2つの特徴を理解すれば、自社に適した労務管理システムが分かります。
同じ労務管理システムでも、料金形態の違いや、それぞれにメリット・デメリットがあります。
どちらを導入するか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
このページの目次
労務管理システムとは、今まで紙などの手作業で行っていた勤怠管理・給与計算・入退社手続きなどの労務業務をデジタル化し、自動化・効率化してくれるシステムのことです。
データを一元化することで手作業のミスを防ぎ、業務全体を効率化。
さらに、法改正があった際もシステムが自動でアップデートされるため、最新のルールにスムーズに対応することができます。
労務管理システムで利用できる主な機能をご紹介します。
業務 | 業務内容 |
帳票自動作成 | 従業員情報や手続きの情報を基にして帳票を自動作成します |
入社・退社手続き | 入退社に必要な情報収集と手続きを効率化します |
年末調整 | 年末調整に必要な書類を自動作成をします |
電子申請 | パソコン上で社会保険や納税の手続きができます |
マイナンバー管理 | マイナンバーの収集・管理をクラウド上で行います |
従業員情報の管理 | 従業員の情報管理や変更が自動化されます |
画像出典元:「オフィスステーション 労務」公式HP
「オフィスステーション 労務」は、大手企業を含む35,000社以上に導入されている実績豊富なクラウド型労務管理システムです。
e-Gov連携によるスムーズな電子申請や、入退社・年末調整など労務業務を一元管理できる多機能性が魅力。
特に対応帳票の多さやコストパフォーマンスの高さに定評があり、中小企業やコストを抑えて導入したい企業に選ばれています。
▼「オフィスステーション 労務」の主な機能
画像出典元:「オフィスステーション 労務」公式HP
オフィスステーション 労務の料金プランは1種類。
初期費用は登録料の11万円(税込)で、毎月従業員ひとりあたり440円(税込)がかかります。
名目 | 費用 |
登録料 | 110,000円(税込) |
従業員ひとりあたりの月額利用料(100名~)※ | 440円(税込) |
ユーザー数 | 無制限 |
※従業員数が10名以下の場合、月額利用料は一律4,400円(税込)となります。
30日間の無料トライアルが用意されています。
入退社、育児・介護、社会保険、年末調整など、実務で必要な帳票が110種類以上と非常に豊富。
e-Gov外部連携APIにより、電子申請もワンクリックで完結します。
これにより、Excelや紙での書類作成・提出から解放され、担当者の負担軽減に直結します。
社会保険や年末調整関連の法改正・提出様式変更にも、自動アップデートで即時対応。
しかも、バージョンアップ費用は一切不要なので、更新対応にかかる手間やコストを心配せず、常に最新の状態で運用できます。
他の労務管理ツールと比較して、初期費用・月額費用ともにリーズナブルで導入しやすく、費用対効果の高さも評価されています。
SmartHRと比較しても、中小企業やコスト重視の企業には特におすすめです。
給与ソフトや勤怠管理ツール(例:KING OF TIME・弥生給与など)との連携実績も豊富。
既存の業務フローを崩すことなく、段階的にDXを進められる柔軟性があります。
▼入社手続きを電子化
画像出典元:「オフィスステーション 労務」公式HP
一方で、SmartHRのような直感的で柔軟なUI設計や項目カスタマイズ性はやや弱く、特に「従業員情報を細かく管理したい」「詳細な情報収集や柔軟な設計を求める」場合にはやや物足りないと感じるケースもあります。
また、従業員が直接操作する画面のUX(使いやすさ)については、SmartHRの方が高評価な傾向があります。
「オフィスステーション 労務」公式HPより、成功事例のご紹介です。
■業種:卸売業 / 従業員数:約1,300名
・運用フローの一元化により、入退社手続きの時間が2分の1に
・申請フローの整備と簡易化に伴い従業員の手続きがスムーズに
・導入後に従業員から「使いやすい」「わかりやすい」の声
■業種:運輸業 / 従業員数:3,664名
・申請手続きの電子化により月40時間の業務時間を削減
・毎月発生する育児休業手続きの進捗管理と申請を効率化
・年末調整業務の電子化により約200時間の業務削減
・従業員からは「年末調整の手続きが楽になった」という感想
■業種:医療、製造業 / 従業員数:582名(グループ企業含む)
・社会保険の手続きが電子化され窓口に出向く時間がゼロに
・年間数万円単位の郵送費用を削減
・年末調整のデータ作成と照合に3~4名で2〜3日かけていたのが2〜3時間に短縮
・年末調整の差戻し件数が150〜200件から100件未満に減少
・給与明細の作業時間が1日半から1時間程度に短縮
オフィスステーション労務は、実務処理の丁寧さと帳票対応の幅広さが魅力の“手続きに強い”労務管理ツールです。
「紙やExcelでの手続きに限界を感じている」「まずは日常業務のペーパーレス化・効率化をしっかり進めたい」という企業にぴったりです。
画像出典元:「SmartHR」公式HP
SmartHRは、人事労務に関わる業務をクラウドで一元化できるオールインワン型の労務管理システムです。
入社・退社・社会保険手続き・年末調整といった定型業務の効率化に加え、人事データの収集・分析まで対応。
「従業員情報を活用する」視点を持ったクラウド型システムとして、成長企業やベンチャー企業を中心に人気を集めています。
▼雇用契約書の作成・送付・締結が簡単
画像出典元:「SmartHR」公式HP
HRストラテジー プラン |
人事・労務 エッセンシャルプラン |
タレントマネジメント プラン |
|
月額料金 | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
機能 | 従業員データベース・労務管理・タレントマネジメントの全ての機能 | 入社手続き・雇用契約・給与明細・年末調整・スキル管理など | タレントマネジメント機能すべて |
他にも、従業員50名以下企業向けの「労務管理プラン(労務管理機能のみ)」、小規模事業者向けの「¥0プラン(30名までの従業員情報を登録可)」があります。
どのプランでも初期費用はかかりません。15日間無料トライアルが用意されています。
SmartHR最大の魅力は、従業員データを収集するだけでなく、経営に活かせる情報へと変換できること。
例えば、オプションの「ラクラク分析レポート」では、従業員の平均年齢・在籍年数・組織別構成比などを自動集計・可視化。
人事施策や採用戦略にデータを活かしたい企業には特に有効です。
ニーズに応じて追加できるオプション機能が豊富にあります。
オンライン雇用契約(紙の契約書が不要)・ToDoテンプレート(手続きの抜け漏れ防止)・文書配布(規定や通知を一斉送信)など、社内の煩雑なやり取りをクラウドで完結することができます。
freee、マネーフォワード、ジョブカン、KING OF TIMEなど、40種類以上の外部サービスと連携可能。
既に他のツールを使っている企業でも、SmartHRを軸にした効率的な体制構築がしやすくなるため、他のバックオフィス業務ソフトの併用を考えるならSmartHRがおすすめです。
SmartHRは、英語・中国語(簡体字/繁体字)・韓国語・ベトナム語・ポルトガル語(ブラジル)・インドネシア語に対応。
外国人スタッフ自身が母国語で手続きを進められるため、労務担当者の翻訳や説明の負担が大幅に軽減されます。
▼ペーパーレス年末調整が可能
画像出典元:「SmartHR」公式HP
SmartHRの料金は従業員1人あたり月額750円〜と、オフィスステーション 労務より割高です。年間一括払いのため、初期負担が大きく感じられる場合もあるでしょう。
また、帳票の種類がとても多かったり、e-Govでの申請対応が細かく行えるといった「手続きの実務をどこまでも丁寧にこなしたい」場面では、オフィスステーション労務のほうが頼もしいケースもあります。
「SmartHR」公式HPより、導入事例のご紹介です。
■業種:運輸・郵便 / 従業員数 501〜2000名
・リードタイムが大幅に短縮され、人事・上長・従業員の負担軽減
・従業員が不明点をメッセージ上で解消。不備のない書類提出を実現
・SmartHRがより身近な存在に。スマホを機種変更する従業員も
■業種:教育 / 従業員数 501〜2000名
・360度評価の準備にかかる時間が9割削減され、約6時間に
・評価の実施にあたり、用意したシートが約510枚→6枚に
・従業員からの問い合わせもほぼなく、円滑に360評価を実施
■業種:飲食・宿泊 / 従業員数:2001〜5000名
・グループマネージャー1人あたりの評価にかかる時間が2時間短縮
・評価結果の取りまとめや評価委員会の準備負荷が大幅に軽減
・異動検討時に従業員データをもとに適切な従業員を検索しやすく
SmartHRは、“人事・労務の効率化”にとどまらず、従業員データを活かした人事戦略を支える次世代型ツールです。
「将来的に人事領域を広げていきたい」「人材マネジメントに力を入れていきたい」という企業にとって、非常に心強いパートナーになるでしょう。
オフィスステーション労務 | SmartHR | |
初期導入のしやすさ | ◯ シンプルで迷いにくい | ◎ 操作ガイドや導線が親切 |
多機能性 | △ 労務特化に絞られている | ◎ 人事機能まで幅広くカバー |
コストパフォーマンス | ◎ 低コストで導入可能 | △ 比較的高め |
拡張性・成長性 | △ 拡張性は限定的 | ◎ API連携やデータ活用が豊富 |
サポート体制 | ◎ 導入支援・電話サポートあり | ◎ 個別相談可/FAQ充実 |
業界適性 | 士業・中小企業に根強い人気 | 多業種対応、特にIT・ベンチャーに人気 |
オフィスステーション 労務は、コストを抑えつつ紙とExcel中心の労務業務をやめたい中小企業やまだ人事制度の整備までは考えていないという企業に向いています。
e-Govへの直接連携や、豊富な帳票対応(110種類以上)で、日常的な事務作業の無駄を一気に削減できます。
とにかくコストを抑えて労務業務を効率化したい場合は、オフィスステーション 労務がおすすめです。
SmartHRは、ただ業務を効率化するだけではなく、集めた従業員データを活かして、人事の戦略まで広げていきたい企業に向いています。
また、画面設計や操作性が非常にシンプルなため、パソコンに不慣れな社員でも迷わず使えるのが大きな魅力です。
他のSaaS(freee、ジョブカン、マネーフォワードなど)との連携も豊富なので、バックオフィス全体をデジタル化したい企業におすすめです。
今回は、労務管理システムのオフィスステーション 労務とSmartHRを比較し、両者の特徴や機能を解説しました。
どちらも労務業務の効率化を実現できる優れたツールですが、それぞれ得意とする領域や活躍の場面が異なります。
どちらのサービスも信頼性と機能性を兼ね備えていますが、目の前の業務効率化を優先するのか、将来の人事戦略を見据えるか、自社の目指す方向性によって選ぶべきツールは異なります。
オフィスステーション労務・SmartHRともに無料トライアルができますので、まずは実際に触れて、自社の業務にフィットするかを確かめてみましょう!
気になる方は下記より資料請求することもできます。
\公式HPよりさらに詳しく!自社への導入イメージがつかめる資料はこちらから/
▼他の「労務管理システム」も比較してみたい!という方にはこちらもおすすめです。
画像出典元:「オフィスステーション 労務」公式HP、「SmartHR」公式HP
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