研修スケジュールの作り方!実際に使えるテンプレート・メリットも紹介

研修スケジュールの作り方!実際に使えるテンプレート・メリットも紹介

記事更新日: 2024/12/27

執筆: 平塚みき

研修は、組織の成長と社員のスキルアップに欠かせません。

しかし、多くの企業が研修スケジュールの作成に苦戦しているのが現状です。

「何から始めればいいのかわからない」「過去にスケジュール管理で失敗した経験がある」という方もご安心ください。

この記事では、研修スケジュールの作り方を5つのステップで分かりやすく解説します。

さらに、研修を成功に導くためのヒントや、エクセル・パワーポイントで使えるテンプレートもご用意しました。

新入社員研修から幹部社員研修まで、あらゆる研修に対応できる情報が満載です。

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研修スケジュールの作り方5つのステップ

効果的な研修を実施するためには、細やかなスケジュール計画が欠かせません。

ここでは、研修スケジュールの作り方を5つのステップに分けて解説します。

それぞれのステップを順に実践することで、無駄のない研修プランを立てることができます。

研修の目的とゴールの明確化

まず、なぜこの研修が必要なのか、どのような成果を目指すのかを定義して計画の軸を定めます。

例えば、「新入社員のビジネスマナー研修」の場合、「社会人としての基本的なマナーを習得し、顧客や社内外の関係者と円滑にコミュニケーションが取れるようになる」といった具体的な内容を設定します。

このように目的とゴールを明確化することで、スケジュール作成や研修全体の設計がスムーズに進むだけでなく、受講者にも研修の意義が伝わりやすくなります。

予算の設計・設定

次に、研修にかかる予算を設計・設定します。

事前に研修に割り当てられる予算の上限を把握しましょう。

研修には会場費、教材費、講師への謝礼など、多様な費用がかかります。

必要な項目をリストアップし、それぞれの相場を調査した上で、予算配分を検討します。

また、優先順位の高い項目には、重点的に予算を配分することも大切です。

例えば、研修内容の質を重視する場合は講師への謝礼を高く設定し、受講者の交流を重視する研修であれば、多様なアクティビティを取り入れるための費用を確保するなど、研修の目的と内容に合わせた柔軟な予算配分を行いましょう。

研修カリキュラムの検討

研修の目的とゴール、予算を踏まえて、研修カリキュラムを作成します。

目標を達成するために必要な知識やスキルを受講者が体系的に学べるよう、研修内容と時間配分を決めましょう。

実際に研修を受ける社員や現場での課題をヒアリングし、それに基づいて研修内容を絞り込むことで、より効果的なカリキュラムが計画できます。

また、研修形式についても検討が必要です。

座学やワークショップ、ロールプレイング、OJTなど、多岐にわたる手法の中から、研修の目的や内容に合わせて最適な形式を組み合わせましょう。

担当者の予定を調整

研修には、講師、会場手配、教材準備など、多くの担当者が関わります。

研修を円滑に進めるためには、これらの関係者全員の都合と予定を調整することが不可欠です。

特に外部講師を招く場合は、早めに連絡を取ってスケジュールを確保しましょう。

人気の講師であれば、数ヶ月前からの予約が必要となる場合もあります。

社内の担当者についても事前に日程調整を行い、研修への参加や準備作業への協力を依頼しておきましょう。

このように全ての関係者の予定を適切に調整することで、研修をスムーズに進める土台が整います。

スケジュール表の作成

最後に、これまで検討してきた内容をまとめたタイムスケジュールを作成します。

日程や時間割だけでなく、研修の進行、必要な準備物、担当者などを明記することで、関係者全員が同じ情報を正確に共有できます。

スケジュール表は、見やすさと分かりやすさが肝心です。

1日分の研修スケジュールは可能な限り1枚の用紙にまとめ、色分けや図表の活用など、視覚的に理解しやすい工夫を取り入れましょう。

時間の流れや各セッションの内容、休憩時間などを一目で把握できるようにレイアウトを行うと効果的です。

研修スケジュールで失敗しないための5つのヒント

研修の企画・運営は多くの時間と労力を要する作業だからこそ、失敗は絶対に避けたいところです。

以下に研修スケジュールで失敗しないための5つのヒントをご紹介します

柔軟性を持たせた設計にする

研修スケジュールを組む際は、あらゆる状況の変化に対応できる柔軟性を持たせた設計にしましょう。

スケジュールが過密すぎると、質問対応や、受講者の理解度に応じた追加説明などが難しくなり、研修全体の進行が遅れる可能性があります。

各セッション間に余裕を持たせるなど、柔軟に対応できる設計にすることで、研修運営は順調に進むようになります。

外部研修の予定を先に固定する

外部研修を含む研修計画を立てる場合は、外部研修の日程を優先的に固定しましょう。

外部研修は、社内研修と比べて日程調整の自由度が低く、講師や施設の予約が早期に埋まることが多いため、後からの変更が難しい場合があります。

まず外部研修の日程を確定し、その前後に社内研修や他の業務の予定を調整することで、無理なく最適な研修スケジュールが構築できます。

基礎知識・スキル研修を優先して組む

研修の効果を最大限に引き出すために、基礎知識・スキル研修を早い段階で実施するようにスケジュールを組みましょう。

高度な内容に進む前に、基礎的な部分をしっかりと押さえることで、受講者の理解度と学習効果を高めることができます。

特に新入社員研修では、社会人としての基礎知識や、業務に必要なスキルを丁寧に教えることが、今後の成長に大きく影響します。

基礎研修を優先的に計画することで、受講者が安心して次のステップに進める環境を整えましょう。

トラブル対策としての予備プラン作成しておく

研修中のトラブルに備え、予備のスケジュールや代替プランをあらかじめ用意しておきましょう。

例えば、講師の急な欠席、機器の故障、受講者の欠席などのトラブルが考えられます。

こうした事態に備え、代替講師の確保やオンライン配信の準備、補講の計画など、事前に整えておくことで、研修の中断や大幅な遅延を防ぐことができます。

予備プランを準備することで、トラブルが起きても慌てず対応できる体制を作りましょう。

研修のフィードバックをもらい次回に繋げる

研修終了後には、受講者からアンケートやヒアリングなどでフィードバックを収集し、次回の研修に活かすようにしましょう。

研修内容の分かりやすさやカリキュラムの構成、時間配分など、多角的な観点から評価を得ることで、研修の改善点を見つけることができます。

受講者からの意見を反映すれば、研修のクオリティが上がるだけでなく、今後の受講者の満足度の向上にもつながります。

【テンプレートあり】エクセル・パワポで作る研修スケジュール

研修スケジュールは、進捗状況が視覚的に分かりやすく作成しましょう。

一般的にエクセルなどの表ソフトがよく使われますが、パワーポイントでも作成可能です。

エクセルで作る

横軸に日付(期間)を取り、1つの研修の開始と終了が一目でわかるテンプレートを用意しました。

基本の入力項目は以下の通りです。

  • 研修名
  • 日時
  • 場所(リモートの場合はURLや使用ツール)
  • 対象者
  • 参加人数
  • 研修形式(対面、オンライン、ハイブリッドのいずれか)

縦軸には研修内容・担当者・開始日・日数が配置されているので、各セッション内容を入力します。

横軸は、セッションの開始日から終了予定日までのセルを塗りつぶして進捗を表します。

必要に応じて、受講者へのルールや予算管理を追加すると、より実務的な資料に仕上がるでしょう。

Excel用テンプレートダウンロードはこちら

パワーポイントで作る

パワーポイントのテンプレートは、年間スケジュール表です。

月ごとの表形式で、各研修の期間を帯状に表示します。

複数の研修を並行して実施する場合に有用で、担当者がスケジュールを把握しやすくなっています。

また、パワーポイントは資料や印刷物への転用に優れており、社内配布資料としても活用可能です。

研修が多い企業や研修を兼任している担当者にとって、パワーポイントを活用したスケジュール表は混乱を防ぐ助けとなります。

用途に応じて、エクセルとパワーポイントを組み合わせて使い分けることで、実用的な研修スケジュール管理が可能となります。

 

新人教育マニュアル作成に役立つ記事はこちら

研修スケジュールの例

研修スケジュールは、社員のキャリアステージに応じて、その目的や内容に違いがあります。

ここでは、新入社員、中堅社員、幹部社員それぞれに適した、ある一日のタイムスケジュール例をご紹介します。

新入社員研修の例

新入社員研修は、社会人としての基礎を築き、企業文化に適応しながら基本的なスキルを習得することを目的とします。

例:ビジネスマナー研修

時間 内容
9:00~9:15 オリエンテーション(アイスブレイク含む)
9:15~10:00 ビジネスマナー基礎講座(座学)
10:00~10:15 休憩
10:15~11:00 挨拶・お辞儀の実践トレーニング
11:00~12:00 名刺交換のマナーと練習(グループワーク)
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~13:30 来客応対の基本(座学)
13:30~14:15 来客応対ロールプレイング(グループワーク)
14:15~14:30 休憩
14:30~15:30 電話応対の基礎知識とロールプレイング(グループワーク)
15:30~16:00 振り返りと質疑応答
16:00~16:15 終了挨拶・アンケート記入

中堅社員研修の例

中堅社員研修は、さらなるスキルアップとキャリア形成を支援し、組織の中核として活躍するための能力を育成することを目的とします。

例:リーダーシップ&実践力強化研修

時間 内容
9:00~9:15 オリエンテーション(アイスブレイク含む)
9:15~10:00 リーダーシップの基礎講座(座学)
10:00~10:15 休憩
10:15~11:00 ケーススタディーからのリーダーシップ実例分析
11:00~12:00 問題解決プロセスの学習(ワークショップ)
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~13:30 チーム課題の解決策考案(グループワーク)
13:30~14:15 課題のプレゼン準備(グループワーク)
14:15~14:30 休憩
14:30~15:30 グループプレゼンテーション
15:30~16:00 講師によるフィードバック
16:00~16:15 休憩 
16:15~16:45 個人計画作成
16:45~17:00 研修の振り返り・アンケート記入

幹部社員研修の例

幹部社員研修は、経営視点を養い、組織全体の戦略を策定・実行できるリーダーシップを育成することを目的とします。

例:経営戦略&意思決定力研修

時間 内容
9:00~9:15 オリエンテーション(アイスブレイク含む)
9:15~10:00 経営戦略の基礎講座(座学)
10:00~10:15 休憩
10:15~11:00 成功企業の経営戦略分析(グループワーク)
11:00~12:00 自社課題の経営戦略分析(グループワーク)
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~13:30 意思決定シミュレーション(経営ゲーム)
13:30~14:15 リスクマネジメント講座(座学)
14:15~14:30 休憩
14:30~15:30 経営戦略プレゼンテーション
15:30~16:00 講師によるフィードバックとアドバイス
16:00~16:15 休憩 
16:15~16:45 個人計画作成
16:45~17:00 研修の振り返り・アンケート記入

【番外編】リモート対応した研修スケジュールは可能?

働き方改革や感染症対策の影響で、リモート研修を実施する企業も増えています。

ただし、効果的な研修を実施するには、リモート研修の利点や課題を理解することが欠かせません。

この章では、リモート研修のメリット・デメリットを解説し、事務職に役立つ具体的な研修例をご紹介します。

リモート研修のメリット・デメリット

リモート研修は、移動費や会場費などのコスト削減、場所を選ばない受講、オンデマンド研修による時間調整など、高い柔軟性が最大のメリットです。

オンラインツールを活用することで、学習進捗の状況やテスト結果をリアルタイムで把握できるという利点もあります。

ただし、非対面環境のため、質問や議論の活性化や受講者間の交流が不足しやすく、チームビルディング研修では効果が限定的です。

また、製造業や医療・介護、建設業など、現場実践が必須の業種では実施が困難な場合が多く、研修内容に応じてリモートと対面の適切な選択が必要となります。

リモート対応した研修例

事務職のリモート研修の例を、スケジュールや内容と共にご紹介します。

  • 研修名:事務職スキルアップ研修
  • 目的:事務作業の効率化を図り、生産性を向上させる。
  • 対象:全事務職、特に事務経験の浅い社員
  • 期間:4日間(1日2時間)
1日目 タスク管理の基本、業務優先順位の付け方
2日目 電話対応のスキルアップ、メール作成のポイント
3日目 Excelの効率的な使い方(ショートカットキー、関数の活用)
4日目 業務フローの見直し、改善提案


研修は、Web会議ツールを活用して進行し、受講者がリアルタイムで演習できるようにします。 

Excelの効率化演習では、受講者が自身のPCで操作しながら進められるように、画面共有やリモート操作を行います。 研修後、各受講者には業務改善提案書を提出してもらい、進捗確認をオンラインで行います。

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まとめ

研修スケジュールの作成は、目的を達成するための、いわばロードマップです。

明確な目的設定、綿密な計画、柔軟な対応、そして継続的な改善が研修成功の鍵となります。

この記事で紹介した5つのステップと失敗しないためのヒントを参考に、自社に最適な研修スケジュールを作り上げてください。

画像出典元:Pixabay

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