勤怠管理と給与計算、この2つのシステムは密接な関係にあります。
ところが、給与計算はシステム化していても、勤怠管理をデジタル的にシステム化しているところは少なく、手動で連携している企業も多いものです。そのため、業務自体が非効率になっていることも少なくありません。
勤怠管理と給与計算の両システムを連携させることは、業務の効率化を図るうえで欠かせないポイントになります。
そこで今回は、勤怠管理と給与計算の両システムをもっと効率的に進めるためにはどうすればいいのか。
システムを連携することで得られるメリットと、おすすめの勤怠管理システムについてご紹介します。
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このページの目次
勤怠管理や給与計算には、手間のかかる作業がいくつもあります。
そのうえ、どちらも正確性が求められ、小さなミスすら許されない重要な業務です。だからこそ、勤怠管理や給与計算は、ミスの原因を取り除くためにもシステムを連携させることが大切です。
ここでは、勤怠管理および給与計算の両システムを連携させるメリットについて解説します。
多様な働き方が求められるようになり、勤怠管理の複雑さが増しています。
特に最近急増しているリモートワークやテレワークでは、残業時間が把握しにくく、正しく管理するための方法を模索している企業も多いことでしょう。
勤怠管理の正確性が疑われるような管理方法では、従業員の会社に対する信頼も揺らぎかねず、従業員の働く意欲への低下、離職者の増加を引き起こすことさえあるからです。それだけにとどまらず、給与計算にも支障が出ます。
給与計算は勤怠情報をもとに行われるため、勤怠管理データが正しくなければ、計算内容や計算工程にも影響します。
計算ミスや、納税額の不備、給与支払いの遅延などのトラブルは避けなくてはなりません。
勤怠を正しく把握・管理することは、給与計算業務への作業負荷を軽減させることにも繋がります。勤怠管理と給与計算の両方を効率的に行うのであれば、両システムは連携させるのが得策です。
連携することによるメリットには、次の点が挙げられます。
すでに述べた通り、勤怠管理での処理ミスは、給与計算にも支障を及ぼします。
しかし、勤怠管理との整合性がチェックできるようにシステムが連携できていれば、ミスやトラブルを未然に阻止したり、ミス発生のリスクを軽減することも可能です。
勤務体系が複雑になるほど、勤怠管理や給与計算の処理も煩雑になります。煩雑な処理を人的作業に任せていると、どうしても各作業における負荷が高くなります。
そこに人員不足や、法改正などによって処理業務の移行が重なったりすれば、管理ミスや計算ミスといったヒューマンエラーを生じやすくなります。
両システムが自動的に連携できるような仕組み作りができていれば、システム間の連携の際に人員を割く必要がなく、作業負荷を軽減することが可能です。
勤怠管理と給与計算それぞれの処理を手作業に任せていると、法改正があった場合に対応に遅れが生じたり、工数が増えて業務効率が低下したりしがちです。
システムを連携させておけば、勤怠管理あるいは給与計算のどちらかで関連する法律が改正されても、速やかに改正後の法制度への対応が可能になります。
勤怠管理はタイムカードで、給与計算は手計算で行っている企業は多いのではないでしょうか。
連休や長期休暇などで給与計算に充てられる日数が少ない場合、短期間で勤怠の締め処理から給与計算をせねばならず、作業負荷が急増します。
時間がないという焦りから、ミスを引き起こす原因になりがちです。
これらを未然に防ぐには、勤怠管理と給与計算の両システムを円滑に連携させられる仕組みづくりが必要です。
ですが、連携において人の手を煩わせる処理がは発生すれば、処理工程は少なくなったとしても、ヒューマンエラーの原因になりかねません。
ここでは、勤怠管理と給与計算を円滑に連携させるにはどうすればいいのかについてご紹介します。
人の手や人の目が加われば、そのぶんだけ処理の円滑性は損なわれます。できるだけ、ワンボタンあるいは自動的に連携できる仕組みにするのがベストです。
そうすれば、勤怠管理での締め処理から給与計算まで少ない工程で円滑に処理を進められるようになります。
勤怠管理、給与計算それぞれで、チェックすべきポイントが異なります。人の目で確認する項目を減らせば、スムーズに次の処理へ繋げていけるようになります。
そのためにも、アラート機能を活用しましょう。人の目の代わりにアラート機能が働いてくれれば、エラーが出たときに対処するだけで済みます。
円滑に処理を進められ、作業の効率化を図ることが可能です。
給与計算しやすいように、勤怠管理で集計したデータを加工しているところも多いのではないでしょうか。
たとえば、出勤数に有給取得日数を足し合わせて給与額を算出したり、残業時間のうち深夜残業や休日出勤を区分して残業代を算出したりなど。
こうしたデータ加工を人的作業に任せていると、集計データの誤処理や計算ミスのもとにもなるうえ、せっかく連携しても効率性が低下します。
勤怠管理と給与計算システムは、切っても切り離せない関係です。
勤怠管理システムと給与計算システムが円滑かつ効率的に連携できれば、作業効率が高まるうえ、処理に割いていた人員の手を他に回すことも可能になります。
サービス事業者が提供している勤怠管理システムの中には、色々な特徴を持つものがあります。
たとえば、同じシリーズの給与計算システムと自動連携できるものや、自社独自で構築した給与管理システムに連携しやすいようにデータ出力に強いものなどです。
自社にあったものはどれなのか?まずは特徴を比較し、検討していきましょう!
画像出典元:「ジョブカン勤怠管理」公式HP
最大の魅力は200円/月で導入できる安さ。30人程度のベンチャーから1,000人以上の企業まで、全ての規模で利用可能です。主要な給与計算ソフトと連携できる便利なシステムです。
打刻方法は、PC/タブレット打刻・モバイルGPS打刻・ICカード打刻・指静脈打刻・LINE/SLACK打刻の5種類。
生体認証打刻が搭載されているので、不正打刻に悩んでいる企業におすすめです。
操作画面は、必要な情報が大きく表示されシンプルな印象です。
勤怠管理機能のみなら月額200円で利用できますが、その他機能を追加すると費用が発生します。最低限の機能で始められることは大きなメリットです。
申請機能 | アラート機能 | シフト機能 |
〇(追加費用1人100円) | 〇 | 〇(追加費用1人100円) |
マニュアルがかなり充実しているので、初めて勤怠管理システムを導入する企業でも問題ないでしょう。
UI | マニュアル整備 | 問い合わせ窓口 |
◎ | HPに動画説明あり | 電話(平日のみ)・メール・チャット |
10人以下の企業でも月額費用2,000円が発生するので、注意しましょう。
10人以下の企業向けに無料プランが用意されていますが、機能がだいぶ制限されます。(無料お試しとは別物)
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
0円 | 200円~ | 2,000円 | 30日間 |
パソコンのon,offに合わせてログ時間が計算され、労務管理の観点では良いシステム。ただ、前日のログ時間の反映が遅いこともあるので、余裕をもった管理が求められます。
(商社:従業員500人以上)
レポート機能・集計機能は圧倒的にkintoneより優れています。外出する社員が多い場合は、交通費精算を同時にできるkintoneの方が良いかもしれません。
(コンサルティング:従業員30人以下)
マネーフォワードが提供している会計・確定申告・請求書・経費・給与・社会保険など幅広いサービスと連携できることが最大の魅力です。
打刻方法は、PC/タブレット打刻・モバイルGPS打刻・ICカード打刻の3種類。主要システムと比べると少ないです。
操作画面は青が基調。管理画面はやや硬い印象ですが、打刻画面はイラストつきでわかりやすく、問題なく操作できるでしょう。
全て追加費用なく利用できます。
申請機能 | アラート機能 | シフト機能 |
〇 | 〇 | 〇 |
動画でのマニュアルは用意されていません。
UI | マニュアル整備 | 問い合わせ窓口 |
◎ | HPに画像つき説明あり | 電話(平日のみ)・メール・チャット |
基本料金は、企業規模にあわせ、小規模事業者向けのスモールビジネス、中小企業向けのビジネスに分かれています。
また、IPO準備・中堅〜大企業向けは別途お問い合わせが必要です。
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
0円 | 300円〜 | 基本料金:2,980円 +ユーザー数×300円 |
1ヶ月間 |
MF給与で給与計算しているので、従業員情報や勤怠情報などのデータ移行が楽で良いです。ただ、ジョブカンに比べて細かい勤務体系を設定しきれないと感じています。ジョブカンは設定が大変ですが細かく設定できるので便利です。(IT関連:従業員30人以下)
打刻・申請も簡単で、マニュアルがなくても操作できます。アラートの種類がもっと多いとよいですね。(流通業:従業員500人以上)
画像出典元:「jinjer勤怠」公式HP
jinjer勤怠は、全機能が最初から搭載されているため、追加費用が発生しません。予算がたてやすいことは、大きな魅力です。
打刻方法は、PC/タブレット打刻・モバイルGPS打刻・ICカード打刻・Slack/Chatwork打刻の4種類。
Apple Watch・Google homeでも打刻できます。
打刻画面は、コメントを残せたりその日のスケジュールを確認できたりと、きめ細かな配慮が感じられる仕様です。
全て追加費用なく利用できます。
申請機能 | アラート機能 | シフト機能 |
〇 | 〇 | 〇 |
サポート体制が充実しています。
UI | マニュアル整備 | 問い合わせ窓口 |
◎ | HPに動画説明あり | 電話(平日のみ)・メール・チャット |
人事管理・給与計算・経費精算・労務管理・雇用契約と組み合わせる場合は、追加費用が発生します。
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
300,000円 | 400円〜 | 設定なし | 30日間 |
導入後は、現状の月ごとの残業時間が一目でわかり、休日出勤や有給の申請が容易にできるようになりました。(広告関連:従業員100人以上)
見やすいUIなので、規則的な勤務なら圧倒的に使いやすいです。急な変更が生じると修正作業が面倒です。どのシステムも同じかもしれませんが。(イベント関連:従業員約30人)
画像出典元:「ハーモス勤怠」公式HP
「ハーモス勤怠」は、目次勤怠・承認・申請・日報機能など、勤怠管理に必要な基本機能を月額100円/人で利用できます。
期間や人数に制限がないのも嬉しいポイントです。
30名以下なら無料で利用可能ですが、データの保持期限が1年に限られているので注意が必要です。
打刻方法は、PC(ブラウザ)やスマホ(アプリ)での打刻・ICカード打刻・LINE/Slack/LINE WORKSでの打刻・QRコード打刻と多彩です。
なお、無料プランは管理できる情報に限りがあるので、注意が必要です。
申請機能・アラート機能は有料プランを選択した場合に使える機能です。
申請機能 | アラート機能 | シフト機能 |
〇(追加費用1人100円) | 〇(追加費用1人100円) | 〇 |
動画説明がわかりやすいと評判です。
UI | マニュアル整備 | 問い合わせ窓口 |
◎ | 動画説明あり(Youtube) | メール(有料会員のみ) |
無料版は操作画面にバナー広告が表示され、データの保存期間が1年なので要注意ですが、それでもコストメリットを感じる企業は多いでしょう。
有料版もリーズナブルな価格設定です。
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
0円 | 100円〜 | 設定なし | 〇 |
やってみてなじめなかったらまた元に戻せばいいし、とりあえずやってみよう。と導入を決めました。(自動車整備)
出退勤報告・申請・承認作業が楽になりました。無料プランにはアラート機能がついていないので、未入力の人に個別連絡しなければならず、締め日前の作業が負担でした。(IT関連:従業員1,000人以上)
画像出典元:「KING OF TIME」公式HP
KING OF TIMEは多くの外部サービスと連携可能。入退室管理システムと連携できる勤怠管理システムは少ないので、かなり貴重です。
PC/タブレット打刻・モバイルGPS打刻・ICカード打刻・指静脈打刻・指紋打刻・指ハイブリッド認証打刻・顔認証・カメレオンコード認証・WowTalk打刻・入退室管理システム連動打刻の10種類。
10種類は、この記事で紹介している21システム中、最多です。
操作画面は2色から選択可能。管理画面はやや硬い印象です。
全て追加費用なく利用できます。
申請機能 | アラート機能 | シフト機能 |
〇 | 〇 | 〇 |
オンラインセミナーを実施しているシステムは、ほとんどありません。KING OF TIMEの強みの1つです。
UI | マニュアル整備 | 問い合わせ窓口 |
◎ | HPに動画説明あり オンラインセミナー週2回開催 |
電話(平日のみ)・メール |
登録した人数ではなく、その月に打刻利用があった人のみが課金対象となります。
初期費用 | 月額費用/ユーザー | 最低利用料金 | 無料お試し期間 |
0円 | 300円〜 | 設定なし | 30日間 |
外国人を含む1650名超の社員を2人で管理できています。昨年行ったUI変更により、感覚的に使い方がわかるようになっているので問い合わせが減りました。
(IT関連:従業員1,000人以上)
リモートワークにも対応していて、オンラインで1クリックするだけで、出退勤できるので今のご時世には便利です。Windowsなら利用できるけれど、Macだと利用できない機能があるので、改善されるとよいです。(IT関連)
起業ログが自信をもっておすすめできる5つのシステム。それぞれの違いは分かりましたか。
機能面からみるおすすめ企業は以下の通りです。
→ジョブカンは機能ごとに費用が発生するスタイル、jinjer勤怠は全ての機能が基本料金に含まれるスタイルなので、自社に合った課金スタイルで決めましょう。
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勤怠管理と給与計算は、連動して行う業務です。そのため、いかに円滑に処理を移行していくかが、両業務の効率性を左右します。
人的作業に任せている部分をシステムに置き換えるのはもちろんのこと、連携を前提にシステム化することが効率アップに繋がります。
画像出典元:Pixabay、Pexels、Unsplash
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