RPAでできることは?どんな業務をどこまで自動化できるか解説

RPAでできることは?どんな業務をどこまで自動化できるか解説

記事更新日: 2023/08/04

執筆: 挾間章子

RPAでできることは、PC上で行う単純作業や事務作業などの定型業務を自動化することですが、具体的にどんな業務をどこまで自動化できるのか、イメージが沸きづらいですよね。

この記事では、RPA初心者にも簡単にわかりやすく、RPAでできること、できないことを、実際に編集部で使ってみた感想、具体的な事例を交えて徹底解説してきます!

導入する前にRPAでできることを正しく理解して、業務自動化を進める際の参考になればと思います。

RPAでできること

RPAでできることは、事務作業やルーチンワークなど、業務フローや処理手順が決まっているような定型業務です。

また、複数のシステムやアプリケーションを横断して行う作業や、CSVなど大量のデータを扱う業務にも適しています。

こちらの動画は、世界5,000社で導入されているRPAツール「Uipath」を使って、Webサイト上のテキストをメモ帳に貼り付けるロボットを作成したもので、こうした単純作業をRPAを使って簡単に自動化することができます。

ロボットの作成方法は、手動で自動化のスクリプトを作成するものから、動作を画面録画することで自動的にスクリプト作成できるものまでツールによって異なります

RPAでできる社内業務の例

RPAでできる社内でよくある業務には、以下ようなものがあります。

部署 業務の事例
経理
  • 会計システムへの売上伝票作成
  • 領収書・請求書の作成・処理
  • 経費チェック(交通費の経路と請求金額のチェックなど)
人事
  • 勤怠管理
  • 長時間残業への警告の自動実行
  • 賞与考課表への転記
営業
  • 顧客情報のシステム登録
  • 受付処理の自動応答と自動処理
  • 名刺情報の連携システムへの登録
  • ダイレクトメールの発送
  • 在庫管理
マーケティング
  • SNSの口コミ調査
  • 競合他社Webサイトからの情報収集
  • アンケートデータの入力と集計作業
  • 蓄積データの分析と予想

 

経理:請求書作成

営業管理システムに登録された受注データから、毎月同じタイミングで、請求額を抽出し請求書の作成・印刷までを行うことができます。

人事:勤怠管理

勤怠管理では、勤怠管理システムから勤務時間の集計、有給休暇の残日数確認、勤怠管理システムから残業時間の集計を行い、残業が多い社員には自動でメール送信を送るなどができます。

営業:顧客情報のシステム登録

新規で顧客を獲得した際に、一つのファイルに顧客情報を一度入力すれば、社内で顧客情報を利用している複数のシステムやソフト(例えば、会計システム、Excelの顧客管理リストなど)に自動で登録することができます。

マーケティング:競合他社Webサイトからの情報収集

例えば競合他社の価格調査を行いたい場合、競合他社の公式WebサイトやECサイトに掲載されている価格データを集約して指定したExcelの一覧表に記載するということができます。

これらはいくつかの例に過ぎません。RPA導入で情報収集・入力作業・チェック作業など様々な定型業務を自動化できます。

 

RPAでできないこと

反対に、RPAでできないことと言えば、非定形業務であることは皆さんお分かりですね。

RPAは、自分で考えなければならない、例外処理が多い、ルールが複雑、手書きの文字・画像の解析が苦手です。

例えば、見積書の作成を自動化した際に、大量発注や継続的に関係のある顧客からの発注を受けた際に値引きする、在庫調整のための価格変更など、営業担当が個別に判断が必要な案件には対応できません。

また、指定したブラウザ上の画像を認識するように登録しておいても、ブラウザのバージョンや画像が変更されてしまうとその変更点を判断することはできません。

但し、近年はAI技術との連携することで、非定型業務も自動化することができるようになってきています

例えば、紙で管理している書類や音声データをAIを使って読み取り、そのデータをRPAが社内の基幹システムに連携・入力していくというような作業などがそれです。

口コミに寄せられた実際のRPA導入事例

編集部に寄せられた様々なRPAツールに対する多くの口コミの中から、実際にRPAをどんな業務に導入したのかの事例ご紹介します!

1. 交通費のワークフロー入力

 

IT

251人〜500人

 

交通費のワークフロー入力の自動化

出張の際の交通費のワークフローを作成する際の手順を自動化した際に、入力する項目の数を変更するなど柔軟に変更できてその変更も数分で反映されたので、助かりました。


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2. 売上情報の送信・計算・発注

IT

251人〜500人

 

各店舗の売上情報の送信・計算・発注の自動化

それぞれの店舗から送ってもらった売り上げの情報をまとめて計算する過程を自動化して、グラフなども含めて書類にまとめられるようになるところが決め手となりました。自社製品の売り上げの情報の送信はもちろん、店舗に並べる自社製品の発注も自動化できてミスなく商品の仕入れを行えるようになります。


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3. 年末調整書類作成

IT

101人〜250人

 

年末調整書類の自動化

年末調整などの複雑な業務も自動化できるようになるところです。税金の計算式を登録して入力するまでの作業を自動化できて、年末調整に必要な資料をより短期間でミスなく作成できるようになるところが決め手となりました。


Uipathの口コミをもっと見る

各RPAツールに寄せられた口コミを見ると、やはり会計・経理、人事など管理部門の業務を自動化しているケースが多かったです。

逆に言えば、RPAでできることは、現時点だと管理部門の業務が多いということが言えます。

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編集部でも実際にRPAを使ってみた!

RPAでできることを確認するために、実際に編集部でもRPAを使ってみました!

今回RPAで自動化する業務

今回、自動化する業務は、「CSVデータをExcelの表に書き込み、そのExcelをメール添付して送信する」という2段階の工程を自動化しました。

今回使用したRPAツール

今回は、2005年にルーマニアで設立されたUiPath社が開発・提供する業務自動化プラットフォーム(RPAツール)UiPath(ユーアイパス)です。

世界で5,000社以上、日本国内でも1,000社以上の企業に導入されています。

特に、Windowsのデスクトップ上で行う事務作業、Webブラウザからのデータ取得などの定型業務や大量のデータを扱う業務などの自動化を得意としています。

Uipathには、いくつか種類がありますが、今回はRPA初心者のエンドユーザーにも使いやすい「UiPath Studio X」を使って作業しました。

今回RPAツールを使ったのは・・・

 

RPA作成経験ありの編集責任者 + ITバックグラウンドなし・RPA利用経験なしライターの2名

 

RPAでできること確認スタート!

1. CSVデータをExcelの空の表に書き込み

画面中央のデザインパネルに、「指定したExcelファイルにCSVデータを書き込む」指示を作成します。

 

2. CVSデータが書き込まれたExcelをGmailに添付して送信する

1の指示の下に、「1で書き込まれたExcelをGmailに添付して送信する」指示を作成します。

 

3. 実行をクリック!

RPAプラットフォーム内の実行をクリックすると、すごいスピードでUiPathが処理を開始します。

空のExcelの表にCSVデータを取り込み、そのExcelを添付しGmailに下書き作成するまで、通常手動で行えば5分程度の作業が、10秒程度で完了しました!


UiPathでCSVをExcelに書き込み


今回は、送信はせず下書きに保存にしましたが、内容確認せずに送信してよければ、そのままメール送信もしてくれます。

RPAを使ってみた感想

今回トライした「CSVデータをExcelの表に書き込み、そのExcelをメール添付して送信する」作業は、RPAで見事できました!

但し、一見シンプルなこの2工程ですが、「スクリプト作成(指示作成)」が初心者には難易度高めでした。

事前にUipathユーザーの中でエキスパートに認定されているUiPath MVPの方のチュートリアル動画をかなりの本数視聴したものの、実際に動かしてみるとエラーが出てしまうこと多数。

プログラミングそのものまでいかないにせよ、プログラミングの考え方の理解がある方の方がスクリプト作成がスムーズに進むと感じました。

RPAでできることを増やして、より高度な業務の自動化にも挑戦してみたいと思います!

 

RPAのメリット

 

RPAのメリットは、以下のようなものが挙げられます。

  • 長時間労働の削減
  • ヒューマンエラーの削減
  • よりコア業務に集中できる

 1. 長時間労働の削減

RPAが得意とすることは、同じ作業を繰り替えす定型業務や、大量のデータを扱う業務などで、こうした時間はかかるものの誰がやっても同じ作業をRPAで自動化することで、長時間労働の削減ができます。

2. ヒューマンエラーの削減

人間がどんなに誠心誠意業務に取り組んだとしても、長時間同じ作業を繰り返したり、単調な作業を行っているとヒューマンエラーは発生してしまいます。

RPAは、予め決められた規則に則ってシステムが業務を行うため、人的ミスが削減し、質の高い業務品質を維持できます。

3. よりコア業務に集中できる

RPAにできることを任せてしまえば、これまで集中することができなかったコア業務により多くの時間をかけることができます。

人間にしかできない、複雑な判断を伴う業務、クリエイティブな業務、判断や分析などよりコア業務に集中することで、業務の質を上げることが可能です。

RPAのデメリット

RPAのデメリットは、以下のようなものが挙げられます。

  • 自動化に適していない業務もある
  • ブラウザやシステムの仕様が変わると修正が必要

1.  自動化に適していない業務もある

複雑なルールや臨機応変な判断が必要な業務では、定型業務の自動化を得意とするRPAがうまく機能しないことがあります。

単純な業務内容だと思っていても、いざRPAでスクリプト作成すると繰り返し同じ作業ではないことに気付くこともあります。

事前に必ずトライアルを利用して、その業務が本当にRPAで自動化できることなのか確認しましょう。

2. ブラウザやシステムの仕様が変わると修正が必要

ブラウザやシステムの仕様が頻繁に変更されるような業務をRPAで自動化すると、都度RPAの登録を変更したり、アップデートしたりと余計に業務負荷が増える可能性があります。

このような業態の企業の場合は、導入しようとしているRPAでどこまで対応できるのか、AIとの組み合わせを考慮した方がいいのかなど、ベンダー企業とよく相談しましょう。

まとめ

この記事では、RPAでできることについて、事例や実際に使ってみた感想をまじえて解説してきました。

RPAでできることは、PC上で行う単純作業や事務作業などの定型業務を自動化することです。

この原則のもと、RPAでできることがどうか、事前によく確認した上で導入を進めましょう。

画像出典元:「写真AC」

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