ビジネスドラマなどにもよく登場する株主総会のシーン。
ニュースでも、企業で「不正会計が発覚したことを受けて、臨時株主総会が開催された」などと報じられるのを耳にしたことはありませんか。
株主総会とは何か、またその流れについて、シンプルに、そしてわかりやすく解説します。
このページの目次
「株主」とは、1株以上の株式を有する人のことです。株主になると、大きく分けて二つの株主権が付与されます。
株式会社から経済的な利益=配当金、株主優待などを受ける権利
株式会社の経営を監督して是正する権利=株主総会での投票権など
そして、その株主たちが集まって、会社運営に関する重要な決定を行う会のことを「株主総会」と呼びます。
株主総会は、
などの出席の元に執り行われます。
株主総会の手続きや全体的な流れは決まっているので、それに従って粛々と進行する必要があります。
株主総会でうっかり手順を間違えたり、規則を無視してしまったことで、トラブルに発展するというケースも多く見られることもあります。
後々のトラブルを防ぐためにも、株主総会の手続きや全体的な流れを熟知しておくことが大切です。
株主総会とは、株主の意見を反映させる場です。会社の重要事項は、経営陣だけではなく最高意思決定機関である株主総会の決議に委ねられます。
株主総会で意思決定される、重要な基本的事項は次の通りです。
また株主は、株主総会で報告される決算報告や事業報告などで、自分が出資したお金が適切に使われているかを確認できます。
株主総会には定時株主総会と臨時株主総会の2種類があります。それぞれの概要を解説します。
定時株主総会と臨時株主総会については下記記事も参考にしてください。
株式総会開催までの流れは、取締役会の有無によって変わります。
(1)取締役会で次のような開催要項を協議、決定
(2)会社法で定められた次のような招集期間に基づき、株主へ招集通知
株主総会開催日時の2週間前
書面投票・電子投票が採用されている→2週間以内
書面投票・電子投票が採用されていない→1週間前
さらに、書面投票・電子投票が採用されていない場合は、定款で期間を短縮させることができます。
(3)株主総会当日の進行をスムーズに行うため、経営陣は、株主から質問されるであろう質問事項を想定した、想定問答集を作成
(1)株主総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、社長が招集し、社長が事情により招集できない場合は、あらかじめ定めた順序により他の取締役がこれを招集
(2)毎事業年度末日の翌日から3か月以内に書面、もしくは口頭にて招集
(3)株主総会開催の1週間前までに、株主へ招集通知(定款で短縮可能)
株主総会開催日時の1週間前
書面投票・電子投票が採用されている→2週間前
書面投票・電子投票が採用されていない→3日前まで
株主への招集通知のやり方については、以下の記事で解説しています。
当日は、次のような流れで株主総会を執り行います。
(1) 議長の就任
(2) 開会宣言
(3) 議事署名人決定
(4) 監査報告読み上げ
審議方法には次の二つがあります。
上程された議案全てを一括で上程した後、全ての議案についての質問や動議などを行い、採決だけを順次行っていくという審議方式
個別の議案ごとに議案上程・審議・採決を行っていくという方式
一括審議方式の方が、議論を円滑に進められるため一般的です。
(8)質疑応答
(9)閉会宣言
株主総会終了後は、下のような手続きが必要です。
株主総会では、議事録作成とその保存が法律上義務付けられており、記載事項についても、次のような事項の記載が法律で定められています。
作成した株主総会の議事録は、本店で原本を10年間、支店でコピーを5年間保存しておく必要があります。
また保存している株主総会の議事録は株主や債権者の要望があれば、閲覧・謄写させる義務があります。
役員変更など登記手続きを要する事項が決議された場合は、議事録を添付して変更登記手続きを行います。登記手続きは本店所在地では2週間以内、支店所在地では3週間以内に行います。
剰余金の配当を行う場合には、配当通知を株主へ送付し、支払い手続きを遅滞なく行います。
株主総会での決議方法は3種類あり、決議の対象によって異なり、それぞれ使われるタイミングや定足数が違います。
決議方法の種類は次の通りです。
株式総会の決議については、以下の記事で詳しく解説しています。
これまでに見ていただいたように株主総会開催には様々な手順が必要になります。
中でも召集通知〜委任状の回収まで、株主総会に関する業務は非常に面倒な場面も多いです。
これまでアナログでの対応が主だった様々な処理をクラウド上でできるようにしたのが、株主総会クラウドというサービスです。
クラウドサービスであるため、従来は大きな手間になっていた書類作成や郵送といった紙周りの処理が大幅に効率化するだけでなく、株主情報の管理や開催履歴の管理までも一括で省力化できるのが特徴です。
料金は、スモールプランは株主1人あたりにつき980円(株主15名まで)、スタンダードプランでは980円/株主に加え別途、基本料金14,800円が必要になります。
月額料金が不要で、株主総会1回ごとの課金方式であるため、通常のサブスクリプションサービスとは違ってリーズナブルに運用することができます。
株主総会の流れなど、株式総会について詳しく解説してきました。
株主総会は、正しい手順で行われない場合には、決議が無効になる恐れもあります。手順を正確に把握し、それに従って粛々と遂行しましょう。
画像出典元:PIXABAY、BURST
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