多くの時間とコストをかけて行われる採用活動ですが、せっかく内定を出した求職者から内定辞退を出されてしまったことはありませんか?
近年売り手市場である採用現場では、内定辞退率を改善する取り組みに力を入れている企業もあります。
今回は内定辞退がなぜ起きてしまうのか、内定辞退率を下げるための対処法について、詳しく解説していきます。
さらに内定辞退率を下げた取り組み事例や、おすすめの採用管理システムについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
内定辞退とはその名の通り、企業が内定を出した求職者から内定を辞退されてしまうことです。
内定と内定辞退についておさらいしながら、現在の内定辞退率、内定辞退が起きてしまう原因について確認していきましょう。
内定と内定辞退を簡単にまとめると
「内定」= 正式採用が内々に決まっていること
「内定辞退」= 内定者が自己都合で内定を辞退すること
という意味です。
「内定」とは「採用が内々に決まっていること」で、ビジネスでは「採用」の意味と「役職就任」の2つの意味で使われています。
「内定辞退」は「一度内定に承諾した内定者が、自己都合で内定を辞退すること」で、採用担当者の頭を悩ませる問題の一つでしょう。
近年は売り手市場ということもあり、内定辞退で悩む企業が増えています。
計画通り採用を行うために企業は多くの時間とコストをかけているため、予想以上に内定辞退が増えてしまうと採用計画を見直さねばなりません。
画像出典元:「就職みらい研究所」就職プロセス調査(2020年卒)【確報版】
株式会社リクルートキャリアの2020年3月度の調査によると、2020年度卒の学生の内定辞退率は66.9%と非常に高い数値となっています。
半数以上の学生が何らかの理由で内定を辞退しており、採用担当者としてはできるだけ内定辞退率を下げておきたいところでしょう。
なぜ採用面接を受けた求職者が内定辞退を選んでしまうのでしょうか?
内定辞退が起きてしまう原因として次の4つが考えられます。
原因1. 希望していた条件と折り合いがつかなかった
原因2. 抱いていた企業のイメージと違った
原因3. 面接時の面接官の態度や言動で悪印象を持ってしまった
原因4. 志望順位が低い
一つずつ確認していきましょう。
最も多い内定辞退の原因は、企業が提示した条件と求職者の条件に折り合いがつかないことです。
選考が進み、細かい条件や待遇がわかってくると求職者の中でギャップが生じてしまうこともあるようです。
また採用面接時には緊張や採用への不安から条件面のすり合わせができず、内定辞退を選んでしまう求職者もいます。
求職者が当初抱いていた企業のイメージと、実際に選考が進んでから感じたイメージの相違が内定辞退の原因と考えられます。
説明会や会社訪問など企業への理解が深まり、事業内容や社風などにイメージギャップが起こると入社意欲の低下につながります。
面接採用時に企業説明や条件をうまく伝えられなかった時も、ミスマッチだと勘違いされて内定辞退されてしまう場合もあるようです。
面接官の言動など面接時の印象で企業への不信感や不安を感じて、内定辞退につながってしまうケースです。
「自社の良い点だけ説明されて、悪い部分の説明が一切なかった」「他の企業を下げる言動が多かった」など、何気ないやり取りの中でも求職者が内定辞退してしまう原因となり得ます。
また「時計ばかり見ていた」「目を合わせてもらえなかった」など態度が気になる求職者もいるので、一度面接時の言動を見直してみてもいいでしょう。
内定辞退の原因として最後に考えられるのは、求職者からの志望順位が低い可能性です。
求職者の多くは、面接の経験や採用される可能性を広げるために多くの企業へ応募します。
より自分の条件に合う他の企業から内定が出てしまうと、内定辞退されてしまう可能性があるでしょう。
しかし、選考が進むにつれて志望順位が変わったという求職者もいるので、採用担当者はありのままの自社の魅力を伝えることが大切です。
では内定辞退率を下げるためには、どのような対処をすればいいのでしょうか?
ここでは内定辞退が起こりやすいタイミングを把握し、適切な内定辞退を防ぐ対処法についてご紹介します。
また内定辞退率を下げた企業の取り組み事例も併せてご紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。
株式会社エン・ジャパンが自社サービスを利用している企業を対象に行った調査によると、選考辞退で最も多いタイミングが内定後の辞退となっています。
回答した60%の企業が内定辞退を経験しており、採用担当者の多くが採用に悩みや課題を感じていることが伺えます。
ここからは、求職者が内定辞退を決断するタイミングとして考えられる理由を確認してみましょう。
志望順位が高い企業から内定が決まった時、求職者は内定辞退を決断するようです。
滑り止めとして複数の企業で選考を進めている求職者は多いため、志望度を高めるには選考時にどれだけ自社の魅力を伝えられるかが鍵でしょう。
内定を出す際は、内定承諾書や誓約書の提出を求めるケースが一般的です。
しかし他の企業の選考結果待ちや入社を決断しきれず、書類の提出期限が迫ったタイミングで内定辞退を決断する求職者もいます。
内定までのスピード感が遅いと、先程の他の企業で内定が決定してしまうケースもあるので求職者とのスケジュールはすり合わせが必要でしょう。
求職者が内定辞退を申し出る原因やタイミングについて確認できたところで、内定辞退を防ぐ対処法について確認していきましょう。
今回は具体的な対処法として
対処法1. スピード感を持って選考を行う
対処法2. 求職者の希望条件を把握する
対処法3. 内定後も入社までフォローを行う
の3つをご紹介します。
内定辞退を防ぐためには、スピーディーな選考と内定の判断が必要です。
求職者は選考結果が出るまで不安や焦りを感じているケースが多く、早期の結果を求めています。
また選考が長引けば、他の企業で内定が出てしまったり、判断の遅い企業と判断されたり悪い印象につながりかねません。
選考が長引いてしまう場合は、求職者へ「○日までにご連絡します」などフォローを入れておくと好印象を持たれやすいです。
求職者へ不安を与えないよう、可能な限り選考・面接結果は即決し、数日後には結果連絡ができるよう体制を整えておきましょう。
他の企業で内定が出てしまうと内定辞退につながりやすいため、求職者の希望条件の把握は必須です。
選考中に求職者の希望条件をしっかりと把握できていれば、お互いのミスマッチを避けられます。
また内定辞退の申し出があった際は、可能であれば辞退理由を確認しておきましょう。
辞退理由が自社で対応できる場合、求職者にもフォローが手厚い企業としてイメージが変わる可能性もあります。
さらに自社の魅力を伝えきれていなかっただけであれば、再度丁寧に説明することで内定辞退を取り消してもらえるかもしれません。
内定後もきめ細やかなフォローを入社まで行うことで、内定辞退を防げる可能性が高まります。
入社までに何の連絡もないと、他の企業から内定が届いた時に心が離れてしまう可能性もあります。
特に新卒採用の場合、内定から内定式まで期間が空いてしまうので不安や働くイメージが薄れて内定辞退につながってしまうケースも。
内定者を集めた懇親会、定期的なフォロー面談や社内イベントなど、できるだけ内定者とコミュニケーションが取れる体制を整えておきましょう。
近頃はLINEや専用のプラットフォームを利用した、オンライン上でのやり取りが人気のようです。
ここからは内定辞退率を改善した企業の取り組み事例をご紹介します。
画像出典元:「cybozu Live」特設ページ
サイボウズではワークショップや懇親会、会社参観日の他に、採用担当者と内定者が直接やり取りできる内定者向けのグループウェアを採用しています。
SNSのような使い方が可能でどんな同期がいるか入社前にわかったり、社内イベントの様子を共有できたり、入社前の不安を取り除く取り組みが特徴です。
内定辞退者が0になった年度もある取り組みなので、事例のようにコミュニケーションツールを用いたフォロー方法の導入を検討してみてもいいでしょう。
株式会社エイチームは告白の成功率をヒントに、面談から3ヶ月以内に内定を出すスピード選考で内定辞退率を下げています。
最終選考に進む前に期限日までに進路を意思決定できるか確認し、可能な限り最終面談当日に内定を出しています。
以前までは内定辞退率50%を超える内定辞退の申し出がありましたが、2019年度は学生の内定辞退率を20%まで抑えることに成功しました。
この事例は「エントリー」からではなく、事業内容や就業条件を知った「面談」から3ヶ月以内に内定を出すところがポイントです。
求職者が入社を意識してからクロージングをかけるので、短期間で集中して選考に臨んでもらえる可能性が高まるでしょう。
内定辞退率を下げるにはスピード感ある選考が有効なことがわかりましたが、どうすればスピーディーに選考を進められるのでしょうか。
採用活動には多くの時間や手間がかかるため、入力作業やスケジュール管理など効率的に行わなければなりません。
そこでおすすめなのが、内定管理を効率化できる採用管理システムです。採用管理システムを導入すると、さまざまな業務を自動化、入力補助できる機能が利用できます。
システムが導入すると以下のメリットが得られます。
メリット1. エントリー情報を自動で振り分けできる
メリット2. 選考の一部を自動化できる
メリット3. メール自動送信機能で、連絡漏れを防げる
メリット4. 自社HPに設置できるため、広告費削減が期待できる
上記は採用管理システムのメリットの一部ですが、導入すれば大幅に採用管理工数を削減でき、業務の効率化が期待できるでしょう。
採用管理システムはエントリーから採用まで一元管理が可能なため、スケジュール管理や求職者のやり取りなどすべてシステム上で完結できます。
管理画面を見ればリアルタイムの情報が確認できるので採用担当者同士の共有も容易です。
採用管理システムによって搭載されている機能が異なるため、自社で欲しい機能を搭載しているシステムを選んでみてください。
採用管理システムのメリットを確認したところで、いくつかおすすめの採用管理システムをご紹介します。気になるものがあればぜひ導入してみてください。
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画像出典元:写真AC、Pixtabay
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