タイムカードとは、労働時間を記録するカードです。タイムカードによる勤怠管理を行っている会社が多いと思いますが、タイムカードに代るものとして、近年、クラウド型の勤怠管理システムの導入が進んでいます。
この記事では、タイムカードと勤怠管理システムの比較を行うとともに、適正な勤怠管理の方法についてご紹介します。
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タイムカードは、各従業員の勤怠状況を正確に把握し、適切な労務管理を行うために使われます。
1人につき1枚の用紙が準備され、従業員が始業・休憩入り・休憩戻り・終業の各時点でタイムレコーダーに打刻することで、働いた日付と時間を記録するもの。
給与計算は、法定三帳簿の一つである賃金台帳をもとに行われますが、その賃金台帳はタイムカードの情報をもとに作成されます。
そのためタイムカードには、賃金台帳における「労働日数」「労働時間数」「早出残業の時間数」「深夜労働の時間数」「休日労働時間数」の算出に必要なデータが漏れなく記載されている必要があります。
タイムカードは、法定三帳簿の「出勤簿」にあたる書類です。
通常提出が求められることはありませんが、正確に記録すること、そして、労働者の最後の出勤日から3年間保管することが義務と定められています。
(「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」、「労働基準法 施行規則 第54条」)。
また、タイムカードは事業主と労働者の双方によってその正確性が認められている必要があります。
タイムカードを不正に打刻したり、労働時間を未記録で偽装することは労働基準法違反にあたり、30万円以下の罰金が課せられることにもなりかねません(労働基準法第120条)。
厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」にて、労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間」と定義しています。
具体的には以下のような例が挙げられます。
・使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間
・業務に入るための準備を行う時間(制服に着替えるなど)
・業務に関連する後始末を行う時間(清掃など)
・指示に応じていつでも業務にあたれるよう監督下で待機している時間(手待時間)
・業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講時間(指示による学習も含む)
なお、上記以外でも労働時間に該当するケースはあります。ポイントとなるのは、その状況が使用者から義務づけられているものか、または余儀なくされているものかどうか、ということ。
労働契約、就業規則、労働協約等の内容がどうであれ、各状況がこの基準に当てはまれば、それは労働時間とみなされます。
2019年4月、「働き方改革関連法」の一環として改正労働基準法が施行されたことにより、以前に増して厳正な労務管理が求められるようになりました。
改正内容の中で勤怠管理に関連する項目は下記の3つです。
①「残業時間の上限規制」
②「年次有給休暇の取得義務」
③「割増賃金の引き上げ」
これにより、以下のような確認項目が増えました。
総じて、管理する情報の量と手間が増えたわけですが、これには、タイムカードの勤怠管理の有用性と正確性の低下が懸念されます。
アナログでの管理は手計算や手入力を伴いますが、手作業は情報量が増えるほどに効率が落ち、ミスが起きる確率は上がるという傾向があるからです。
これは従業員の数に関しても同様で、数が多いほどタイムカードの適正性は落ちることが予測されます。
また、タイムカードなどの用紙による勤怠管理では、従業員同士の結託による代理打刻や手書き改ざんなどを容易に行うことが可能です。
この容易性が不正の根絶を困難にしており、企業がある程度の損失をこうむっているというのが実状です。
タイムカードはあくまでも、勤怠を管理する方法の一つです。
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」では、勤怠を記録する方法について、以下のいずれかによって記録することを定めています。
・使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
・タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。
タイムカードはタイムレコーダーがある場所でしか打刻ができません。
打刻ができない状況での時間記録については、従業員による自己申告での補填が可能でしたが、働き方改革以降は自己申告制は原則的に禁止とされています。
この場合はデジタルツールが代替となりえるわけですが、タイムカードとデジタルツールの併用は非効率とも言え、デジタルで一元的に管理する方が現実的であると考えられるでしょう。
近年、勤怠管理をタイムカードから勤怠管理システムへ移行する企業が増えています。一番の要因は、その利便性です。
テクノロジーの進化に伴い、勤怠管理システムの機能は年々進化を遂げていますが、基本にあるのは打刻機能、集計機能、管理機能で、そのパフォーマンスの高さが評価されています。
勤怠管理システムは以下のような打刻方法で労働時間を記録し、自動で集計・保管を行ってくれます。
・交通系ICカードでの打刻
・QRコード打刻
・生体認証打刻(指紋認証、顔認証、静脈認証など)
・スマートフォンを使った打刻(アプリ、GPSなど)
・パソコンソフトでの打刻
他にも、ソフトとの連携による給与計算や休暇管理機能、時間外労働の上限を知らせてくれる機能など、システムによって多様な機能がそろっています。
タイムカードでの打刻は、場所や状況によって客観的な把握が難しい場合がありましたが、勤怠管理システムでは手持ちのモバイル機器で打刻ができるため、柔軟かつリアルタイムでの記録が可能となりました。
また、不正打刻の抑制にも一定の効果が期待されます。例えば、指紋認証などの生体認証システムは本人以外の打刻を確実に防ぎ、交通系ICカードやスマホといった本人の携行品による打刻も代理打刻を抑制する効果があると見込めます。
またGPS打刻においても、正確な位置情報が記録されるため、不正工作が行われにくいと言えるでしょう。
勤怠管理システムは、各従業員の勤怠記録を自動で集計しデータで保管してくれます。つまり、タイムカードでの管理時のような集計・入力・保管作業が削減されるため、時間や労働力、スペースの有効活用が実現します。
こちらは目安ですが、タイムカードでの勤怠管理には以下のようなコストがかかることが想定されます。
・タイムカードのコスト:100枚あたり約1,000~2,000円(1人あたり約200円/年)
・保管用什器のコスト:20人分の容量で約2,000円
・インクリボン:約3,000円(交換頻度はおおよそ半年~2年に一度)
対して、勤怠システムは1人あたり300円の月額費用で利用できるツールが多く、加えて無駄な人件費も削減できるため、従業員の人数などにもよりますが、総体的には勤怠システムの方が運用コストが低いと考えられます。
画像出典元:「ジョブカン勤怠管理」公式HP
「ジョブカン勤怠管理」は、裁量労働やフレックスといった勤務形態にも対応しており、有休管理、シフト管理、といった自社に必要な機能だけを組み合わせ、利用することのできる利便性の高いシステムです。
画像出典元:「マネーフォワード クラウド勤怠」公式HP
「マネーフォワード クラウド勤怠」は、デザインがシンプルで、使いやすさを重視したシステムとなっています。
残業時間が一定時間を超えたり、異常な打刻を検知したときは、アラートで知らせてくれる便利な機能も重宝します。
画像出典元:「jinjer勤怠」公式HP
「jinjer勤怠」は、13,000社以上に導入されている勤怠管理システムです。申請に対する承認業務や労働時間の集計、残業時間の管理などがリアルタイムで一括管理できます。
紙やエクセルでの集計作業に課題を感じている場合は、検討をおすすめします。
情報量の増加と変化が加速する現代において、タイムカードの有用性は今後薄れていくことが予測されます。
勤怠管理システムは無料で利用できるものもありますので、まずは試しに利用してみて、管理方法の比較・検討の参考にすると良いでしょう。
画像出典元:O-DAN
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