SmartHRとジョブカン労務HRは、多くの企業に導入されている労務管理システムです。
どちらも労務管理業務の効率化に有益ですが、企業の規模や業務環境・抱える課題によって選択すべきシステムは異なります。
本記事では、SmartHRとジョブカン労務HRの料金・機能・サポートの比較や、最適なシステムを選ぶためのフローチャートをまとめました。
SmartHRとジョブカン労務HRの選択に悩んでいる担当者の方は、両システムの特徴を理解した上で自社に最適なシステムを見極めましょう。
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目次
SmartHRとジョブカン労務HRは、労務管理システムの導入を検討する企業の多くが候補に含める労務管理システムです。
料金や機能などの詳細を比較する前に、それぞれのシステムの概要をご紹介します。

画像出典元:「SmartHR」公式HP
SmartHRは、「株式会社SmartHR」が提供するクラウド型労務管理システムで、同市場において7年連続シェアNo.1を獲得し、多くの企業に選ばれています。
入退社手続き、社会保険・雇用保険の電子申請、年末調整、タレントマネジメントなどと幅広い機能を搭載しており、人事労務業務の全領域を効率的に一元管理できます。
導入企業は2名規模のスタートアップから大手企業まで幅広く、業種・規模を問わず利用されているのが特徴です。
豊富な外部クラウドサービスとの連携にも対応しており、従業員情報の収集や各種書類作成・申請をスムーズに自動化できます。

画像出典元:「ジョブカン労務HR」公式HP
ジョブカン労務HRは、クラウドサービス事業やゲーム事業など幅広い分野で事業を展開している「株式会社DONUTS」が提供するクラウド型労務管理システムです。
人事労務業務の全領域の自動化・効率化に対応しており、シリーズ累計導入実績25万社以上を誇る、ジョブカンシリーズの一角を担っています。
導入企業には創業期から成熟期まであらゆるステージ・規模の企業が名を連ねており、対象企業の業種・規模を問いません。
「ジョブカン勤怠管理」「ジョブカン給与計算」といった他のジョブカンシリーズも併せて導入すると、バックオフィス業務全体の自動化・一元管理が可能です。

SmartHRとジョブカン労務HRは、クラウド型労務管理システムの代表格ともいえるシステムです。
ここからは、両システムに共通する基本機能と、それぞれのシステムが持つ独自の強みについて詳しく解説します。
SmartHRとジョブカン労務HRは、いずれも雇用契約書の作成・電子署名・オンライン締結に対応しています。
担当者は、雇用契約のたびに紙の契約書を印刷・郵送・回収する必要がありません。
加えて、契約の進捗状況や回収状況はシステム上で一元管理できるため、契約書の回収忘れや記入漏れなどのリスクも抑制できます。
一方従業員も、スマートフォンやパソコンから必要な情報を入力することが可能です。
場所や時間に縛られず契約内容の確認・同意・署名ができ、契約にかかる手間や負担が軽減されます。
どちらのシステムでも、入社時に必要な従業員情報の収集、各種書類の自動作成、マイナンバー管理など、煩雑な入社手続きをオンラインで完結できます。
例えば入社に当たって必要な情報は、従業員自身がパソコンやスマートフォンから入力して提出する仕組みです。
担当者が手作業でデータを入力する必要がなく、入力ミスや入力漏れを抑制できます。
作成された書類はクラウド上で保管でき、参照や出力もスムーズです。
どちらのシステムも、社会保険の資格取得・喪失手続き、扶養家族の変更手続き、年末調整業務について、申請書類の自動作成・電子申請に対応しています。
担当者の業務は、必要な情報をシステム上で収集・集計し、e-Gov連携によって電子申請を行うだけ。
役所に直接足を運んだり郵送したりする必要がなく、大幅な時間削減と業務の効率化を実現できます。
SmartHRは、従業員自身が必要な情報をパソコンやスマートフォンアプリから簡単に入力できる仕組みを備えています。
特にスマートフォンアプリの利便性は高く、従業員番号で安全にログインし、必要な各種手続きを場所や時間の制限なく実行することが可能です。
スマートフォンアプリなら、社用パソコンや個人用のメールアドレスは必要ありません。
生体認証やパスコード認証の利用による高いセキュリティも確保されており、情報漏洩リスクを軽減しつつ業務効率化を実現できます。
ノンデスクワーカー・パートタイマー・シフト勤務のアルバイトなどを多く雇用している企業にとって、スマートフォンアプリの存在は大きな魅力です。
SmartHRは、従業員情報や人事・労務関連データを一つのデータベースで一元管理できます。
従業員が情報を変更したり、申請した内容が承認されたりすると、データベースの情報も自動的に更新される仕組みです。
担当者がその都度情報を変更したり、頻繁にメンテナンスを加えたりする必要はありません。
部署や業務ごとに分散しがちな人事データも、常に最新の状態で管理できます。
ジョブカン労務HRは、同じジョブカンシリーズの勤怠管理や給与計算サービスとシームレスに連携できるのが大きな特徴です。
システムの連携により、従業員の出退勤情報は自動集計され、給与計算のデータベースに反映されます。
従業員の入社・退社、異動、扶養家族の変更といった労務情報も勤怠管理や給与計算に自動的に反映されるため、再入力や更新の手間がありません。
ヒューマンエラーや入力漏れが発生しにくく、勤怠管理や給与計算の精度が向上します。
ジョブカン労務HRの強みは、労務管理に留まりません。
ワークフロー、経費精算、採用管理など、さまざまな領域をカバーする他のジョブカンシリーズと連携できるのが大きな特長です。
部署や業務ごとに別々のツールを使用する必要がなく、全社的なバックオフィス業務の効率化が可能です。
バックオフィスツールをジョブカンシリーズで統一すれば、従業員データの整合性の確保や情報管理はより一層スムーズになります。
業務の効率化と情報の見える化が適切に実現され、無駄なコストの削減や、迅速かつ柔軟な経営判断を実現できます。
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SmartHRとジョブカン労務HRは、それぞれ異なる料金プランを提供しています。
企業の規模や利用したい機能を勘案し、最適な選択肢を見極めましょう。
それぞれの料金体系の主な特徴とコスト感の違いについて解説します。
SmartHRは、企業規模やニーズに応じて複数のプランを用意しており、初期費用0円から導入できます。
企業が利用できるプランは、以下のとおりです。
| プラン名 | 概要 |
| ¥0プラン | 従業員数30名以下の企業向け。 機能は「労務管理プラン」と同様。 チャットサポートや有料オプション機能は利用できない。 |
| 労務管理プラン | 従業員50名以下の企業向け。 「労務管理」の機能のみ利用可能。 |
| タレントマネジメントプラン | 人材育成や配置を重視する組織に適したプラン。 |
| 人事・労務エッセンシャルプラン | 業務効率化とデータ活用・コスト削減を実現できるプラン。 |
| HRストラテジープラン | 全ての機能を利用可能。 戦略的な経営基盤の構築を実現できるプラン |
※具体的な料金については、見積もりが必要
SmartHRは、従業員数が増えるほど月額料金が上がります。
ただし、自社に合ったプランを選択することにより、ペーパーレス化、データの一元管理によるヒューマンエラー削減、法改正への迅速対応など、多くのメリットを享受できるのは魅力です。
複雑な業務フローを持つ企業・多様な人事制度を持つ企業ほど、業務効率化やコスト削減効果が大きく、コストパフォーマンスが高いといえます。
ジョブカン労務HRは、ジョブカンシリーズの機能の一部です。
利用できる機能は労務管理のみに限定されているため、料金も比較的安価です。
ジョブカン労務HRの料金プランは、以下のとおりです。
| プラン名 | 料金 | 概要 |
| 無料プラン | 無料 | 従業員数5名まで利用可能。 電子契約機能がない。 その他の機能も一部制限される。 |
| 有料プラン | 月額400円 / 1ユーザ | 電子契約機能を追加する場合+200円 / 1送信(1件) 月額最低利用料金は2,000円 |
(税抜)
ただし、給与計算や勤怠管理なども併せて導入したい場合は、別料金で必要なシステムを選択しなければなりません。
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SmartHRとジョブカン労務HRはどちらも「使いやすさ」に定評がありますが、設計思想や細かな使い勝手には違いがあります。
SmartHRとジョブカン労務HRのどちらとも、一目で必要な情報を把握できる管理画面を採用しているのが特徴です。
労務管理業務は画面表示に従って進めるだけでよく、直感的な操作のみで必要な手続きが完了します。
メニュー構成やボタン配置の視認性もよく、初めてシステムを扱う担当者や、パソコン操作に不慣れな方でも迷わずに操作することが可能です。
ただしSmartHRはジョブカン労務HRよりも多機能な分、細かな設定や管理が必要になる場面もあります。
「シンプルに労務管理業務だけをシステム化したい」という場合は、基本的な労務管理業務のみに対応しているジョブカン労務HRの方が、扱いやすいかもしれません。
SmartHRとジョブカン労務HRのどちらとも、スマートフォンからの情報入力に対応しています。
従業員が自分の情報を入力・確認する画面は分かりやすく、複雑な操作はありません。
SmartHRとジョブカン労務HRの大きな違いは、専用アプリの有無です。
SmartHRは専用アプリがあり、プッシュ通知機能や生体認証・パスコード認証も利用できます。
社用パソコンやメールアドレスを所持していない従業員でも、アプリを通じて直接通知を受け取ったり、必要な情報にすぐにアクセスしたりできるため、入力漏れや情報の確認忘れが発生しにくくなります。
結果として、担当者・従業員ともに、手続きや申請のストレスを低減できます。
SmartHRとジョブカン労務HRはどちらも、他システムとの連携やサポート体制を整えています。
ただし、連携方法やサポート手段・料金体系は異なるため、詳細を確認しておきましょう。
| システム連携 | 他システムとの連携手段が豊富 アプリ連携も可能 |
| サポート体制 | ガイダンス資料や従業員向け資料 SmartHRスクール ヘルプセンター チャットサポート オンライン運用サポート など |
SmartHRは、120以上の外部サービスと連携できます。
連携方法は以下の5つがあり、自社の状況やニーズに合わせて選択することが可能です。
このほかSmartHRは、「SmartHR Plus」という公式アプリストアを提供しているのも見逃せないポイントです。
担当者は必要な業務アプリをピックアップして連携すれば、自社の業務フローやニーズに合わせて必要な機能を追加できます。
サポートについては、導入から運用までフェーズに応じたサポートを受けられます。
自己解決を促すための管理者向け・従業員向け使い方ガイドも提供されており、「こんなときどうしたらいいの?」という不安や疑問がきちんとカバーされているのが魅力。
自己解決が難しい場合は、有人のチャットサポートやオンライン相談もあり、初めての労務管理システム導入・運用もスムーズです。
| システム連携 | ジョブカンシリーズ(勤怠管理・給与計算・ワークフローなど)との シームレスな連携が可能 |
| サポート体制 | メール・電話・チャットサポート 設定代行やレクチャープランは有料 |
ジョブカン労務HRは、ジョブカンシリーズと連携することでバックオフィス業務全体を効率化できます。
すでに他のジョブカンシリーズを導入している企業は、ジョブカン労務HRの導入がおすすめです。
ただし他社システムとのAPI連携については、SmartHRほど多くありません。
また、サポートについては、メール・電話・チャットサポートが基本です。
設定代行や導入サポート・レクチャープランもありますが、別途料金がかかります。

企業が労務管理システムを選ぶ際に大切なのは、自社の業務プロセスやニーズに合致しているかどうかです。
ここでは、両システムの特長を踏まえ、どのような企業にそれぞれが最適なのかを具体的にご紹介します。
SmartHRは、洗練されたUIと直感的な操作性が強みです。
入社手続きや社会保険の電子申請など、煩雑な業務を大幅に効率化できるため、短期間で業務改善を実現したい企業に最適です。
またSmartHRは、従業員や管理者がいつ・どこからでも必要な画面にアクセスできるアプリを利用できます。
普段パソコンを使わない従業員や、現場で働く従業員を多く抱えている企業にとっては、導入のメリットが大きいはずです。
SmartHRは、従業員情報の一元管理や人事評価、タレントマネジメント、年末調整、雇用契約管理など、人事・労務に関わる幅広い機能を搭載しています。
部署や拠点が多い、中〜大規模の企業でも情報の分散や二重管理が発生しにくく、全社的な業務効率化とガバナンス強化を実現することが可能です。
加えてSmartHRは、多様な外部システムとのAPI連携・アプリ連携に対応している点も大きなメリット。
すでに給与計算システム・勤怠管理システムを導入している企業も、既存システムを活かしながら人事・労務業務を効率化できます。
SmartHRは導入時・導入後・本格運用時のサポートが充実しています。
導入ガイドやチェックリスト・使い方のガイド動画もあり、運用で知りたい情報や困ったことが起きた際の解決は非常にスムーズです。
システム運用の不安や疑問について個別対応するサポートもあり、業界や企業規模に寄り添った解決方法の提案を受けられます。
初めてクラウド型労務管理システムを導入する企業や、社内にIT専門部が存在しない企業でも、不安のない導入・運用が可能です。
ジョブカン労務HRは、必要な機能を選んで導入できるモジュール型の料金体系を採用しています。
労務管理の必要な機能のみを選択すれば、初期投資や運用コストを抑えられます。
コストを重視しつつ、労務管理の効率化を図りたい企業にとって、特に有益なシステムです。
ジョブカンは、バックオフィス業務全体をカバーするシリーズを展開しています。
勤怠管理、給与計算などのシリーズを併せて使用すれば、人事・労務管理業務の効率化や正確性の向上、ひいては全社的な生産性の向上を実現できます。
手作業によるミスや手間のかかる業務に負担を感じている企業、システム間のデータ連携が煩雑で業務効率が低下している企業は、シリーズでの導入がおすすめです。
ジョブカン労務HRは、直感的で分かりやすい画面設計を採用しています。
ITリテラシーが高くない従業員でも迷わず操作できるため、システムが現場に定着しやすく、担当者の運用負担も大幅に軽減できます。
労務管理システムの導入が初めての企業や、多機能よりもシンプルさを求め、複雑な設定を避けたい企業に適しています。
以下のフローチャートを利用すれば、いくつかの質問に沿って進むだけで、自社に最適なシステムが明確になります。
SmartHRとジョブカン労務HRのどちらを導入すべきか決めかねている担当者の方は、導入時に重視したいポイントを意識しながら、ぜひ回答してみてください。

SmartHR・ジョブカン労務HR以外のシステムも知りたい方こちら
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SmartHRは「一元管理・業務効率化・タレントマネジメント」に強く、洗練されたUI / UXを重視する企業、人事・労務全体をカバーしたい規模の大きい企業、手厚いサポートを求める企業に適しています。
一方、ジョブカン労務HRは「柔軟性・導入しやすさ・コストパフォーマンス」が魅力で、必要な機能を安価に導入したい企業や、勤怠・給与計算と連携したい企業におすすめです。
まずは自社の現状や課題、達成したいことを明確にし、どちらのシステムが業務効率化につながるか検討してください。
画像出典元:O-DAN
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