この記事では、メール配信システムの導入メリットを中心に、導入ポイント、メール配信システムに搭載されている機能、基本的な種類などを取り上げます。
せっかくメルマガを配信しても通常のメールソフトを利用するとユーザーに届かず無駄になる事も多くあります。
また、メールの配信内容や日時を担当者が手で行うのは非効率です。
メール配信システムは「ユーザーに届ける」「メールの効果を分析」するためのシステムです。
この記事を読めば自社に最適なメール配信システムを見つけることができます。
編集部
ちなみに、起業LOGなら「メール配信が効果的な曜日や時間帯」など、今日から使えるメルマガのノウハウが詰まった資料を無料でダウンロードできます!
このページの目次
メール配信システムとは、メルマガのようなお知らせメールを配信・分析するシステムです。
ECサイトやメールマーケティングが増え、メールで情報を配信する事が売上に繋がると考えるようになりました。
「メールを送る」
「メールを見てもらう」
「メールによって興味を持ってもらう」
「メールからアクセスしてもらう」
この4つを目的とした機能が搭載されているのが「メール配信システム」です。
メール配信サービス導入で得られるメリットを紹介します。
メール配信システムはメルマガや情報などのメールをユーザーリストに基づいて大量に一斉配信できます。
手作業でたくさんの人に同じタイミングでメールを送るなら手間と時間がかかり、誤入力や誤送信のリスクが高まります。
Outlookなどのメールソフトで利用するサーバーは一斉配信を想定したものとはなっておらず、大量のアドレスにメールを一斉配信すると迷惑メールを送っていると認知され、ユーザーに届きません。
メール配信システムで利用するサーバーは一斉配信を前提としたものになっているため「メールの未達」を防ぐことが出来ます。
メールには文字だけのテキストメール、ウェブサイトのように文字に画像や動画を設置することができるHTMLメールの2種類があります。
メール配信システムではHTMLメールをテンプレートなどを使って作成することができ、訴求効果の高いデザインのメールを配信できます。
メール配信システムでは、資料請求や見積依頼、会員登録や購入に至ったユーザーに自動的にステップメールを送ることができます。
ステップメールはフォローアップメールとも呼ばれており、見込み客を顧客へと育成する、顧客を優良顧客へと育てる効果を期待できます。
ステップメールで、必要している情報やサポートを最適なタイミングで配信すれば、メール配信元の企業やサイトに対する見込み客や顧客の愛着を強めることができます。
メール配信システムは、個人で利用するメールソフトよりセキュリティ対策が優れているというメリットがあります。
通信やデータの暗号化機能、ログ管理、アクセス制限機能などで、第三者の不正利用、情報の流出を防ぐことができます。
メール配信システムの効果計測機能を使えば、メール受信者の関心事、配信に適した曜日や時間などを分析できます。
HTMLメールはメールの開封、メール内のリンクのクリックなどメール受信者の行動追跡・測定が可能です。
分析結果をもとにより効果的なメールマーケティングの施策を打ち出せます。
メール配信システムは大企業だけでなく、中小企業や個人でも導入可能です。
この部分ではメール配信システム導入前に検討すべきポイントを紹介します。
メールの配信スタイルは大きく分けると次の2種類になります。
一斉配信 | セール情報やキャンペーン情報など同じ内容の情報をたくさんのユーザーに配信 |
セグメント配信 | 配信先を年齢や性別、地域や関心、行動履歴などにそって分類(セグメント化)し、その分類に従った内容の情報を配信する |
自社の配信スタイルがどちらのものなのか、あるいは両方とも必要なのかを分析し、それに応じた機能を備えているメール配信システムを選択できます。
メール配信システムは、オンプレミス型とクラウド型で導入費用と運用までの期間が大きく変わります。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
サーバー構築 | 必要なし | 自社で構築する必要あり |
導入費用 | 安価 | 高額 |
運用開始までの期間 | 即日運用も可能 | 数週間から数カ月 |
月額コスト | 登録メールアドレス数や送信数により変動 | 固定 |
保守・メンテナンス | ベンダーが行うので不要 | 自社で行うので必要 |
導入後のカスタマイズの自由度 | 制限あり | 自社のニーズに合わせて自由に行える |
自社システムとの連携 | 制限あり | 自社のニーズに合わせて自由に行える |
セキュリティ | ベンダー提供しているセキュリティレベルに依存 個人情報を扱うので高度なセキュリティ対策を行っている |
自社でセキュリティを堅牢にする |
障害対応 | ベンダーが対応するので、自社で原因の特定や対応は困難 | 自社で障害の原因を特定し対応できる |
災害対策 | ベンダーがハードウェアの二重化などによる冗長化対応をしており、堅牢なシステム構築により災害対策が行われている | サーバーが被害に遭う可能性を考慮し、遠隔地にバックアップを作成するなど自社での対策が必要 |
導入費用を抑えたい、すぐに導入したいという状況ならばクラウド型がおすすめです。
一斉配信だけでなく、ユーザー個々の関心事や悩みに寄り添うようなOne to Oneのメールマーケティングを目指しているのであれば、セグメントや行動履歴に応じたステップメールを送る機能を搭載したシステムを探せます。
携帯やスマホへのメルマガを強化するならSMS配信機能を備えているシステムを選べます。
導入前に必要な機能が実装されているか調べるもの大切なポイントです。
クラウド型のメール配信システムでは、月額料金が登録しているメール数やメールの配信数に応じて変動するプランを提供しているものがあります。
登録するメールアドレス数、月の配信数はいくらぐらいなのかを把握してメール配信システムを選択することもポイントの一つです。
次に、メール配信システムに搭載されている基本的な機能を紹介します。
メール配信システムに搭載されている機能は「人が判断していたことが自動設定出来る」事です。
機能の名称は各メール配信システムで違う場合もありますが、内容はほぼ同じです。
メール配信設定機能を使うと、設定された日時や配信種類(一斉配信かセグメントなど)を自動配信できます。
メールコンテンツのデザイン作成をサポートしてくれる機能です。
文章のみのメールが作成可能です。
携帯向けに画像付きや文字の装飾をしたメールを作成し配信できます。
メールの出だし文書、書式、署名など利用頻度の高い文面を伝プレートとして登録し保存できる機能です。HTMLメールのテンプレート登録ができるメール配信システムもあります。
定期的に配信するメルマガなどはテンプレートを使用すれば作成時間を短縮できます。
メール受信者の名前、会社名などの登録情報を、メール本文や件名に差し込める機能です。
HTMLの知識やスキルがなくても、メールに文字の装飾、画像や動画の挿入などが簡単にできる機能です。
作成したHTMLメールのレイアウトをメール受信者側の端末の画面サイズに合わせて自動変更してくる機能です。
メールアドレスの管理に関係する機能です。こうした機能があるのでたくさんのメールアドレスを登録しても管理が容易にできます。
CSVファイルを読み込んで、受信者データのリストを一括登録することができる機能です。
登録されている受信者データを管理画面から検索できます。
管理画面から受信者のデータを編集したり削除したりできます。
受信者データと紐づけしたい氏名・住所・性別などの情報を追加し登録できます。
メールマガジンの登録・管理に関係する機能です。
メルマガの登録フォームや解除フォームが簡単に作成できる機能です。
メール受信者から空メールを送ってもらえれば、それだけでメルマガへの登録や解除ができる機能です。
受信者はメールアドレスの入力不要になる事で、メルマガ登録へのハードルが低くなります。
メルマガ登録フォームや解除フォームのQRコードを作成する機能です。
メール本文のURLをクリックするだけで簡単にメルマガ解除ができます。
配信に成功したアドレス、配信エラーになったアドレスが確認できます。
配信エラー解析機能が搭載されていれば、その理由を分析・集計することが可能です。
配信エラーの上限回数を設定し、その回数に達したメールアドレスへは配信を自動停止することもできます。
HTMLメールは開封率を取得できます。
測定結果から、読まれやすい件名、配信に適した日時などを分析可能です。
メールの中のURLが誰により、いつクリックされたかを測定できる機能です。
クリックした顧客をリスト化し、それぞれの反応、関心、嗜好に応じたフォローアップメールを送れば、見込み客から顧客への育成、再購入や再利用に応じる優良顧客への育成ができます。
HTMLメールの開封率、URLのクリック率、登録者数などをグラフ表示できます。
メールマーケテイング活動の振り返り、経営層へのメールマーケティングの投資対効果(ROI)の説明などに利用できます。
メール配信システムには無料版と有料版があります。
無料版では登録できるメールアドレス数や配信数、利用可能な機能などに制限があります。有料版では月額料金を増やせば、登録メールアドレス数や配信数を増やすことが可能です。機能制限もありまぜん。
無料版のメール配信システムの中にはステップメールの配信には対応していないものもあります。そうしたものはビジネスでの利用には不向きです。
しかしオレンジメールやMailChimpのように無料版でもステップメール送信機能が利用できるものがあります。無料版で操作性や効果を試してから有料版に切り替えるという使い方ができます。
無料版を提供しているメール配信システムでは利用期間に制限を設けているものもあります。
無料版 | 有料版 | |
登録数・配信数制限 | あり | なし |
機能制限 | あり | なし |
利用期間制限 | あり | なし |
メリット | 無料で機能や操作性、メール配信の効果を試せる 気に入ればそのまま有料版に切り替えることも可能 |
制限なしにすべての機能が利用可能 |
デメリット | すべての機能が利用できない 利用可能期間に制限がある |
コストがかかる |
利用シーン | メール配信システムを選択する際のお試しとして | 登録メルアド数や配信数が多い企業や個人は有料版がおすすめ |
メール配信以外のマーケティング活動も積極的に行っている企業ががたくさんあります。
MAツールにもメール配信機能はあります。
オンライン・オフライン両方の見込み客を管理できる、営業部門との連携が取れるなど、メール配信システムにはない特徴を備えています。
自社のマーケティング活動がオンライン・オフライン両方を活動範囲にしているのか、訪問営業や電話営業などの営業活動の有無を考慮し、MAツールにするかメール配信システムにするかを決定できます。
ECサイトなどのオンラインで見込み客・顧客を集めることから、事業規模が拡大し実店舗を展開するに至った場合などは、メール配信システムからMAツールに乗り換えるという選択肢もあります。
CRMにもメール配信機能は搭載されています。
リピート顧客をすでにたくさん獲得していて、メールを通じてその顧客との関係をさらに強固にしたいという場合はCRMの利用を検討できます。
画像出典元:「Zoho Campaigns」公式HP
コスト重視の方におすすめなのが、Zoho Campaigns(ゾーホー・キャンペーン)です。
無料プランでも、最大2,000人の宛先に月6,000通までのメールを配信でき、ベーシックなテンプレートを利用したメール作成からメール配信先の管理、レポート機能、そして、カスタマイズ可能なメルマガ購読者登録フォームなどが利用できます。
無料トライアルでは14日間有料プランを試すことができ、その後は無料プランを使い続けることも可能。有料プランでは、動画の埋め込み、配信時刻の最適化、ステップメール等メールの自動配信など、メールの効果を高める機能を多数搭載。
各種サービスとの連携をスムーズに行えるため、メールの配信先リストを効率的に調整できます。さらに、顧客管理システム(CRM)と連携させることで、より本格的なメールマーケティングに取り組めます。
情報セキュリティ認証及びクラウドセキュリティ認証を取得しており、世界中で高い信頼を集めています。
・HTMLメールエディタ
・配信時刻の最適化
・A/Bテスト
・モバイル端末対応
機能によってプランが選べ、登録メールアドレス数(500件~)によって、細かく料金が設定されているため、コストを抑えることが可能です。
無料プラン | スタンダード | プロフェッショナル | |
月間契約(税別) | 0円 | 480円~/月 | 720 円~/月 |
年間契約(税別) | 0円 | 360円~/月 | 540円~/月 |
その他、定期的なメール配信が決まっていない場合など、必要な時に必要なメール配信数に応じた料金で利用できる従量制プランもあります。
福祉
31〜50人
コストを抑えて大量のメール配信をしたい企業にはおすすめ
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初期費用も無料なので気軽に導入することができます。
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プレミアムプランとシングルプランがあり、シングルプランで定額課金の場合には以下のような料金体系となります。
初期費用 | 月額費用 | 配信数 |
無料 | 4,000円~ | 5,000〜 |
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初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数 |
10,000円(1年契約で半額) | 3,000円~ | 3,000件~ |
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初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数 |
無料 | 1,800円~ | 500件~ |
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初期費用 | 月額費用 | 配信数 |
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画像出典元:Pixabay