取締役会とは?基礎知識から設置と開催の手順までをわかりやすく解説

取締役会とは?基礎知識から設置と開催の手順までをわかりやすく解説

記事更新日: 2018/11/06

執筆: 古村ゆあみ

これから起業や会社設立を考えている方は、その会社、企業を成功させるために多くの準備を行う必要があります。その準備の一つとして「取締役会」が存在します。

必ずしも設置しなくてはならないものではありませんが、必要に応じて設置し招集をかけて開催している企業が多いです。

今回は取締役会の基礎知識と設置・開催の手順について解説していきます。

取締役会とはどのようなものか

取締役会は、業務執行における意思決定機関とされているもので、任命を受けた取締役が3名以上集まり行われる集会です。

その中で1名が会社のトップである代表取締役となります。その他には代表取締役から任命を受け、業務執行取締役と称したポジションもあり、役員らの中で業務執行を取り仕切る役割があります。

取締役会は株主総会の代わりともなる機関です。株主の代わりに業務執行の意思を決定でき、株主の権限を抑えることができるほか、重要な決定事項があるたびに多くの株主への招集案内を行う手間が省けます。

取締役会の決定権限

会社法362条「取締役会の権限等」の定める以下の事項は取締役会において決定する必要があります。

  • 重要な財産の処分及び譲り受け
  • 多額の借財
  • 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
  • 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
  • 募集社債の金額、社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項
  • 法務省令で定める体制の整備
  • 定款の定めに基づく取締役、会計参与、監査役、執行役または会計監査人の会社に対する責任の免除の決定


加えて、362条以外でも以下の条項には取締役会の決定が必要です。

  • 自己株式の取得株数、価格等の決定
  • 株式分割
  • 株式無償割当てに関する事項の決定
  • 公開会社における新株発行の募集事項の決定
  • 公開会社における新株予約権の募集事項の決定
  • 株主総会の招集の決定
  • 取締役による競業取引および利益相反取引の承認
  • 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の承認

参考:中小機構『J-Net21』ビジネスQ&A

取締役会を設置するメリット

迅速な意思決定が可能

取締役会は上述の通り、会社の業務執行に関する意思決定機関とされています。これを設置することは、業務を迅速に進めるにあたり大きなメリットとなります。

本来であれば、株主総会を開催し、方針などを決議して行きますが、取締役会は株主に代わりそれらを行うのです。そのため、株主総会を行わずに取締役会を開催し、その中で方針などを決定できます。

このメリットが非常に大きいため、一般的には設立当初から取締役会は設置するべきです。

会社の信用向上

取締役会が設置されている会社は、外部から見ても信頼度が格段に上がります。今後、会社の拡大化を図っているのであれば、設置した方が今後に向けてスムーズになることでしょう。

取締役会を設置するデメリット

設置手続きの手間

取締役が3名以上、監査役もしくは会計参与も必要です。そのため、会社から支払われる役員報酬も考えなくてはなりません。

役員報酬をつけることにより負担が増える可能性も発生します。また、株主視点では、共益権が制限されますし、手続きを行う上での負担も出てきます。

定期的な開催による手間

取締役会は定期的に行わなくてはならなくなりますし、人員の確保も必要です。3名以上の取締役が必須事項ですので、欠員が出た際に適宜対応することも視野に入れておきましょう。

議事録を保管しなくてはならないなど、手間がかかるのが実際です。

取締役会設置の手順

取締役会を設置する際に具体的に必要となる手続きを1つ1つ解説していきます。流れとしては以下の図のようになります。

1. 取締役員の人数確保

取締役が3人以上、監査役または会計参与が1人以上必要になります。まずは誰が担当するのかを決めましょう。

2. 定款の変更案の作成

株主総会が決定していた事項を取締役会が決めることになる旨を定款に記載する必要があります。株主総会に向けて変更案を作成しましょう。なお、起業時であれば定款作成の際に明記しておきましょう。

3. 株主総会での決議

株主総会を開催し、そこで定款の変更や追加の承認を行います。

4. 法務局への変更登記

定款変更が行われてから約2週間以内に、法務局へ変更登記の申請を行なってください。

必要な書類は機関構成によって異なりますが、一例として以下が挙げられます。

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 取締役会議事録
  • 就任承諾書
  • 役員の本人確認書類

これらを準備し、申請を行います。

取締役会の開催

定期的な開催義務

取締役会は重要な意思決定機関と称していますが、だからと言って決議する内容がないから開催をしなくても良いというわけにはいきません。取締役会のメンバーは、業務執行の監督を行う必要があり、その経過を報告する義務も発生します。

そのため最低でも3ヶ月に一度は取締役会を開催し、報告を行います。

招集連絡

開催においては、その招集連絡を各メンバーへ通知します。開催の1週間前までに行い、準備をします。書面や口頭などどちらでも構いません。

また、定款で定例会のように規定しておけば、この招集連絡を省略可能となっています。急遽開催になった場合であれば書面などで通知すると良いでしょう。

会議の方法

会議の方法は比較的自由です。遠方に取締役がいる場合はスカイプ会議などで行うケースもあります。

また、定款で決めておけば「書面決議」といって、メールで議題を周知し、反対意見がなければ議決する、といった形を取ることも可能です。

開催に必要な人数

決議には取締役会の過半数の出席が必要とされています。ただし、利害関係のある取締役は議決に加わることができないので注意しましょう。

特別取締役による議決

取締役の数が6人以上でうち社外取締役が1人以上の場合、あらかじめ選定した3人以上の特別取締役によって「重要な財産の処分及び譲受け」「多額の借財についての決議」を議決可能です。

まとめ

今回は、取締役会設置について解説していきました。

迅速な意思決定が可能という大きなメリットがあるため、会社設立当初から取締役会は設置するべき、ということを覚えておいてください。

また、どのような場合であれ、何らかのイレギュラーは発生します。その時にどう切り抜けるか、事態が発生した時にどのようにしたらいいのかを想定して進めておくと、ハプニングが起こった際に慌てず対処できます。

画像出典元:Burst

この記事に関連するラベル

最新の記事

ページトップへ