合同会社の代表社員の変更手続き | 必要書類・費用まで徹底解説

合同会社の代表社員の変更手続き | 必要書類・費用まで徹底解説

記事更新日: 2019/01/09

執筆: 高浪健司

合同会社では、すべての社員の中から会社の代表となる「代表社員」と、業務執行権を持つ「業務執行社員」とを選任することができます。

ただし、選任するにあたっては法律で定められている手続きを行う必要があり、変更を行う際にも、同じく手続きが必要です。

そこで今回は、代表社員に変更があった場合の変更手続きや、それに伴う必要書類・費用などについて、詳しく解説していきます。

代表社員変更のケースと必要な手続き

合同会社においては、原則として出資者と経営者が同一人物であり、すべての社員に意思決定権があります。

そうしたなか、複数の社員が存在している場合、スムーズな経営ができない恐れもあることから、社員の中から最終的な意思決定権を持つ「代表社員」を定めることができます。

なお、株式会社における代表取締役の任期は、通常2年となっていることに対し、合同会社における代表社員は、原則として任期の定めはありません。つまり、会社を辞めない限り任期は続くことになります。

代表社員の変更にはいくつかのパターンがあります。なかでも多い3つの変更パターンについて、その手続きをご紹介します。 

1. 代表社員が入れ替わる

まず、代表社員が変更となる理由としてもっとも多いのが、代表社員を務める人が入れ替わるというケースです。

たとえば、代表社員の「A」が業務執行社員になり、業務執行社員の「B」が代表社員になるといった場合です。 

このように、代表社員の地位が変更となる場合は、代表社員の変更の手続きのみ必要となります。

2. 代表社員が退任するケース

代表社員が交代となるケースに次いで多いのが、代表社員が退任するケースです。

前述のとおり、合同会社における代表社員の任期は特に定められておりません。しかし、いつかは代表社員を退任する時は来ます。 

なお、代表社員を退任した場合、業務執行社員のうちの誰かが新しく代表社員に就任する場合がほとんどです。

つまり、代表社員の「A」が退任、その後業務執行社員の「B」が代表社員に就任といったケース。

そういった場合は「代表社員の退任」と「代表社員の変更」との2つの手続きが必要です。

3. 代表社員の退任後、新しい人が代表社員に就任する

前項では、代表社員の退任後、既存の業務執行社員がそのまま代表社員に就くケースでしたが、それ以外にも、代表社員が退社し、その後新たに業務執行社員が加入して代表社員に就任するといったケースもあります。 

つまり、代表社員の「A」が退任、新しく加入した業務執行社員の「B」が代表社員に就任といったケースです。

そのような場合は「代表社員の退任」と「社員の加入」、さらに「代表社員の変更」この3つの手続きが必要となります。


さて、前述のとおり、合同会社は株式会社と異なって代表社員(役員)の任期に定めがありません。したがって、代表社員が変更されるということ自体あまり多いことではありませんが、なかでも上記に挙げた3パターンが変更のケースとしてもっとも多くなっています。

あらためて代表社員の変更パターンと必要な手続きをまとめると、以下のようになります。

代表社員の変更パターン1

代表社員「A」が退任し業務執行社員となり、業務執行社員「B」が代表社員になる

【必要な手続き】
代表社員の変更手続き

代表社員の変更パターン2

代表社員「A」が退社し、業務執行社員「B」が代表社員になる

【必要な手続き】
社員の退社手続き・代表社員の変更手続き

代表社員の変更パターン3

代表社員「A」が退社し、新たに業務執行社員が加入し、代表社員になる

【必要な手続き】
社員の退社手続き・社員の加入手続き・代表社員の変更手続き

 

代表社員変更の手順

合同会社の代表社員変更の手順は、以下の3Stepです。

代表社員変更の3Step

1. 次の代表社員選出

2. 定款の変更

3. 変更登記

 

1. 次の代表社員選出

合同会社の代表社員の選出は、すべての社員(総社員)の同意、もしくは業務執行社員の互選のいずれかの方法でおこなわれます。

なお、どちらの方法で代表社員を変更するかは、会社の定款で定められている方法に従っておこないます。分からない場合は自社の定款を確認しましょう。

2. 定款の変更

定款に記載されている代表社員の項目を変更します。

なお、合同会社の定款を変更する場合には、基本的に総社員の同意が必要となるので要注意です。

社員の退社手続きや社員の追加手続きが伴う場合は、それに対応した箇所も変更の必要があります。

 

3. 変更登記

定款を変更して2週間以内に、法務局で変更登記をしなければなりません(実際は多少遅れても許されます)。

法務局まで必要書類をもっていって、法務局で変更登記申請をしましょう。

代表社員の変更登記申請の必要書類

以下に変更登記申請で必要となる書類を一例としてあげます。

  • 変更登記申請書
  • 総社員の同意書もしくは業務執行社員の互選書
  • 就任承諾書
  • 定款
  • 印鑑(改印)届書
  • 新たに就任する代表社員の印鑑証明書

代表社員の変更に伴う費用

変更登記を申請する際には、登録免許税を納めなければならず、登録免許税は、申請1件に対して1万円がかかります。ちなみに、資本金の額が1億円を超えている場合は、登録免許税が3万円となります。

なお、新たに社員が加入し、資本金の額が増加した場合も同じく登記申請が必要で、基本的に3万円の登録免許税がかかります。増資額の0.7%が3万円を上回る場合は、その額の登録免許税がかかります。

このように、代表社員の変更に伴う登記申請をおこなうには、上記の費用が必要となります。なお、これは合同会社だけではなく、合資会社・合名会社いずれも同様です。

ちなみに、実際に登記申請書を提出してから登記が完了するまで、通常1週間~2週間程度はかかります。

定款や変更登記の申請に関しては、自分でやれないこともありませんが、結構ややこしいので、スムーズかつ確実に変更手続きを進めるためには、やはり司法書士などの専門家に依頼するのが安心です。

なお、司法書士などの専門家に依頼する場合、一般的に「報酬・手数料+登録免許税」となっており、報酬は2~4万円前後です。

まとめ

今回は合同会社における代表社員の変更に関する手続きや、必要書類・費用について解説してきました。

合同会社は株式会社と違い、代表社員(役員)の任期は定められてはおりませんので、代表社員が変更となることは、あまり多いことではありません。

しかし、それでも代表社員など役員に何らかの変更があった場合は、必ず定款や登記の変更申請をしなければなりません。

またこの記事では紹介しませんでしたが、代表交代時には

  • 社内通知
  • 取引先への代表交代の挨拶状送付
  • 名刺の作成
  • 銀行口座の変更届

など諸々の事務作業が発生します。

特に挨拶状は意外と手間取るうえに、出すのが遅れると取引先との信頼関係にも影響します

必要な事務作業を以下の記事で一覧であげているので、早めに着手して、余裕をもって進めましょう。

画像出典元:Pexels

 

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