則変更届」を作成します。

どの項目が変更されたかを明確にするために、改正前と改正後の事項を並べて記載すると良いです。

労働局の公式ページから様式をダウンロードして利用することができます。

届出提出

次の3つの書類を揃えて所轄の労働基準監督署へ提出します。

  • 就業規則変更届
  • 意見書
  • 新しい就業規則

 

従業員への周知

変更した就業規則を従業員へ周知します。

  • 従業員が常時閲覧できる場所に掲示する
  • 書面で各従業員に交付する
  • 電子データとして保存し、各作業場にそのデータを常時確認できるパソコンなどの端末を設置する

 

就業規則の不利益変更とは

従業員側が不利益を被る就業規則の変更が「不利益変更」です。

会社の業績の悪化などが原因で、従業員の給与をカット、就業時間の短縮をしなければならないケースがあります。

賃金、労働時間、休暇、福利厚生など労働条件が変更されると、従業員が不利益を被る場合があります。

こうした従業員にとって不利益となる就業規則の変更が「不利益変更」です。

不利益変更とみなされる具体的なケースを次にいくつか紹介します。

ケース1:賃金に関係する不利益変更

賃金に関係する以下のようなケースは不利益変更とみなされます。

  • 基本給の減額
  • 手当の減額や廃止
  • 退職金の減額
  • 定期昇給の停止
  • 給与の計算方法を年功序列型から成果報酬型に変更する
  • 残業時間に応じて支払っていた残業代の計算を固定残業代(みなし残業)制に変更する

 

ケース2:休日に関係する不利益変更

休日や有給休暇に関係して以下のようにルールを変更する場合も不利益変更とみなされます

  • 法定休日以外に会社が従業員に与えている休日(所定休日)を減らす
  • 法律上の有給休暇以外に会社として独自に定めている有給休暇(生理休暇や育児休暇)などを廃止する

 

ケース3:労働時間の増減やシフト変更に関係する不利益変更

労働時間やシフト変更に関係するルール変更も不利益変更に該当する場合があります

  • 賃金の変更なしに労働時間もしくは出勤日数が増える
  • 労働時間が減ることで賃金が減る
  • シフト変更により今まで就労義務のなかった曜日や時間帯に就労義務が発生する

 

不利益変更は従業員の個別同意が必要

先ほど紹介した就業規則の不利益変更を行う場合は、従業員の個別の同意が必要です。

労働契約法第9条に以下のように定められています。

使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。

引用:e-Gov労働契約法


就業規則の変更が従業員への不利益変更に該当するケースでは、以下の点を踏まえて個々の従業員から同意をもらう必要があります。

  • 同意書の冒頭で不利益変更の内容、不利益変更をしなければならない理由をわかりやすく記載する
  • 個々の従業員と個別の面談を行い、同意書の内容を十分に説明する
  • 面談のときに従業員から受けた質問とそれに対する会社側の回答を記録する
  • 不利益変更となる内容や理由を十分に説明し、それに承諾したことを確認して同意書に署名・捺印してもらう

 

就業規則の変更は誰に相談?

就業規則の変更、とりわけ不利益変更に該当するケースでは慎重に物事を進めなければなりません。

就業規則の変更を誰に相談すればいいのか紹介します。

社会保険労務士

就業規則の変更については社会保険労務士に相談するのがベストです。

就業規則の作成は社会保険労務士法第27条に基づく社会保険労務士の独占業務です。

社会保険労務士が会社と関わるケースとしては、労働保険の書類作成、健康保険や雇用保険への加入・脱退手続きなどがすぐに思い浮かびますが、就業規則の作成も社会保険労務士のメインの業務のひとつです。

就業規則に関係する分野の仕事を専門的に扱っています。

よって、就業規則の変更をする際には、社会保険労務士に相談するのがおすすめです。

弁護士

弁護士は労働法令を含めた法律全般に精通し対応できるので、社会保険労務士の独占業務である就業規則の作成や変更についても相談できます

労働問題に強い弁護士に相談するのが最善です。

社会保険労務士と同じように労働裁判の判例に通じている、就業規則の変更について実績がある弁護士を探して相談できます。

おすすめ労務管理システム4選

1. シェアNo.1の人事労務ソフト!『SmartHR』

画像出典元:「SmartHR」公式HP

特徴

「SmartHR(スマートエイチアール)」は2万社以上の導入実績を誇る労務管理システムです。

最大の特徴は質問に答えるだけで重要書類が作成できる簡単さです。Web上で書類作成や管理が行われるため、紙もハンコも使う必要がありません。

e-Gov APIと連携しているため、役所やハローワークへの書類提出もWEB上からできます。

実際にSmartHRを導入した企業では、「2人で1,700人分の給与計算が可能になった」「社員の60%の生産性が向上した」などの実績も出ています。

従業員情報を一元管理するクラウド人事労務ソフトなので、社労士がいなかったり従業員が多い企業には特におすすめです。

機能

  • 従業員情報の一元管理
  • Web上で給与明細、年末調整など自動で作成
  • 入退社・社会保険・雇用保険などの手続きや管理が可能

料金プラン

プラン 月額費用 機能 従業員数
¥0プラン 0円 一部利用できない機能あり 30名まで
スモールプラン お問合せ 労務手続きや情報管理の効率化
(小規模の企業向け)
50名以下
スタンダードプラン お問合せ 人事・労務の効率化と従業員情報の一元管理(あらゆる規模の企業に対応) 50名以上


どのプランでも初期費用はかかりません。

 

2. 119種類もの帳票に対応!『オフィスステーション』


画像出典元:「オフィスステーション」公式HP

特徴

「オフィスステーション」はプロも納得できる数の119帳票に対応しています。帳票のPDFがあるのはもちろん、そのまま電子申請ができる種類もあります。

業界最安値の料金に加え、誰でも使えるシンプルな操作性であるため初心者にもうってつけの労務管理システムです。

また、オフィスステーションシリーズは使う機能や必要な機能だけを選ぶ事ができる「アラカルト型(バラ売り)」のソフトウェアなため、無駄な出費を抑え、低額で利用することができるのも大きな特徴です。

料金プラン

オフィスステーションは利用人数によって変動する料金体系をとっています。

従業員100名で労務・年末調整・給与明細・有給管理・マイナンバーの全てのオプションをつけた場合でも、1人あたり月額403円という安さで利用することが可能です。

従業員数 年間利用料 従業員1人あたり月額
100人 40,333円 403円
 

 

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オフィスステーションの評判・口コミ・特徴・料金・価格を徹底解説!

この記事ではオフィスステーションの評判や口コミ・特徴・料金や価格などをご紹介していきます!

 

3. 新しく組織人事を練りたい方におすすめ!『sai*reco』


画像出典元:「sai*reco」公式HP

特徴

sai*reco(サイレコ)では、自社の業績好調時の組織体制や状態を振り返って現在の組織戦略にも役立てることができます。

「人材に対する投資の質を高めたい」「ルーチンワークに追われてしまう」という方にはうってつけのシステムです。労務管理の業務の中でも人事面に特化したシステムです。

社内申請・情報更新・給与明細などの定型業務の自動化はもちろん、異動・組織シュミレーションなどのタレントマネジメント機能も備わっています。

初期費用がやや高めではありますが、月額費用は100人より多い会社でも1人あたり180円で利用可能です。

料金プラン

システム導入費 システム利用料(月額) システムメンテナンス費
400,000円(初回のみ) 一律18,000円/100人以下
(100人超過は月180円/1ユーザー)
1,000円/月

 

 

実際に使った人の評判・口コミ

 

人事・管理職の人事評価業務負担を減らすために導入しました。導入前はエクセルで管理していたのですが、過去資料の管理が杜撰になっていました。導入後は過去の評価内容の管理も容易となり、電子上で評価シートのやりとりが行えるようになりました。
(コンサルティング:従業員50人以下)

 

月額は安いのですが、初期費用は他社と比べて高い点が導入時のハードルになりました。会社規模がまだ大きくないため、人員配置等のツールを活用しきれていません。人員配置の適正化を考えるレベルに達していないベンチャー企業にも対応した機能があればありがたいです。
(コンサルティング:従業員50人以下)

 

 

4. 労務管理システム初心者なら絶対!『ジョブカン労務管理』


画像出典元:「ジョブカン労務管理」公式HP

特徴

「ジョブカン労務管理」は、初めて労務管理システムを利用するという方に絶対的におすすめしたいシステムです。

導入実績はシリーズ累計で70,000社以上とかなり多くの会社で使われてて、とにかく使いやすく労務業務に不慣れな人でも書類作成から申請まで簡単に行うことができます。

たった1分で無料アカウントが発行できて、即日簡単に始められるという導入ハードルの低さも初心者にお勧めしたい理由です。

帳票は自動的に作成され、ボタンひとつで主要な社会保険・労働保険の書類を提出することができるため、役所まで足を運ぶ必要もありません。

「システム導入の際の初期設定が面倒だ」という方でも、初期設定を代行してくれるオプションプランもあるので安心です。

機能

  • 従業員情報の一元管理
  • あらゆる手続きの自動化
  • TODOリストによる進捗管理等、各種機能で業務効率化をサポート

料金プラン

プラン サポート&初期費用 月額費用 従業員数
無料プラン 0円 0円/ユーザー 5名まで
有料プラン 0円 400円/ユーザー 無制限

 

 
 

 

まとめ

就業規則の変更について紹介しました。

賃金、労働時間、休暇などで従業員の労働条件が不利益に転じるケースは就業規則の不利益変更とみなされます。

リモートワークの導入により、企業が就業時間の数え方、通信費の負担、残業代の計算方法などリモートワークに合わせた就業規則を作成する必要が生じています

労働問題に関するトラブルが起こる前に、ニューノーマルの働き方に対応した就業規則への見直しを検討してください。


画像出典元:Pixabay

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