年末調整でボーナスから引かれた税金はどれくらい還付されるの?

年末調整でボーナスから引かれた税金はどれくらい還付されるの?

記事更新日: 2020/03/13

執筆: 編集部

年末調整の還付金はサラリーマンのささやかな楽しみですが、ボーナスが多い人は還付どころか追加徴税されるケースもあります。

この記事では、ボーナスから源泉徴収される税金などにどんな種類があり、所得税はボーナスの額によってどう変わるか、どんな場合に還付金があるかを分かりやすく解説します。

ボーナスから源泉徴収されるお金の種類と額は?

年末調整でボーナスから引かれたお金はどれくらい還付されるのでしょうか?

それを知るには、まずボーナスから引かれるお金の種類と額を知っておく必要があります。ボーナスから源泉徴収されるのは、社会保険料と所得税です。

ボーナスから引かれる社会保険料

ボーナスからは、厚生年金・健康保険・介護保険・雇用保険の4つの社会保険の保険料が源泉徴収されます。

ボーナスにかかる社会保険料の税率は、毎月の給与にかかる税率と同じです。

厚生年金の掛け金は、賞与額×9.15%です。

健康保険料は、賞与額×5%で計算します。(住んでいる都道府県によって4.95%だったり5.08%だったりと、若干違います)

介護保険料は、賞与額×0.865%で計算します。(40歳以上が対象)

雇用保険料は、賞与額×0.3%で計算します。(建設業と農林水産業は0.4%)

この4つの社会保険料を合計すると15.315%(40歳未満は14.45%)になります。賞与が50万円なら社会保険料は約76,000円、賞与が100万円なら社会保険料は約15万3000円になります。

社会保険料は会社と個人が折半して納めることになっているので、会社負担分も同額になります。

どうしてボーナスにまで社会保険料がかかるの?

「ご褒美」の意味があるボーナスからも社会保険料を引くのはひどい、と思いませんか?

実は国もそう思っていて、2003年まではボーナスからはほとんど社会保険料を差し引いていませんでした。

しかし、ある会社が「毎月の給料を低くして、その分ボーナスを多くすれば社会保険料が安くなる」ということに気づきました。

厚生年金も健康保険も会社が半分負担するので、社会保険料は安いほど会社にとっては楽なのです。

健康保険が安いのは社員にとってもありがたいのですが、どの会社もそれを真似すると国が困ります。会社間の不公平が生じるのも問題です。

また、社員は厚生年金の掛け金が安いと、現役のときは楽でも将来もらう年金の額が少なくなってしまいます。

このような問題や不公平を解決するために2003年に導入されたのが「総報酬制」です。月給からもボーナスからも同じ税率で社会保険料を差し引くことにしたのです。

 

ボーナスから引かれる所得税

ボーナスから引かれる所得税は次のように計算します。

(1) 前月の給与から社会保険料を差し引く

(2) 差引いた金額を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて税率を求める

(3) (賞与-社会保険料)×税率=所得税の源泉徴収額

「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」とは、前月の給与の額と扶養家族の数に応じて定めた税率の一覧表です。税率は0%(非課税)から最大45.945%まで21段階あります。

例えば、前月の給与から社会保険料を引いた額が30万円なら、扶養家族の数によって所得税率は次のようになります。

扶養家族の数 税率
0人(独身) 8.168%
1人(妻) 6.12%
2人(妻と16歳以上の子ども1人) 4.084%

※16歳未満の子どもは所得税法上の扶養親族には含まれません

上記の税率をボーナスから社会保険料を引いた額に掛けると所得税が出ます。

例えば、月給もボーナスも同じAさん(独身)とBさん(妻と16歳の子ども1人)を比べると、ボーナス(50万円)の所得税は次のようになります。

前月の給与から社会保険料を引いた額は30万円とします。

  ボーナスから社会保険料を引いた額 所得税率 所得税額
Aさん(独身) 430,000円 8.168% 35,122円
Bさん(妻と子ども1人) 430,000円 4.084% 17,561円

つまりボーナス50万円から社会保険料と所得税を引いた手取りは、Aさんは394,878円、Bさんは412,439円になります。

年末調整でボーナスから引かれた税金が還付されるのはどんな場合?

毎月の給与や夏冬のボーナスからの源泉徴収は、いわば税金の仮払いで、年末に所得が確定してから仮払いした金額の過不足を調整するのが年末調整です。

では、ボーナスから先払いした税金が年末調整で還付されるのはどのような場合でしょうか。

年末調整の還付金とは

ボーナスに関係なく、年末調整で還付金があるのは、次のような場合です

  • 生命保険・地震保険の保険料控除がある
  • 住宅ローンの控除がある
  • 結婚して配偶者控除を受けられるようになった
  • 子どもが16歳になって扶養控除が受けられるようになった
  • 基礎控除で48万円控除される(これは全員です)

これらの控除は年末調整前の源泉徴収には反映されいないので、年末調整することで還付金が生じます。

ボーナス分の還付金が多くなるケースとは

ボーナスから源泉徴収された税金の還付が多くなるのは、残業が多く、前月の給与がいつもより多かった場合です。

これは、ボーナスの源泉徴収の税率が「前月の給与の額」をもとに計算するからです。

例えば、ふだんの月給が残業代を含めて30万円(社会保険料を引いた額)の人が、ボーナスの前月に35万円だったとすると、独身者の場合はボーナスから引かれる所得税の税率が8.168%から10.210%に引き上げられます。

これは年間所得で見ると高すぎる税率になるので、年末調整で払いすぎた分が還付されます。

そのほかに、前回の年末調整が終わってから結婚した、あるいは子どもが16歳以上になった場合も、ボーナスに課せられる所得税率が本来よりも高くなっているので、年末調整の還付金が多くなります。

例えば、月給が30万円の人が結婚したとすると、ボーナスの所得税率は8.168%から6.126%に下がりますが、年末調整前なので8.168%が適用されています。

「会社には結婚したことを報告してある」といっても、年末調整で「給与所得者の扶養控除等申告書」を会社に提出するまでは、所得税法上は独身者あつかいになるのです。

ご自分の場合のボーナスにかかる税率を知りたいときは、先ほどご紹介した「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を見ると分ります。(下図はその一部です。細かくて見ずらい表ですが頑張ってください)


 

年末調整で追加徴税されることもある?

年末調整ではたいがいの場合還付金がありますが、給与形態によっては追加徴税されるケースもあります。

ボーナスは高いが毎月の給与は安い場合

ボーナスにかかる所得税率は前月の給与額を基準にするので、「ボーナスを高くして月給を低くする」という給与形態の場合は、年末調整で追加徴税される場合があります。

毎月の給与の合計よりもボーナスの方が多い、というような場合は還付ではなく追加徴税が発生します。

例えば、毎月の給与が20万円(年間240万円)で年2回のボーナスが150万円ずつ(年間300万円)だった場合、ボーナスにかかる所得税率は、前月の20万円という給与の額が基準になるので、扶養親族が1人なら2.024%という低率になります。

つまり、年収540万円の人の300万円分に2.024%という低い税率で源泉徴収していることになるので、年末調整したときに追加徴税が発生するのです。

ボーナスの額が前月の給与の10倍を超える場合

ボーナスの額が前月の給与の10倍を超える場合は、追加徴税という事態にならないように、源泉徴収の仕方が変わります。

その仕方とは簡単に言うと、半年に1回のボーナスなら金額を6で割って、その額に該当する税率で所得税を計算し、その後で6を掛けてボーナスの所得税を割り出す、という方法です。

実際の計算の仕方はややこしいのでここでは詳説しませんが「私の場合それだ」という羨ましい人は下記のサイトでご確認ください。

税務研究会「賞与が前月給与の10倍を超える場合の源泉徴収税額」

羨ましいといえば、私のようなフリーランスにとってはボーナスをもらえる人はとても羨ましい存在です。

ボーナス時期にテレビで「今年のボーナス支給額の平均は」などというニュースを観るとチャンネルを変えたりします。

そんなフリーランスにとって「ささやかなボーナス」に該当するのが、確定申告の後の4月頃に国税局から振り込まれる還付金です。

フリーランスの報酬の源泉徴収率は10%と高率なので、控除や経費を引いて確定申告すると源泉徴収された金額の7~8割が還付されます。

例えば年間の報酬が500万円なら還付金は40万円近くになり、払いすぎた税金が戻ってくるだけとはいえ、ちょっとしたボーナス気分が味わえます。

まとめ

ボーナスから源泉徴収されるのは、社会保険料と所得税です。所得税の税率は、ボーナスの前月の給与を基準に決められます。

残業が多かったなどで、ボーナスの前月の給与がふだんの月よりも多かった場合は高い税率になるので、年末調整で還付される金額が大きくなります。

画像出典元:pixabay

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