起業を行うには必ず資金調達が必要になります。
その際に、どのように資金調達をすればいいのか、またその種類やリスクを知らないことはとても危険なことです。方法を知らないが故に、資金が底を尽き、倒産してしまうこともあります。
そうならないためにも、今回の記事では数ある資金調達の方法を4つに分類し、わかりやすく解説していきます!
このページの目次
これは起業家の個人資産である自己資金を資本とすることです。自己資金は起業前に貯めていたお金や資金などです。
ベンチャーキャピタルから出資を受け取る代わりに、自社の株を引き渡すことです。
株を数%から数十%引き渡すことで数百万円から数千万円、もしくは数億円の出資が可能です。借金とは違い、返済不要です。
しかし返済不要である代わりに、投資家側からは株式の投資分のリターンを強く求められます。返す必要がないからといって早い段階(エンジェル・シード)で株を渡し過ぎることは危険です。
起業当初は資金不足に陥るので出資をしてもらいたいところですが、早い段階で株を渡し過ぎると、成長した段階(シリーズA・シリーズB)で出資を受けることが難しくなってしまいます。
起業をするとき、資金不足に陥るのはエンジェルやシードラウンドが多く、このラウンドで資金調達をしたくなることが多いです。
しかし、エンジェルやシードラウンドの時点ではバリュエーションが低く、将来的にシリーズAやシリーズBで、バリュエーションが10〜100倍以上になることがあります。
そうなった時に、あなたの手元の持ち株が少なければ資金調達に限りができてしまい、苦労することになります。VCから出資を受けるときは、未来のことを見据えながら出資を検討するようにしましょう。
数百万〜数十億円ほど
画像出典元:SWBS公式HP
日本政策金融公庫は、100%国が出資する金融機関であり、銀行よりも融資が受けやすく、利息などの貸し付け条件が良いことが特徴です。この融資の中でよく使われるのが、「新創業融資制度」です。
新創業融資制度の概要
融資金額、利息金利のいずれをとっても、ほかの金融機関よりも優秀なので、融資を検討する際には必ず申し込むべきです。
申請・審査の受け方については、以下の記事を参考にしてください。
1,000万円〜3,000万円
倍率が高い(実際に融資を受け取れるのは申し込み者の2割ほど)
「資本性ローン」とは日本政策金融公庫が提供している制度で、最大の特徴として無担保・無保証で資金を借り入れすることができます。
さらに通常、融資を受ける場合にはそのお金は「負債」扱いされますが、資本性ローンであれば「資本」として扱うことができます。負債ではなく資本として扱うことで、他の金融機関からの追加融資も受けやすくなるメリットがあります。
資本性ローンには「国民生活事業」と「中小企業事業」があります。「中小企業事業」はある程度の段階を踏んだ企業が対称なので、創業期やシード期は「国民生活事業」がおすすめです。
「国民生活事業」は融資限度額は4,000万円で、返済期間は5年1ヶ月以上15年以内になります。利率は融資後1年ごとに、直近決算の業績に応じて貸付期間ごとに3区分の利率が適用されます。
挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)
限度額4,000万円
「制度融資」とは、地方自治体が信用保証協会と金融機関が連携することで、創業者を資金面で支援する制度のことです。
多くの場合、創業したての企業に大手の金融機関は融資をしてくれることはありません。その悩みを解決するために制度融資は、信用保証協会と金融機関が保証料や金利の一部を負担することにより、金融機関が起業したばかりの会社に対して融資をしやすくしています。
この制度は融資が受けやすく、金利が低いことが魅力でもあります。
東京都の場合
信用保証協会は全国に52箇所あるので、制度融資を検討する方は相談してみると良いでしょう。
500〜2,500万円ほど
信用金庫は銀行より融資のハードルが低いことが特徴です。なぜなら、信用金庫は地域が限定されており、その地域内での中小企業や個人事業主のための金融機関です。さらに地域密着型の銀行なので、小さな会社にも丁寧に接して、資金需要に応えようとしてくれます。
300〜500万円ほど
マル経融資とは、商工会議所の推薦によって受けることができる融資です。こちらの融資は最低でも1年以上の事業実績がなくては利用することができません。
しかし、マル経融資の1番の特徴は金利1.11%(平成30年現在)と圧倒的に低いことです。そのため、借入を考える際には、1年後にマル経融資への借り換えを計画することをおすすめします。
マル経融資
500〜1,500万円
はじめに認識していただきたいことは、「補助金・助成金には募集期間が定められているので、いつでも申請できるわけではない」ということです。記載する補助金・助成金は申し込むタイミングを逃すと申請することができません。
さらに、補助金・助成金は毎年変更されるので、年ごとに自らチェックする必要があるので申請時は、各々問い合わせることをおすすめします。
起業時に欠かせない補助金は「創業・事業承継補助金」でしょう。
「事業補助金」とは、新たな需要や雇用の創出を促し、創業者のアイディアをサポートする補助金です。
また、「事業承継補助金」とは、事業継承をきっかけに経営革新や事業転換に取り組もうと考えている、中小企業者向けに行われる補助金です。
どちらも創業者向けの補助金のため、「アイディアやプランはあるけど資金が足りない」と悩んでいる方は一度申し込んでみると良いでしょう!
100~200万円ほど
創業時におすすめする助成金は「キャリアアップ助成金」です。この助成金は主に人件費にかかる費用を削減することができます。
例えば「正社員転換コース」という助成金があり、このコースは6ヶ月以上雇用した非正規社員を正社員に転換することで、1人あたり57万円・※生産性の向上が認められる場合:1人あたり72万円(54万円)をもらうことができます。
※1年度1事業所あたり20人まで申請可
助成金は条件を満たし、知っているだけでお金を得ることができるとてもお得な制度なので、使わない手はないでしょう。
20〜70万円ほど(人数によってはさらに増える)
親族・知人から資金を借りる方法です。周りの人にお金を借りることで、経営権に手をつけられることがなく、条件を自由に契約することができます。さらに無利子で借りることも可能です。
・身内とリスクを共有する必要がある
・情報漏洩の可能性ある
画像出典元:A-port公式HP
近年話題のクラウドファンディングとは、様々な理由でお金を必要としている方に対して、共感した一般の方が支援するサービスです。有名なクラウドファンディングでは、MakuakeやCAMPFIREなどがあります。
クラウドファンディングはリスクなしで資金を調達できると考えられていますが、あながちそうではありません。マーケティングに失敗すれば資金は全く集まらないですし、もし資金が集まっても、商品の質が悪ければ会社の評価がガタ落ちします。
クラウドファンディングはメリットとリスクをよく考えてから検討しましょう!
100〜3,000万円ほど
資金は経営において大変重要です。資金調達の種類や調達方法を理解しておかなければ、すぐに資金ショートして、事業を続けることができなくなってしまいます。
出資や融資、補助金などの資金調達方法をしっかりと学んだ上で、事業を行うようにしましょう。
以下の記事では、資金調達のリスクや注意点を実際の失敗例を交えて解説しています。資金調達を検討している方は、ぜひ読んでみてください。
監修者プロフィール
前川英麿
画像出典元:Burst
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