TOP > SaaS > 人事 > 福利厚生 > 【人気順】あると嬉しい福利厚生制度10選!ユニークアイデア・人気ランキングを紹介
給与や賞与とは別に企業が従業員に提供するものに「福利厚生制度」があります。
従業員の定着率やエンゲージメントの向上、優秀人材の確保にも大きく影響するので大変重要です。
今回は、あると嬉しい福利厚生制度10選、満足度の高い福利厚生の条件や注意点などについて詳しく解説します。
このページの目次
福利厚生制度とは、給与や賞与といった労働対価とは別に、企業が従業員とその家族に提供するサービスや報酬を意味します。
生活や健康面からサポートすることにより、従業員のワークライフバランスや満足度の向上に大きく寄与します。
福利厚生制度には以下の2種類があります。
法定福利厚生とは、企業に法律や法令で義務付けられている制度のことです。
具体的には、以下の6つが挙げられます。
法律や法令で定められているのではなく、企業の裁量で自由に提供できる制度です。
特別休暇や住宅手当、保養施設の提供などがその一例で、どのようなサービスを提供するかで、従業員の定着率やモチベーション、生産性の向上などに影響します。
従業員を大切にする姿勢や理念が如実に表れるため、企業経営の上で重要視すべき施策の一つといえるでしょう。
あると嬉しい福利厚生制度を、人気がある順に10個紹介しましょう。
特別休暇とは、「年次有給休暇」や「産前・産後休暇」といった法定休暇以外に、企業が独自で定める休暇のことです。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
これらの休暇を、従業員がそれぞれのライフステージに合わせて利用することで、生活の質が向上したり、仕事への集中力が高まったりする効果が期待できます。
また、企業側は休暇を設けて終わりではなく、従業員が休暇を取りやすい職場環境に整えていくことも大切です。
家賃や住宅ローンなどの補助を行う住宅手当や、賃貸住宅の家賃の一部を補助する家賃補助といった制度もあります。
「一律〇万円」「家賃の〇%」という形で支給する方法が一般的です。
生活費の中で家賃やローンが占める割合は、決して少なくありません。
手当や補助でこういった負担を軽減することで、浮いた分を他の用途に回して生活の質を高めることができます。
法定外健康診断を充実させると、とくに持病がある従業員や罹患リスクが高まる中高年の従業員にも喜ばれます。
労働安全衛生法で義務付けられている法定健診もありますが、項目が限定されています。
生活習慣病の早期発見と対策のためには、婦人科検診や、超音波検査・胃内視鏡検査などを含む人間ドックの受診が有効です。
従業員に加えてその家族も受診できると、ウェルビーイング(心身の健康と幸福)が向上し、大きな安心感につながるでしょう。
従業員やその家族の冠婚葬祭にあたってお祝いや香典、見舞金などを支給するのが、慶弔金制度です。
結婚や出産、病気・怪我による入院や長期療養、死亡などが該当します。
慶弔見舞金制度は「従業員に対して優しい会社と感じる」「急な出費を埋められて助かる」「給与と異なり非課税扱いのため得した気分になる」といった前向きな声が聞かれます。
2拠点生活や仕事を複数もつパラレルワークなど、ライフスタイルの多様化にともない、働き方にもさまざまなニーズが増えています。
フレックスタイム制やテレワークを導入したり、副業で得たスキル・知識を本業に活かせた場合に、特別手当や昇格の対象にしたりといった制度も考えられます。
資格取得によるスキルアップを支援する制度も福利厚生として人気があります。
教材代・学費の一部もしくは全額を企業が負担することにより、資格取得を後押しします。
資格を取得した後に、お祝い金や合格報奨金を支給したり、資格手当を給与に加算したりする方法もあります。
従業員だけでなく、企業にとっても人材育成や採用の面でメリットが期待できます。
給与からの天引きで貯蓄することで、従業員の資産形成をサポートするのが、財形貯蓄です。
企業だけでなく、勤労者財産形成促進法により国も連携して資産形成を支援しています。
具体的には、以下の3種類があります。
貯蓄の目的 | 対象者 | 積立期間 | 引き出しの制限 | |
一般財形貯蓄 | 自由 | 全従業員 | 3年以上 | 貯蓄開始後1年経過すれば可 |
財形住宅貯蓄 | マイホーム購入やリフォーム | 55歳未満 | 5年以上 | 目的外での解約・引き出しは過去5年分の利子に課税 |
財形年金貯蓄 | 老後の年金として支給 | 55歳未満 | 5年以上 | 目的外での解約・引き出しは過去5年分の利子に課税 |
貯蓄を開始して1年以上経過すれば、自家用車の購入、引越し費用、出産費用など自由な目的で活用できます。
他の2つの制度と異なり、利子が非課税になりません。
マイホームの購入やリフォーム資金を貯蓄できます。
「財形年金貯蓄」と合わせて元金550万円までは利子が非課税になります。
満60歳以降に年金として受け取れます。
都合に合わせて5〜20年の期間で受取年数を選択可能です。
企業が保有している保養所や、民間が貸し出している宿泊施設を無料あるいは格安で利用できる制度です。
従業員が家族とともに余暇やレジャーを楽しむことでリフレッシュできるため、仕事の生産性やモチベーションが向上すると期待できます。
社員食堂を設置したり、食事手当を支給したりして、従業員を食事面からサポートする制度です。
仕事中の食事も毎日となると面倒になったり、節約したいと考えたりしてコンビニ弁当や馴染みの店で似たものを食べて軽く済ますという例が珍しくありません。
しかしこれでは、栄養やカロリーに過不足が生じ、長い目で見ると大きなデメリットになりかねません。
そこで以下のようなサポートがあると、従業員のみならずその家族からも喜ばれます。
従業員やその家族が災害に遭遇した場合に見舞金を支給したり、そうした事態に備えて災害補償保険に加入したりする制度です。
近年は自然災害に見舞われるリスクが増加しています。
仕事中の災害なら労災保険で賄われる可能性もありますが、それだけではカバーできない部分が少なからず存在します。
いざという時に生活再建をサポートする制度があれば、従業員も安心して仕事ができるでしょう。
ここで国内外の企業が導入しているユニークな福利厚生制度を紹介しましょう。
オウンドメディアや通販事業などを展開するパスクリエイトでは、「早起きは1,000円の得」という制度を導入しています。
始業時間の1時間以上前に出社すると500円、2時間以上前に出社すると1000円が支給されます。
早起きによる良好な生活習慣の定着や、朝の効率の良い業務推進を支援することが目的です。
ペット関連事業を展開するスタートアップのバイオフォリアでは、「わんダフル・ワーキング」制度により、従業員にペット同伴の出勤を許可しています。
ある日、社長がオフィスで犬吸い(犬の体に顔を埋めて深呼吸すること)をしている様子を従業員がSNSにアップすると、テレビやネットニュースで話題となり、ペットがオフィスにいるという情報が拡散。
その後、応募者が10倍に拡大したそうです。
ペットが亡くなった際には3日間の忌引制度があり、ペットと暮らす従業員には種類を問わず扶養手当が支給されます。
アメリカで靴の通販を手がけるZapposでは、「Zollars」という社内通貨を導入しています。
従業員同士で、Zollarsを利用して毎月50ドル分のボーナスを付与することができます。
ボーナスは会社のためになる良い行動をとった従業員に送られ、Zollarsが貯まると、パソコン用のキーボードやマグカップといったグッズと交換できる仕組みです。
グッズが得られる喜びに加え、評価された満足感により従業員同士の絆も深まるユニークな福利厚生制度です。
満足度の高い福利厚生がもたらすメリットは、3つあります。
近年では、仕事内容や給与などに加えて、福利厚生が仕事先を決める重要な要素となっています。
したがって、満足度の高い福利厚生は、優秀な人材の確保や定着に大きく寄与します。
ライフスタイルの多様化や、自分だけでなく家族の幸福度も優先することなどから、福利厚生の充実が欠かせない条件となるのです。
福利厚生によって、企業が健康や家族のサポート、退職後の生活にまで寄り添ってくれると、従業員のエンゲージメントは向上します
満足度がアップすることにより、勤労意欲や協調性の向上が期待できるでしょう。
満足度が高い福利厚生は、採用活動の際のPRにも大変役立ちます。
福利厚生の充実度は、企業の魅力に直結します。
「あると嬉しい」と多くの人たちが感じる福利厚生は、応募者の増加や優秀な人材獲得の大きな要因となり得ます。
満足度の高い福利厚生には、2つの条件があります。
満足度の高い福利厚生のためには、不公平があってはなりません。
一部の従業員だけがメリットを享受できる制度だと、社内不和が生じたり、会社への不満や不信感が募ったりしかねません。
そのため、全ての従業員が平等に利用しやすい制度にすることが大切です。
福利厚生の満足度を上げるには、実際に活用可能なものでなければなりません。
福利厚生を導入する場合は、実用性と実効性のある制度にする必要があります。
従業員が日常的に勤労する中で、本当に望むものを、望む形で活用できる仕組みづくりに注力することが欠かせません。
新たに福利厚生を導入する上で注意する点について解説しましょう。
福利厚生を新たに導入する際は、目的を明確にする必要があります。
自社にとって、「何のために」「なぜ必要なのか」について、しっかりと議論を重ねましょう。
福利厚生には、コストがかかります。
必要のないものを制度化しても収益を圧迫し、かえって従業員の不評を買う結果となりかねません。
導入目的と実効性が合致するためには、事前に従業員のニーズをヒアリングする必要があります。
とくに法定外福利厚生は多様化しているため、ブームやその場の軽いノリで導入しても一部の従業員からしか賛同を得られない恐れがあります。
年齢や立場、性別などに偏りが出ないよう、広く意見や希望を集めるようにしましょう。
新たに福利厚生を導入したら、全ての従業員にもれなく周知するようにします。
制度の内容や利用条件、方法についての理解を促し、積極的に活用してもらえるようにすることが大切です。
福利厚生は、導入後の見直しも忘れてはなりません。
良いと判断して始めた制度でも、実際にはニーズに合わないケースがあります。
一部の従業員にしか利用されない、コストが予想以上に発生してしまった、ということもあるでしょう。
したがって、ヒアリングやアンケートを行なって満足度を正確に把握するようにします。
その上で、制度を変更したり、代替案を講じたり、全く新たなサービスを導入するといった見直しを繰り返すことも必要です。
福利厚生を一から導入するのは容易ではありません。
そこで福利厚生代行サービスに外注する方法もあります。
導入までの手間や社内の負担がなくなり、必要なものをチョイスして制度化できるため大変便利です。
福利厚生代行サービスは、以下の2つのプランに大別できます。
用途に合わせて選択しましょう。
従業員1人あたりの定額料金を支払うことにより、代行サービスがあらかじめ用意したメニューの全てを利用できるプランです。
宿泊やレジャー施設、フィットネス、介護や保育サービス、財形貯蓄など定番のものから、中にはNetflixでドラマや映画を自由に視聴できるメニューもあります。
導入までの時間が少なくて済みますが、従業員が希望しないメニューがあったり、逆にニーズに合ったプランがなかったりするケースが考えられます。
代行サービスが用意したプランに、企業が独自で考案したメニューを加え、従業員がその中から自由にカスタマイズできるのが、カフェテリアプランです。
あらかじめ付与されたポイントの範囲内でサービスが利用できます。
例えば、保養所を重点的に利用したい場合や、介護や育児を組み合わせたいなど、優先度の高いものからチョイスしていきます。
パッケージプランと比べると制度設計に時間を要したり、コストが膨らんだりする可能性がありますが、満足度の高い福利厚生を導入するのに適しています。
福利厚生は企業の魅力を高め、外部にアピールできる大切な制度です。
事前にヒアリングをするなどしてニーズを把握し、満足度の高い福利厚生制度が導入できれば、従業員のエンゲージメントが高まり、優秀な人材の確保や定着も期待できるでしょう。
福利厚生が課題とお考えの担当者の皆様は、ぜひ今からでも取りかかってみてはいかがでしょうか。
画像出典元:Pixabay