会社運営において重要なのは、イニシャルコストよりランニングコストです。
ランニングコストは、細かく分割すると「会社運営上、最低限必要な売上」を算出する事が出来ます。
今回はランニングコストとイニシャルコストの違いと、ランニングコストを理解する重要性を解説します。
このページの目次
ランニングコストとは、「運用費」「維持費」を指します。
ビジネスでは、事業の継続に必要な費用全般を指します。
ランニングコストは継続的な費用ですので、常に支払えるよう準備が必要です。
イニシャルコストは「初期費用」を意味します。
ランニングコストとイニシャルコストの違いは「1回だけの費用か継続的な費用か」です。
イニシャルコストは1回だけの費用ですので、事前に用意しておけば支払えるものです。
イニシャルコスト(初期費用)例 | ランニングコスト(運用費)例 |
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一人で起業・経営する以外は、主に下記のようなランニングコストが必要です。
事務所の家賃、電気代や水道代などの費用がランニングコストです。
家賃は毎月固定ですが、光熱費に関しては月によって変動があります。
事業を継続している限り、これらのランニングコストは必ず発生します。
毎月最低限どの程度の支払いがあるのか、家賃を中心に確認をして資金を用意しておきましょう。
人を雇って仕事をしてもらう場合の人件費です。
アルバイトなど事業所に来て働いてもらう人はもちろん、フリーランスへの業務委託なども人件費の一種です。
人件費には、毎月給料に加え、会社が負担する雇用保険・社会保険・年金などの負担があります。
人件費は、人が増えれば増えるほど高額になるランニングコストです。
金額の変動も激しいため、余裕をもって考えるべきランニングコストです。
法人税を中心とした各種税金や火災保険など各種保険もランニングコストです。
支払いは年に1回ですが、毎年継続して発生するためランニングコストに分類されます。
特に法人の場合、赤字であろうとも「法人住民税の均等割」が必ず発生します。
最低7万円納める必要がありますので、最低限このランニングコストを意識しなければならないのです。
他にも事務所を借りていれば火災保険に入る必要がありますし、営業車を持っていれば自動車保険に入る必要があります。
会社をスタートさせるには、ある程度まとまった金額が必要です。
自分で用意出来ない場合は、資金調達などを検討します。
起業のイニシャルコストを算出する時は、下記の費用を考えましょう。
資本金はイニシャルコストです。
の資本金は最低1円ですが、社会的な信用の面からある程度まとまった金額から始めるのが一般的です。
多くの場合は100万円~300万円あれば良いと言われています。
フリーランスから株式会社に変更する場合は、事業規模が小さいと考えられるため100万円以下でも良いでしょう。
法人として起業する場合は、定款承認のための定款認証代5万円や法人の登録免許税15万円がかかります。
また、必要に応じて追加で収入印紙代がかかる場合があります。
大きな会社を設立しない限りは、起業にかかる最低イニシャルコストは20万円程準備が必要です。
ただ、これは起業書類を法務局に受理してもらうための費用です。
場合によっては書類の作成を専門業者に依頼しなければなりません。
起業の依頼代も、イニシャルコストとして見込んでおく必要があります。
賃貸で事務所を借りる場合は、契約のための費用がかかります。
前家賃や敷金・礼金、仲介手数料など多くのお金が必要とされます。
一般的に事務所を借りるイニシャル費用は、家賃の4~5倍です。
地域によって敷金や礼金が変わりますが、家賃10万円であれば50万円をイニシャルコストとして見込んでおきましょう。
なお、仲介手数料は最大で家賃の1か月分と法律で決められています。
そのため、イニシャルコストの算出では敷金と礼金の相場を考慮するのがおすすめです。
必要な備品の量は起業する規模に左右され、また業種によっても大きく左右されます。
例えば2人だけのプログラミング会社の場合、机と椅子・パソコンがあれば最低限仕事ができます。
そのため、最低限であればイニシャルコストは少額で抑えられるでしょう。
必要であれば、プリンターや電話を用意したりしなければなりません。
机や椅子も自分たちが使うものだけではなく、来客者様に用意する必要があることも。
備品購入のイニシャルコストは、概算で50万円~100万円が最低でも必要と言えます。
機材購入とネット・システムの利用料は、会社運営には必ず必要なコストです。
機材購入とネット・システムの利用料については、ランニングコストとイニシャルコスト、両面から算出しなければなりません。
イニシャルコスト(初期費用) | ランニングコスト(運用費) |
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機材本体が安く購入できイニシャルコストが抑えられても、インクの消費量が多く替えのインク代がかかる、故障が多く修理費がかかる、などはランニングコストが増える事になります。
機材購入・ネット・システムの利用料を考える時は「TCO」を意識しましょう。
ランニングコストは、会社運営の利益において重要なコストです。
ランニングコストを細かく考える時は、2種類に分かれます。
変動費:売上の変動により支払額が変わる費用のこと例:原材料費、人件費、水道光熱費、販売促進費、各種税金・保険など |
固定費:売上の変動に関係なく支払が発生する費用のこと例:家賃、システム利用料など |
ランニングコストを理解していないと「最低限必要な売上」「利益」「損失分岐点」を算出する事が出来ません。
ランニングコストから算出した損失分岐点は「会社継続の見極め」としても重要です。
会社を過不足ないランニングコストで経営していくには、細かく出費を把握する重要性を理解しましょう。
ランニングコストは起業してから継続的に発生する費用です。
どんな事業でもランニングコストがゼロになることはありえません。
支払い対象によって「毎月」「毎年」など支払いタイミングが異なります。
このタイミングを意識して、支払えるようにお金の準備が重要です。
また、ランニングコストに対して初期費用を意味するイニシャルコストもあります。
どちらも起業時に必要な費用ですので、事前に余裕を持った準備をしておきましょう。
画像出典元:O-DAN
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