融資を受ける時ってドキドキします。
「ちゃんと融資を受けることができるのか」「借りたお金をちゃんと返せるのか」など考えてしまいます。
資金調達には欠かせない融資ですが、実際に融資を受ける時には面談があります。
今回は日本政策金融公庫の面談について、面談までに準備する書類、面談時のポイントなどについてご紹介します。
このページの目次
日本政策金融公庫に創業融資を受けようとしても、いきなり面談になることはありません。面談の前に準備する書類があるので、融資を受ける前にはまず書類を準備しておきましょう。
事前にしっかりと準備しておくことで、面談時に万全の態勢で望む事ができます。
状況に応じて違いはありますが、面談までには上記の書類を準備しておくことをオススメします。
必要な書類が準備できたら借入申込書、創業計画書などを提出して後日面談になります。
いざ面談となると「面談では何を聞かれるのだろう」と不安に思うかもしれませんが、融資担当者によって聞く内容や重視するポイントが違います。
3人の融資担当者の方に「創業計画書、面談」について聞いた内容をご紹介します。
編集部
何を重点的に創業計画書を見るのですか?
融資担当A
今まで創業に関してどんな準備をしてきたのか、どんな仕事を経験してきたのかを重視します。
新たに創業しようとしていることが、今まで経験していた事業なのか、全く別の事業なのかは気になります。
編集部
未経験の事業と経験のある事業であれば、経験が全く違いますね。
融資担当A
そうですね。
別に未経験だからダメと言うことではない。未経験であれば、その事業をするために今までどんな準備をしてきたのかをお聞きします。
その事業に対してどれだけの熱意や情熱があるか知りたいですね。
編集部
なるほど。
創業計画書であれば具体的にどの項目ですか?
融資担当A
創業計画書だと「1.創業の動機」「2.経営者の略歴等」ですね。
編集部
何を重点的に創業計画書を見るのですか?
融資担当B
返済ができるかどうかですね。
返済が難しそうであれば融資を実行するのは難しいことが多いです。自己資金が十分、不動産などの担保があれば違いますけどね。
3人目の方には質問内容を変えてみました。
編集部
創業時の面談の時って何を聞かれるのですか?
融資担当C
面談の時ですか?
担当者によって聞く内容は違いますが「経歴」「経験」「商品やサービス」「今後の見通し」などを面談の時にお聞きしています。
編集部
その内容ってもしかして創業計画書に書かれていることですか?
融資担当C
そうですね。
基本的には面談の時には創業計画書に書かれている内容をさらに具体的に聞いています。
融資担当者によって面談の時に聞く内容は違いますが共通点がありました。それは「創業計画書を基に面談」することです。
3名の融資担当者の方はそれぞれ違う回答でしたが、面談で聞く内容は創業計画書に書かれている項目でした。
創業計画書に記入する項目は全部で9つあるので確認しましょう。
1. 創業の動機
2. 経営者の略歴等
3. 取扱商品・サービス
4. 取引先・取引関係等
5. 従業員
6. お借入の状況
7. 必要な資金と調達方法
8. 事業の見通し(月平均)
9. その他
以上が創業計画書に記入する9つの項目です。創業計画書、借入申込書などは日本政策金融公庫のHPからダウンロードできますが、参考にリンクを貼っておきます。
日本政策金融公庫:各種書式ダウンロード
融資担当者に聞いた内容と創業計画書を照らし合わせると上記のまとめになります。
創業計画書の作成時には面談のことを意識しながら、上記の項目に特に力を入れて作成するのがポイントです。
なお、創業計画書の書き方については以下の記事でより詳しく解説しています。
勘違いして欲しくないことは「日本政策金融公庫は融資をしたい」ということです。
計画書の作成、面談などがあり融資を渋っているというイメージがあるかもしれませんが、基本的には日本政策金融公庫は融資をしたいのです。
日本政策金融公庫の主な業務は融資をすることです。逆に言えば、誰も日本政策金融公庫からお金を借りなければ、日本政策金融公庫は収入がなくなります。
融資を申込む方は、日本政策金融公庫から考えると見込み客です。
大事なことは「お金を貸したいが、申込者全員にお金を貸せない」ということです。
担当者が面談時に最も知りたいことは何でしょうか?それは「貸したお金を返済することができるのか」です。
例えば、貴方が誰かに「お金を貸して欲しい」と言われたらどうしますか?長年の付き合いもありますが「ちゃんと返してくれるの?」ではないでしょうか。
何も面識がない方から「お金を貸して」と言われて、何も聞かずに貸す方はほとんどいません。貸さない方が多いはずです。
担当者も同じ気持ちです。面談で儲かる事業であることをしっかりとアピールしましょう。
今まで面談時に聞かれることなどについてご紹介をしてきましたが、面談時に気をつけることがあります。それは「曖昧にしないこと」です。
貴重な時間を使って作成した創業計画書や書類ですが、その創業計画書に書かれている内容について曖昧な返答をすることはやめましょう。
創業計画書に記載されている事業の見通しは、あくまで将来の見込みです。
そのため、面談時の質問に対して曖昧な返答をしてしまうと「本当に計画通りの売上が見込めるのか」「この計画に信憑性があるのか」などと思われてしまいます。
実際に融資担当者に取材をしているとこんなことを言われました。
融資担当C
面談の時には参考にしたデータを提示してほしいです。
この何気ない一言とても大事です。「根拠のない計画ではなく、根拠、現実味のある計画を提示してほしい」とも捉えることができます。
そのため参考にしたデータ、業界情報、市場規模などの資料を持って面談することをオススメします。
専門家とは金融機関、税理士、商工会議所などの認定支援機関です。専門家によっては面談に同席してもらえる専門家もいるので、専門家に依頼をする方が増えています。
個人情報保護の観点などから同席をお断りされることもあるので、専門家に任せっきりにするのは注意が必要になります。
専門家の方に依頼をすると必要な書類などは事前に提出されており、スムーズにいきます。
融資の面談は一発勝負です。しかし事前の準備をしっかりしておけば大丈夫です。
今まで就職時の面接、入試試験など一発勝負を経験したことがあるはずです。
本番当日までに面接対策、試験勉強などの事前準備をしっかりして本番を迎えていませんか?融資の面談も同じではないでしょうか?
同じ一発勝負ですが1つだけ違うことがあります。それは「専門家の同席」です。
就職の面接、入試試験の本番は1人で挑みますが、融資の面談は専門家の同席が可能です。専門家がいると安心しますし、準備も確実です。
融資は創業時に重要な役割となる資金調達です。事前にしっかりと準備をしましょう。
画像出典元:写真AC
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