労務リスクをマネジメントする|回避法・事例と労務管理システム3選を紹介

労務リスクをマネジメントする|回避法・事例と労務管理システム3選を紹介

記事更新日: 2020/03/18

執筆: 編集部

労務リスクは全ての企業が抱える問題であり、円滑な経営活動を妨げる要因とも言えます。

そんな労務リスクを回避するためには「どのようなリスクがなぜ起こるのか」や「どのような対策方法があるのか」などについて理解を深める必要があります。

この記事では、労務リスクに関する基本知識からその事例、どのようにマネジメントしていったらいいのかといった回避法やおすすめの労務管理システムまでを分かりやすく紹介しています。

労務リスクとは?

労務におけるリスク

企業は経営活動においてさまざまなリスクを抱えていますが、実にその80%以上が人に関わるものだそうです。

ハラスメントや未払い残業代、リストラなど…2000年代以降、このような労務に関するトラブルの露呈化が加速したことにより、「労務リスク」という概念が社会に普及しました。

企業はヒトの集合体であり、ヒトが集まるところにトラブルは起きるもの。多くの人が集まれば集まるほど、全員が100%納得がいくようなコンプライアンスを実現することは至難の技です。

とはいえ、労務リスクは企業にとって大きな損失を招く癌ともなるため、有効な回避策を立てることが必要不可欠と言えるでしょう。

※「労務」・・・ある対価のために労働力を提供すること。

※「コンプライアンス」・・・企業が社会的に認識されているルールに従い活動を行うこと。

労務リスクによる損失

労務リスクが大きく発展してしまうと、主に以下のような損失の発生が懸念されます。

・ブランドイメージの低下

・風評被害

・従業員のモチベーションの低下

・訴訟などに対応するためのコスト(弁護士費用など)

ここまで発展してしまうと事態を収拾することは非常に難しくなり、このまま負の連鎖に陥ることも予測されます。

労働基準法とは

労務リスクを防ぎ良好な労使関係を築くために、企業が「労働基準法」について理解しておくことは基本中の基本です。

「労働基準法」とは、国が労働条件において最低限守るべき基準について、正社員、契約社員、アルバイトなど、雇用形態を問わず全ての労働者を対象として定めている法律です。

忘れてはならないのが、これはあくまでも「最低基準である」ということ。万一にも労使間において締結した契約が労働基準法の基準を下回っているとなれば、当然その合意は法律によって無効とみなされ、代わりに労働基準法の基準が当てられることになります。

労働基準法では、主に賃金や労働時間、解雇に関する規定など、労働における条件が網羅的に定めてありますが、もしもこれらに違反する行為を行なった場合、刑事罰を含む罰則が科せられることとなります。

また、これらの規定について労働者へ周知徹底を行うことも企業の義務とされており、規定について詳しく明記した書面の配布や職場の見やすい場所への掲示が求められています。

労働基準法に関する詳しい内容は厚生労働省のホームページをご確認ください。

労務トラブルの種類

過重労働

長時間労働はメンタルヘルスやフィジカルヘルスの不調をきたし、過労死や過労自殺を招くことが危惧されています。

長時間労働による弊害は従業員のみが背負うものではなく、例えば従業員のメンタルヘルスが悪化すると、1,000人規模の企業で数千万から1億円の損失が発生するというデータもあります。

回避法

労働時間は労働基準法によって原則、1日8時間以内、1週間で40時間以内と規制されていますが、これを上回る場合においては労働基準法第36条の通称「36協定(サブロク協定)」を確認し、これに沿った条件の設定を行いましょう。

 

ハラスメント

パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、マタニティーハラスメントなど、これらハラスメント(嫌がらせ)においては、その言動が「どういう意図で行われたのか」ではなく、それを受けた人が「どう感じたか」が要点として扱われます。

回避法

基準が主観に基づくためとてもデリケートな問題であると言えますが、ハラスメントの露呈はブランドイメージの悪化にもつながるため慎重に取り組む姿勢が求められるでしょう。

 

給料や残業代の不払い

2015年に厚生労働省が行った調査では、国内の未払い残業代の総額は100億円にも及ぶとされています。これが示唆するのは、サービス残業の横行です。

給料や残業代の不払いは、労働基準監督署からの是正(ぜせい)勧告や遅延利息・付加金の支払い、訴訟などといったリスクをはらんでいます。

企業の本来の目標は経営を円滑かつ長期的に回すこと。そのためには、目先の利益にとらわれず、勤務時間を適正に管理し、健全な労働環境を築く方が理に適っているのです。

回避法

管理職や従業員への教育、労務管理システムの導入による勤怠管理の適正化などが有効な対策として挙げられます。

 

不当解雇

市場経済下における経営活動では、時に従業員の人員削減の必要に迫られる事態も起きかねません。

しかし解雇やリストラは、受ける人やその家族の生活、人生に関わる大きな問題であり、人事労務トラブルや訴訟などに発展する可能性は否めません。

回避法

やむをえず解雇やリストラを行う必要が出た場合には、「それは本当に正当なものなのか」「労働基準法やコンプライアンスに沿っているか」など、念入りな確認のもとで判断を行うことが必要不可欠と言えます。

 

労働災害

業務や通勤に起因するケガや病気、死亡などの労働災害を防ぐため、企業は従業員への安全衛生管理にも徹底的に取り組む必要があります。

企業側の管理不十分によって労働災害が起きてしまった場合、信用の損失や人材の喪失、補償に投じる金銭的負担など、企業も非常に大きなリスクを抱えることが想定されます。

回避法

従業員と組織を守るために、あらゆる事態を想定した上で、常に管理体制を適正な状態に保つことが欠かせません。

 

実際に起きた労務トラブルの事例

長時間労働におけるトラブルの事例

旅館業を経営するある事業場において、1ヵ月あたり270時間以上の長時間労働、残業代の未払い、休憩時間の削減などといった労務トラブルが判明したため、労働基準監督署による指導が遂行されました。

長時間労働削減推進本部は、このような月100 時間を上回る残業を強いている事業所等に対し監督指導から是正勧告書の交付、送検など、事態に応じて対応を進めます。

送検に至らない限りは企業名が公表されることはありませんが、労働者側がインターネットを介して拡散する可能性は少なくないでしょう。企業はこのようなリスクに目を向け、適正な労働環境の構築に努めましょう。

ハラスメントに関するトラブルの事例

厚生労働省が運営する総合労働相談コーナーに、派遣先で受けている上司からの嫌がらせに関する相談が寄せられました。

内容は、「ふざけてんじゃねえぞ」や「お前は恥だ」など、上司より日常的に人格の否定に値する暴言を受けているというもの。派遣元に相談したものの、派遣元は派遣先との関係悪化を懸念し対応してくれず、社外への相談へと至ったようです。

当局が派遣先の事業主へ助言・指導を行ったことにより、パワーハラスメントは抑止され、再発防止への取り組みも行われたとのこと。

労務トラブルを防ぐ方法

労務トラブルを回避するためのマネジメントは、人事・総務部門による規定や環境の整備、そして管理職による対策の実行、という2つの基軸によって進められます。

具体的には、以下のような対策が有効とされています。

人事総務

・労働基準法など、労働条件に関する法律の理解

・就業規則の適正化

・管理職への対策教育や指導

管理職

・部下の視座に立った職場環境の観察

・日常的なコミュニケーションによる部下との意思疎通

また、メンタルやハラスメントに関する悩みは、管理職や人事などの直接的な関係がある人には相談しにくいものです。

そのようなセンシティブな内容については、組織から独立している相談窓口の設置や紹介を行うことが有効でしょう。

労務トラブルを防ぐ!おすすめ労務管理システム3選

人事労務freee

「人事労務freee」勤怠管理から給与計算、年末調整など、従業員の労務情報を一元化し管理するクラウド型システムです。

基本料金プランは1ヶ月1,980円からで、従業員1人あたりの追加料金はわずか300円/月。

機能が豊富であるにも関わらず、利用料金がキャッチーであることが人気を集めているポイントです。

 

ジョブカン労務管理

労務管理システム初心者に特にオススメなのが、「ジョブカン労務管理」です。その理由は導入ハードルの低さと使いやすさ。

無料アカウントはわずか1分で発行でき、一度入力した従業員情報は各種書類の作成において連動するため、正確かつスピーディーに処理を行うことができます。

初期費用は無しで、利用料は従業員1人につき400円/月。設立3年未満の企業であれば、1年間無料でジョブカンシリーズを利用することができます。

 

SmartHR

「SmartHR」は業界シェアNo.1をうたっている労務管理クラウドです。

入社手続きや雇用契約はスマホに表示される質問に答えていくだけで完了し、その他の重要な書類も簡単な操作だけで、作成から提出までが自動で行われます。

導入した企業では、1,700人分の給与計算をたった2人で行うことが実現したり、社員の生産性が60%向上したりなどの好実績が出ているようです。

初期費用は無料、月額費用も30人までなら無料で利用することができます。

 

まとめ

労務リスクは、就業規則と実態の間にあるギャップ、そして規定に関する理解の希薄さによって引き起こされているケースがほとんどです。

人事や総務部門、管理職が正しい知識のもとで協力し、労働環境の最適化を目指しましょう。

また、マンパワーを有効かつ正確に活用するため、労務管理システムを導入することもおすすめします。

画像出典元:O-DAN

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