最近では、多くの人・会社でオンラインストレージが活用されています。
この記事ではあらためてオンラインストレージとは何か、オンラインストレージサービスでできること、導入のメリット・デメリットを紹介します。
このページの目次
オンラインストレージは、インターネット上でファイルを保管できるディスクスペースのことです。
オンラインストレージにファイルをアップロードするだけで、ネット上の保管場所にきちんとファイルが保管されるという仕組みです。
オンラインストレージサービスを提供している会社は、登録しているユーザーに、インターネット上でファイルを保管できるディスクスペースを提供します。データはその会社のサーバで厳重に保管されます。
パソコンで作業したファイルを普通に保管する方法と、オンラインストレージサービスでの保管する方法の違い、オンラインストレージサービスで出来ることを紹介します。
パソコンで作業したファイルを普通に保管する方法とオンラインストレージに保管する方法の違いを表にすると以下のようになります。
ストレージ(保管場所) | インターネット | |
普通 |
パソコン内部のハードディスク |
インターネットにつながっていなくても保管可能 |
オンラインストレージ | インターネット上 | インターネットがないと保管できない |
オンラインストレージを利用しなければ、ファイルはパソコン内部や外付けHDDに保管したリ、持ち出しのためにはUSBを用意しなければなりません。
しかし、Googledriveに代表されるようにオンラインストレージサービスを利用してデータを保管するのが今や一般的になってきています。
ファイルをインターネット上に保管するのがストレージサービスでした。
つまり、ネットがあれば、以下のことが可能になります。
1. 最初にファイルを作成した場所とは異なる場所での閲覧・編集
2. 最初にファイルを作成した機器とは異なる機器での閲覧・編集
3. 権限が与えられていればファイル作成者とは異なる別の人による閲覧・編集
オンラインストレージはこうした特徴を備えているので、リモートオフィスやフレックスタイム制、在宅勤務などの自由な働き方を可能にしてくれます。
オンラインストレージの言葉の意味やそれで出来ることを簡単に説明しました。
こうしたサービスを提供しているオンラインストレージサービスの利用法、基本的な機能を次に紹介します。
オンラインストレージサービスには無料と有料のサービスがあります。個人で使うなら無料のサービス、ある程度の人数で使うなら有料のサービスが利用できます。
それぞれの違いを表にまとめてみました。
無料 | 有料 | |
容量 |
容量制限がある |
容量制限はあるが容量は多い |
対象 | 個人向け | 法人向け |
代表的なサービス |
Googledrive(個人用プラン) |
box |
個人や少人数で、容量もたくさんいらないなら無料のオンラインストレージサービスを利用できます。
しかし、ある程度の人数のいる企業であれば、利用人数・用量・機能の3つを考慮してオンラインサービスを選びましょう。
有料のオンラインストレージサービスでは、料金を加算することで、容量を増やしたり、ユーザー人数を増やしたり、容量・ユーザーを無制限に出来るサービスもあります。さらに、これから紹介する基本的能以外の補助的な機能を追加することもできます。
オンラインストレージサービスには基本的に次の5つの機能が備わっています。
1. データの一時保管
2. ファイル共有
3. データのバックアップ
4. ファイル転送
5. データ検索
オンラインストレージでは個人フォルダが割り当てられます。
個人的なデータや作業中のデータなどはそこに保管でき、他の人が見ることはできません。
例えば、自宅のパソコンで作業したデータをUSBメモリに保管して、会社にそれを持って行って会社のパソコンでまた作業を再開するという手間がかからなくなります。
自宅で作業したデータをオンラインストレージに保管しておけば、会社でそれをダウンロードしてすぐに作業を再開できます。
オンラインストレージサービスでは、個人用フォルダだけでなく、グループで共有して使えるフォルダもあります。
例えば、同じプロジェクトに参加しているグループのメンバーに閲覧・編集の権限を与えれば、グループで作業することができるようになります。
ネット環境さえあれば、グループ内のメンバーはパソコンやタブレット、スマホでファイルの中身を閲覧・編集することができます。
オンラインストレージでパソコンやサーバの大事なデータをバックアップできます。
身近な例は、icloudでiphoneやipadの中の連絡先、写真、音楽、アプリのデータをバックアップする作業です。
こうすることでデータが消えたり、iphoneが新しくなっても引き続き今までのデータを活用できます。
オンラインストレージサービスでは、一般的にユーザーが自分でバックアップを取るタイミングを指定でき、指定された時間に自動的にバックアップされる機能が備わっています。
一般的なメールサービスでは添付ファイルとして送れない大容量のファイルも、オンラインストレージには、ファイル転送機能が搭載されているので問題なく送ることができます。
大容量の不アイルを送るために無料のファイル転送サービスやサイトなどもありますが、セキュリティ面などを考えると、オンラインストレージサービスを利用する方がおすすめです。
また、オンラインストレージを使えば、大容量のファイルを転送したいときにすぐに送れるというメリットもあります。
探したいデータの名前の一部が分かれば、それに関連するデータを検索して探すことができます。ファイルの数やデータ料が増えてくるとこうした機能はとても便利です。
オンラインストレージを導入することで企業は次の6つのメリットを獲得できます。
1. 外部記憶装置、サーバを用意する必要がない
2. デバイスや場所を問わずにファイルの閲覧や編集が可能
3. データのバックアップができる
4. 情報セキュリティ対策ができる
5. ファイル共有による作業の効率化
6. 大容量ファイルの共有
オンラインストレージサービス会社がストレージ(保管場所)を提供するので、自分や会社が外付けHDDやUSBメモリ、サーバを用意する必要がありません。
ですから設備投資のコストを抑えることができます。
さらにサーバを用意する必要がないのでメンテナンスのための人員や費用を削減できます。
ネットがあれば、記憶装置のない外出先でも編集したファイルを保存できます。常にUSBメモリを携帯する必要もありません。
ネット環境さえあれば、時間や場所、デバイスの種類を問わずに作成したファイルの閲覧・編集が可能です。
オンラインストレージには同期機能が備わっているので、会社のパソコンで作成した資料を、外出先でタブレットを使い編集すればそれがすぐに更新されます。次にスマホでそれを見た時にはちゃんと新しいものになっています。
パソコンや外付けHDDなどに保存している大切なデータのバックアップを取ることができます。
もちろんバックアップを保存しておけるだけの空き容量が必要です。
クラウドストレージサービスにはIDとパスワードによる認証に加えて、登録・設定している端末のみアクセスできる端末認証などのセキュリティ機能を備えているものがあります。
こうしたセキュリティ対策により、不正アクセスやウイルス対策などが行えます。
さらにサービスを提供している会社には、災害によるデータ損失を防ぐ対策などを施しているところもあります。
オンラインストレージサービスを利用することで情報セキュリティ対策ができます。
ファイル共有機能を使えば、グループとして作業を効率的に行えます。
作業に必要なデータがバラバではなく一元管理されているので、探す手間がいりません。
グループ内のメンバーであればデータの閲覧が可能であり、権限が与えれれていれば編集も行えます。
編集したデータは同期機能ですぐに更新されるので、どのデバイスを使っていてもメンバーであれば最新のデータを活用できます。
ログ管理機能やバックアップ機能があるので、だれが・いつ・どのファイルを・何をしたかが分かります。データを誤って編集したとしてもすぐに修正が可能です。
普通のメールサービスでは添付ファイルとして送れない大容量のファイルも簡単に転送でき共有できます。
オンラインストレージを導入することでたくさんのメリットが得られます。しかし把握しておかなければならないデメリットもあります。
1. ネット環境がなければ使えない
2. セキュリティ面での不安
オンラインストレージサービスには様々な機能がありますが、ネット環境になければ利用できません。
しかしipadやスマホの利用が一般化しているので、この問題は克服できない課題ではありません。
会社や個人の大切な情報の管理を第三者に依頼するという形になるので、セキュリティ面が心配になるというデメリットが生れます。
オンラインストレージサービスの中には、2段階認証に加えて、登録された端末のみのアクセスを許可する端末認証システム、いくつかのサーバに分散してデータを保存するなどの情報セキュリティ対策を備えています。
セキュリティ面での不安を解消するためには、セキュリティ対策をしっかり行っているサービスを選べます。
ここでは、押さえておきたいおすすめオンラインストレージ5選を紹介します。
画像出典元:「Google Drive」公式HP
社内でオンラインストレージを使うとしたら、Googleドライブはもはや定番のツールです。
ビジネスプランのG suiteでは、たった月600円/1ユーザーで、30GB +Googleドキュメントやスプレッドシート、カレンダーなどのほとんどのGoogleアプリをチームで共有して使うことができるので、これほどコスパの良いサービスは他にはないでしょう。
Googleドライブで使える機能
特にドキュメントやスプレッドシートは、共有した後にチーム内で共同編集することができるため、社内外でコミュニケーションでも作業を進めることができます。
カレンダー機能は、チームに所属しているメンバーであれば誰でも予定を閲覧でき、予定を作成して招待することも可能なため、スケジュールの把握や作成も簡単に行うことができるでしょう。
料金プランも細かく設定されているのた、スタートアップや中・大規模の企業でも導入しやすく、最もおすすめのオンラインストレージツールと言えるでしょう!
プラン | 料金 | 容量 |
Google Drive個人用プラン |
無料 |
15GB |
Business Starter | 680円/月/ユーザー | 30GB/ユーザー |
Business Standard | 1,360円/月/ユーザー | 2TB/ユーザー |
Business Plus | 2,040円/月/ユーザー | 5TB/ユーザー |
Enterprise | 要問合せ | 要問合せ |
個人で使う場合には15GBまでの容量が使える無料プランがあります。
個人の場合はまず無料から始めて、必要に応じて有料化すれば大丈夫です。
OneDriveはMicrosoft社が提供しているため、オンラインストレージとしてデータの保存・管理はもちろんのこと、Officeアプリとの連携も可能です。
例えば、OneDrivez上で保存・共有したWordやExcelなどのアプリを使って、リアルタイムに共同編集することが可能。他にも、Outlookでメールにファイルを添付することも、クリック1つで簡単にできます。
OneDriveで使える機能
特にビジネスプランでは、OneDrive 1TBとは別にOfficeアプリ(WordやExcel、PowerPointなど)を最新の状態で使うことができます。
また、PCの他にもスマホ・タブレットから、いつでもどこでも作業することができ、どのデバイスで更新しても、全てのデバイスで更新されるため同期も簡単です。
OneDriveを導入するだけでOfficeアプリを使うことができるため、社内にWindowsユーザーが多い企業や、既にWordやExcelなどを使用している企業におすすめのツールと言えるでしょう。
プラン | 料金 | 容量 |
無料プラン | 無料 | 5GB |
OneDrive Standalone 100 GB | 224円/月 | 100GB |
Microsoft 365 Personal | 12,984円/年 | 1TB |
OneDrive for Business ① | 540円/ユーザー/月 | 1TB/ユーザー |
OneDrive for Business ② | 1,090円/ユーザー/月 | 無制限/ユーザー |
Microsoft 365 Business Basic | 540円/ユーザー/月 | 1TB/ユーザー |
Microsoft 365 Business Standard | 1,360 ユーザー/月 | 1TB/ユーザー |
現在では全世界で5億人以上が使用しており、Dropboxは世界的なシェアを誇るオンラインストレージサービスです。その理由は初めての人でも使いやすい、シンプルなデザインにあります。
DropboxはITが苦手な人でも使いやすいようシンプルなデザインになっており、特に情報共有をスムーズに行うことができます。
また、マルチデバイスに対応しているため、いつ・どこに居てもでもアクセス可能で、同期が高速なところも魅力の1つです。
ビジネスプランは容量が3TB or 無制限になる他、メンバー内のグループを作成することができ、アクセス権限を付けて閲覧できるフォルダも選択することが可能。
誤って消去してしまったデータはいつでも元に戻すことができ、データ紛失のリスクを回避できます。
他にもチームのアクティビティを監視でき、リンクしたデバイスを確認、社内外のデータの共有情報を把握することもできるなど、Businessプランにしかないメリットが豊富です。
プラン | 料金 | 容量 |
Dropbox Plus | 1,200円/月 | 2TB |
Dropbox professional | 2,000円/月 | 3TB |
Dropbox Business Standard | 1,250円/月/ユーザー | 5TB/ユーザー |
Dropbox Business Advanced | 2,000円/月/ユーザー | 無制限/ユーザー |
boxの特徴は大きく2つで、「世界的に定評の高いセキュリティ」と「容量の多さ」です。
1つ目のセキュリティの高さについてですが、boxは一般的なtoC向けのツールとは異なり、もともとtoB向けに作られたツールのため、セキュリティ面の高さを意識して作られています。
そのため、全世界で66万以上の会社に利用されているにも関わらず、今まで大きなセキュリティ事故を起すことなく、あらゆるオンラインストレージツールの中で、最もセキュリティに定評があるツールとなっています。
また、Boxは10GBを無料プランで使うことができ、無料プランの中では使える容量が比較的大きいです。
有料のStarterプランではわずか550円/月で100CBもの容量を使用可能。
Businessプラン以上では、容量無制限でデータ量を気にする必要がありません。
boxを企業に取り入れるのであればセキュリティが高いことはもちろん、容量が無制限でストレスなく使うことができることから、とくに中~大規模企業におすすめです。
プラン | 料金 | 容量 |
個人プラン | 無料 | 10GB |
Personal Pro | 1,200円/月 | 100GB |
Starter | 550円/月/ユーザー | 100GB/ユーザー |
Business | 1,800円/月/ユーザー | 無制限 |
Business Plus | 3,000円/月/ユーザー | 無制限 |
Enterprise | お問い合わせ | 無制限 |
「Bigtincan Hub」は、ipadやタブレットなどマルチデバイスに対応し、今すぐに確認したい資料を格納できる便利なツールです。
料金プランは2000円~で「容量無制限」の低コストで利用できるのも嬉しいポイント!
商談相手に共有した資料はどの箇所をよく見ていたか確認できるので商談もスムーズに。
オンラインストレージとしての利用目的+営業の提案力向上を目指す企業におすすめです。
また、セキュリティ対策も万全で、コンテンツへアクセスするエリアの制限や、利用デバイスの制限、閲覧サイトの設定はもちろん、万が一デバイスを紛失した場合も、管理者がワンクリックの遠隔操作でデバイス内のコンテンツの削除が可能なので安心です。
スタンダード | エンタープライズ | |
月額費用 | 2,000円 | 3,000円 |
最大保存容量 | 無制限 | 無制限 |
アンケート機能 | × | 〇 |
クラウドサービス連携 | × | 〇 |
Salesforce連携 | × | 〇 |
どちらのプランも、オフラインアクセス・ユーザー権限の詳細設定・コンテンツのシェア・プレゼンテーション機能・アクセスエリア制限・ファイルへの書き込み・テキストチャット/ビデオチャット・ドキュメント編集/作成・SAML連携に対応しています。
オンラインストレージは、ファイルをインターネット上に保管する場所のことでした。
オンラインストレージサービスを利用すれば、ファイルの保管、ファイルの共有、大切なデータのバックアップなどが行えます。データ格納のためのサーバや外付けHDDなどを用意する必要もありません。
有料のオンラインストレージサービスの中には、ユーザーの人数や容量に合わせて料金システムを設定してるサービスがたくさんあるので、自分の会社のユーザー数・欲しい容量・使いたい機能などを考えてサービスを選びましょう。
便利な機能が盛りだくさんのオンラインストレージサービスを会社に導入してみるのはいかがでしょうか。
画像出典元:burst. pixabay