ミッション・ビジョン・バリューの決め方|有名企業の事例も紹介

ミッション・ビジョン・バリューの決め方|有名企業の事例も紹介

記事更新日: 2019/03/09

執筆: 浜田みか

事業を始める際に必要となるのがミッション・ビジョン・バリューといった経営方針です。これらが曖昧になっていると、事業をどのように展開すべきか、方向性が一貫しなくなります。

起業家にとって不可欠なミッション・ビジョン・バリューをどのようにして決めるのが良いかを、有名企業での事例の紹介も含めて解説します!

ミッション・ビジョン・バリューの違い

ここでは、ミッション・ビジョン・バリューとは何か、3つの違いについて解説していきます。

ミッション(Mission)とは

会社や組織が果たすべき使命、あるいは役割のことを指します。

「なぜ、その会社が存在するのか?」「どのような世界を目指しているのか?」の答えこそがミッションです。

よくある例えですが、昔話の桃太郎を例にして考えてみましょう。

桃太郎の物語は仲間を連れて、鬼ヶ島へ恐ろしい鬼を退治しに行く男の子の話です。ではなぜ、桃太郎は鬼退治に行くことにしたのでしょうか?

鬼を倒すことは、桃太郎自身が望んでいる世界を実現する手段の一つです。鬼を倒して、人々が鬼に怯えることなく平和に暮らせるための村にすること。これが桃太郎が求めている世界です。

これをもっと簡単に表現すれば、桃太郎が目指しているのは「平和な村の実現」であり、これが桃太郎のミッションです。

ミッションは、未来を基準にして考えるものであり、永久に目指すべき普遍的な価値観だといえます。

ビジョン(Vision)とは

会社や組織が、ミッションを叶えるために何をすべきか、その目標や戦略のことを指します。

どうすれば実現できるのか、段階的にどう追及していけばいいのかを考えれば、ビジョンが見えてきます。

桃太郎でいえば「鬼を退治する」ことが目標です。しかし、鬼を退治したところで、全ての問題が解決するとは限りません。なぜなら、新たな敵が出てくる可能性があるからです。

新たな敵が現れれば、桃太郎はミッションを叶えるために再び戦いに行くでしょう。新たな敵を倒すことは、桃太郎の次なるビジョンとなるのです。

ビジョンは、未来永劫に目指す目標を指すものではなく、中長期的な目標を指すものです。

企業としてのゴールとは何か?という問いに置き換えることもできます。

バリュー(Value)とは

ミッションとビジョンを実現するにあたり、組織の構成員一人一人が日々発揮するべき価値を指します。

たとえば、桃太郎のバリューを考えてみましょう。

ミッションは「平和な村の実現」、ビジョンは「鬼を退治する」でしたね。これを実現するには、桃太郎一人の力だけでは難しいため、桃太郎は道中で犬や猿、キジを仲間にしていきます。

この2匹と1羽が最高のパフォーマンスを発揮することがビジョンの達成に繋がると考えれば、桃太郎のバリューは「チームワーク」といえます。

バリューは、行動においての判断基準や指針となる価値観でもあるため、組織内の規則などのルールを決めるうえでも重要な柱となります。

ミッション・ビジョン・バリューはなぜ必要?

事業の羅針盤となるものが、ミッション・ビジョン・バリューです。

これらがなくとも事業に勢いがある時は、それなりに良い結果を出すことができるかもしれません。しかし、事業が大きな壁にぶつかった時、頼るべき指針がない企業はあっという間に空中分解してしまいます。

株式会社ミクシィ元取締役の小泉氏(現在はメルカリの経営陣)は、ミクシィ時代の振り返りとしてミッション・ビジョン・バリューの重要性を語っています。

「mixi」のような強力プロダクトがある会社のカルチャーはプロダクトに引っ張られてうまく作られて行きます。しかし、プロダクトの力が弱まってきた時、つまり最も経営の手腕が問われる時には進むべき方向性を見失ってしまいます。

本当に必要となる時は今ではないかもしれませんが、ミッション・ビジョン・バリューは必ず必要になります。

参考リンク:「ミクシィ時代の反省があった」メルカリ小泉氏が過去の悔いから辿り着いた組織作りメソッド

ミッション・ビジョン・バリューの決め方

ミッション・ビジョン・バリューの具体的な決め方をみていきましょう。

言葉の定義の共有

まずはミッション・ビジョン・バリューそれぞれの言葉の定義を共有しましょう。少しでも意識にズレがあると、意味のないディスカッションになってしまいます。

徹底的なアウトプット

次に、自分たちが考えるミッション・ビジョン・バリューについて思いつくことをどんどんアウトプットしていきます。

この時、誰かが発した意見であっても否定・批判をしないことが大切です。建設的なディスカッションに批評は必要ありません。アウトプットされたアイデアから、さらにディスカッションを重ねて重要な価値観を見つけましょう。

大人数では話がまとまらない場合は班を作るのがおすすめです。

ワーディング

ミッション・ビジョン・バリューに込めたい価値観が決まったら、わかりやすい言葉で表現しましょう。ピッチやHPで公表することもあるので、語呂やカッコよさも大切になります。

具体的な手法

弊社プロトスターでバリューを決める際に行なった方法を紹介します。

1. ポストイットにアイデアを書き出す

2. アイデアをグルーピングして重要な価値観を見出す

3. 価値観を共有し議論する

4. ワーディングする


アイデア出しは全員が参加し、様々な立場・観点から意見を出し合いました。最終的に共有してみると似たような価値観へ集約されていきます。その際「絶対に譲れない価値観」があれば主張しましょう。

とにかく、意見を擦り合わせてディスカッションを活性化することが大切です。

決めるタイミングは?

ミッション・ビジョンを決めるタイミング

ベストなタイミングは起業時です。起業後に決めることも可能ですが、最初から目指すべき方向性が明確になっていれば、問題が起きても改善しやすいという利点があります。

スタートアップでは事業戦略をピボットすることが多いです。ピボットする際に譲れない方向性を持っていることは重要です。すでに起業をしていて、まだ決めていないというのであれば、できるだけ早い段階で決めることをおすすめします。

バリューを決めるタイミング

ミッション・ビジョンは、経営方針に直結する事柄になりますが、バリューは社員全員の行動指針となるものです。そのため、社員がある程度揃ってからがおすすめです。


全員の意見を取り入れるべき

個人事業主ならば自分自身で決めればよいのですが、あなた以外にも経営に関わる人物がいる場合は、あなた個人だけで決めてしまうのは得策ではありません。なぜなら、後々意見が分かれ、企業運営に支障をきたす恐れがあるからです。

ミッション・ビジョン・バリューは、決定後速やかに社内全員に浸透させるべきものです。全員で決めれば浸透させる際もスムーズになります。

また、起業に慣れていないのであれば、先輩起業家やコンサルティングに意見を求めるのもいいでしょう。様々な知識や観点から、あなたの会社に合ったアドバイスが受けられます。

有名企業における事例

ここでは、有名企業におけるミッション・ビジョン・バリューの事例を挙げています。各項目を考えるにあたっての参考にしてみてください。

キリン株式会社

キリンのミッション・ビジョン・バリューは「お客様」という言葉が多用されているのが特徴的です。

ミッション

新しい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていく。

ビジョン

日本をいちばん元気にする、飲料のリーディングカンパニーになる。

バリュー

  • お客様にとってのあたらしい価値
  • お客様の安全・安心、おいしさへのこだわり
  • お客様・パートナー・地域とのWin-Win
  • 熱意と誠意

引用元:キリン株式会社

 

DeNA

DeNAのビジョンには、AIの活用が明記されているのが面白いです。また「永久ベンチャー」という表現から、DeNAの姿勢が分かりやすく感じ取れます。

ミッション

世界に喜びと驚きを

ビジョン

インターネットやAIを活用し、永久ベンチャーとして、世の中にデライトを届ける

バリュー

  • 「こと」に向かう
  • 全力コミット
  • 2ランクアップ
  • 透明性
  • 発言責任

引用元:DeNA

 

日立グループ

日立グループは全体的に風格を感じるミッション・ビジョン・バリューです。

ミッション

優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する

ビジョン

日立は、社会が直面する課題にイノベーションで応えます。優れたチームワークとグローバル市場での豊富な経験によって、活気あふれる世界をめざします

バリュー

和・誠・開拓者精神

引用元:日立グループ

 

まとめ

起業家が自社のミッション・ビジョン・バリューを決めるとき、大切なのは独りよがりにならないことです。

なぜならミッション・ビジョン・バリューは会社のメンバーに浸透させてこそ、意味をもつものだからです。そのためには、メンバーもミッション・ビジョン・バリューに参加して、全員が納得感を持てるようにするのが理想です。

ミッション・ビジョン・バリューを浸透させる方法としては、オフィスのデザインを会社の考え方を反映したものにするのが一つの手段です。最近のベンチャーで個性的なデザインのオフィスが多いのも、オフィスを通して会社の価値観を伝えていく狙いがあります。

以下の記事では、これまで起業ログで実際に取材した個性的なオフィスを一覧で紹介しています。組織マネジメントのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

画像出典:ペイレスイメージズ, Unsplash

最新の記事

ページトップへ