SquareとAirPAYは利用難易度やカードの対応範囲など、利便性が高く初心者にも導入しやすいモバイル決済です。
今回はSquareとAirPAYの2つについて、それぞれの特徴から、各項目ごとの比較をまとめています。
これからオンラインショップや移動販売を計画しているビジネスオーナーの方は、どちらが自分に合ったサービスかしっかり吟味できます!
このページの目次
欧米を中心に世界中で展開しているSquareは、導入や入金サイクルのスピードが早く、すぐにでも導入したい・売上回収したいと考えるビジネスオーナーに最適です
そんなSquareの特徴には、どんなものがあるのか見てみましょう。
Squareの最大の特徴は、利用開始後、最短で翌営業日に入金があることです。
Squareの入金サイクルは、他の決済サービスと比較してもスピーディです。最も早いのは楽天Payですが、Squareも負けていません。
振込先に、みずほ銀行・三井住友銀行のどちらかを指定してれば、翌営業日には入金されます。それ以外の銀行では、毎週水曜日締めで同じ週の金曜日が入金日です。このスピード感は、ビジネスオーナーにとって心強い味方となるのではないでしょうか。
なお、決済に対応しているブランドや決済手数料などについては、後章の『Square・AirPAYを徹底比較!』でご紹介します。
Squareは決済手段としてだけなく、対応できる範囲が幅広い点も、決済サービス導入ビギナーにはおすすめです。
Squareには、アプリや周辺機器が用意されており、それを使えば、決済端末としてだけでなく、売上管理や分析、在庫管理などさまざまな業務に対応できます。
また、決済端末のSquare Terminal(ターミナル)は、レシートプリンター内蔵で、カード決済のほかタッチ決済にも対応。POSレジ機能を備えたオールインワン型です。コードレスで使用できるため、屋内店舗のみならず、屋外イベントや移動販売などでも活用できます。POSレジ機能を標準搭載しているたことから、屋内・屋外問わずに、これ一台で決済から売上管理まで使えます。
Squareでは、『Squareオンラインビジネス』というサービスを利用すれば、無料ですぐにオンラインショップを開設することができます。
既存のホームページを改装したり、デザイナーなどに依頼してWebサイトを作る必要もないため、オンラインショップ開設のコストを大幅に抑えられます。
ショップページは、予め用意されているテンプレートやフォントなどを選ぶだけ。ホームページを作ったことがないオーナーでも簡単にショップページを制作できるようになっています。しかも、入金サイクルは、リアル店舗での利用時と同じ。
最短、翌営業日には売上金が振り込まれますから、対面販売の補助事業としても、資金繰りを気にせずにすぐに始めることが可能です。
株式会社リクルートが運営するAirPAY(Airペイ)は、2015年にサービスを開始。
当初は、クレジットカードが2ブランドのみにしか対応しておらず、決済サービスの中でも劣勢にありました。しかし、今や「対応ブランド数の多さではAirPAY」といわれるほどにまで成長しています。
AirPAYの知名度はTVCMなどで上昇していますが、後発ということもあり、導入事業者を増やすべく常に何かしらのキャンペーンが実施されています。
2021年5月現在では、カードリーダーの導入費が無料になる『0円キャンペーン』が行われているところです。
そのほか、AirPAYをすでに導入している事業者の紹介で加盟事業者が増えた場合、紹介者・紹介された事業者ともに3,000円が受け取れる『ご紹介キャンペーン』も。細かな規定はあるものの紹介店舗数に制限がないため、カードリーダーを実費で購入したオーナーにとっては収支調整するチャンスともいえそうです。
AirPAYの最大の特徴ともいえるのが、対応ブランド数の多さです。VISAをはじめ、Mastercard、JCBなどのクレジットカードはもちろん、交通系を含む電子マネーを合わせると、計35種類(2021年5月現在)が利用できます。
なかでも、中国の人民銀行が運営している銀聯(ぎんれん)が使えるのは、中国人客が多いオーナーにとっては助かることも多いでしょう。
具体的な対応ブランドの種類は、後章の『Square・AirPAYを徹底比較!』でご紹介しますが、対応数だけで見ればSquare以上の利便性があるのは確かです。
また、近年増えつつあるQRコードでの決済にも対応しており、キャッシュレスでの支払いで困ることはほぼありません。
対応している決済の中には、中国や韓国などの海外で利用されているものも多く含まれています。
先に挙げた銀聯はもちろん、ALIPAY(中国)やKacaoPay(韓国)、Touch'n Go(マレーシア)、ezlink(シンガポール)などに対応しています。
インバウンド向けの事業や、国籍に関係なく利用されるような事業であっても、別途決済サービスに加盟する必要がありません。
少しでも導入コストを軽減したい、あるいは管理を煩雑にしたくないといったオーナーにとって利便性が高いといえます。
ここまでSquareとAirPAY、それぞれの特徴についてご紹介してきました。ここからは、いよいよSquareとAirPAYを項目別に比較していきます。
*AirPAYの交通系電子マネーには別途消費税が発生します
導入における初期費用は、Square、AirPAYともに必要なのはカードリーダーの費用のみです。そのカードリーダーも、AirPAYではキャンペーンを利用すれば0円で手に入れられるため、初期費用の面では、AirPAYに軍配が上がります。
キャンペーンが終了した後で考えると、カードリーダーの費用はSquareのほうが安く約5,000円(税込み)ほどで済むのに対し、AirPAYは約20,000円(税込み)かかります。
また、Squareは購入するため資産として残りますが、AirPAYは貸与となるため、手元には残りません。
これらを踏まえて考えると、キャンペーンがない期間に導入するのであれば、Squareのほうが優位です。
月額手数料については、Square、AirPAYともに費用はかかりません。
クレジットカードにおいては、AirPAYのほうが決済手数料が安いといえます。電子マネーでも、Squareが3.25%、AirPAYが2.95~3.24%ですから、AirPAYが優位です。
これらを鑑みて、導入コスト・決済面では、SquareとAirPAYでは、AirPAYのほうがおすすめです。
入金サイクルにおいては、Squareのほうが優位です。Squareでは、最短で翌営業日に入金されます。一方、AirPAYは、最短で5日かかります。
入金スケジュールは、それぞれで以下のように設定されています。
指定銀行 | 入金サイクル |
みずほ銀行・三井住友銀行 | 翌営業日に入金 |
上記以外の銀行 | 毎週水曜日締め、同じ週の金曜日入金 |
水曜日締め、金曜日入金のイメージ
指定銀行 | 入金サイクル |
みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行 |
月6回(5日ごとに締め、入金) ①5日締め、10日入金 |
上記以外の銀行 |
月3回(10日ごとに締め、入金) ①10締め、15日入金 |
AirPAYにおいては、ゆうちょ銀行は指定できません。また、QRコード決済は月1回のみとなっており、月末締め翌月末の入金です。
入金にかかる振込手数料は、Square・AirPAYともに各社が負担するため、オーナーは売上金から決済手数料を差し引いた金額を受け取ることができます。
月に何度も売上金の入金があっても、振込手数料で損をすることはありません。
対応している決済方法やブランドでは、AirPAYが優位です。
現時点でSquareが対応しているのは、日本や中国で展開されているQR決済7つです。
AirPAYが対応しているQRコードは、大手携帯キャリアが提供しているQR決済のほか、海外のQR決済も利用できるため、顧客の幅広い要望に応えることが可能です。
この支払方法とは、お客様が商品などを購入した際の支払い方法についてです。
クレジットカード支払いにおいては、Square、AirPAYともに1回払いのみで、リボ払い・分割払いといった分納やボーナスでの一括払いには対応していません。
低単価商品であれば、特に差し支えることはないかと思われますが、高額商品を取り扱うオーナーは、別途分割払いできる方法を考える必要があります。
ほかの支払い方法として、SquareとAirPAYともにタッチ決済での支払いにも対応しています。これらのことから、支払方法においては、両者で優劣をつけることはできません。
導入から利用開始までの期間では、圧倒的にSquareが優位です。
これは、Squareがアカウントを開設した直後の当日からVISAとMastercardの2ブランドがすぐに利用可能だからです。AirPAYも、導入後はVISAとMastercardが他のブランドに先駆けて利用可能ですが、AirPAYでは3日営業日ほど審査に日にちがかかります。
そのほかのブランドにおいても、Squareのほうが審査結果が早く出ます。全ての審査が完了するのにかかるのは約5日。一方、AirPAYは、利用できるブランド数が多いことも影響しており、約1ヵ月かかります。
これは、SquareとAirPAY、それぞれで審査で重視されるポイントが異なるためです。Squareは導入後の利用状況で判断されるのに対し、AirPAYではそれまでのステータスで判断されるためです。
また、導入までの期間でいえば、AirPAYは支払いに必要なカードリーダーがなければ利用できませんが、Squareは手入力での決済も可能です。これらを鑑みると、少しでも早くクレジットカード決済に対応したいオーナーにとっては、Squareが最適といえます。
カードリーダーや周辺機器の充実度では、Squareが優位です。
Squareのカードリーダーには、POSレジ機能が搭載されており、別途POSレジを用意する必要がありません。
一方のAirPAYは、カードリーダーのみが物理的機器で、POSレジなどの周辺機器はアプリでの提供です。AirPAYでPOSレジと連携させるには、『Airレジ』というアプリを手持ちのiOSデバイス(iPhone、またはiPad)にインストールして利用することになります。
カードリーダーにしても、SquareはPOSレジ機能を持たない『Square Reader』であれば、約4.980円(税込)。利用時は、iOSまたはAndroidのデバイスに接続して使います。
POSレジ機能を持つ『Square Terminal』であれば、約47,000円(税込)で、他のデバイスに接続せず、これ一台で十分利用できます。
AirPAYのカードリーダーは約20,167円(税込)で、カードの読み込みのみの対応です。利用時には、iOSデバイスに接続する必要があります。
決済機能面では、Squareでは対面決済はもちろんのこと、その他の決済機能も充実しています。
サブスクリプションのように毎月固定料金が発生するようなサービスを展開しているオーナーにとっては、継続課金機能があるのは大変利便性が高いでしょう。この機能は、他の決済サービスにはなく、Squareの最大の強みともいえます。
AirPAYでは、継続課金による支払いが認められていないため、都度請求する手間がかかります。その点、Squareは自動的に利用者のクレジットカードなどから引き落としができるため、請求漏れの心配もありません。
また、オンラインショップでの利用を検討しているオーナーの場合、eコマースAPIへの対応の可否は、導入を検討するのに重要なポイントになるのではないでしょうか。
API機能があると、オンラインショップでの売上管理や在庫管理、支払いの機能をSquareと連携させることができます。
サポートの充実度では、AirPAYに軍配が上がります。
飲食店をはじめとしてリアルビジネスが厳しい状況のため、オンラインショップを開設するオーナーが多くなっています。
常時混雑ぎみであることから、新規開設で問い合わせる以外は、余裕をもって問い合わせるのほうが望ましいでしょう。
会計ソフトなどの外部サービスを利用する場合に便利なのが連携機能です。こちらも、優れているのはSquareです。
表にすると一目瞭然ですが、AirPAYが連携できるのはAirレジのみ。Squareは、標準搭載のPOSレジ機能で十分対応可能なのですが、必要に応じて上表の外部サービスと連携することができます。
また、主要なクラウド会計ソフトとも連携が取れるため、煩わしい帳簿つけも効率化することが可能です。
こちらは、どちらかといえばSquareのほうが優位です。
Squareでは、アプリ一つで売上管理・売り上げ分析・在庫管理ができます。一方、AirPAYは、アプリで売上データの集計と予約管理はできますが、分析まではできません。AirPAYの場合は、売上データをExcelにインポートして管理や分析といった作業をすることになるため、パソコンを持たない事業者にとっては利便性が悪いともいえます。
結論として、
というように分けられます。
導入面では、Squareであれば最短で当日から利用できますが、AirPAYでは最短でも3日はかかります。対応ブランド数の多さでは、AirPAYが圧倒的に幅広くカバーできているからです。
SquareもAirPAY(Airペイ)も、どちらのほうが良い・悪いという見方をするのではなく、ご自身のビジネスに最適なのはどちらか?という視点で選ぶのが最善です。
どちらにも一長一短があります。そのなかで、どの機能を重視するかは、ビジネスの規模や事業内容によっても異なるはずです。
今回の記事を参考に、ぜひご自身のビジネスに合った決済サービスを選択してください。
画像出典元:Unsplash、「Square」公式HP、「AirPAY」公式HP
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