合同会社における事業年度の決め方、決めるときのポイントを解説

合同会社における事業年度の決め方、決めるときのポイントを解説

記事更新日: 2019/01/25

執筆: 編集部

会社を設立する時に考えることは色々とありますが、そのとき安易に決めたことが実は重要な事柄だったというパターンも多いです。その筆頭が事業年度でしょう。

合同会社設立のタイミングは1回しかありませんので、どのように事業年度を決めれば良いのかポイントを抑えないと、将来的に大損してしまいます。

今回はこの合同会社における事業年度の決め方とそのポイントをわかりやすく解説します!

そもそも事業年度とは?

事業年度とは何かを簡単に説明すると、会社の決算をするための期間のことです。会計年度・決算期などとよばれることもあります。

もう少しおおざっぱに説明してしまうと事業年度を決めるというのは決算をするタイミング(決算月)を決めることとも言えます。

会社にとっての1年間の区切りが決算なので、あまり詳しく知らない人でも重要なことと予想がつくでしょう。実は安易に決めてしまうと落とし穴が待っているので要注意の項目なのです。

事業年度を決める時のルール

事業年度を決めるということは決算期をいつにするのかを決めるのと同じだということがわかりました。そこで、この事業年度を決める上での決めごとやルールについてまずは学んでいきましょう。

事業年度の区切りはいつでもよい

この事業年度というのはいつを開始日とするかを自由に決めることができます

なお最初の事業年度(1期目)は、会社設立日から定めた年度開始日の前日までとなります。

たとえば、4月1日に会社を設立したとしましょう。

このとき9月1日を事業年度の開始日とした場合、1期目は4月1日~8月31日までとなります。

5月1日を開始日とした場合は、1期目が4月1日~4月30日までのたったの1ヶ月ということになってしまいます。

会社設立日である4月1日を開始日にすれば、4月1日~3月31日までの丸一年が1期目ということになります。

自由に決めることができるのですが、一般的には国の会計年度に合わせるとか、暦に合わせることが基本的なので、ある程度の傾向はあります。実際に日本の会社や合同会社における事業年度設定は下記が多いです。

よくある事業年度

  • 4月1日〜3月31日(国の会計年度や多くの上場企業にあわせた場合)
  • 1月1日〜12月31日まで(海外企業に合わせた場合、個人事業主は必ずこの事業年度にする決まり)


他にも小売業では3月決算ではなく2月決算としていることが多いのですが、これにも明確な理由があります、詳しくは後述します。

あくまでもこれらは実際に設定されることの多い事業年度です。自由に決めることができるので、その気になれば2月14日から翌年の2月13日という月の途中で区切ることもできます。

事業年度は決めた後でも変えられる

合同会社における事業年度設定は一回設定したら二度と変更が不可能というわけではなく行政機関への届け出といった手続きをきちんと踏めば設定した後でも変更は可能となっています。

ただし、すでに会社が動いている段階で事業年度を変更するとなると決算の手続きが確実に普段よりも面倒になりますし、会計上の処理と手間が増えてしまうので、子会社と親会社の決算を統一するときなど以外は、よほどのことが無い限りは変更しないのが基本です。

 

合同会社で事業年度を決める上での重要ポイント!

明確なポイントを押さえていないとなんとなく4月1日からとか、1月1日からにしてしまうことが多いです。

事業年度設定は周りの人たちがこうやっているから自分たちも合わせるという考え方ではなく、事業年度を決める上でのポイントを理解して決める必要があります。

1. 消費税の免税期間を長くする

事業年度を決める上で重要なポイントの一つが消費税の免税期間を長くすることにあります。

資本金1,000万円未満で設立された合同会社は1期目と2期目の消費税の納税義務がない(※)ので、1期目を長く設定すると免税期間も長くなります。

たとえば、2月に急いで合同会社を設立したけど区切りよく3月決算にしたいから3月決算に設定すると1期目が1ヶ月ちょっとで終わってしまうので、免税期間が1年と1ヶ月になってしまいます。

一方で事業年度を会社設立に合わせて2月からにした場合、1期目を丸一年とれるので、免税期間を2年間確保することができます。

つまり、とりあえずよくわからないから3月31日で区切るという考え方を持っていると免税期間が短くなってしまうので損をしてしまうということです。

※ 平成24年12月までは2期目まで免除対象となっていましたが、25年1月以降、2期目は1期目の上半期の課税売上高または給与支払等の額が1,000万円以下の場合のみ免除と変更になりました。

2. 決算2ヶ月後の納税も考慮する

消費税納税のことを考えるとできる限り長いスパンで1期目がとれるように事業年度を設定するのが正解となりますが、それだけでは考え方が不足しています。なぜなら、決算をすると決算日から2ヶ月以内に税金の支払いが発生するから。

納税を見据え、資金繰りのことを考える必要があります。

キャッシュが用意できない時期に納税のタイミングが重なると資金繰りが非常に苦しくなってしまいます。税金を納めることができず、倒産の危機に陥る会社も実は珍しくありません。

ボーナスを支払う時期と納税時期が一致しているとか、売り上げが落ちる時期と納税時期が一致しているのは危険だといえます。

一般的にボーナスは7月と12月に支払うので、このタイミングと納税が被らないようにしましょう。会社の収入と支出をきちんと考えて決めてください。

3. 繁忙期と被るのも危険

決算業務は税理士や会計士に依頼することができるとは、社内でも手間がかかるものです。会社の繁忙期と重なってしまうと担当者の負担が急激に増えます。

人数が少ない会社では、繁忙期と決算が重なることで、本来とれた仕事を断らざるを得なくなる可能性もあります。

本業に支障をきたすことなく決算業務を行うために、決算が繁忙期とかぶらないように事業年度を設定しましょう

ちなみに、小売業が2月決算にしているところが多いと記載しましたが、これは2月は1年の中で最も客足が遠のく時期であり決算対応を問題なくこなせるという考え方によるものだと言われています。

まとめ

合同会社における事業年度の決め方、決めるときのポイントを解説しました。

合同会社設立時における事業年度は、しっかりとポイントを押さえて決めましょう。

合同会社の設立において決めるべきことは事業年度以外にもたくさんあります。以下の記事では合同会社設立の手続きの流れをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

画像出典元:Pexels

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