人事評価の不満は退職リスク大!要因と対処法を解説

人事評価の不満は退職リスク大!要因と対処法を解説

記事更新日: 2024/02/07

執筆: 挾間章子

人事評価制度を導入している企業は多いですが、昨今の働き方改革、リモートワークの導入に伴い、改めて人事評価制度を見直そうという企業も多いのではないでしょうか。

人事評価制度は、職務・部署などによって目標の定量化が難しく、難易度も異なるため、社員の不満が溜まる傾向が高いと言われています。

この記事では、人事評価制度の不満によって優秀な社員が退職する前に、その要因を知り正しく対処する方法を、統計データや事例、おすすめの人事評価システムと共に徹底解説していきます!

そもそも人事評価制度とは?

人事評価制度とは、社員の業務実績、期待されている能力などを、社内で定めた指標に基づいて評価するルールのことをいいます。

人事評価の指標は、成果・プロセスに基づく「業績評価」、社員のスキル・能力に基づく「能力評価」、仕事に対する姿勢に基づく「情意評価」を元に決定されます。

人事評価の手法には、

  • MBO(目標管理制度)
    社員・部署で目標を立てその達成度合いによって評価する制度
  • OKR(目標と成果指標)
    企業全体で四半期に1つチャレンジングな目標とそれに基づく個人の成果指標を設定し、成果を評価する制度
  • 360度評価
    上司・社員など様々な立場の人が多面的に評価を行う制度
  • コンピテンシー評価
    職務・役割などによる各自の行動特性(コンピテンシー)を基に社員を評価する制度

などがあります。

人事評価の不満要因とは?

2021年にパーソル総合研究所が行った「人事評価制度と目標管理の実態調査」によると、全体の38.3%と約4割の従業員が人事評価制度へ不満を感じていることが判りました。


画像出典元:パーソル総合研究所公式HP「人事評価制度と目標管理の実態調査

また、不満は、評価結果よりも、評価のプロセスに対するものの方が多い結果になりました。

要因1.人事評価基準

人事評価制度に対する不満要因の1つ目は、その評価基準です。

営業職などとは違う数値化しにくい業務を評価しなければならない場合、評価基準・目標の設定が難しく、基準そのものが評価者次第で曖昧だと受け止められ不満につながる傾向にあります。

実際に、パーソル総合研究所の先ほどの調査でも、「目標管理制度への不満 上位15項目」を見ると6割を超えているのが、数値化できない部分への不満です。

画像出典元:パーソル総合研究所公式HP「目標管理制度への不満 上位15項目

要因2.評価者

2018年にアデコ株式会社が行った『「人事評価制度」に関する意識調査』によれば、45.2%が「評価者の価値観や業務経験によって評価にばらつきが出て不公平だと感じる」と答えています。

また、パーソル総合研究所の調査結果によれば、人事評価制度あるものの、中間面談や期末のフィードバックといったプロセスを制度通りに行っている評価者は3割前後との結果があります。

画像出典元:パーソル総合研究所公式HP「人事評価制度と目標管理の実態調査

評価者の潜在的な価値観や、自社の人事評価制度に対する認識によって、客観性のない評価をされた上、中間面談やフィードバックなどで社員と向き合う時間も充分でなければ、当然ながら不満が膨らみます

 

要因3.企業風土

企業風土によって重視される点と、評価対象者が評価してほしい点に生じるズレも不満要因の1つになります。

例えば、同調性を好む企業風土であれば、評価対象者に自主性や突出したスキルがあっても、協調性のなさの方にフォーカスがいきます。

逆に、独創性や自主性を重んじている企業風土であれば、コツコツと丁寧に同じ仕事をする社員より、改善提案や新規事業の考案などに積極的な社員を評価するでしょう。

人事評価への不満をなくす対処法

対処法1.人事評価基準の見直し

企業の経営方針も社会や経済の変化に伴い変化していくため、それに合わせて人事評価基準も適宜変更していく必要があります

具体的に見直すためには、以下のような点を確認していきましょう。

  • 職種・階層ごとの評価基準の見直し
  • 定量的な評価基準以外の指標も設ける
  • 評価結果を給与や昇進に反映させる

また、人事評価基準は、社員の理解と認知が必要不可欠ですので、そもそもの制度の目的や変更した基準点などについて、丁寧に説明をしていく必要があります。

社内に人事評価制度に対する前向きな認知度が広がることが重要なポイントです。

対処法2.評価者の能力向上

不満要因に挙げられていた、評価者についての不満は、評価者が正当な評価をしている、決められた評価プロセスを踏んでいるという信頼関係があれば多いに改善できるでしょう。

その為に具体的には、以下のようなことを実行しましょう。

  • 評価プロセス(中間面談、1on1など)を適切な時間・頻度で行う
  • 低評価の社員に対する前向きで具体的な改善案までアドバイスする
  • 評価者に「評価者研修」を受講させる

 

対処法3.人事評価システムなどツールの活用

社員数が多く働き方が多様な企業、雇用形態が複数ある企業などにおすすめなのが、人事評価システムです。

人事評価システムとは

人事評価システムは、人事評価に必要な業務を自動化できるシステムで、評価シートの作成、目標・スキル管理、フィードバック、人事評価の一元管理、データ分析など様々な機能が搭載されています。

口コミからみる導入事例

実際に編集部に寄せられた人事評価システムへの口コミの中にも、システム導入で人事評価の問題点を改善できた例が多数ありました。

HRBrain

郵送

51人〜100人

 

導入理由:パート社員の増員による公平な人事評価の管理のため

大人数のパート社員の人事評価に関しての管理が一元化・簡素化されました。これまではExcelベースで管理していたのですが、数十人規模となると目標、進捗、評価状況を管理するのに手間がかかっていました。HRBrainを導入してからは管理が一元化されて人事部全体に同じフォーマットを共有できるので業務効率が大幅にアップしました。


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あしたのクラウド

マスコミ/広告/デザイン

11人〜30人

 

導入理由:上司との相性で評価が決まるという評価制度を改善するため

職種や年数など、様々な立場の人に対してそれぞれの項目ごとにしっかりと評価基準が明文化されており、評価結果を受けて本人が納得できるようになった。全員一律に評価され、目標は本人も関わって設定できることから職場環境の改善になった。


あしたのクラウドの口コミをもっと見る

 

2019年に株式会社あしたのチームが300人に実施した「転職者」に関するアンケート結果を見ると、転職者の転職理由の81.7%は人事評価制度への不満でした。


画像出典元:「あしたの人事 Online」公式HP

システムを導入したからと言って、全ての不満要因がなくなる訳ではありませんが、業務効率を上げることで、評価者が社員との面談にさく時間が増えたり、評価に対する透明性や満足度を上げることが、退職者を減らす一助になることは間違いありません

各ツール特徴は様々ありますので、詳しい情報は、次の章でご紹介します。

また、先に人事評価システムの詳細を確認されたい方は、以下の無料の資料からご覧ください。

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必ず押さえたいおすすめの人事評価システム5選!

1. 一元管理で人材運用を見える化! 『One人事[タレントマネジメント]』(旧スマカン)

画像出典元:「One人事[タレントマネジメント]」公式HP

 

特徴

One人事[タレントマネジメント]は組織内に分散しがちな人材情報をクラウド上で一元管理。

従業員の経歴やスキルを正確に把握することができ、経営層や人事担当者におすすめのクラウド型人材情報管理システムです。

データベースや評価シートの設計も簡単におこなえるシンプルな使いやすさが魅力。

人材管理や人材育成、人事評価などのタレントマネージメント機能だけでなく、労務や勤怠、給与などの人事業務をまとめて管理することができます。

 

対応可能な機能・評価制度

MBO
コンピテンシー OKR
360度評価  1on1

評価フォームのカスタマイズ:可

イチ押し!ポイント

登録後、最短1営業日で全ての機能を試すことが出来るので、導入前に30日間無料のトライアルを受けてみるといいでしょう。

オプションで目的・課題に合わせてプランもカスタマイズすることが出来ます。

 

料金プラン

初期費用 月額費用 無料お試し
要問合せ 50,000円〜 要問合せ

本契約後、無料期間中のデータの移行は可能です。

実際に使った人の評判・口コミ

 

One人事[タレントマネジメント]の導入後は、経験業務や取得資格、研修履歴がひと目で確認できるため、自ずとキャリアを強く意識することができる仕組みになりました。オンラインでの自己申告や意識調査を実施するなど、社内業務の省力化にもつながっています。
(メーカー関連:従業員4,000人以上)

 

One人事[タレントマネジメント]は時間とコストをかけずに運用できるので、人事制度運用のさらなる流れもできました。研修受講や資格取得を通じた自身のレベルアップが見えることで社員のモチベーションが上がったと思っております。
(インフラ関連:従業員900人以下) 

 

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2. 使いやすさが圧倒的!『HRBrain』

画像出典元:「HRBrain」公式HP 

 

特徴

人事評価から人材データ活用・タレントマネジメントまで、人材に関わる一連の業務を効率化できるシステムです。

人事評価だけでなく、総合的に業務改善したい企業に向いています。

シンプルなUIで誰にでも使いやすく、人事のスペシャリストの専任サポートが無料で利用できる点も魅力です。

目標管理システムをはじめて導入する企業や、エクセル管理からの移行を検討している会社などに特におすすめです。

対応可能な評価制度

MBO(目標管理) コンピテンシー OKR 360度評価 1on1

 

イチ押し!ポイント

導入している企業の方に取材すると、多くの方が「圧倒的な使いやすさ」を挙げてくれました。

どこに何を記載したら良いかが分かりやすいので、導入後も最低限のレクチャーで済みそうです。

 

料金プラン

初期費用 月額費用 無料お試し
要問合せ 要問合せ 7日間

 

実際に使った人の評判・口コミ

IT業

1001人以上

 

入力項目が多くて面倒

感触としては、入力項目が多くて面倒だと感じました。几帳面な人は細かく入力してくれますが、そうでない人は極端でばらつきが大きいです。性格がもろに出てくるので、ある意味見える化できましたが、そもそもその程度であれば体感的にもわかっていることです。導入しなくてもいいのでは?となってその後導入はしていません。

IT/インターネット/通信

101人〜250人

 

人事査定に必要な情報を一元管理できる

  • 既存のシステムとの連携に必要な機能が揃っていた。
  • 1on1時の内容を記載することができて、過去のログが残すことが出来る。
  • 他スタッフがどのようなことを記述しているかが閲覧ができ、間接マネジメント時に役に立つ。
  • 直属の上司の志向や狙いなどがわかる。
  • 査定時の一元管理ができて便利に感じる。


HRBrainの口コミをもっと見る

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3. 人事評価の精度を上げられる!『あしたのクラウド™️』

画像出典元:「あしたのクラウド™️」公式HP
 
 

特徴

あしたのクラウド™️は中小企業やベンチャー企業を中心に圧倒的な支持を得る人事評価システムです。大手企業での導入事例も多く、3,000社を超える企業に活用されています。

その豊富な実績から得たノウハウをシステムに反映しているので、人事評価そのものの精度を格段に高められます。

最適な評価方法に悩んでいる企業におすすめです。

対応可能な評価制度

MBO(目標管理) コンピテンシー OKR 360度評価 1on1
 

 

イチ押し!ポイント

評価項目が多くてもどこに記入すれば良いかが一目瞭然。しかも、AIが内容をチェックしてくれるので、従業員が記入した内容を上司がチェックする時間を大幅に短縮できます。

たくさんの部下をもつ上司から、感謝の声が多数あがっています。

 

料金プラン

初期費用 月額費用 無料お試し
300,000円~ 60,000円~ 無料デモあり

 

実際に使った人の評判・口コミ

IT業

11人〜30人

 

評価は客観的な方が良い

評価基準の一つである、各社員のコメント(業務内容)等を入力する機能があるが、AIを導入して、添削を行っている。その部分でAIが学習不足なのかなかなか文章が合格点にならない。その部分が非常に使いづらいと考えている。

郵送

51人〜100人

 

明確な数値化により評価に具体性を持たせられる

評価者モニタリング機能が便利です。その人のもつ資格や経験などを踏まえた能力を社内・全国で偏差値化し評価に具体性を持たせる事ができました。業界問わず、人事に関わる人に是非使っていただきたいです。なぜその人がその評価に値するのかを明確に数値化できるし、育成をするという面でも活用ができる素晴らしいツールです。


あしたのクラウド™️の口コミをもっと見る

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4. 人材に関連することなら何でもできる!『タレントパレット』

画像出典元:「タレントパレット」公式HP
 
 

特徴

人材の評価メソッドを搭載しているのはもちろん、目標管理やスキル管理から人材データ分析・異動シミュレーション・従業員アンケート・組織診断・研修・適性検査・採用管理まで、あらゆることに対応してくれるシステムです。

料金が高いので小規模な企業には向いていません。従業員が数百人以上の企業におすすめです。

対応可能な評価制度

MBO(目標管理) コンピテンシー OKR 360度評価 1on1
 

 

イチオシ!機能

誰をどこに異動させようか…。

行き詰まりがちな人事異動ですが、気軽にシミュレーションできるため、かなり便利だと感じました。



 

料金プラン

初期費用 月額費用 無料お試し
要問合せ 180,000円~ あり

 

実際に使った人の評判・口コミ

サービス/外食/レジャー

251人〜500人

 

用途が限定的でもったいない

他に活用出来ていない機能は結局使い方が分からないままでいる。たとえば、アンケートを行うか、ビジョン設定として1年間の目標を設定するくらいにしか使っていない。本部しか使用方法を理解していないのはもったいない。

金融/保険

1001人以上

 

従業員が多い企業におすすめ

従業員が多く従業員一人一人の想いなど把握出来ない会社におすすめ。従業員の顔、想い、目標などを一目で確認することが出来る。ペーパーベースではないため、コストの削減を考えている会社にも良い。


タレントパレットの口コミをもっと見る

 



5. 人事定型業務をトータルで効率化!『sai*reco』

画像出典元:「サイレコ」公式HP 

特徴

従業員管理から人事評価、給与明細のデータ管理・帳票作成まで、人事業務を効率化できるシステムです。

評価精度を高めることよりも、評価に関わる業務の効率化を優先する企業に向いています。

ワークフロー機能が充実していて、社内申請の電子化・人事情報更新の自動化・評価運用の効率化・面談や研修などの履歴管理が叶います。

クラウド型給与計算システム、給与奉行クラウドと連携できる点も大きなメリットです。

対応可能な評価制度

MBO(目標管理) コンピテンシー OKR 360度評価 1on1
   

 

イチ押し!ポイント

組織図を作るのがとても簡単。

各部署に所属している従業員も把握しやすく、組織活性化につながる施策をうちやすくなると実感しました。

 

料金

初期費用 月額費用 無料お試し
400,000円~ 18,000円~ あり


その他、システムメンテナンス費用が月額1,000円かかります。

 

実際に使った人の評判・口コミ

IT

251人〜500人

 

社員の最新情報を随時確認できる

組織体制に変更が生じた場合に、大幅な修正が必要になったことです。部署を細分化するなどの組織体制の変更を行ったあとに、組織図を書き換えようとしたのですが、組織名の変更や図の修正が思うようにできず、結局一から作り直すことになったので不便でした。

サービス

51人〜100人

 

作業が効率化でき、人員配置もスムーズになった

社員1人1人の経験値や持つ資格、希望などを一覧化して確認できるし、過去の組織図のアーカイブなども確認できるのがとても便利です。必要な時に必要な人員配置案を瞬時に出すことができるようになりました。


sai*reco(サイレコ)の口コミをもっと見る

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まとめ

昨今の働き方改革の影響で人事評価制度にも影響が出ているかと思われますが、人事評価は一人ひとりの社員と向き合う良い機会でもあります。

不満要因をできるだけ解消して、前向きに人事評価がとらえられるような企業風土を作っていきたいものです。

 

画像出典元:Pexels、Pixabay、イラストAC

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