2020年6月より改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が施行され、大企業では2020年6月、中小企業では2022年4月から職場におけるパワーハラスメント対策が義務化されています。
しかしだからといって、職場内におけるパワハラが完全に消滅したわけではありません。
無自覚にパワハラをする人、パワハラ被害に悩んでいる人がいるのもまた事実です。
本記事では職場でパワハラする人の特徴と心理的背景、パワハラを受けやすい人、対処法や予防策について解説します。
このページの目次
パワハラ行為をする人には、どのような特徴があるのでしょうか。
今回は代表的な8つの特徴を紹介します。
パワハラする人の特徴のひとつとして、プライドの高さ・自己顕示欲の強さが挙げられます。
自分の立場やプライドが傷つけられたと感じるとき、執拗に怒ったり陰湿な嫌がらせをしたりするのです。
このような人は、自分より地位の低い部下に対してだけ、あからさまに不当な扱いをしてくることがあります。
完璧に仕事をこなす上司は、会社からの評価が高く、人望も厚い傾向があります。
しかし完璧主義すぎると、自分が求めるスピード感や仕事のクオリティを、相手にも要求してしまうものです。
それゆえ、部下の仕事内容や進め方にまで口を出してくるケースもあります。
パワハラ行為をする人によくある傾向として、自分の考えや行動がすべて正しいと思い込んでいることです。
自分中心に物事を考える結果、相手や部下を思い通りに動かそうとします。
自分の意志に反することを許さず、強い口調で罵倒や叱責をしてくることもあるのです。
感情の起伏が激しい人も、パワハラする人の特徴のひとつです。
機嫌が良いときはとくに問題ありませんが、いったん機嫌が悪くなってしまうと、攻撃的な性格に豹変します。
きっかけやトリガーがわからないことも多々あるため、周囲は対処に困ることも。
自分が常に正しいと思い込んでいる人も、パワハラしやすい傾向です。
独善的であることから、相手や部下の意見が正しくても、聞く耳を持ちません。
自分自身の言動を見直さずに、単に「反抗してきた」「歯向かってきた」と捉えてしまうケースもあります。
パワハラする人には、過度なストレスを溜め込んでいる傾向もあります。
ささいなことがきっかけとなって、そのストレスを周囲にぶつけてくるのです。
いつもイライラしていたり、疲れているオーラを醸し出していたりする人も、これに該当します。
パワハラ上司のなかには、仕事を押し付けてきたり、責任をなすりつけてきたりする人がいます。
こうした人は他力本願、他責思考が強い傾向です。
自分の立場が危うくなったり、苦手な仕事を面倒に感じたりしたときに、理不尽な行動を起こします。
ここ数十年で、日本におけるパワハラをめぐる認識は大きく変化しています。
かつてパワハラという言葉もない時代には、不当な扱いも横行していました。
自らもそうした扱いを受けてきた人たちは、そうするのが当たり前という価値観が根づき、現代におけるパワハラ行為の重大性に気が付いていないのかもしれません。
ここからは、社内でパワハラする人の心理について見ていきましょう。
社内でパワハラする人のなかには、無自覚に行っているケースがあります。
身体的な暴力行為や脅迫は不法行為として共通認識がありますが、叱責や熱血指導に関しては、人によって認識に差があることは否めません。
それゆえ自身の行動や指導法を省みることなく、無自覚なパワハラが発生してしまうのです。
一見するとパワハラ行為をする人は勝気で強気に見えますが、実は自分に自信がないことから、高圧的な態度を取っている可能性があります。
あるいは自分の弱みや欠点を隠したいがゆえに、というケースもあるでしょう。
自信のなさやコンプレックスが反転して、相手や部下に対してひどい態度をとってしまうことがあるのです。
上司という立場を勘違いしていることから、パワハラが発生している可能性も考えられます。
上司というのは、役割として上位の立場にいるだけで、人間的に優越的な立場にあるわけではありません。
しかしながら「上司という立場が自分の価値である」と勘違いし、自分は偉いと思い込んでいると、理不尽な言動を繰り返してしまう恐れがあります。
反対にパワハラの標的にされやすい人には、どのような共通点があるのでしょうか。
ここからは代表的な3つの共通点を紹介します。
まじめで優しい人は、一般的には上司や先輩からかわいがってもらえる傾向にあります。
しかし常にイライラしていたり、理不尽な言動をしたりする人にとっては、これほどターゲットにしやすい人はいません。
というのも、反抗・反撃される恐れが少ないからです。
何らかの精神的苦痛を受けていても、誰にも相談しなかったり自分の力で解決しようとしたりすると、余計にパワハラの機会を与えてしまうことになります。
気が弱い・内気な人も、パワハラを受けやすいといえます。
この場合も、パワハラ加害者に言い返せないことが多いからです。
相手のペースに流されてしまう結果、無茶苦茶な要求を受け入れざるを得なくなってしまいます。
仕事のミスが多かったり、仕事が遅かったりすると、教育や指導という名目で、パワハラを受けやすくなります。
パワハラ加害者から「自分よりも仕事ができない下の人間だ」と思われてしまうからです。
特に新人のころは、誰しもミスがあったり、仕事のスピードが遅かったりするため、入社して間もないとパワハラの対象になりやすいといえます。
ここからは、パワハラを受けたときの3つの対処法を紹介します。
なんとか上司とうまくやっていこうと思っても、どうしても困難なケースはあるものです。
ひとりで抱え込むと、身体的にも精神的にもダメージを受けてしまいます。
もしあなたがパワハラに悩んでいたら、周囲の人や身近な人に相談してみましょう。
まずは信頼できる上司や同僚がいないか、まわりに目を向けてみます。
パワハラ被害があまりにもひどく、これ以上は厳しい状況ならば、早急に会社窓口、あるいは外部機関へ相談してみましょう。
今後弁護士に相談するときや会社に対応してもらいたいときのために、パワハラの証拠を残しておくことをおすすめします。
証拠があれば、被害状況を伝えやすいからです。
たとえば、次のような証拠を集めましょう。
上司と直接対決が難しい場合には、早々に退職・転職するのも有効な策です。
思い切って退職・転職することで、ダメージを減らすという「戦略的撤退」になります。
パワハラは我慢していても解決には至りません。
ただちに退職したい場合は、退職代行サービスなどを利用する方法もあります。
最後にパワハラされないための予防策について触れておきます。
職場では毅然(きぜん)とした態度を取ることが、対処法のひとつです。
パワハラ行為をする人は、自分が優位にありたいという心理がはたらいています。
それゆえ堂々とした態度で自分に自信がありそうに見えれば、パワハラの標的になりにくくなるものです。
パワハラ加害者は、相手が嫌がっていることに気が付いていないことがあります。
それが余計に問題をエスカレートさせている可能性すらあるのです。
相手のペースに流されてしまったり、受動的な態度を取っていたりすると、自分が嫌だと思っていることは相手に伝わりません。
無理難題を突きつけられたら断る勇気を持ち、はっきりと言葉で伝えるようにしましょう。
職場におけるパワハラの多くは、仕事ができない社員が標的にされやすい傾向があります。
仕事のスキルを高めて実力が認められれば、自然とパワハラの攻撃対象から外れるでしょう。
しかもスキルアップすることで、パワハラという名の指導が減り、反対に仕事を任せてもらえる機会が増え、自立のきっかけにもなります。
今回見てきたように、パワハラ行為をする人には、いくつかの特徴や心理的背景があります。
加害者側のバックグラウンドを理解し、相手に合わせた対処法を取ることで、パワハラ行為をうまく回避しましょう。
今回紹介した特徴・心理的背景・複雑な生い立ちがある人が、必ずしもパワハラをするわけではなく、あくまで傾向として解説していますのでご注意ください。
パワハラに悩んでいる人はひとりで抱え込まず、誰かに相談してみましょう。
相談が無理な状況で、会社も動いてくれない場合などは、外部機関の活用や退職・転職が有効です。
画像出典元:O-DAN, Pixabay, PhotoAC, Pexels
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