今回は、2社間ファクタリングのメリット・デメリットとファクタリング会社の選び方を解説します。
2社間ファクタリングは、債権(売掛金)を譲渡し、その対価として金銭を得る「民法第555条の民法売買契約」です。
近年ファクタリングは、「資金調達方法」として注目されています。
しかし、悪質なファクタリング会社があるのも事実です。
この記事で、2社間ファクタリングを利用した「資金調達から返済までの流れ」と、ファクタリング会社を判断する方法を教えます。
このページの目次
2社間ファクタリングは、債権(売掛金)を譲渡し、その対価として金銭を得る「民法第555条の民法売買契約」に該当します。
自社とファクタリング会社の2社間でファクタリング契約する取引を「2社間ファクタリング」と呼びます。
1社:自社=ファクタリングを利用して資金調達をしたい利用者
2社:ファクタリング会社
2社間のみで売掛権利の譲渡が行われるため、取引先の了承が不要です。
取引先にファクタリングの利用も通知されません。
ファクタリング (英: factoring) とは、他人が有する売掛債権を買い取って、その債権の回収を行う金融サービスを指す。
売掛債権を持っている企業が、即現金化したい場合に利用できる金融サービスがファクタリングです。
入金待ちの請求書(売掛債権)を買い取ってもらうことで、企業は請求書の決済日よりも前に現金を受け取ることができるのです。
現金がすぐに必要な場合、ファクタリングの利用で資金調達が可能になります。
近年「新しい資金調達方法」として注目されています。
ファクタリング | 銀行融資 | カードローン | |
費用 | 買取手数料 | 金利+事務手数料 | 金利 |
スピード現金化 | 即日~ | 2週間~ | 2日~ |
審査の有無 | 〇 | 〇 | 〇 |
オンライン手続完了 | 〇 | ✖ | 〇 |
担保・保証人が必要 | ✖ | 〇 | ✖ |
信用情報の記録 | 残らない | 残る | 残る |
2社間ファクタリング最大のメリットは、取引先にファクタリングをしていることを知られることなく手続きを完了させられることです。
取引先に「不安」「ネガティブ」なイメージ持たれる事を回避できるため、秘密重視の資金調達に向いています。
2社間ファクタリングは、取引先の承認不要のため、最短で即日現金を手にすることができます。
すぐに現金化できるのは、2社間だけで契約が行われるため権利譲渡までの工程が少ないからです。
早く資金調達をしたいときには2社間ファクタリングが向いています。
2社間ファクタリングでは、償還請求権は発生しません。
万が一取引先が倒産し、売掛金が回収できなかった場合でもファクタリング会社から受け取った現金を自社は返還する義務はありません。
2社間ファクタリングは、3社間ファクタリングより手数料が高く設定されています。
手数料は「売掛金額×%」で計算されます。
2社間ファクタリングでは、手数料を差し引いた金額がファクタリング会社から支払われます。
本来の取引で手にするはずだった売掛金額を下回る資金になる事を理解しておきましょう。
手数料が高い理由は、ファクタリング会社にとって2社間は3社間よりも未回収リスクが高いためです。
ファクタリング会社は、自社(サービス利用者)の確認・信用で取引するため高額の手数料でリスク回避しています。
2社間ファクタリングは償還請求権もなく、資金回収不可能のリスクもあるため、手数料が割高に設定されています。
手数料が高い理由と同じリスクの観点から、2社間ファクタリングは審査基準も厳しくなります。
ファクタリングの審査は、取引先の信用力の審査と言われます。
しかし、利用者の資金の動きも含めて審査されますので、まずは書類をしっかり揃えましょう。
取引先から売掛金を回収した場合、すぐにファクタリング会社に直接支払う必要があります。
ファクタリング会社への支払期日と振込手数料は確認しましょう。
売掛金を使ってしまったり、期日までにファクタリング会社へ支払わない場合は、業務上横領となり、控訴など法的手続きを取るケースもあります。
2社間の場合は、売掛金の権利は譲渡しても「取引先からの売掛金回収」と「ファクタリング会社への支払」責任は利用者です。
ファクタリングの基本は「3社間(自社、取引先、ファクタリング会社)」でした。
平成10年に運用がスタートした「債権譲渡登記制度」によって、売掛先の合意がなくても債権譲渡が可能になりました。
色々な観点から、大手の銀行では2社間ファクタリングは扱っていません。
しかし、近年は変化しています。
例として「MF KESSAIと福岡銀行が2者間ファクタリングの共同事業化に向けた実証実験を開始」があります。
2社間ファクタリング自体は、有用な「資金調達方法」です。
利用する時はファクタリング会社をしっかり見極めましょう。
資金調達までの流れ |
自社と取引先との請求書(売掛)が発生 ↓ 自社がファクタリング会社へ申込 ↓ 請求書の権利を譲渡、決定 ↓ ファクタリング会社が請求書を買取 ↓ ファクタリング会社から自社へ資金が振り込まれる |
返済までの流れ |
取引先から自社へ売掛金が支払われる ↓ ファクタリング会社へ売掛金を振り込む ↓ 2社間ファクタリング、終了 |
2社間ファクタリングの注意点は「返済」です。
取引先から売掛金が支払われても「売掛金の権利をファクタリング会社に譲渡している」ので、自社の売上ではありません。
また、取引先が支払を渋った場合の回収責任は「利用者=自社」です。
2社間ファクタリングは「返済」までの流れと責任も理解しましょう。
ファクタリングは「売掛債権の買取サービス」です。
貸付ではないので、償還請求権は発生しません。
万が一取引先が倒産し、売掛金を回収できなかったとしても、ファクタリング会社には企業に支払った現金を回収する権利がないのです。
2社間ファクタリングであるにもかかわらず償還請求権があると説明してくるファクタリング会社は利用しないようにしましょう。
2社間ファクタリング | 平均10%~30% |
3社間ファクタリング | 平均1%~10% |
2社間ファクタリングは手数料は、平均10%〜20%です。
平均以上の手数料を提示された場合は、悪質なファクタリング会社の可能性があります。
手数料は「譲渡する金額」「取引先の信用度」「利用回数」など色々な要素で決まります。
必ず公式サイトで確認する、もしくは見積りを依頼しましょう。
2社間でも3社間でも「契約書の締結」がないファクタリング会社は論外です。
また、印鑑や通帳を預かるとファクタリング会社も論外です。
絶対に取引しないようにしましょう。
「ベストファクター」は、担保や保証人不要で利用可能なファクタリングサービスです。売掛金の確認が取れれば誰でも利用できます。
また償還請求権なしのサービスなので、万が一売掛金が回収困難になっても、返済の保証を求められることがない点もポイントです!
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買取可能額は最低50万円からなので、個人事業主や小規模事業者も利用できます。ファクタリング会社の多くは、小口の利用を嫌がる傾向があるため、小口利用を考えている方に特におすすめのサービスです。
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「No.1ファクタリング」はオンラインで契約でき、来店なしで全国から利用可能な点は、昨今のコロナ禍対応としても魅力的です。
満足度92%の信頼性もあり、初めてのファクタリングサービス利用にも安心です。
手数料の安さや即日融資などと言った表面的な条件の良さだけではなく、ファクタリングサービスを利用する企業の立場に立って、最終的に経営課題を解決するための総合的なサポートを手数料内で行ってくれる点が魅力的です。
2社間ファクタリングは、融資を受けにくいスタートアップ企業や即資金が欲しい場合には有用な資金調達方法です。
特に2社間は取引先に通知されない為、人気ですが手数料が高い事がデメリットです。
2社間ファクタリングを利用する時は「デメリット」を理解し、返済までの資金スケジュールを立てて利用しましょう。
画像出典元:Pixabay