LLC(合同会社)とは?株式会社との違いやデメリットを解説

LLC(合同会社)とは?株式会社との違いやデメリットを解説

記事更新日: 2019/09/24

執筆: 町田麻衣子

会社設立を検討する際に、株式会社を選択する人は多いと思います。

しかし、2006年より新しくできたLLC(合同会社)を選ぶことで設立費用を抑えたり、利益の配分を自由に決定できるなどのメリットがあるのです。

ここではLLC(合同会社)とはなにか?株式会社との比較やメリットとデメリットを解説します。

LLC(合同会社)とはどのような会社なのか?

LLCとは2006年に新設された会社形態で、年々増えている

LLC(合同会社)とは、Limited Liability Companyの略で、2006年5月に施行された会社法により新しくできた会社形態です。

この会社法により、有限会社が廃止。合同会社が新設され、以後有限会社を設立することはできなくなりました。

新設後は徐々に合同会社が増えてきており、2017年には法人の約2割が合同会社となっています。有名な大手企業では、GoogleやECサイト「Amazon.co.jp」を運営するアマゾンジャパンなどがあります。

LLCが増えてきている理由

LLCが増えてきているのは、社員が一人でも会社を興すことができる設立費用を株式会社よりも少なく抑えられる設立の手続きが株式会社よりも簡単、といったメリットがLLC(合同会社)にあるからです。

合同会社はその設立手続きの簡単さから、専門家を介さず自分自身で設立する人も多いです。

また、先ほども紹介したようにGoogleなどLLCの大手企業が登場してきたことで、社会的に認知されてきたために、LLC自体の信頼度が上がってきていることも、LLCを選択する人が増えている一因となっています。

LLCとは?

では、LLC(合同会社)とはどのような会社なのでしょうか?

会社を設立するときには、4つの会社形態(株式会社、LLC、合名会社、合資会社)から選ぶことになりますが、LLCは、株式会社の次に人気な会社形態です。

「株式会社、LLC、合名会社、合資会社」は出資者の責任範囲が異なります

LLCと株式会社は出資者の責任に限りがある「有限責任」となり、会社が負債を抱えたときに、出資額以上を返済する必要はありません。

一方、合名会社と合資会社は、責任に限りがない「無限責任」となります。会社が負債を抱えたときに、自分の財産を用いてでも返済しなくてはなりません。

会社の借金に対して返済責任を持たなくてすむなら、絶対そのほうがいいですよね。

そのため、責任範囲が限られているLLCと株式会社の方が主流となっています。

ここからは、LLCと株式会社の違いを見ていきましょう。

LLC(合同会社)と株式会社の違い

起業する際に、どんな会社形態で設立するのか悩む人も多いと思います。

新規法人の設立で最も多いのが株式会社です。LLCも増えてきたとはいえ、株式会社で設立する人の方がまだまだ多いのが現状です。

ここでは、LLCと株式会社の違いと、それぞれどのような特徴があるのかを解説します。

以下の表に違いをわかりやすくまとめてみました。

  LLC(合同会社) 株式会社
株式 なし 発行する
株主総会(議事録) なし あり(議事録必要)
機関 なし(定款で定められる) 必要
決算公告 なし 義務あり
定款の認証 なし 必要あり
定期的な登記 なし(社員に任期がない) 必須
資本金 1円~ 1円~
登記費用 約20万円 約6万円
官報掲載費 必要なし 約7万円/年
組織 法人 法人
責任範囲 有限責任 有限責任
設立に必要な人数 1名以上 1名以上
出資者 経営者 株主
利益の配当 自由に決められる 株式に応じた額
重要事項の決定 社員全員の同意(定款で規定) 株主総会にて
会社の代表名称 代表社員 代表取締役社長


特に押さえておくべきポイントを、ここから解説していきます。

株式会社は出資者(株主)と経営者が異なる

株式会社をわかりやすい言葉で表したものが「所有と経営の分離」です。

会社の所有者である出資者(株主)と、会社を運営する経営者が分かれているのが株式会社です。しかし実際は、設立したばかりの会社では出資者と経営者が同じ場合がほとんどとなっています。

合同会社は、この出資者と経営者が同一ですが、株式会社の株主(出資者)は、経営を行わずに株主総会で選ばれる取締役に委任することで、外部より事業の手綱を握るという点が特徴となっています。

なお、会社の代表の肩書は株式会社は「代表取締役社長」ですが、LLCは「代表社員」となります。

利益の配当の仕方

LLCは株式会社のように株式を発行しません。

そのため、利益などの配分の仕方を定款で自由に決めることができます。出資額にかかわらず自由に配分を決められるのもLLCの特徴です。

一方、株式会社は発行した株式に応じた配当金額を出資者に支払います。

出資した金額が多いほど、利益の配当も大きくなります。

LLC(合同会社)のメリット

ここでは、合同会社のメリットを株式会社と比較しながら解説していきます。

1. 設立費用が安い

LLCは設立費用が株式会社よりも安く済みます。

下の表は設立時にかかる費用を比較したものです。

LLCは会社設立手続きの際に、定款の認証を受ける必要がありません。

印紙(4万円)を貼り付ける必要はありますが、電子定款にするなら印紙は不要です。

株式会社は、公証役場で定款の認証を受けなれけばなりません(費用5万円)。

そのほか定款の謄本代がかかったり、登録免許税などもLLCより高額です。

2. 取締役(機関)を設置する必要がない

LLCは取締役などの機関を設置する必要がありません。ただし、定款で定めることは可能です。そのため、意思決定が迅速にできるというメリットがあります。

株式会社は、2つの機関「株主総会」と「取締役」を必ず設置しなければなりません。

3. 決算公告の義務がない

LLCは決算公告の義務がありません。

決算公告とは、株主総会後に決算を公表することです。

公告は、「官報」「日刊紙」「電子公告」の3種類から選ぶことができます。このうち「官報」への掲載費用は約7万4千円かかりますので、これが毎年かからないのは大きなメリットです。

株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告しなければなりません。

4. 株主総会がない(議事録の作成義務もなし)

LLCは総会を開催する必要がありません。

一方、株式会社は毎事業年度、決算申告の前に株主総会を開催することが義務付けられています。

株主総会には定時株主総会と臨時株主総会がありますが、決算申告の前に行うのは定時株主総会です。ここでは、決算の報告と承認を行います。

また、株主総会では議事録を作成しなければならず、10年間本店に備え置く必要があります。議事録の保存を怠ると、代表取締役に100万円の過料が課せられることも。

株主総会には、会場費や懇親会費など多額の費用がかかります。LLCにはこの費用を削減できるメリットがあります。

LLC(合同会社)のデメリット

1. 社会的な認知度や信頼度が低い

株主総会や決算公告の義務がないために、企業としての信頼度としては株式会社よりも低くなってしまいます。

認知度が低く、一般的にはまだあまり知られていないために、取引を行う上で信頼度の高い株式会社の方が有利となってしまうことも。

2. 社員(出資者)同士のトラブルを招きやすい

出資額にかかわらず利益配分を自由に決められる反面、この配分を巡って社員(出資者)同士が争うこともある、という一面があります。

重要事項の決議には社員全員の同意が必要となるため、社員数が多くなればなるほど、メリットであるスムーズな意思決定が難しくなる可能性があります。

3. 株式上場ができない

株式を発行することができないため、多額の資金を集める株式上場を行うことができません。上場したい場合は、株式会社に会社形態を変更する必要があります。

LLC(合同会社)に適した人とは?

LLCは「少人数や1人で会社を設立したい」という人で、設立費用を抑え、すぐに会社を設立したい、という人に適しています。

そのため、個人事業主から法人を設立しようとする人は、LLCを選択する人が多くなっています。

株式を発行できないために、外部より出資してもらうのが難しい会社形態となっています。

出資を受けて、事業を拡大し今後会社を大きくしていきたい、という人よりも、小さな会社で気心が知れた仲間とともに会社規模を長く維持していきたい、という人に適しているでしょう。

まとめ

LLCは株式会社に比べ、短期間に少額で会社を設立することができるのが大きなメリットです。

個人事業主から法人化を検討している人には、節税や社会保険に加入できるなどのメリットもありますので、個人事業主の人に向いている会社形態といえるでしょう。

事業が軌道に乗ってきて、もっと大きくしたいと考えたときには株式会社に変更することが可能ですので、会社の立ち上げ時はLLCを選ぶというのも賢い選択肢のひとつかもしれません。

合同会社の設立の仕方は、以下の記事を参考にしてください。

画像出典元:Photo by Sean Pollock on Unsplash

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