起業に伴うハードルが以前よりも低くなったことにより、起業を真剣に考える方が増えました。しかし起業する前に知っておかなければならないリスクがあります。
この記事では企業に伴うリスクを8つ紹介します。そのリスクマネジメント法も合わせて紹介します。起業にはリスクも伴いますが成功すればそのリターンは大きいです。起業前・起業後のリスクを最小限に抑えるための参考にしてください。
このページの目次
起業することには夢があると同時にいくつものリスクが伴います。
会社に勤務する場合とは違い、お金・従業員・仕事とプライベートのバランスなどの分野でリスクが生まれます。
しかしリスクを取るのを恐れるだけではいつまでたっても起業できません。
リスクを理解しリスクマネジメントをしておくことで新しいビジネスをスタートさせ軌道に載せることができます。
この記事では、お金・従業員・仕事とプライベートの3つの分野で起業する場合にどんなリスクが生まれるのか、それぞれのリスクの危機管理方法を合計8つ紹介していきます。
まずはお金に関係する起業リスクとその対処法を4つ紹介します。
1. 起業のための費用
2. 起業後のランニングコスト
3. 資金不足
4. 売掛金の回収
最低資本金制度が廃止されたことにより理論上は「資本金0円」でも会社を株式会社を設立できるようになりました。
とはいえ、これは全く経費をかけずに株式会社を設立できるようになったという意味ではありません。起業には必ず費用が伴うというリスクをまず認識しましょう。
株式会社を設立し起業しようと思う場合、株式会社の定款認証の手数料、登記費用などが必要です。
それらの手続きのために会社実印(法人印)・会社印・銀行印などを作る必要もあります。
自己紹介や営業のための名刺、ホームページ、事業のための必要な設備や備品も準備しなければなりません。
すばらしいビジネスモデルがあっても、必要な資金が足らなければ新しいビジネスは始められません。起業には必ずある程度の費用が伴うというリスクを覚えておきましょう。
起業にはある程度の費用が必ず必要です。このリスクを回避するため事業計画をしっかり練るという方法がおすすめです。
自分のビジネスプランを成功させるためには最低限どれくらいの資金が必要かを計算しましょう。
起業前だけでなく起業後も事業維持のための毎月の経費、つまりランニングコストが必要です。
例えば、オフィスや店舗、倉庫の家賃、光熱費、インターネット代などの通信費、備品をリースしていればそのリース代などです。
さらに金融機関からの融資を受けていれば、金利の支払い、元本返済などの費用も計上しなければなりません。
従業員がいれば給料、福利厚生費、各種保険料などもかかってきます。
毎月のランニングコストが払えなくなると、新しい事業はストップしてしまいます。
起業してしばらくは赤字が続く場合が多いため、資金が足らずに閉業してしまう、というパターンはよくあります。
毎月のランニングコストがどれくらいになるかを開業前に計算しておきましょう。
事業が黒字になるまでの期間、毎月どれくらいのランニングコストが必要かを計算し、その金額も開業資金に加えるようにしましょう。
そうすることで、毎月のランニングコストを支払えなくなり、事業が頓挫するリスクを会費できます。
また、起業のための費用や、事業拡大時に必要な資金のサポートがある起業家支援プログラムを活用するのも一手でしょう。
開業したくても資金が足りない、開業したものの途中で資金が足りなくなるというリスクも存在します。
資金が底をつけば事業を中断せざるを得ません。
資金を調達する方法、融資を受ける方法を知っておくのも起業するための大切なポイントです。
新規事業者が事業資金のための融資を得る方法としておすすめなのが、日本政策金融公庫の創業融資制度を利用するという方法です。
しかし、そこからの融資を受けるためには「創業計画書」をきちんと作成しなければなりません。
起業セミナーでは融資を成功させるためにどのように創業計画書を作成できるか学べる講座があります。そうしたセミナーに参加することもできます。
さらに、資金不足というリスクを避けるために、ひとつだけでなく、複数の資金調達先を用意するという方法もあります。
起業するからには取引先を増やし売り上げを伸ばさなければなりません。起業前や起業後すぐは、どこでもいいから取引さえできればという気持ちが生じるかもしれません。
しかし事業をきちんと軌道に載せるためには、売掛金をしっかりと回収できる信用できる取引先を選ばなければなりません。
売掛金とは、商品やサービスなどを販売し、その代金をいわゆる「ツケ払い」で取引先から回収できる権利のことです。
例えば月末締め翌月末払いにして取引先から売掛金を回収したりします。
この売掛金が回収できないと、お金が返ってこない、取引先からなめられてますます支払が滞るなどのさらなるリスクが生まれます。
最悪の場合、自分の会社の資金がなくなる、金融機関や投資先からの信用を失うなどの結果になる可能性があります。
売掛金の未回収というリスクを避けるためには、次の2つの方法がおすすめです。
1. 与信管理を行なう
2. 契約書をきちんと交わす
取引先が信用できるかどうかしっかりと信用調査を行いましょう。
取引先の決算書が入手できればそれを参考に与信判断ができます。それが難しい場合は信用調査会社に調査を依頼するという方法もあります。
取引先と契約を結ぶ際には、契約書に支払条件に関する文言をきちんと記載します。
重要な契約であれば、公正証書を作成し、「〇ケ月以上代金が支払われない場合、直ちに強制執行に服する旨を陳述した」などの文言を記載できます。
こうすれば仮に売掛金未払いが生じても、複雑な手続きを踏むことなく、未払い金回収のための強制執行に移行できます。
起業して従業員を雇うことにした場合、どんなリスクが伴うのか代表的な2つの事例とその対処法を紹介します。
1. 従業員の仕事中の事故
2. 従業員による情報漏洩
故意に行われたか、それとも不注意でそうなったかに関わらず、従業員により発生した事故により業務停止の処分が下されるというリスクがあります。
例えば、従業員の衛生管理の不備により食中毒が起こり、業務停止処分を受けるというケーズがあります。
過失やそれによる事故を100%防ぐことは不可能ですが、マニュアルの整備とその徹底、定期的に行われる作業チェックなどの方法で、事故を予防することができます。
従業員が仕事中にケガをするということもあります。こうしたケガの治療や補償などは労災保険でカバーできます。
しかし開業資金が乏しい企業の場合、労災保険の加入をおろそかにしている場合もあります。労災保険の加入を怠るなら、従業員のケガや事故により高額な損害賠償請求を受ける可能性があります。
労災保険にきちんと加入しておくことも従業員のケガや事故に伴うリスクを避けるためには大切です。
従業員が顧客や取引先の個人情報を外部に漏らすというリスクもあります。
採用時に個人情報漏洩に関する契約書を取り交わす、定期的に従業員に情報漏洩に関する教育をするなどの方法でこのリスクを抑えることができます。
会社員は、仕事の時間がある程度決まっているので、仕事とプライベートを自然に分けることができます。
しかし起業家は、自分で仕事する量や時間を決めなければならないので、仕事とプライベートの境界線があいまいになる可能性があります。
それで以下のようなリスクが生じます。
1. 仕事に追われる
2. 家族との関係を保つのが難しくなる
起業したばかりの頃は新しいビジネスを軌道に載せるために、多少無理なスケジュールでも仕事を引き受けることがあります。
それが続けば、取引先はタイトなスケジュールでも受注してくれると思うようになります。
こちらとしては、納期を伸ばして欲しいという気持ちがありますが、同時に取引先を失いたくないという思いもあるので、適性な納期での納品をお願いしづらくなるという状況に陥る可能性があります
他にも、経営者として24時間いつも仕事のことを考えている、メールやスマホをいつもチェックする、仕事の連絡がプライベートの時間にまで入ってくるということもあります。
こうした状況に陥れば、仕事し過ぎになり、仕事がプライベートの時間を浸食し、仕事とプライベートの時間を分けるのが難しくなります。
こうした状況は、心身両面の健康を損なう原因ともなります。
仕事のし過ぎというリスクを避けるには、スケジュール管理をきちんと行うことです。
自分で仕事をするのは何時から何時までとスケジュールを決めることができます。
たとえ気になっても時間外の業務メールには対応しない、業務時間外の電話は留守電で対応するなどの明確なルールを設けることができるでしょう。
自分で取り決めた範囲の中で取引できる方を取引するという姿勢は、長い目で見れば事業の継続を後押しし、本当の意味でお客様の益になるサービスを提供することにつながるのです。
起業することで週末に仕事をしなければならなくなる、会社員時代よりも収入が減る、住宅や車のローンを組むのが難しくなるといったことが起こる可能性があります。
こうしたことが起これば家族との関係にも影響を及ぼします。
家族との関係を円満な状態に保つために、事業計画や現状、今後の見通しなどについて配偶者や子供に説明することが必要です。
仕事のスケジュールをしっかり立てて、家族と共に過ごす時間、子供の学校行事や家族行事に参加する時間を取り分けるなどの努力を行うこともできます。
もっとも簡単ですぐにできる方法は、家族に感謝の言葉を述べることです。
綿密なコミュニケーションを日ごろから取っておけば、起業という大きなチャレンジを後押ししてくれるかもしれません。
起業するにあたって考えられるお金・従業員・仕事とプライベートに関係するリスク合計8つとそのリスクマネジメント法を紹介しました。
リスクを取るのを恐れているだけでは前に進むことはできません。しかしリスクを何も考えずに無計画に前に進むのはとても危険です。
自分が始めようとしているビジネスには、どんなリスクがあり、それにどのように対処できるかを前もって考えるようにしましょう。
そうすることで、リスクを恐れて機会を失う、リスクを考えずに後で大失敗するという両方を避けることができます。
会社を設立し起業するということにはリスクが伴います。しかし個人事業主としてスモールビジネスを始めるなら低リスクで起業することが可能です。
起業することに伴うリスクとして8つのリスクを紹介しました。
お金・従業員・仕事とプライベートという3つの分野でどんなリスクを負う可能性があるのか、そのリスクをどのように回避できるのかも紹介しました。
起業にはリスクが伴いますが、リスクマネジメントをきちんと行い、事業を軌道に載せることに成功すれば、そのリターンは大きいです。
新ビジネスという方法で社会に貢献したリ、自分の夢をかなえるために、積極的に起業について考えてみるのはいかがでしょうか。
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