TOP > インタビュー一覧 > 無料の「自習室」を使い込んでSalesforceをフル活用!ITツール活用事例(株式会社RECEPTIONIST)
クラウド受付システムを提供する株式会社RECEPTIONIST。
毎日8,000組以上がRECEPTIONISTで受付しており、導入企業は2,500社を突破し順調な成長を続けています。
今回はそんなRECEPTIONIST社が、創業当初からどんなツールを使い、どんな問題が起きてツールの乗り換えを実施してきたのか、取締役COO 真弓 貴博さんに取材を行いました!
人事評価システム、営業支援ツール、名刺管理アプリ、web会議システムと、幅広い分野の導入事例を紹介していくので、ぜひ自社のサービス導入・検討の参考にしてください!
このページの目次
ー人事評価システムの「HRBrain」は操作が簡単だという定評がありますよね。HRBrainの導入を決めたきっかけはありますか?
「社員の目標管理ができる」
元々ベンチャーなので評価制度が決まっていなかったのですが、会社が10人規模位になった時に評価制度を作り、そのタイミングで人事評価システムを導入することにしました。
導入前はスプレッドシートで管理していたのですが、煩雑になりやすくなってしまって。
ー他の人事評価システムではなく、HRBrainにした理由は何ですか?
HRBrainに決めた理由は、スプレッドシートをそのままwebに移行したようなUIだったので、移行作業が簡単そうだな、と感じて導入を決めました。
あとは自社がイメージしている評価制度をきちんと運用できそうだったのがHRBrainだった、という感じです。
ー具体的にHRBrainを活用してどのような人事評価を行っていますか?
弊社の評価制度は、定量評価と定性評価で行っています。
定量評価は「全社目標・チーム目標・個人目標」の3つに分けていて、個人が目標達成すれば、全社目標を達成できるという設計にしています。
一方、定性評価の方は社内でバリュー(行動指針)を3つ決めていて、それに則った行動をできたかどうかで評価します。
ー定量と定性はどのようにバランスをとっているのでしょうか?
現在は定量・定性を50%、50%に設定して、それぞれ10段階評価で評価しています。それらがHRBrain上で計算されて、10点満点で得点が出てくる設計です。
この評価点をベースに昇給などを決めています。
HRBrain 評価画面
ー実際に導入してみて、不満などはありましたか?
導入当初※は苦労しました。笑
目的は達成できるので使っていましたが、初見だと少し分かりにくいUIだったので、1on1面談をしながら各メンバーに操作方法をレクチャーする、という状態でした。
20年1月のリニューアル後は、非常に分かりやすくなり社員メンバーも問題なく使いこなせるようになりました。新しくなってからは「記入しておいてください」という指示だけで済むようになりましたね。
いろんな規模の企業で使えるように設計されているな、とも感じます。「誰が」「誰を」評価する、というような、評価者の紐付けを細かく設定できる機能が非常によくできているので、大企業であればこういった機能は重宝されるだろうなと思います。
※2020年1月のリニューアル前
ーHRBrainは無料トライアルがあると思いますが、導入までのフローを教えてください。
無料トライアルはしました。実際に導入する際も、担当者の人が付いてくれて、弊社の評価制度をHRBrain上でどうやって実現するか、というのをきちんと理解した上で、手取り足取り設定してくれたので助かりました。
ただ無料トライアルの時は、担当者の方が設定してくれたので操作も簡単に思えましたが、いざ自分たちでやってみるとなかなか難しかったです。笑
導入後もチャットで問い合わせができるので、当時は頻繁に聞いていました。
ーHRBrain導入前に他のツールと比較検討はしましたか?
いくつかのツールを比較しましたが、コスト面では他ツールとの違いはあまり感じませんでした。
大手企業向けのツールは高いですが、ベンチャー向けのものを見ていたので価格の大差はなかったですね。
ーSalesforceを導入したきっかけを教えてください。
実は、Salesforceはベンチャー企業にとってはコストが高いので、ずっと導入を渋っていました。笑
しかしお客様の情報を全てスプレッドシートで管理するのに限界を感じていたので、とりあえず安価なセールス管理ツールを導入しました。
ただ、今は改善されたと思うのですが、当時は顧客情報が増えていく度にどんどんシステムが重くなってしまい表示が遅くなるという課題が出てきてしまいました。
そこで、SaaS企業の知り合いに話を聞いたところ、皆さん口を揃えて「Salesforceだ」と言うんです。笑
『SaaSの営業スタイルとして確立されている「The Model」を学びながら、セールスフォース上で管理できますよ』と言う話を聞いて、Salesforceの導入を決意しました。
今では我が社も、Salesforce無しでは生きていけない会社になってしまいました。
ーやはり初めはコスト面が導入の壁になるのですね。他のツールとの連携も含めて、現在はどのようにSalesforceを活用していますか?
Salesforceを中心に据えて、MAツールでPardotを導入しています。web上のユーザーの動きをSalesforceのリードと連携して「どの人が現在、自社のサービスに興味を持ってくれているのか」などを把握できるようになっています。
Salesforce内でリードが溜まっていく中で、会社情報の詳細までは把握できないので、FORCASと連携させて、FORCASからその会社情報を引っ張ってくるという感じです。
あとはRECEPTIONISTを使ってくださっている企業の情報も全てSalesforceに集約しています。
デイリーでどの企業で何件受付された、という情報やRECEPTIONIST上に登録している社員数の動きなどもSalesforce側に全て自動で連携させているので、Salesforceを見ればお客様の利用状況や今どのプランでいくらで使っているのか、いつプランアップしたのか、などの情報を残せて、全ての情報が可視化できるので、手放せない状況になっています。
企業の利用状況 表示画面
他は、PhoneAppliという名刺管理ツールとも連携しています。
名刺の情報を全てSalesforceで一元管理できるのはかなり便利で助かっています。
例えば営業に行って、商談で交換したお客さんの名刺をスキャナに通すと、そのあと自動的に”本日のお礼メールと商談で使った資料”を添付したメールを自動で送信する、みたいなことも設定可能です。そういった細かい機能があるので使い勝手が良いですし、コストもリーズナブルですね。
※PhoneAppliの料金:300円/ユーザー
ーSalesforceは使いこなすのが難しいとの声をよく聞きますが、社内運用を実現するまでの道のりで苦労などはありましたか?
常に苦労していました。笑
最初の設計が本当に重要だと思います。
どう活用するのかを決めることが一番大事なので、自分たちで「セールスのワークフローをこういう風にしよう」という前提が決まっていないと危ないですね。
テキトーに決めて設定してしまうと、設定し直すのはかなり大変です。何回か設定を失敗して初めからやり直す、みたいな事はありました。
ー初期設定の段階で、サポート体制などはありましたか?
Salesforceは必ず担当営業の人が付いているので、分からなくなる度に都度連絡していました。あとは新卒で入社したセールスの若手社員を、Salesforce担当に任命しました。
頻繁に開催される活用セミナーに出席して勉強してもらいつつ、Salesforce社内に「自習室」というものがあるので、そこに常駐しているSalesforceの方に質問しながら設定を進めてもらいました。
その新卒社員は、自習室をかなり活用していたので、そのおかげで現在は基本的に彼が全て把握している状態になっています。
やはりSalesforceを使いこなせるようになるには、社内に一人はコミットして学ぶ人材が必要になると思います。
ー実際に導入してのメリットは何でしょうか?
Salesforceを導入して、顧客情報と営業活動の可視化ができるようになったのが一番の導入成果ですね。
今だとセールスメンバーひとりあたりが抱える案件が多くなってきているので、連絡漏れ・対応漏れが出てきてしまう、それをなくすためにSalesforce上でダッシュボードを作って、ネクストアクションを表示し、期日通りに完了しているのかなど、全体を把握することができます。
あとは各担当営業ごとに確認できるダッシュボードを作ったことで、対応漏れなどもったいないミスが起こらない体制になってきたと感じています。
ダッシュボードでの顧客情報の可視化
ーセールス周りでいうと、オンライン商談などは実施していますか?
商談は全てオンラインで実施しています。新型コロナウイルスが広まる前も、都内以外の商談は全てオンラインでやっていました。
一度、別のツールを使って商談を受けたことがあるのですが、電話を繋ぎながら画面共有をする、という機能に若干の違和感を感じたので、自社ではZOOMを導入しました。
ーオンライン商談ではZOOMを活用しているとの事ですが、現在所有しているアカウント数・プランを教えてください。
コロナ情勢になってからは各チームリーダーとセールスメンバー等の10人が有料アカウントを保有していて、それ以外のメンバーは無料アカウントを使用しています。
なので月に20,000~30,000円程度の費用感です。
ー音質や画質など機能面に関して、社内メンバーから不満などはありませんか?
不満の声は今のところ無いですね。
Google Meet、Whereby、Slackのビデオ通話など色々なツールを試しましたが、ZOOMが一番良かったです。
ZOOMは画面共有して会話していても相手の顔が見られる機能になっているので、商談の際はお客様の反応を見ながら商談を進めることができます。その点が他のツールではできなかったので、非常に使いやすいと感じました。
ーせっかくなので、RECEPTIONISTの活用法も教えて下さい。様々なツールと連携可能とのことですが、どのツールと連携して使われる事が多いですか?
圧倒的に多いのはSlackとChatworkです。
最近すごい勢いで伸びてきているのがMicrosoft Teamsとの連携ですね。大企業のお客様が一斉にMicrosoft Teamsを使い始めている状況なので、連携数が一気に増えています。
ー上記のようなビジネスチャットと連携した時にどういう利便性があるのでしょうか?
簡単にいえば、担当者本人が来客者の対応を行えるようになる、ということです。
お客様が来社された際に、担当者がどの部署に所属しているのか把握しておらず、総務部に電話をかけてしまうというケースが非常に多いんです。
そして電話を取った総務部のメンバーやアシスタントの方が、お客様を会議室までご案内しお茶を出すところまで請け負わなくてはならなくなる。
多くの企業でそういう課題があるため、RECEPTIONISTはお客様が来社されたことを直接担当者につなげるために、チャットツールやスマホアプリ、SMSを使って担当者本人に来客を通知します。
万が一担当者本人が気付かなかったり、会議中で対応できない場合でも、他のメンバーが対応できるようにグループチャットに通知を行えたり、アシスタントの方に同時に通知ができたりします。
ビジネスチャットへの通知画面
ー他の受付システムとの違いはありますか?
”担当者に通知する”という部分では、どのツールもあまり違いがありません。
機能的な違いは、普段使っているカレンダーと連携して日程調整を行える機能があり、日程調整から来客の受付までを一連の流れでできるようになっていることです。
「調整アポ」という名前の機能なのですが、先日特許も取得いたしました。
また、インフラ面での違いは安定性ですね。セキュリティ的な対応と、サーバーの安定性は他社と差別化できていると思います。
RECEPTIONISTは2019年度の実績で稼働率99.99%を誇っています。
ービジネスチャットツール・カレンダー以外のツールとの連携はありますか?
Salesforceとの連携もしています。
事前に来客を登録して受付コードを発行することで、受付を簡易にする機能があるのですが、その登録の際に、お客様のフルネームや会社名・メールアドレスを正しく入力するのに手間がかかるという課題がありました。
そういった来客者情報を簡単に入力できるように、来客者の名字をRECEPTIONIST上に入力すると、Salesforceの情報内から自動的にその苗字と一致する人検索し、入力サポートをしてくれる機能になっています。
名字を検索すると、候補が一覧で表示されるので、その中から該当者を選択すると、名前も社名もメールアドレスも全部自動で入るようになっています。
担当者検索画面
ー導入までの時間はどのくらいかかるのでしょうか?
社員数が100人くらいまでの規模であれば1時間もかからずに終わります。
webの管理画面上から設定するのですが、ビジネスチャットとの連携も簡単で、社員情報を入れればすぐに設定完了です。
iPadはAppStoreからアプリをインストールしてログインするだけです。
ー導入までの時間が1時間というのは驚きました。想像よりもだいぶ導入が簡単なのですね。
本日はご協力ありがとうございました!
・ビジネスチャット…Slack
・勤怠管理…マネーフォワードクラウド勤怠
・給与計算…マネーフォワードクラウド給与
・Web会議…Zoom
・営業支援ツール…Salesforce
※取材当時の情報です
画像出典元:「HRBrain」公式HP
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