TOP > SaaS > 営業 > 商談獲得 > プル型営業とは?プッシュ型との違い・事例・メリットデメリットも紹介
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営業には、プル型とプッシュ型という2つの手法があります。
本記事では、プル型営業とプッシュ型営業の違いとは何か、メリット・デメリットについて解説します。
プル型営業の主な手法や成功事例、導入時のポイントについても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
このページの目次
自社の利益を獲得し続けるためには、営業活動が不可欠ですが、営業には2つの手法が存在します。
ここでは、プル型営業とプッシュ型営業とは何かについて順番に解説します。
プル型営業は、顧客が自ら商品やサービスに興味を持って接触してくれるように仕向ける手法を指します。
例えば、広告・プロモーションイベント、SNS・口コミによる興味喚起、無料サンプルの配布による顧客引き寄せなどがあります。
顧客からの自発的な行動である「問い合わせ」や「資料ダウンロード」を活用して営業を行うインバウンド営業は、プル型営業の一種です。
プッシュ型営業とは、企業側から顧客側へ積極的に働きかけ、商品やサービスを提案する手法を指します。
例えば、顧客になりそうな相手に対して電話をかけるテレマーケティング、訪問する飛び込み営業、問い合わせフォーム・メール・SNSのダイレクトメッセージからコンタクトを試みる方法などがあります。
プッシュ型営業は、能動的に顧客へのアプローチができるため、自社のタイミングで上限なく営業活動を実行できるという点が特徴です。
プル型営業を行うことで得られるメリットを5つご紹介します。
プル型営業は、商談や受注につながる確率が高いというメリットがあります。
自発的なアクションがあった顧客に対して営業をかけるため、商品やサービスに対して予め興味を持っている可能性が高いからです。
一度の接触で購入まで繋げられなかった場合でも、定期的にコンタクトを取り続けることで確率を高められるでしょう。
プル型営業であれば、営業の工数を削減する効果があります。
商品・サービスについて興味を持った顧客が自発的にアクションを起こすため、見込みの低い顧客へのアプローチが省略できます。
準備して実行するまでは大変ですが、施策を一度行えば複数の顧客へ同時にアプローチすることが可能です。
プル型営業では、顧客との信頼関係を構築しやすくなります。
顧客が自ら情報収集をし、予め興味を持った状態で接触してくるため、自然な状況でコミュニケーションを重ねることができます。
顧客にとって役に立つ情報を常に提供し続け、信頼関係が構築できれば、新たな商品やサービスの提案も受け入れてくれやすくなるでしょう。
プル型営業は、顧客が興味を持つ情報や行動履歴を予め確認できるため、何を求めているのかを具体的に分析し、顧客ニーズを正確に把握できます。
データを活用してニーズを可視化することで、より精度の高い提案が可能になります。
プル型営業は、仕組みの構築までに時間がかかる一方で、長期的な費用対効果がとても高い手法です。
一度構築した仕組みは、複数の顧客へ同時にアプローチすることができ、さらに持続的に顧客を引き寄せてくれるので継続的な成果が得られます。
プル型営業のデメリットについても把握しておく必要があります。
特に注意していただきたい点3つをご紹介します。
プル型営業は、顧客のアクションがあってから初めて営業活動に繋げられるため、成果が出るまでに時間がかかります。
顧客が自発的にアクションを起こすまで待つ必要があり、短期間での成果を求める営業には適していません。
プル型営業では、営業のタイミングをコントロールしにくいというデメリットがあります。
プロモーションやSNSでの情報発信など、施策については自社のタイミングで行えますが、そのあと顧客がいつ接触してくるのかについては完全に受け身となります。
顧客が自発的にアクションを起こしてくれるまで、企業側で商品やサービスを提案することはできないため、タイムラインを予測できません。
プル型営業は、顧客が自発的にアクションを起こしてくれるような施策を考案・実行し、その結果を分析する必要があるため、多くの知識が求められます。
商品・サービスの認知から購買に至るプロセスの中で、どこに課題があるのかを見極めるためにPDCAを回し続けることが欠かせません。
課題を見つけるためには、顧客行動のデータを収集し、デジタルマーケティングや分析ツールを適切に活用するスキルが必要であり、課題発見と施策の成功に直結するといえるでしょう。
プッシュ型営業は、企業側から積極的に顧客へアプローチを仕掛けるため、即効性のある営業活動が可能です。
また、商品やサービスをまだ知らない顧客にも直接営業をするので、認知度の向上や新規顧客の開拓に繋げることができます。
一方で、見込みの低い顧客にもアプローチを行うことから、営業を押し付けられていると感じられ、拒否されるケースも少なくありません。
テレマーケティングや訪問営業の場合は、決定権のあるキーパーソンと接触するまで辿り着けないケースも多く、多くの時間や人的リソースを消費する点もデメリットといえます。
効率的な営業活動を進めるためには、商品・サービス・ターゲットなどに合わせて、プル型営業とプッシュ型営業を併用していくことが大切です。
プル型営業を導入したいと考えた場合、どのような選択肢があるのでしょうか。
ここでは、プル型営業の主な手法について5つ解説します。
メルマガは、プル型営業で顧客との接点を継続的に持つために有効な手法です。
興味を持った顧客に対して定期的に有益な情報を届けることで、顧客の興味関心を引き続け、信頼関係の構築にも繋がります。
例えば、資料請求時にメールアドレスを登録してもらう仕組みを作り、業界のトレンドやお役立ち情報をメルマガで配信することで、顧客の課題解決を支援しながらサービスへの興味を維持できます。
資料請求などのアクションがあっても、すぐに購入まで至らないケースが多いため、メルマガは、既存顧客や見込み顧客に対する継続的なフォローアップの手段として効果的です。
SNSは、商品やサービスの認知拡大や顧客とのエンゲージメント向上に繋がります。
SNSの拡散力を活用すれば、多くの人に商品やサービスを知ってもらうきっかけを作れるだけでなく、コメントやメッセージを通じたコミュニケーションにより、顧客との関係を構築することも可能です。
例えば、X(旧Twitter)で新商品の情報を投稿した際に、多くのリポストが発生すれば、既存顧客以外の人々にも情報が広がり、認知度の向上が期待できます。
それぞれのSNSが持つ特性やユーザー層を活用すれば、幅広い見込み顧客へ効果的にアプローチができるでしょう。
検索流入を増やすSEOは、新規顧客を効率的に引き寄せる方法です。
検索エンジンで顧客が興味を持つキーワードを狙ったコンテンツを作成し、検索の1ページ目に表示させることで、自然とウェブサイトへのアクセスを増やせます。
例えば、「〇〇の選び方」といった検索ニーズに応える記事を作成し、検索結果の上位に表示させることができれば、資料請求や問い合わせフォームを設置するだけでリード獲得に繋がります。
SEOを活用すれば、顧客に役立つ情報を提供しながら、効率的に新たな見込み顧客を引き寄せることができます。
インバウンドマーケティングは、顧客が求める情報や価値を提供し、自発的な接触を促すことで、見込み客を効果的に獲得・育成する方法です。
例えば、メールアドレスの登録を条件に、ホワイトペーパーやeBookの配布をしたり、ウェビナーやオンラインセミナーの視聴権を提供したりすることで、顧客の興味を惹きつけながらリードを収集します。
インバウンドマーケティングは、価値提供を通じて顧客の購入意欲を測定できるため、効率の良い営業活動にも繋がるのです。
プル型営業では、セミナーを通じて専門知識や実践的な情報を提供し、顧客との信頼関係を構築する方法が効果的です。
例えば、業界の最新トレンドや成功事例を紹介するセミナーを開催することで、参加者が後日サービスに関心を持ち、問い合わせをするケースもあります。
セミナー参加の条件をメールアドレスや個人情報の登録と連動させれば、リードを効率的に収集でき、セミナー後も継続的に関係を構築できます。
実際にプル型営業を活用し、成功している企業を2社ご紹介します。
キリンビール・氷結・生茶・午後の紅茶といった飲料製品を中心に展開するキリンホールディングス株式会社では、「キリンレシピノート」というサイトを運営しています。
”カンタン・おいしい・楽しい!”というテーマのもと、おつまみからデザートまで幅広い料理レシピの情報を提供しています。
各レシピのページには、その料理にあった飲み物の種類が表示されており、クリックすることでキリンで販売されている具体的な商品情報を確認することができます。
スーパーなどで料理の材料を購入する際に、マッチするキリンの飲み物を連想させ、購入に繋げるインバウンドマーケティングの仕組み作りに成功しているのです。
参考:キリンレシピノート
中小企業のインターネットビジネス支援を展開するソウルドアウト株式会社では、「LISKUL(リスクル)」というサイトを運営しています。
検索流入(SEO)を狙ったコンテンツを作成した上で、メールアドレス・個人情報の登録を条件に無料eBookを提供し、リード収集に繋げているのです。
公開から約2年で月間70万PV・無料eBookのダウンロード月間約800件を獲得し、顧客の興味喚起を促したことで問い合わせが月間200件発生しています。
参考:バズ部 事例 / 1年でプッシュ型営業からプル型へ!毎月約200件の問い合わせを獲得するデジタルマーケティングブログ
顧客から自発的なアクションが起こるまで待つ必要があるプル型営業ですが、効率的に行うためには3つのポイントがあります。
プル型営業を効率的に実施するためには、潜在的な顧客がアクションを起こしやすいような仕組みの設計が不可欠です。
例えば、eBookやセミナーといった魅力的なコンテンツを用意し、メディアを活用して集客・配布することで顧客自らメールアドレスを登録したり、問い合わせてくる可能性があります。
顧客の興味を惹き付け、価値提供を通じて自発的にアクションを起こさせる仕組み作りは、プル型営業を成功させる上で重要なポイントです。
適切なターゲットを選定することで、高い確率で自発的にアクションを起こしてくれる顧客にアプローチができます。
例えば、特定の業界や企業規模に絞ったターゲティングを行い、そのターゲットが抱える課題に対して解決策を提供するコンテンツを発信するといった方法があります。
ターゲットを見極め、戦略を打つことで、インバウンドマーケティングの効果を最大化できるようになるでしょう。
プル型営業とプッシュ型営業を並行することで、相乗効果を生むことができます。
例えば、プル型営業を活用し、SNSやサイトを通じて情報発信・セミナー・eBookを提供し、認知拡大や顧客からのアクションを待ちます。
一方で、テレマーケティングや飛び込み営業といったプッシュ型営業で潜在ニーズのある新規顧客を開拓すれば、プル型営業のデメリットをカバーしながら効率的な営業活動を実現できます。
また、プル型営業では、施策の分析や検証など細かい作業が発生するため、営業支援ツールを活用するのも大切です。
プル型営業とプッシュ型営業の違いは何か、メリット・デメリットについて解説してきました。
プル型営業は、メルマガ・SNS・検索流入(SEO)・インバウンドマーケティング・セミナーなどを活用し、顧客からアクションを起こしてくれるような仕組み作りが重要です。
効果的な仕組みを作る上では、顧客行動データ収集や分析といった作業も必要であるため、営業支援ツールを活用してみてください。
画像出典元:O-DAN
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