企業にとって、優秀な社員の退職はダメージが大きくできるだけ避けたいもの。
そのためには、辞めたいと考えている社員のことをきちんと理解する必要があります。
では、会社を辞めたいと考えている人にはどんな特徴があり、なぜ辞めたいと考えるのでしょうか。
この記事では、会社を本当に辞める人の特徴や前兆、そして退職を防ぐ方法を解説します。
このページの目次
社員が会社を辞めるのには必ず理由があります。
まずはじめにそれを理解しておきましょう。
ほとんどの場合、以下の3つに当てはまるはずです。
会社を辞める理由でもっとも多いのが人間関係です。
同僚と仲が良くない、上司が苦手など、基本的には他の社員との関係がうまくいっていないことで働くのが苦痛になってしまいます。
この場合、原因となる人間関係を解決できれば退職を防げることが多いため、対策はそれほど難しくありません。
給与や労働時間といった条件は、やはり働くうえで重要なポイント。
自分の働きに対価が見合っていない、精神的、体力的にキツイと感じるレベルで働いていると、モチベーションが下がり、環境を変えたいと考えてしまいます。
ひとりだけでなく多くの社員が辞めるリスクになるため、経営レベルの問題として扱わなければなりません。
起業や転職など、今の会社よりももっと上の環境に行きたいと考えている社員も辞めやすいものです。
特に優秀な社員ほどあてはまりやすく、会社にとってもダメージが大きくなります。
進路を決めてしまってからではくつがえすのが難しいため、事前に気づいて会社の魅力をもう一度伝えることが大切です。
実際に会社を辞めたいと考えている人を見分けるには、どのように判断すれば良いのでしょうか。
特によくある7つの特徴や前兆をみてみましょう。
会社を辞める人は仕事へのモチベーションをなくしていることが多いため、休みが増えがちです。
特に、連休ではなく転職活動のための半休や1日休が多くなるのがポイント。
また、これまでバリバリ働いていた社員が休みがちになったら要注意です。
さりげなく理由を聞いて、教えてくれなかったり、はぐらかされたりする場合はさらに危険と考えましょう。
休みが増えるのと同様に、残業が減るのも危険なパターン。
仕事を終えてから、転職活動や勉強に時間を使っている可能性があります。
これまで残業に抵抗がなかった社員が、定時に帰るようになったら特に注意が必要。
ある程度仲の良い関係性であれば、理由を聞いてみると真意がわかるかもしれません。
会社を辞める人は、仕事への積極性がなくなっていくことが多いもの。
会議での発言が減ったり、アイデアを出さなくなったら注意です。
あえてその人に話をふったり、ファシリテーターを任せてみたりして、その仕事ぶりから判断すると状態がはっきりわかるでしょう。
近いうちに辞める人は、新しい仕事やプロジェクトに関わるのを避けるため、そうした傾向がないかも気にすべきポイントです。
モチベーションが気になる社員には、むしろ積極的に仕事を任せて反応をうかがってみましょう。
抱えているタスクやプロジェクトのスケジュールを確認すると、大まかにいつごろ退職を考えているかも把握できます。
近いうちに仕事を辞める人は、自分が持っている仕事をスムーズに引き継げるように整理し始めるのも特徴です。
いま抱えている仕事やタスクを資料にまとめている、マニュアルを作っているといったそぶりがあったら注意が必要。
もし気付いたら、さりげなく目的を聞いてみるといいかもしれません。
雰囲気が急に変わった社員も辞めてしまう可能性があります。
多くの人は、退職を決めるまでは不満や愚痴が多くなりがちですが、いざ辞めると決心するとむしろ晴れ晴れとした気持ちになるものです。
急に雰囲気が明るくなる、表情が変わる社員がいたら注意深く観察しましょう。
会社を辞めることを決めると、その環境での人との付き合い方にも変化が出るものです。
ひとりで過ごす時間が増えたり、周りとの会話に参加しなくなったら注意が必要。
とくに飲み会やランチなど、これまで積極的に参加していた人が断るようになったら危険です。
無理強いは禁物ですが、軽く誘ってみて反応を見るとよりはっきりするかもしれません。
言動のほかにも、ある日突然辞めてしまいやすい人のタイプも頭に入れておくと防止につながります。
人当たりが良く真面目な人は、実は突然辞めることが多いタイプです。
頼まれたことは快く引き受けてくれる、どんな時もニコニコしているようでも、心の中ではストレスを溜め込みがち。
反対に、不満やストレスを素直に吐き出している人はいきなり辞めることは少ないものです。
真面目で人当たりの良い人ほど、心の内を打ち明けられる相手や機会を作ってあげましょう。
あまり人と話さない内向的な性格の人は、やはり辞めやすい部類に入ります。
不満を抱えていてもそれを人に話せないことが多く、ある日限界を迎えてしまい、突然辞めてしまうことはよくあるパターンです。
適度にストレスを吐き出せるように、ケアしてあげる必要があります。
もし仲の良い社員がいるのであれば、その人を通じて状況を確認するのも良いでしょう。
人付き合いがドライな人は、会社を辞めるのに抵抗がない傾向があります。
ふだん飲み会やランチに誘っても来ない人、自分のプライベートを明かさないなど、仕事とプライベートの線引きがはっきりしている人には注意しましょう。
このタイプの人はウェットなコミュニケーションが苦手なので、業務の中で意思を確認するのもひとつです。
上昇志向の強い人は、常にキャリアアップの可能性を探っているため、辞める確率が高いタイプです。
日頃から「〇〇で働きたい」「起業したい」と将来について話している人は要注意。
その気持ちは尊重しつつ、転職先や進路を決めてしまう前に、今の会社で働くメリットや、その人が貢献してくれていることなども伝えておきましょう。
意外と急に辞めてしまうのは、行動力のある人です。
多くの人は会社を辞めて次の仕事を見つけるというプロセスを負担に感じるものですが、なかにはそれが苦にならない人もいます。
バイタリティのある人、行動を起こすことに抵抗のない人は、それを会社のために生かしてもらえるようにコントロールしたいところです。
辞めそうな人がわかったら、迷惑にならない程度で引き止めましょう。
上手に対策すれば、この段階で退職を阻止できることもあります。
退職を考えているそぶりが見えたら、硬すぎないカウンセリングをすると良いでしょう。
今の悩み、不満に思っていること、変えて欲しいことなどをざっくばらんに質問します。
先に自分の悩みや不満を話す「自己開示」をして、相手も話しやすい雰囲気をつくりましょう。
会議室で真剣に、となると本音を話しにくいものですから、ランチミーティングやコーヒーなどに誘ってそれとなく切り出すのがベストです。
引き止めは重要ですが、相手の迷惑にならない範囲で行うのが鉄則。
もし相手が負担に感じてしまえば、むしろ逆効果になって退職を決定的にしてしまうかもしれません。
終業後に時間をとらせたり、向こうが乗り気でないのに飲みに連れていくようなことは避けましょう。
相手にプレッシャーにならない範囲で接するのが、良い結果を生むためのポイントです。
個別の引き止めも重要ですが、社員が辞めてしまうのを防ぐには根本的な対策が必要です。
特に効果的なものを紹介します。
まずはじめにすべきは、社員が辞めてしまう原因を特定することです。
過去数年間の退職者についての情報を振り返って、人間関係、給与、残業など、どこに理由があったのかを突き止めましょう。
それさえ特定できれば、重点的に対策することで離職率を短期間で改善できるはずです。
福利厚生が充実している会社は、社員が快適に働けるため辞めにくいものです。
特に社内の雰囲気がよくなる業務時間外の施策がおすすめ。
社員がリラックスできるような休憩室のドリンクやフードの充実、負担にならない範囲のレクリエーション開催、部活動の推進などがあてはまります。
働きやすい会社は、どこも風通しが良いのが特徴です。
現在働いている社員はもちろん、会社を辞める社員にも話を聞き、環境の改善に生かせる内容がないか常に考えましょう。
現場の声を取り入れることは、離職率の改善だけでなくアイデア創出や顧客理解にもつながります。
抽象的な内容ですが、働く人の目線で会社作りをすることも重要です。
経営者や管理職になると、つい現場の社員がどんなこと考えているか想像するのを怠ってしまうものですが、それでは社員はついてきません。
常に会社にいる人みんなが快適でいられるよう、工夫することを忘れないようにしましょう。
会社にとって大きなダメージになる社員の退職ですが、特に突然辞められてしまうのは、できるだけ避けたいところです。
辞める人によくみられる特徴や前兆、性格的な部分を観察した事前の対策と、根本的に社員が辞めたいと感じない組織作りも欠かせません。
自分の会社が本当の意味で「働きやすい環境」になっているか、一度振り返ってみましょう。
画像出典元:Pixabay、unsplash
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