中国巨大IT企業BATH!GAFAに比肩するその全容とは

中国巨大IT企業BATH!GAFAに比肩するその全容とは

記事更新日: 2021/09/22

執筆: 編集部

世界経済を牽引するGoogle・Amazon・Facebook・Appleの頭文字をとった「GAFA」という言葉があります。

そのGAFAに次ぐ勢いで成長しているのが中国企業の「BATH」です。

この記事では「BATH」の意味、それに含まれる4つの中国企業、それぞれの企業のビジネス内容などを紹介します。

BATHの意味や事業内容を知れば、それらとどのように関わればビジネスチャンスが開けるのか見えてくるでしょう。

BATH企業とは?

世界経済を牽引するIT企業Google・Amazon・Facebook・Appleの頭文字をとった「GAFA」という言葉があります。そのGAFAに迫る勢いで成長しているのが中国のIT企業4社「BATH」です。

Baidu(百度/バイドゥ)・Alibaba(阿里巴巴集団/アリババ)・Tencent(騰訊/テンセント)・Huawei(華為技術/ファーウェイ)の頭文字をとって「BATH」と呼びます。もともとはHuaweiを除いて「BAT」と呼ばれていましたが、Huaweiの台頭に合わせて、多摩大学教授の沈才彬がGAFAになぞらえてこの呼び方を考え出しました。

BATHは中国の深圳市(深セン)に拠点を構えている

BATHを含め中国のIT企業の50強すべてが、中国初の経済特区である深センにオフィスを構えています。

深センはアジアのシリコンバレーと呼ばれるハイテク都市です。中国の有名大学を卒業した優秀な人材が集まりBATHのどれかに就職したり、BATHの出身者が創業者となっている新興企業に就職したりします。

こうしたBATHを軸にした企業群をBATH企業と呼んだり、そこから輩出される人材をBATH系と呼びます。

BATHが話題となる理由

BATHの動きが話題となる理由を,2つ紹介します。

1. 巨大な企業規模

2020年1月の世界時価総額ベスト10内にBATHの企業が2社含まれています。時価総額ランキングは以下のとおりです。

【世界時価総額ランキングベスト10(平成31年4月)】

画像出典元:「ダイアモンド・オンライン」

アリババ・テンセントの時価総額は4,000億ドル(約43兆円)以上です。

バイドゥはランキングしていませんが時価総額は360億ドル台(約3.2兆円)の数字を残しています。

ファーウェイは株式上場をしていないので、時価総額ランキングには登場しませんが、売上高だけを計算するとアリババとテンセントの合計を上回ると見込まれています。

2. 市場規模の大きさ

BATHに属する企業は、約14億人の中国という市場を独占しているという強みもあります。政治的背景から中国では外資系のIT企業は制限規制を受けます。ですから、BATHは中国国内で圧倒的な強さを発揮できるのです。

また、BATHは、東南アジアを中心に世界各地に散らばる中国人にサービスを提供することもできます。

中国の国内市場と世界に散らばる中国人へのサービス提供などを背景に、BATH企業は力をつけ、積極的に海外に進出しています。

BATHのそれぞれの事業内容

BATHということで4つのIT企業がひとつのグループとして扱われていますが、それぞれに異なる事業内容、特徴的なビジネスなどがあります。

次に、BATHに含まれる4つの企業それぞれの事業内容を紹介します。

1. Baidu(百度/バイドゥ)


バイドゥは中国で最大の検索エンジン「Baidu.com」のサービスを提供しています。「Baidu.com」はいわば中国版Google検索です。

「百度」のシェアは中国国内では70%以上であり、全世界でも検索エンジン市場では、Google検索に次ぐ第2位のポジションにいます。

バイドゥが中国人の気持ちを掴んで成功した背景には、平均0.05秒という高速検索と検索精度の正確さ、そして話し好きの中国人にぴったりな掲示板やコミュニケーション機能が豊富なことなどが挙げられます。

Baidu(百度/バイドゥ)の有名な事業内容】

事業内容 特徴的なサービス
インターネット検索サービス

検索サービス「Baidu.com」
音楽ファイル検索・画像検索・地図検索

自動車運転開発事業 自動車運転開発プラットフォームの提供

 

2. Alibaba(阿里巴巴集団/アリババ)

アリババは中国のEコマース企業です。中国版Amazonもしくは楽天市場です。

とりわけBtoB(企業向け)のECサイト「Alibaba.com」は世界トップクラスシェアを誇っています。

アリババの注目すべきニュースとしては、2019年11月11日の「独身の日」にビッグセールを開催し、その日だけで384億ドル(日本円で4兆億円以上)を売り上げたことです。楽天の1年間の売上収益は約1兆1014億円(2018年度)ですから、この売上がどれだけ大きいかがよく分かります。

Alibaba(阿里巴巴集団/アリババ)の有名な事業内容

事業内容 特徴的なサービス
EC事業

Alibaba.com(BtoB向けECサイト)
天猫tmall.com(BtoC向けECサイト)
天猫国際Tmall Global(越境EC)
タオバオマーケットプレイス(CtoC向けECサイト)

決済サービス ALIPAY(アリペイ/支付宝)
映像配信サービス YOUKU(ヨウク)
クラウド・コンピューティング アリババ・クラウド・コンピューティング
スーパーマーケット事業 盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)

 

3. Tencent(騰訊/テンセント)

テンセントはコミュニケーションサービスの「WeChat(微信)」「QQ」を運営しています。WeChatは中国版「LINE」という感じのSNSサービスです。

このWeChatの登録者数は11億人以上で、月間アクティブユーザーは4億人以上です。中国人のスマホ利用者の9割がこのアプリを利用していると言われています。ちなみにLINEの全世界での月間アクティブユーザー数は2億人以上です。この数字からテンセントの提供するWeChatのユーザー数がとても多いことが分かります。

しかし、テンセントの収益の柱は、こうしたコミュニケーションサービスだけではありません。

テンセントの収益の大部分を担っているのがゲーム事業です。収益世界一に輝いたスマホゲーム「王者栄耀」はテンセントゲームズが開発しました。

Tencent(騰訊/テンセント)の有名な事業内容

事業内容 特徴的なサービス
コミュニケーションサービス

WeChat(微信)
QQ

ゲーム事業 王者栄耀などのスマホゲームやオンラインゲーム
決済サービス WeChatPay(微信支付)

 

4. Huawei(華為技術/ファーウェイ)

ファーウェイは端末出荷台数世界第3位の大手スマートフォンメーカーです。

ファーウェイはSIMフリー端末として日本でもすでに広く知られています。

ファーウェイのスマホで特に注目されているのがカメラの性能です。最近では最大4800万画素のメインカメラを含めた5つのAIカメラが搭載されている機種「HUAWI nova 5T」が話題となりました。

ファーウェイは、消費者向けの端末だけでなく、通信事業者向けのIPソリューションやそれに関する製品も提供しています。

Huawei(華為技術/ファーウェイ)の有名な事業内容

事業内容 特徴的なサービス
消費者向け端末事業 nova・Mata・P・honorなどのシリーズがあり、低価格帯からハイズペックの高級スマホまで幅広いラインナップを揃えている

 

日本にいてもBATH企業とつながることができる

今回紹介した中国のBATH企業とつながることで日本にいてもビジネスチャンスを広げることができます。

どのような方法でBATH企業の提供するサービスとつながりビジネスチャンスを拡大できるのか紹介します。

1. 決済システムを利用する

中国人の訪日旅行者を顧客として獲得するためには、彼らが普段から利用している「アリペイ」「WeChatPay」などの決済サービスに対応した決済システムを導入することが必要です。

「WeChatPay」に対応した決済システムに「STORESターミナル」があります。「STORESターミナル」についてもっと詳しくお知りになりたい方はこちらの記事をご覧ください。

 

2. 越境ECを利用する

中国や世界中に住んでいる中国人に自社の商品を販売するために越境ECを利用することができます。日本製品は品質が高いということで中国人の間でも人気があり、彼らのニーズに答えられる商品があれば、出品を計画できます。

例えばアリババの提供している天猫Tmallなどに出品できるでしょう。

越境ECを利用する場合、商品をどのように郵送するのかが悩みになります。

以下の記事では越境ECにおける国際配送の方法を詳しく説明しています

 

まとめ

BATHとは、中国のIT企業であるBaidu(百度/バイドゥ)・Alibaba(阿里巴巴集団/アリババ)・Tencent(騰訊/テンセント)・Huawei(華為技術/ファーウェイ)の頭文字をとったものです。

世界時価総額ランキングのトップ10に入る企業などもあり、Google・Amazon・Facebook・Appleの「GAFA」に追いつき追い越せの勢いで成長を続けています。ですから日本にいてもこうした企業のニュースは話題になります。

BATHは、検索サービス・EC事業・コミュニケーションサービス・ゲーム事業・通信端末事業など様々な分野で事業を展開しています。日本にいても、こうした企業の提供するサービスを利用すれば、新たなビジネスチャンスを掴むことができるでしょう。

画像出典元:pixabay

 

最新の記事

ページトップへ