会社設立時の株主構成を間違えると会社が崩壊する。出資の注意点とは?

会社設立時の株主構成を間違えると会社が崩壊する。出資の注意点とは?

記事更新日: 2019/01/21

執筆: 宮嵜涼志

会社を設立する際には誰がどれだけ会社に出資するか、つまり株主構成を決める必要があります。

一人で会社を設立する場合は自分で全額出資を行えばよいのですが、複数人で共同創業する場合は特に要注意です。

株主構成は会社の意思決定において大きな影響を与えます。株主構成を間違えたことで会社が崩壊してしまうのは、決してめずらしいことではありません。

今回は、会社設立時の株主構成で失敗しないための出資の注意点を解説します。

株主構成の意味と重要性

株主構成とは?

株主構成とは、株主会社において、その会社の株式を誰がどのくらい持っているかということです。

会社設立時の株主構成は、出資額に応じて決まります。

例えば、資本金100万円で設立するときにAさんが40万円、Bさんが60万円を出資したとしましょう。

このときの株主構成は、Aさん40%、Bさん60%となります。

例:資本金100万円の場合

  • Aさんが40万円出資
  • Bさんが60万円出資

株主構成…Aさん40%、Bさん60%


また株主構成に関連する言葉として「持ち株比率」があります。これは「その株主が全体の何割の株式を持っているか」です。

先ほどの例だと、Aさんの持ち株比率は40%、Bさんの持ち株比率は60%ということになります。

株主構成の重要性

株式会社においては、会社の最終意思決定は株主総会で行います。そして株主総会における議決権は持ち株比率に応じて与えられます。

要は、多くの持ち株比率の高い株主ほど、自分の意見を通すことができるのです。

株主構成を間違えると、会社の意思決定がスムーズに行われないということが起きます。正常に経営が行われない会社はつぶれるのを待つのみです。

会社設立時の株主構成は、今後の経営に関わる非常に重要な決定事項なのです。

なお、株主総会とは何か、株主総会で何を決めるかについては以下の記事で解説しています。経営の基本なので、しっかりと内容をおさえておきましょう。

 

押さえておくべき持ち株比率の境目

自由に会社経営を行いたいのであれば、持ち株比率は高ければ高いほうがよいのですが、そこを超えるかどうかで大きく変わってくる持ち株比率の境目というのがあります。

例えば、持ち株比率が50%を切るとまずいのはなんとなく想像がつくことでしょう。

ここでは、押さえておくべき持ち株比率の境目をみていきましょう。

持ち株比率100%

すべてを自由に決めることができます。

基本的に一人で起業した場合は、最初は持ち株比率100%の状態です。

持ち株比率66.7%(3分の2)以上

株主総会の特別決議を単独で行うことができます。

特別決議では定款の変更などの重要事項を決議するので、自分ひとりで経営を行っていく場合には、3分の2を切ることは避けるべきです。

【関連記事】株主総会の決議の種類と決議事項

持ち株比率50%超

株主総会の普通決議に必要なのが過半数です。

注意すべき点はあくまで過半数であり、半数を超える必要があるということです。発行済株式が100株なら51株が必要です。

過半数を持っておくということは非常に重要です。第三者に過半数を取られるということは、簡単に言うといつでも「社長を解任」させられる状態にあるということを覚えておきましょう。

持ち株比率33%(3分の1)超

3分の1を超える株式を持っていれば、特別決議を単独で阻止することができます

3分の1を超える株式を与えるということは、それだけの力を与えることだと経営者は強く認識しておく必要があります。

持ち株比率3%以上

株主総会の招集請求権や会計帳簿の閲覧及び謄写請求権があります。

会計帳簿の閲覧及び謄写請求権というのは、会社の会計帳簿を見たり、コピーを要求することができるということです。

会社の重要な経営資料を開示することになるので、少しだと思っても安易に株式を渡すべきではないということが分かります。

持ち株比率1%以上

株主総会における議案提出権があります。

 

株主総会の決議の種類と決議事項については以下の記事を参考にしてください。

 

複数人で会社設立する際の注意点

複数人で会社を設立する場合には、特に株主構成に注意する必要があります。

2人の場合

2人で出資をする場合に安易に50%ずつ出資する方がいますが、それはやめましょう。二人の意見が割れたときに、どちらも過半数を握っていないために会社の経営が止まってしまうことになります。

どちらが最終的な決定権を持つのかを決めて、どちらかが必ず過半数の株を握っておくようにしましょう。

ここできちんと話し合いができないようでは、今後の経営もうまくいくはずがありません。なあなあにしたまま進まないようにしましょう。

3人の場合

3人の場合は奇数のため、たとえ意見が割れることがあっても、会社の経営が止まってしまうことはあまりありません。

ただ、やはり3人が 1/3 ずつ株を持つと経営が停滞する恐れがあるので、誰か一人は過半数をもつようにすべきです。

また経営面以外でも、持ち株比率が将来的なエグジットの際の利益に直結することは頭に入れておかなければなりません。

例えば、3人で起業し、4:3:3の割合で出資をしたとします。順調に会社が大きくなり、ついにM&Aでエグジット。1億円で会社を売却するとなった場合の売却金は、持ち株比率と同じく4,000万、3,000万、3,000万となります。

売却金の分配は、あくまで持ち株比率で決まります。たとえ、筆頭株主である4の割合の社長がほとんどの事業を頑張ってきたとしても、関係ないのです。


まとめ

会社設立時の株主構成で失敗しないための出資の注意点を解説してきました。

経営者は目の前のビジネスに集中しがちになってしまいますが、株主構成は重要な局面で大きな影響力を持ちます

会社設立時にしっかりと共同創業者としっかり話し合うなどして、慎重に決めましょう。

株主構成で失敗して後悔するのは、あまりにもったいないです。


なお会社設立時の資本金の決め方については、以下の記事を参考にしてください。

画像出典元:Pexels

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