何事もなく辞められる人がいる一方で、上司や幹部に離職を考え直すよう説得される人もいます。
両者の間には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
本記事では、企業が「辞められたら困る」と慌てる人の特徴や、そのような人になるための仕事術を紹介します。
また、優秀な人が長居しない企業には、何らかの理由があるのかもしれません。
優秀な人が辞める理由や、優秀な人に敬遠されやすい企業の特徴についてもチェックしておきましょう。
このページの目次
企業が「辞められたら困る」と感じるのは、すなわち「代えがきかない人」です。
どのような特徴があるのか、具体的に見ていきましょう。
あなたの会社に、「まず○○さんに確認して」「その関係のことは、○○さんに聞いて!」などといわれる人はいませんか?
優秀な人は、確認したいことがあったりトラブルが発生したりしたとき真っ先に名前があがります。
辞められたら困る人とは、すなわち他の人にない専門知識やスキルを持っている人です。
いなくなれば業務が立ち行かなくなるのは目に見えており、「いないと困る存在」といわれます。
そもそも専門的な知識やスキルは、一朝一夕で身につくものではありません。
人材の育成には時間がかかるケースも多く、企業にとっては「代えのきかない人」なのです。
失敗してしまったとき「原因の分析」「再発防止の検討」をきちんと行える人は、失敗がムダになりません。
失敗のたびにスキルや経験が積み上がり、企業利益に貢献できる「企業にとって必要な人」となるでしょう。
また失敗してもくじけないメンタルを持つ人も、企業に必要な存在です。
企業が成長していくためには、チャレンジが欠かせません。
先頭に立ってチャレンジを続けられる社員は、企業を引っ張る原動力となります。
そのメンタルの強さに一目置く上司は多く、いざとなれば「辞めて欲しくない」といわれるでしょう。
発言1つで場を和ませたり、社員のモチベーションを上げたりできる人は、職場のムードメーカー的な存在です。
「社員を団結させる」「発奮させる」ことに長けている人が多く、「辞められたら困る」といわれるでしょう。
ムードメーカーが1人いれば、社内の雰囲気がネガティブに偏りにくくなります。
社内に活気をもたらすヒューマンスキルの高い人は、ビジネススキルが高い人と同様に職場にとって必要不可欠な存在なのです。
優秀な社員ほど自分流に固執せず、ケース・バイ・ケースで最善の手段を選択します。
これが最小限のコストで最大限の利益を上げることにつながり、企業の業績・ブランド力の向上に大きく貢献します。
常に高い生産性を維持できる社員について、企業は当然「手放したくない」と考えるでしょう。
「辞められたら困る」といわれるエース社員の多くは、論理的思考を持っています。
論理的思考とは、物事を筋道立てて考える力です。
論理的思考ができる人は、始まりから結果に至るまでのさまざまな事象を整理して、矛盾なく結論を導き出します。
以下のような特徴がある人は、論理的な思考ができていると考えて問題ありません。
優秀な人材ほど見切りを付けるのが早く、辞めることに抵抗がありません。
彼らが「辞める」という選択をする場合、どのような理由があるのでしょうか?
特に多く見られる要因を見ていきましょう。
優秀な社員は仕事をこなすのが速い分、「あれも」「これも」と業務を任されがちです。
まともな人がいない企業なら、小さなトラブルから大きな課題まで、優秀な社員に集中してしまう可能性もあります。
働いても働いても仕事量が減るどころか増えていく……、このような状態では、優秀な社員に不満がたまってしまうのも無理はありません。
そういった状況が「辞めたい」という気持を芽生えさせ、やがて本当に去ってしまいます。
ロールモデルとなる上司・先輩がいなかったり、キャリアアップできる見込みがなかったりする場合も、優秀な社員は辞めてしまいます。
優秀な人材ほど、将来のキャリアパスが明確です。
自分にとって必要な経験・スキルを得られない仕事には、価値が感じられません。
「この企業では成長できない」「キャリアを積めない」と判断すれば、優秀な人材はすぐに離れてしまうのです。
優秀な人材が欲しいのは、どの企業も同じです。
ライバル企業からヘッドハンティングを受け、応じる人も多いでしょう。
退職金制度が崩壊した昨今、「1つの会社にずっと腰を落ち着ける」という価値観は薄らいでいます。
優秀な人ほどスキル・知識を武器に立ち回るのがうまく、複数社を渡り歩く人も少なくありません。
待遇や給与などで「他社のほうがよい」と判断されれば、優秀な人材はちゅうちょなく辞めてしまいます。
社員同士の仲が悪かったり威張り散らしている上司がいたりする場合、会社の雰囲気は最悪です。
仕事に行くのが憂うつになって、「他の会社を探そう」と思うでしょう。
実際のところ、職場の人間関係を退職理由に挙げる人は少なくありません。
厚生労働省が行った「令和2年雇用動向調査結果の概況」では、男性の8.8%・女性の13.3%が人間関係を理由に離職したという結果が出ています。
これは、男性の離職理由(定年・その他のぞく)では2番目、女性の離職理由では最も高い数値です。
優秀な社員は目立つ分、風あたりが強くなることもあり得ます。
周囲に社員の優秀さをねたんだり足を引っ張ろうとしたりする人が存在すれば、どんな人でも「辞めてしまおう」と思うでしょう。
組織構造や上層部に問題がある場合、企業への忠誠心を保てません。
例えば企業の中には、古い価値観を社員に押し付けるところも散見されます。
「努力と根性があれば何でもできる」「疲れたというのは甘え」「プライベートよりも仕事を優先すべき」、このような価値観は現代の社員には受け入れがたいものです。
優秀な人には多様な選択肢があり、「自分の価値観にそぐわない企業から離れる」という選択肢を選ぶことに抵抗はありません。
優秀な人材が入ってもすぐに辞めてしまう……、このような企業には、多くの場合、何らかの共通点が存在します。
まともな人ほどすぐに辞めてしまう企業にありがちな特徴を見ていきましょう。
「仕事ぶりを正しく評価されていない」と感じれば、多くの人が不満を感じます。
人事評価制度が整っていない企業には、優秀な人材が残りにくいでしょう。
例えば、明らかに自分よりもスキル・知識が劣っている社員が好待遇だったり、高賃金だったりすれば、企業に不満を感じずにはいられません。
優秀な社員であればあるほど、「努力や能力をきちんと認めてくれる企業に行こう」と転職を考えるようになるのです。
自分勝手な上司が多かったり利己的な社員ばかりだったりする職場は、総じて雰囲気もよくありません。
働きにくいと感じることが多く、転職を希望する人が増えるでしょう。
どんなに優秀な社員でも、1人で仕事をするのは不可能です。
仕事の相談をしたり切磋琢磨しあったりできる上司・同僚は必要で、敵だらけの職場では能力を発揮できません。
人間関係が原因で職場に行くことがストレスになれば、会社に残るという選択肢はなくなります。
近年はワークライフバランスを重視する社員が増えています。
「休日出勤・残業当たり前」「有給を申請しにくい」などの社風を持つ企業には、優秀な社員が定着しにくくなるでしょう。
また給与は、社員の仕事のモチベーションを支える重要なファクターの1つです。
社員にそれなりの給与を与えられない企業からは、社員が続々と離れていきます。
労働条件が悪い・報酬も低いでは、優秀な社員は定着しません。
辞められたら困る人とは、すなわち企業のエースです。
「自分もそんな風にいわれたい」と感じる人は、今日から仕事に対する姿勢を少し変えてみませんか。
優秀な人材になるために心がけたい、仕事のコツを紹介します。
優秀な社員とは、労働生産性の高い人です。
業務のムダを極力省き、効率を上げましょう。
業務効率を上げるポイントは、業務の全体像を把握して、どこを目指すべきかを明確化することです。
ゴールが分かれば、何をどのように進めていくべきかが見えてきます。
近年はさまざまなタスク管理ツールがリリースされています。
いくつかチェックして、使いやすいものをうまく活用してください。
タスク1つひとつに優先順位を付けやすくなり、業務のムダを省けるでしょう。
優秀な社員といわれる人ほど、知識の引き出しが豊富です。
トラブルが起こったり行き詰まったりしたときも、最適な対処方法を見つけやすくなります。
優秀な社員になるには、最新の情報を知っておくことも必要です。
デジタル化が進む昨今では、新しい情報が次々と出てきます。
市場や業界の動向・アプリやシステムの最新情報を常に注視し、あらゆることに対応可能にしておくのがおすすめです。
優秀といわれる人ほど、コミュニケーション能力が高い傾向にあります。
同じチームの仲間とは、円滑なコミュニケーションを心がけましょう。
実際のところ、優秀な人が1人で頑張っても、業績に大きな変化をもたらすのは困難です。
企業利益に貢献する大きな成果を上げるためには、チーム全員が一丸となって業務に取り組まなければなりません。
チームや部署のメンバーと良好な関係を構築できれば、業務の進捗を把握したりヘルプに回ったりが容易になります。
チーム全体の業務効率が向上し、あなたの評価も高まるはずです。
「専門知識・スキルを持っていたり仕事が速かったりする人」「物事を論理的に考えられる人」などは、企業からも一目置かれている可能性が高いでしょう。
「自分もそういわれたい」という人は、業務効率の向上や継続的なインプット・他者との円滑なコミュニケーションを心がけてください。
企業利益獲得への貢献度が高まれば、あなたも「辞められたら困る」といわれる可能性が出てきます。
条件・待遇面が悪く、長居すべきではない企業も散見されるので、あなたの価値が正当に評価されるのかどうか、まずはきちんと見定めることが大切です。
画像出典元:Unsplash、Pixabay
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