日本政策金融公庫の新創業融資制度は無担保・無保証で資金調達できることから、創業期の起業家の強い味方です。
本記事では、実際に日本政策金融公庫の融資担当者に直接取材した内容をもとに、創業融資の手続きの流れと必要書類について詳しく解説します。
このページの目次
通常、申込みから融資実行までの期間は3週間前後です。
(※追加資料の提出などや確認事項があり、面談後やり取りが長引いた場合1.5ヵ月程度になることもあります。)
まず最初に、日本政策金融公庫の店舗案内で、申込みをする管轄支店の確認をします。
今回は創業融資を申込むので、事業部は国民生活事業になります。
通常、本店の所在地の住所から管轄支店がどこかを確認します。
ホームページから書式をダウンロードして郵送するだけでも借入申込みを完了することはできますが、面談に備えて支店の雰囲気を見に行く意味も含め、一度管轄支店の窓口に相談に行っておくと良いでしょう。
その際に提出する必要書類や追加で用意しておいた方が良い書類などがあるかを確認しておくと安心です。
また実際に創業計画書を作成するにあっては、ビジネスサポートプラザを活用するのがオススメです。
もちろん窓口で創業計画書の内容について相談することも可能ですが、窓口は予約不要なことや他の業務も並行しておこなっていることから、相談時間を十分に確保できない場合が多いです。
その点、ビジネスサポートプラザは事前予約制で1枠1時間確保できるのでじっくりと相談に乗ってもらえます。
全国6ヵ所(札幌、仙台、東京(新宿)、名古屋、大阪、福岡)に設置されており、土日もやっているので、利用できる場合はぜひ活用しましょう。
必要書類の提出は、郵送でOKです。
一般的な必要書類は、次のとおりです。
生活衛生関係の事業(飲食や美容など)で借入申込金額が500万円を超える場合は、都道府県知事の「推せん書」または生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」が必要になります。
※必要書類については後ほど詳しく説明します!
通常、申込みの1週間から10日後に面談が実施されます。日本政策金融公庫より面談日の通知が郵送で送られてきます。
面談の所要時間は、通常30分から1時間ほどです。
面談では、創業計画書に書かれた事業計画の内容について質問されます。審査担当者からの質問に的確かつ流暢に答えられると好印象です。
事業計画について、創業計画書に書ききれなかった内容や、面談後、審査担当者が面談の内容を振り返りやすいような補足資料も準備しておくといいでしょう。
審査を通す事業計画書の書き方や面談時のコツについては以下の記事で詳しく解説しています。
面談後、事務所や店舗、工場への実施調査も行われます。
また、面談や実施調査を踏まえて追加資料の提出が必要になる場合もあります。
審査結果は、面談後、10日前後に郵送で送られてきます。
審査に通ったとしても、申込金額の満額が下りずに、減額して融資が下りることもあります。
日本政策金融公庫での融資額だけでは予定していた資金調達額に足りない場合はその他の資金調達方法を検討する必要があるでしょう。
以下の記事ではその他の資金調達の方法について詳しく解説しています。
融資が決定すると、借用証書など契約に必要な書類が契約センターまたは支店から郵送されます。手続きの案内に従って書類を返送し、不備がなければ契約完了です。
新創業融資制度を利用する場合は担保や保証人を設定する必要がないので、数日で融資が実行され、指定した口座にお金が振り込まれます。
原則として月賦払いです。
返済方法は、元金均等返済、元利均等返済、ステップ(段階)返済などがあります。
また、組合せて利用される貸付制度の内容にもよりますが、据置期間(返済をしなくて良い期間)が設定される場合もあります。
金融機関で融資を申込む際は何かと提出書類が必要になります。事前に内容を把握し、準備しておくと心の余裕にもつながります。
日本政策金融公庫HPからダウンロードできます。
日本政策金融公庫HPからダウンロードできます。
書き方や内容チェックについては、ビジネスサポートデスクや支店の窓口で提出前に事前相談するのがオススメです。
機械設備や工場などの建物を発注する場合、発注先の業者が見積書を作ってくれるので、そちらのコピーを提出します。
法務局で取得できます。
取得の際は、印鑑カードを忘れずに持っていきましょう。また、すでに取ってある場合は発行日が3か月以内であることを確認しましょう。
担保を希望の場合のみ必要です。こちらも同じく法務局で取得できます。
その際、住所ではなく、登記上の所在地が必要になるので、不明な場合や正しいか不安な場合は事前に問い合わせましょう。
生活衛生関係の事業(飲食や美容など)で借入申込金額が500万円を超える場合に必要になります。
交付申請に必要な書類は、日本政策金融公庫HPからダウンロードできます。
日々の入出金が記録されているメインバンクのものを提出すればOKです。
オフィスを借りた際の賃貸借契約書のコピーを提出します。
きちんとオフィスを借りているかを見ることで、本腰を入れて事業に取り組むつもりがあるかを判断するためです。
バーチャルオフィスを利用している場合は不利になるのでは?と言われることもありますが、年契約を結んでいるなど、継続して事業に取り組む姿勢があることをアピールすれば問題ない場合が多いです。
日本政策金融公庫HPからダウンロードできます。
創業計画書と同じく提出前にビジネスサポートプラザや支店窓口で事前相談すると良いでしょう。
飲食店業など業種によっては許認可証が必要になります。
会社設立の際に一緒に手続きを済ませていることがほとんどですが、自分で設立手続きをしていて不安な場合には、中小企業支援センターの窓口や、起業や会社設立を扱う税理士や行政書士などに相談した方が良いでしょう。
代表者のものを提出します。
謄本と同じく、法務局で取得できます。印鑑カードを忘れずに持っていきましょう。
通帳コピーで支払いを確認できる場合は不要なことが多いです。
関連会社がある場合は提出します。
日本政策金融公庫の新創業融資制度の手続きの流れと必要書類について、詳しく解説してきました。
「融資」と聞くと難しそうという印象がありますが、日本政策金融公庫はサポート体制が手厚く、創業したばかりの起業家が利用しやすい金融機関です。
金融機関融資は準備が9割です!
銀行などの一般的な金融機関に比べ優しく対応してくれますので、ビジネスサポートプラザや支店窓口をフル活用して万全の準備をして申込みをしましょう。
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書式のダウンロードは以下から。
画像出典元:Pexels
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