オープンソース型eラーニングシステムについて

【徹底比較】おすすめオープンソース型eラーニングシステム5選!

記事更新日: 2023/08/07

執筆: 編集部

最近では、オンライン研修や新人教育にeラーニングを活用する企業が増えています。

その中でも「初期費用を抑えたい」「自社の研修スタイルを変えたくない」という場合には、オープンソース型のeラーニングシステムがおすすめです。

オープンソース型であれば、基本的な機能は無料で利用できるので初期コストを抑えられます。また、テンプレートを自社の研修スタイルや管理体制にあわせて自由に構築できるので、自社に最適なeラーニングシステムの構築が可能です。

この記事では、おすすめのオープンソース型eラーニングシステムと選び方のポイント、メリット・デメリットを解説し、システム導入時に必要なクラウドサーバーも紹介していきます。

eラーニングのプラットフォームは4種類

eラーニングのプラットフォームである学習管理システムには、ASP版・オンプレミス版・クラウド版・オープンソース型の4つの種類があります。

ASP版

クラウド上に構築されたアプリケーションソフトを通して学習管理システムを提供。ソフトのインストール、サーバーやインフラ構築の必要がなく、安価で利用できます。

オンプレミス版

自社のサーバーに構築された学習管理システムです。費用は高めですが、自社のサーバーを利用するためセキュリティ面でのリスクが低いことと、自由度の高いカスタマイズ性がメリットです。

クラウド版

サービス提供会社のクラウドサーバーに構築された学習管理システムです。カスタマイズ性に欠けますが、導入が楽で費用もおさえられるので、eラーニングシステムの導入が初めての企業でも気軽に利用できます。

オープンソース型

一般に公開され無料で利用できる学習管理システム。 eラーニングシステムの構築に必要なソースコードが無償で公開されているので、テンプレートをカスタマイズし独自のeラーニングシステムを構築することができます。

0からシステムを構築する必要がなく、なんといっても無料で利用できるのが魅力です。

 

おすすめのオープンソース型eラーニングシステム3選

カスタマイズの自由度重視ならこちらがおすすめ!『Moodle』

画像出典元:「Moodle」公式HP

特徴

Moodleは、教育機関と企業を合わせ2億5000万人を超えるユーザー数を抱えるオープンソース型のeラーニングシステムです。

大きな特徴として、高いカスタマイズ性があげられます。

コース個々の目的・ニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが可能なので、小規模なコースから大規模なコースまで、どのようなクラス規模にも対応できます。

また、汎用性の高いエディターが搭載されていて、画像や動画も簡単に入れ込むことができるので、簡単に教材が作成できます。

さらに、スマートフォンやタブレットに対応しているので、受講者はいつでもどこでも快適に講義を受けることができます。

機能

・スマートフォン・タブレット対応
・カレンダー機能
・学習進捗状況の確認
・ロゴや配色など自由なカスタマイズ
・多言語対応
・ユーザーの権限制限
・定期的なセキュリティ更新
・コースや受講者のグループ管理
・成績管理
・ルーブリックによる評価機能

料金プラン

オープンソース型のシステムのため無料で利用できます。

 

シンプルで使いやすい画面と連携機能が魅力!『Canvas LMS』

画像出典元:「Canvas LMS」公式HP

特徴

Canvas LMSの操作画面は、誰もが迷うことなく使用できる、シンプルなインターフェースで設計されています。

海外製品なので画面の翻訳が気になるところですが、日本語はほとんどが意味がわかるレベルに翻訳されるので安心です。

また、ユーザ情報や受講コースなどの受講者情報をCSV形式のファイルで取り込み、使用中のシステムからスムーズに移行できるほか、他システムとの連携機能にも優れています。

ウェビナーシステム(BigBlue Button)と連携すれば、システム内でウェビナーを開催することも可能です。

レジュメの使用、録画機能、グループチャットや共有メモなど、ウェビナーでの研修に便利な機能が揃っているので、より効率的に研修が行え、高い学習効果が期待できます。

機能

【管理者向け機能】

・管理者、講師、受講者などのユーザ管理
・一般ユーザへの部分的な管理権限付与
・各情報のCSVインポート機能

【講師向け機能】

・教材やテストの作成・添削
・受講状況の確認
・成績管理
・日誌の作成
・コース内ディスカッション

【受講者向けの機能】

・受講したコースの情報閲覧
・課題のアップロード

料金プラン

初期費用がかかりますがその他の費用はかかりません。

 

YouTubeなどの動画教材も活用できる!『iroha Board』

画像出典元:「iroha Board」公式HP

特徴

iroha Boardのエディターにはリッチテキストエディタが採用されているので、Wordのような操作感覚で教材やテスト問題などを作成できます。

さらに、画像やYoutubeなどの動画も、教材作成画面で簡単に取り込み、アップロードできる点も大きな魅力です。

気軽に画像や動画を教材として活用できるので、受講者の興味を引く、臨場感溢れる研修や授業が実現できるでしょう。

その他にも、ユーザ組織やコース教材などのシンプルな管理方法や、スマートフォンやタブレットへの自動対応など、利用者の使い勝手がよく考慮され開発されたeラーニングシステムです。

機能

【受講者向け】

・配布資料のダウンロード
・学習機能
・テスト機能
・学習履歴の表示

【管理者/講師向け】

・ユーザ/コース管理
・グループ管理
・教材作成
・テスト作成
・お知らせ管理

料金プラン

オープンソース型のシステムのため無料で利用できますが、有償サービスも用意されています。

・初期費用
 100人〜500人:50,000円
 1,000人〜3,000人:100,000円

・年間利用料
 100人〜:200,000円
 200人以上で利用の場合は、以下の記事からご確認ください。

 

その他のおすすめオープンソース型eラーニングシステム

moca

画像出典元:「moca」公式HP

特徴

mocaはライセンス費が無料のオープンソースのクラウド型eラーニングシステムです。最新のLMS機能を使用しており、学習者の進捗状況などのクラウド管理ができます。

掲示板やチャットを使って、受講者と講師間で情報の共有やコミュニケーションも可能

コストや手間を抑えながらも、柔軟にアレンジが出来るeラーニングを求めるユーザーにおすすめです。

料金プラン

月額価格プランが用意されています。

使用するシステムリソース(CPU、メモリ、ストレージ、転送量)によって価格が異なるため、詳しくはお問い合わせが必要です。

 

TotaraLMS

画像出典元:「TotaraLMS」公式HP

特徴

TotaraLearnは世界1,400社、1,000万人から利用されており実績が豊富!オープンソース型LMS(学習管理システム)の世界シェアトップ「Moodle」をベースとし、企業・組織向けに特化させたeラーニングシステムです。

ゼロからのLMS構築も、既存LMSからの移行も、運用、教材作成まで支援してくれます。

サポートが手厚い分、初期費用が必要ですが、システムの構築に技術的な不安がある企業や、より自由度の高いeラーニングシステムに切り替えたい企業にはおすすめです。

料金プラン

サブスクリプション費用:~500ユーザー/3500ドル~

サブスクリプションは1年間有効です。

その他関連サービス費用がかかります。

詳しくは以下の記事をご確認ください。

 

オープンソース型eラーニングシステムの4つの選定ポイント

教材・コンテンツの作成・管理が簡単か

オープンソース型のeラーニングシステムにはテンプレートが用意されていますが、各システムによってデザインや操作性、教材の作成方法は様々です。操作性重視であればシンプルなデザインを選択しましょう。

YouTubeなど無料動画コンテンツの埋め込みが可能なものや、Web会議・ウェビナーが開催できる機能があると研修以外のシーンでもフル活用できて非常に便利です。

管理機能はコース別・職種別など管理者が必要な項目設定が自由にできるものがおすすめです。

モバイルデバイスに対応しているか

eラーニングシステムは受講者の自学自習を促進するツールなので、受講者がいつでも学習しやすいようスマートフォンやタブレット端末に対応しているものを選択しましょう。

受講者同士でコミュニケーションが図れる機能や、質問機能が充実しているシステムがおすすめです。

担当者のIT知識レベルに合っているか

オープンソース型はカスタマイズの自由度が高い反面、導入・運用に際してはある程度の専門知識が必要です。

また、海外製品のシステムを使用する場合は、管理画面が正しい日本語に翻訳されているか、日本語でのサポート対応が可能か無料トライアルを利用して確認しておきましょう。

サポートが手厚いか

導入時に必要となる専用サーバーについての案内や、トラブル発生時には電話やチャット等ですぐに対応してもらえる会社か事前にチェックしておきましょう。

eラーニング導入時におすすめのクラウドサーバー

eラーニングシステム導入時に必要となるサーバーですが、クラウドサーバーであれば初期コストを抑えることができます。

(※自社サーバーが必要となる場合もありますので、サーバーについては導入を検討しているシステム提供企業へ事前に問い合わせる必要があります)

以下では、おすすめのクラウドサーバーを紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

オープンソース型eラーニングシステムのメリット3つ

学習効果の高い、個性豊かなeラーニング構築が可能

オープンソース型のeラーニングシステム最大のメリットは、独自のeラーニング研修や授業を自由度高くつくれることです。

もともと学校などの教育向けに開発されたシステムが多いので、学習を効率的に進めるためのノウハウが詰まったテンプレートが多く揃い、研修や授業内容に合わせたカスタマイズが可能です。

eラーニングであっても講師それぞれの魅力や個性を研修や授業に表すことができ、受講者のやる気アップも期待できます。

コストを抑えてeラーニングシステムをつくれる

オープンソース型のeラーニングシステムは、eラーニングシステム構築に必要なソースコードが無償で公開されているものがほとんどのため、ランニングコスト、ライセンス料が発生せず、無料で利用することができます。

無料だからといって質が落ちるわけではなく、学習効果を高めるためのあらゆるノウハウが詰まった素材を利用できるので安心です。

社内会議システムとして有効活用できる

システムの中にはオンライン会議ができる機能を搭載しているものもあるので、システム一つで研修以外にも、普段の社内会議システムとして活用することができます。

オープンソース型eラーニングシステムのデメリット2つ

操作方法の習得に時間がかかってしまうことがある

システムの操作方法が複雑な場合、受講者が操作方法を習得するまでに時間がかかり、研修や授業に思わぬタイムロスが発生してしまう可能性があります。

研修がスタートする前の段階で、一度講師と受講者が操作方法について確認できる機会があると安心です。

専門知識が必要

オープンソース型はカスタマイズの自由度が高い反面、導入・運用に際してはある程度の専門知識が必要です。

知識や技術に不安がある場合は、日本語でしっかりサポートしてくれるサービスを選ぶと安心です。

まとめ

今回ご紹介したオープンソース型のeラーニングシステムを利用すれば、学習効果の高いリソースをカスタマイズし、自由にeラーニング研修や授業をつくることができます。

ランニングコストも、ライセンス料も発生しないので、運営者・講師の力次第で、良質な研修・授業を低コストでつくれるのも魅力です。

オープンソース型のeラーニングシステムの利用を考えている企業は、ぜひ今回紹介したシステムの利用を検討してみることをおすすめします。

画像出典元:O-dan

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