グループウェアと聞いても具体的に何ができるのかいまいち分からない人も多いでしょう。
この記事ではグループウェアとは何か、グループウェアでできること、導入のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
このページの目次
グループウェアとは、複数の利用者がネットワークとコンピュータを利用して 会社内の情報を公開、共有、活用するためのソフトウェアです。
最近では、コンピュータだけででなく、スマホやタブレットでもグループウェア機能を利用できるようになっています。
まずは、グループウェア機能で出来ることを紹介します。
一般的なグループウェアには以下のような機能が搭載されています。
名称 | 機能 |
トップページ |
グループウェアの入り口となる最初のページ |
掲示板 |
グループウェア利用者全員に連絡・文書による通達がすぐにできる |
ファイル管理 |
オンライン上で様々なファイルを共有できる |
ライブラリ |
社内のドキュメントや文書フォーマットを共有化し一元管理できる |
電子会議 | 時間と場所を問わず、社内での意見交換が可能 |
スケジュール |
個人やグループのスケジュール登録と閲覧が可能 |
メッセージ |
グループ内のメンバーや個別のユーザーにメッセージを送れます |
電話メモ |
フォーマットに入力するだけで不在時の電話の伝言、簡単な要件などが作成できる |
行先掲示 |
部署ごとに掲示されていた外出先を書くホワイトボードと同じ機能 |
名刺管理 |
もらった名刺の情報を登録 |
アドレス帳 | 利用者の役職・部署・内線番号・メールアドレスなどを登録し、検索・参照することができる |
施設予約 | 会議室・プロジェクター・社有車などの施設や備品の予約状況を確認したリ予約を取ることが可能 |
イベント | ビジネス・プライベートのイベント情報を登録・閲覧可能 |
ToDo |
利用者の作業項目、納期を登録 |
メール |
グループウェア上でのメールの送受信と閲覧が可能 |
ワークフロー |
経費の書類・稟議書などの申請書類を電子化し、申請業務を効率的に行えます。 |
ナレッジ |
業務上の成功事例・失敗事例・ノウハウなどのドキュメントやテキストデータをデータベースに蓄積できる |
営業支援・顧客管理 |
営業が作成した営業日報をデータベースに蓄積 |
勤怠管理 |
出勤したらすぐにグループウェアにログインすることで、それをタイムカードに自動打刻します |
こうした機能をグループウェアは搭載しています。
製品やサービスによりここに挙げた機能はオプションの場合があったり、類似する他の機能が搭載されている場合があります。
グループウェアの企業への導入形態は以下の2つの方法があります。
1.オンプレミス型
2.クラウド型
オンプレミス型は、自社でサーバーやネットワークシステムを用意し、ソフトをインストールして利用するタイプです。
クラウド型は、グループウェアサービスを提供している会社のクラウド環境を利用するタイプです。
それぞれのメリット・デメリットを比較すると以下のようになります。
メリット | デメリット | |
オンプレミス型 |
堅牢なセキュリティ |
サーバーやネットワーク構築のための初期投資が高額 |
クラウド型 |
すぐに導入できる |
大人数で長時間、大容量使用するならオンプレミス型と同等もしくはそれ以上の維持費がかかる可能性も |
ベンチャー企業や中小企業でもグループウェアの導入は可能です。
クラウド型のグループウェアサービスを提供している企業は増えてきているので、その中から自分の会社の業務形態や会社規模、従業員人数にマッチしたサービスを選ぶことができます。
基本的には、従業員1000人以上の企業でない場合は、クラウド型のグループウェアをおすすめします。
オンプレミス型に比べて、クラウド型は設備投資に費用をかける必要がなく、すぐに導入できます。
グループウェアを導入することにより得られるメリットには以下の6つがあります。
1.スケジュール管理が簡単
2.情報共有が可能
3.業務のスピード化
4.作業の進捗状況の把握
5.コスト削減
6.外出先での利用が可能
グループウェアを導入すれば、利用者全員のスケジュールを管理・調整ができます。
自分のスケジュールだけでなく他の従業員のスケジュールも分かるので、一緒に仕事をしたい場合、ミーティングをしたい場合など相手の予定や都合を簡単に確認でき、予定を調整するのが簡単にできるようになります。
施設予約機能では会議室の空き状況も確認できます。ミーティング参加者のスケジュールを確認しながら、都合のいい時間に会議室を予約することも簡単にできます。
掲示板機能を使えば、社内イベントや提出物の提出期限など全従業員に必要な情報をすぐに発信でき共有できるようになります。
経営者からのメッセージなどを発信すれば経営陣の持つ経営ビジョンを全従業員で共有することもできます。
サービスや製品によっては掲示板に「いいね!」などのリアクション機能が搭載されているものもあります。こうした機能があれば双方向のコミュニケーションも可能です。
さらにメッセージ機能などを使えば特定の部署や同じプロジェクトに携わっているグループ内で情報を共有できます。
グループで仕事に使うデータやメンバーのスケジュール、ぞれぞれの仕事の進捗状況などの情報を共有できます。
情報が部署やグループ内で共有されることにより、余分なコミュニケーションとそのために使う時間のムダを省くことができます。
電話メモ機能を使えば、担当者が不在だった場合に受けた伝言を、担当者の携帯電話メールなどにすぐに転送できます。
電話対応の業務がたくさんある内勤の業務を削減することができます。
ワークフロー機能では申請書類を電子化し、書類ごとに経路設定をすることができます。
自分宛ての申請や承認案件の最新情報がメールで通知される、スマホやタブレットからでも申請書の提出・確認・決済ができるという機能もあります。
こうすることで、申請書類を探したり、書類を次に誰に渡せばいいか迷うこともなく、外出先でも申請処理の業務ができます。
ナレッジ機能にはこれまでの業務マニュアル、ノウハウ、成功事例や失敗事例などがデータとして保管されています。こうした情報を全従業員が共有することで、生産性の拡大や迅速なクレーム対応、業務改善などにつなげることができます。
ToDo機能やプロジェクト管理機能などによりグループ内のメンバーの作業状況を確認できます。
リーダーや上司はこうした情報を参考にふさわしいアドバイスや助言をすることができます。プロジェクトに参加しているメンバー側もリーダーや上司が自分の仕事をきちんと把握してくれているという事でふさわしい緊張感と安心感を得て仕事に取り組むことができます。
ワークフロー機能により申請書類が電子化され紙代や印刷代のコストを削減できます。
電子会議機能やメッセージ機能を使えば、わざわざ会議室に集まってミーティングするための時間を削減することができます。
スマホやタブレットでもグループウェアを利用できるサービスが一般化しています。
外出中や移動時間中でもネットに繋がっていれば利用できるというメリットがあります。
グループウェアを導入するとたくさんのメリットが生れます。しかし導入に伴いいくつかのデメリットが生れることも理解しておく必要があります。
一般的に起こる可能性のあるデメリットには、以下のものがあります。
1.部門や役職の垣根を超えたコミュニケーションには不向き
2.社員教育を徹底させる必要がある
3.コストがかかる
グループウェアで新しく掲示板やチャットを作成する場合、管理者の許可が必要です。
部門や役職の垣根を超えてコミュニケーションを図りたくても、相手や内容によっては管理人や上司の許可を得られないという事もあります。
グループウェアの掲示板やチャットは、2ちゃんねるやTwitterのように誰に対しても自由に意見が書き込める場ではないことを理解してもらう必要があります。
せっかく導入したグループウェアでも社員が使わなければ、その効果を得ることはできません。使い方やそこから生まれる効果を社員教育で教える必要があります。
最初からたくさんの機能が搭載されているグループウェアを導入すると、社員は使いこなせないと感じ浸透しなくなる可能性があります。
最初は会社に必要と思われる最小限の機能だけを導入し、慣れてきたら徐々に機能を増やすというスモールスタートを採用することができます。
オンプレミス型・クラウド型のいずれを導入する場合でも、導入や運用にコストがかかります。
無料のスケジュール管理ソフトやチャットツールがあるので、コストがかからないという方もおられます。
しかし、使う側からすれば、複数のソフトを使い分けるよりも、多くの機能がひとつにまとまったグループウェアの方が便利で使いやすく、業務の効率化や生産性の向上にもつながるという意見もあります。
ここでは、グループウェアを導入するときに真っ先に検討したい、おすすめのグループウェア3つを紹介します。
画像出典元:「サイボウズOffice」公式HP
1997年に初代サイボウズ Officeが誕生してから、現在に至るまで、約5万社が導入しているグループウェアシステムです。
メッセージ・会議室などの施設予約・日程調整・ワークフローなど、グループウェアとして必要な機能はほぼ全て揃えており、これ一つで十分!と言えるサービスです。
1ユーザー当たりの費用が他のツールに比べて安いのもポイント。この費用で、これだけ多機能を揃えているのはとても魅力的です。
クラウド版
・スタンダードコース:500円/月/ユーザー
・スペシャルコース:800円/月/ユーザー
パッケージ版(10ユーザーの場合)
・スタンダードコース:63,800円/月/10ユーザー
・プレミアムコース:82,800円/月/10ユーザー
※初期費用 年/108,000円
試験的に使い始めたのですが、サイボウズの画面を見ればひと目で確認できるので、わざわざ倉庫まで行く手間がありませんし、在庫切れも起こらなくなりました。しっかりと活用すれば、今後は棚卸しのような面倒なこともやらなくてよくなるのではないかと思います。
画像出典元:「Google Workspace」公式HP
Googleが提供する個人向けのツールを、法人向けに一括で使用できるグループウェアです。
ファイルをオンラインで複数人同時編集できるGoogleドキュメント、Googleスプレッドシートがとても魅力的です。
リアルタイムで共有・更新することができ、部署内やチームで議論をしながらファイル編集や、その場で役割分担をしながらドキュメントを作成することなどが可能です。
初期費用は無料。
・Basic:600円/月/ユーザー
・Business:1,200円/月/ユーザー
・Enterprise:3,000円/月/ユーザー
ひとつ目は他社サービスに比べてコストが低かったこと。そしてふたつ目は使い勝手がよかったことです。G Suite は世界中に利用している企業がいたので、安心感がありました。
従来システムと比べて 2~3 割程度のコストダウンが見込めることに加え、今回、何より重視したのは、新システム導入によって業務の効率化や、生産性の向上が達成されました。
画像出典元:「kintone」公式HP
kintoneの最大の特徴は、非エンジニアでもビジネスアプリケーションを作成することができるところです。必要な機能を揃えたグループウェアを構築することができます。
また、アプリストアが内蔵されており、これらのサンプルアプリをワンクリックでそのまま使用することが可能です。このサンプルアプリだけでも十分な価値があります。
初期費用は無料。
・ライトコース:780円/月/ユーザー
・スタンダードコース:1,500円/月/ユーザー
iPadでのシステムにしたことで、情報の伝達にも変化がありました。これまでは定型文プラスアルファ程度だった報告だったのですが、「今日は雨なのでお客様が少なかった」といったやりとりが出てきたのです。使いやすい環境になったので、メールの延長のような感じで使ってもらえているようです。
これまで使っていたワークフローは入力項目が多く、多いときには10件に一回は、登録内容の不備による却下がありました。『kintone』では、ユーザーにわかりやすい画面を提供できるため、却下率が減りました。これは、システム担当にとっても、ユーザーにとってもメリットがあります。
なお、ここまで紹介した以外のグループウェアについては以下の記事で比較紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてください。
グループウェアとは、複数の利用者がネットワークとコンピュータやタブレット、スマホを利用して 会社内の情報を公開、共有、活用できるソフトウェアのことです。
グループウェアを導入すれば、情報の共有、連絡業務のスピード化、申請業務のスピード化、スケジュール調整が簡単にできるなどたくさんのメリットを得ることができます。
もちろん導入すれば、社員に利用方法や機能について教育し、使用を徹底させる必要がありますが、そこから得られる効果はとても大きなものです。
中小企業でもクラウド型のグループウェアサービスを利用すれば、低コストですぐにグループウェアを導入できます。自社の業務形態や事業規模に応じたサービスを選べます。
業務のスピード化、情報の共有による時間のムダの削減など得られるメリットの多いグループウェアの導入をこの機会に積極的に検討されるのはいかがでしょうか。
画像出典元:pixabay、pexel
カスタムアプリの作成時にわからなかったことは、サイボウズのサポートに相談しました。サイボウズのサポートは、「この部分をこうしたい」「こういうことを実現したい」と伝えると、ある方法がダメでも、目的を達成するために他の方法を考えて提案してくれたりして、本当に助かりました。