【必読】信用力に乏しい合同会社でも利用しやすい3つの資金調達方法

【必読】信用力に乏しい合同会社でも利用しやすい3つの資金調達方法

記事更新日: 2019/04/19

執筆: 小石原誠

2006年の会社法改正により新たに制定された会社形態である合同会社。

株式会社と比較して容易に設立することができる会社形態ですが、一方で株式会社ほどの信用力をもっていないために「資金調達が難しい傾向にある」というデメリットも有しています。

今回は資金調達が比較的難しい合同会社であっても活用が検討できる資金調達方法について紹介していきます。

合同会社の資金調達について

合同会社の資金調達は株式会社と比べれば難しい

合同会社の資金調達は、株式会社の場合と比べて難しいとされています。

その理由として、合同会社という会社形態が2006年と比較的最近制定されたものであるために、株式会社と比べて認知度や信用力が低いことが挙げられます。

資金調達は、そのほとんどが要するに「借金」です。

会社を大きくしたり事業を運営していくために必要なお金を、将来的に返済したり、あるいは返済の代わりとなるリターンをしたりすることを条件に、人や組織からお借りするのが資金調達です。

ですから「この会社は必ずお金を返してくれる(リターンをしてくれる)」ということを信じてもらわなければいけません。

これが会社の「信用力」であり、株式会社の場合は「株式会社を作ること」自体に費用と手間がかかることであるため、株式会社であることが信用力につながる一要因となっています。

一方で、合同会社は株式会社と比べれば簡単に設立できてしまうために、その点において信用力が低く見られてしまいます。

もちろん既存の合同会社の中には規模も大きく健全な運営をしており信用力が高いものも存在しますが、特に設立したての合同会社の信用力はあまり高くないのが現状といえるでしょう。

合同会社が資金調達する3つの方法

株式会社と比べれば信用力が低いことは否めないですが、資金調達がまったく出来ないというわけではありません。

合同会社が資金調達するための方法としては、おもに以下の3つがあります。

  • 国や自治体の補助金・助成金
  • 日本政策金融公庫の融資
  • 少人数私募債の発行


株式会社の場合は株式を発行することで資金調達ができますが、合同会社の場合にはこれはできません。

社員から出資を募ったり、新たな社員を迎え入れて出資を受ける形で会社の資金をまかなうことはできますが、外部からの資金調達を考える場合には、上記3つの方法が中心となってきます。

では、それぞれの資金調達方法について詳しくみていきましょう。

国や自治体の補助金・助成金を活用

合同会社が検討すべき資金調達の方法として、まず国や自治体の補助金や助成金の活用が挙げられます。

まず先に「銀行や信用金庫などの金融機関からの融資は受けられないのか?」という疑問についてここでお答えしておきます。

確かに検討することはできますが、現実的には株式会社と比べてハードルが高いと言わざるを得ません。

それであれば、先に合同会社でも取り組みやすい資金調達を実施して、会社の規模や事業を大きくして対外的な信用力を上げてから金融機関からの融資を検討した方がよいでしょう。

自身も事業として融資を行う金融機関とは違い、国や自治体は合同会社も含めて中小企業や起業家を「支援」するために様々な補助金や助成金の制度を設けています。

中小企業向けの補助金・助成金の制度としては、以下の3つが有名です。

  • 地域創造的起業補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • キャリアアップ助成金


それぞれ、概要をみていきましょう。

地域創造的起業補助金

地域創造的起業補助金とは、

新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的に、新たに創業する者に対して創業に要する経費の一部を助成

(引用元:地域創造的起業補助金 公式サイト

する補助金です。

かみ砕いて説明すると、会社を作るときにかかる創業費用の一部を助成してくれるというものですが、すべての会社が対象となるわけではありません。

地域創業的企業補助金の対象となる要件は以下の8つです。

(1)「新たに創業する者」であること

(2)みなし大企業でないこと

(3)応募者が個人の場合、日本国内に居住し、日本国内で事業を興す者であること

(4)事業実施完了日までに、計画した補助事業の遂行のために新たに従業員を1名以上雇い入れること

(5)産業競争力強化法に基づく認定市区町村における創業であること

(6)産業競争力強化法に基づく認定特定創業支援事業を受ける者であること

(7)訴訟や法令順守上の問題を抱えている者ではないこと

(8)応募者又は法人の役員が「暴力団等の反社会的勢力でないこと」、「反社会的勢力との関係を有しないこと」


特に注意すべきは (7) の「認定特定創業支援事業を受ける者であること」という点でしょう。

すなわち地域創業的企業補助金を受けるには、区市町村が実施する「特定創業支援事業」の認定を受けておく必要があるということです。

ただし、少々面倒ではありますが、「特定創業支援事業」の認定を受けておくと、創業に関する各制度において優遇措置を受けられるようにもなるので、合同会社の創業を考えている場合は前もって検討しておくことをおすすめします。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、

小規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって経営計画を作成し、取り組み販路開拓(例:看板作成、HP作成、チラシ作成)等を支援

(引用元:中小企業庁説明資料

するための補助金です。

会社のホームページや看板、チラシ作成など、販路開拓に対する取組が補助対象となっており、補助率は2/3、補助上限額は50万円となっています。

合同会社を運営するにあたっては、少なくともホームページ作成はほぼ必要になるといってよいでしょう。

きちんとしたホームページを作るとなるとそれなりの費用がかかるので、活用を検討してみましょう。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度

(引用元:厚生労働省公式サイト

です。

有期契約労働者を正規雇用労働者に転換または直接雇用した場合に助成する「正社員化コース」や、有期契約労働者について正規雇用労働者と共通の職務に応じた賃金規定等を新たに作成・適用した場合に助成する「賃金規定等共通化コース」など、会社として行う様々なキャリアアップの取り組みに対応したコースを選択できるのが特徴です。

従業員を雇用するには、給料以上のコストがかかります。特に規模が大きくない会社の場合にはぜひ活用を検討してほしい制度です。

日本政策金融公庫の融資を活用

日本政策金融公庫の融資を活用するのも資金調達の有効な手段でしょう。

銀行や信用金庫などとは異なり起業家や中小企業を支援することも目的である日本政策金融公庫ならば、他の金融機関と比べて融資のハードルが低いといえます。

特に日本政策金融公庫の融資制度の中で有名なのは「新創業融資制度」です。

新創業融資制度は

新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方

(引用元:日本政策金融公庫公式サイト

が対象となっています。

つまり、新創業と名前はついていますが、創業後であっても制度を利用することが出来るのです。

ただし、新創業融資制度には「自己資金要件」という要件が定められています。これは端的に言うと、融資を受けようとする金額の1/10以上は自己資金を確保しておきなさい、という要件です。

しかもこれはあくまで「要件」であり、実際には自己資金は3割は用意しておくことが一般的となっているので、その点に注意が必要です。

創業支援融資制度以外にも、中小企業向けの融資制度は様々なものが用意されています。日本政策金融公庫のウェブサイトでは一覧で紹介されているので、確認してみることをおすすめします。

 

少人数私募債を発行

少人数私募債とは、親族や従業員、取引先、知人などを対象に49人以下の少人数に対して販売する無担保の普通社債です。

合同会社の場合は株式を発行することでの資金調達はできませんが、少人数私募債という形であれば外部の人間などから資金調達をすることができます。

少人数私募債を販売する際には、社債の取得勧誘の相手方が49名以下であることや、社債の発行総額が社債の一口額面の50倍未満であることなどが条件となります。

一方で取締役会の決議のみで発行することができ、償還期限や利息、発行金額については自由に設定できます。

国や自治体の補助金・助成金や日本政策金融公庫の融資などと比べれば、購入してくれる人が見つかるか否かは別として、手続きの面では容易ではあるので、並行して検討するとよいでしょう。

 

まとめ

株式会社と比べて設立が容易な合同会社は、それと引き換えに信用力が乏しいと見られてしまい、資金調達方法が限られています。

株式会社のように出資を募るなどもできず、金融機関からの融資もハードルが高いのが現状です。

それでも資金調達をしたい場合には、国や自治体から補助金・助成金や、日本政策金融公庫の融資制度などを活用することをオススメします。

こういった制度はそもそも「創業者や中小企業を支援する」という目的をもっていますから、金融機関からの融資と比べてもハードルが下がります。

他にも、合同会社の場合には少人数私募債の発行という手段も使えます。親族や取引先、知人などであれば交渉のハードルも下がりますから、積極的に活用することを検討してみてください。

ただし、いずれの制度や手段も「きちんと合同会社の事業を運営していくこと」が前提条件となります。

今回紹介した以外にも、資金調達手段があるにはあります。以下の記事で解説していますので、こちらでぜひ参考にしてください。

画像出典元:写真AC、PEXELS

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