株主総会の招集通知はいつ・どのように送る?必須事項を徹底解説

株主総会の招集通知はいつ・どのように送る?必須事項を徹底解説

記事更新日: 2019/05/10

執筆: 編集部

株式会社における最高意思決定機関が株主総会です。念入りに事前準備をし、スムーズに総会を執り行いたいものですね。

事前準備を行う上で、まず着手したいのが、株主への総会招集通知の作成と発信です。

株主総会の招集通知はいつ・どのように送るのか、また通知の際の必要事項を詳しく解説していきます。

株主総会招集通知の意義


 

招集通知とは?

株主総会の招集通知を発送することは、会社法299条で定められています。

株主総会の招集通知は、株主に向けて発送される通知で、株主総会の開催要項を記載しているものです。

招集通知を発する役割は、以下に記載する会社役員が担っています。

  • 株主に対して株主総会の招集通知を発するのは取締役
  • 取締役会設置会社では、招集通知を発するのは代表取締役
  • 委員会設置会社では、招集通知を発するのは代表執行役


株主総会の内容を通知することは、次のような理由から重要な意義を有します。

  • 株主に株主総会の出席を促すことができる
  • 株主たちが、十分な準備を行なった上で、株主総会に臨むことができる

株主全員に通知するの?

株主総会の通知については、次のようなことが定められています。

1. 招集通知を必要とする対象株主

  • 定時株主総会
    会社の定款で定める、定時株主総会の基準日に、株主名簿に記載されている株主

  • 臨時株主総会
    その都度決定される基準日の2週間前までに公告し、招集通知を発送する都合上、その段階で株主名簿に記載されている株主

2. 招集通知を必要としない対象株主

議決権がない株式(完全無議決株式)を有する株主には、招集通知をおこなう必要がありません。

  • 一部の事項を除いて議決権のない株式(議決権制限株式)を有する株主
  • その他株式の状態等により議決権を有しない株式(自己株式、単元未満株式、相互保有株式等)を有する株主
  • 所在不明株主

招集通知を必要としない対象株主は、株主総会で議決権を行使することが認められていないので、定款で別段の定めがない限り、招集通知の発送は不要です。

招集通知が株主に届かなかったら?

「郵便物が届かなかった」なんて割とよく耳にする話ですよね。大切な株主総会への招集通知が、万が一にも株主の手元に届かなかったら、どのように対応するのでしょうか。

招集通知は、株主名簿に記載・記録された株主の届出住所や通知先に発送します。その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなされます。

ですから、規定通りに発送された招集通知が何らかの原因で株主の手元に到達しなかったとしても、招集手続に不備や手違いがあったとはみなされません。

株主総会招集通知の発送時期と手段


 

発送時期

株主総会の招集通知を発する期間は、「公開会社」と「非公開会社」で異なっています。(会社法299条1項)

公開会社は、株式の全部について譲渡制限が付されていない会社を指し、非公開会社は、全ての株式を定款で譲渡制限している会社のことを指します。

それぞれの発すべき期間は次の通りです。



会社法で定められた株主総会の招集期間は「株主に通知が到達した日」ではなく、「発信した日」を指すとする「発信主義」を採用しています。

また招集期間には「発信日」と「会日」とを算入しないので、「発信日」と「会日」の間に2週間または1週間という期間があることが必要です。

そして、非公開会社で取締役会を設置していない会社では、定款で定めることで、招集期間を1週間未満に短縮することが可能です。

 

通知手段

通知手段については、次のような場合は書面で通知する他、株主の同意を得た上で、メールなどの電磁的方法で招集通知を発する必要があります。

  • 公開会社の場合
  • 取締役設置会社の場合
  • 書面投票・電子投票を採用する場合


書面による招集通知の場合には、用紙のサイズや形状等に関して法令上の制約はありませんが、定型郵便規格封筒で送付できるようなサイズを採用している会社が多いようです。

また、取締役会非設置の非公開会社で、書面投票・電子投票を採用しないのであれば、招集方法について書面という制限がないことから、口頭、メールや電話での招集通知が可能です。(会社法299条2項)

招集手続の省略

株主全員の同意があるときで、かつ書面投票・電子投票を採用しない場合は、招集の通知をせずに株主総会を開催することができます。

株主総会招集通知の作成と注意事項


 

株主総会通知書の記載事項

株主総会の通知書には、次のような事項を記載する必要があります。

1. 株主総会の日時と場所に関する事項

  • 開催日時
  • 開催場所
  • 従来とは開催時期が著しく異なる場合や、前事業年度の総会の開催場所と著しく離れた場所で開催する場合は、その理由

2. 議題と議案に関する事項

  • 議題は、株主が、招集通知を見て、総会で何が決議されるかが分かる程度に記載する
  • 議案は、単に何が決議されるかだけでなく、どのような行為をするか、またどのような変更がなされるかなど、議案の中身を具体的に記載する
  • 議案の要項を記載する必要がある事項は、
    a)役員等の選任や報酬等
    b)定款の変更
    c)合併
    d)吸収分割
    e)株式の交換や移転
    などが挙げられます。

3. 書面投票及び電子投票の採用の場合における事項

  • 株主総会に出席しない株主が、書面によって議決権を行使することができる旨
  • 株主総会に出席しない株主が、電磁的方法によって議決権を行使することができる旨
  • 書面投票、電子投票の行使期限
  • 株主総会参考資料に記載した事項
  • 議決権行使書に賛否の表示がない場合の取扱いを定めた場合には、その取扱内容を明示

4. その他の事項

  • 議決権の代理行使について、代理人、代理権の行使に関する事項を定めた場合は、その取扱事項
  • 議決権の不統一行使の事前通知について定める場合は、その方法 など

株主総会招集通知書作成にあたっての注意事項

株主総会招集通知書作成にあたっては、以下のことに注意しましょう。

1. 発信日付

招集通知には、発信日付を記載しましょう。

2. 招集通知の宛名

招集通知の宛名は、個々の株主の氏名や会社名を記載する必要はなく「株主各位」といった記載でかまいません。

3. 標題の記載

招集通知の標題については、定時株主総会か臨時株主総会かを明確に記載しましょう。

また定時株主総会については、「第×回」「第×期」と明示し、どの期の定時株主総会なのかを表示します。

株主総会通知書の添付書類

株主総会通知書の添付書類が必要となる場合は、以下の2パターンです。

1. 取締役会設置会社の場合

取締役会設置会社では、定時株主総会の招集については、次の書類を招集通知に添付する必要があります。(会社法437条)

  • 計算書類
  • 事業報告(監査報告や会計監査報告を含む)


事業報告の内容に修正を要する可能性を踏まえて、招集通知と併せて、修正の場合の周知方法を記載しておけば、再通知等の手間が省けます。周知方法には、次のようなものが考えられます。

  • 会社のウェブサイトで公表
  • 日刊新聞紙に掲載
  • 官報に掲載 など

 

2. 株主総会において書面投票ができる場合

株主総会において書面投票ができる場合は、原則として招集通知において、株主総会参考書類及び議決権行使書面を添付する必要があります。(会社法301条1項)

なお、株主総会参考書類及び事業報告、また個別注記表及び連結計算書類など、一定の場合には定款にその旨を定めることで、資料の一部の事項をウェブサイトに掲載し、そのウェブサイトのアドレスを株主に通知することをもって、当該事項が株主に提供されたものとみなすことができます。

まとめ

株主総会の招集通知はいつ・どのように送るのか、また通知の際の必要事項を解説しました。

株主総会は、定時株主総会、臨時株主総会を問わず、原則として招集通知をもって、株主に通知する必要があります。

招集通知発送期限や記載事項など、うっかりミスで「条件を満たしていなかった」という事態が生じると、株主総会の招集手続きにおいて、法令違反があったとみなされ、株主総会での決議が取り消されてしまう可能性があります。

細心の注意を払って、招集通知の作成、発信するよう心がけてください。

画像出典元:pixabay、O-DAN

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