【事例と対策】人事評価への不服申立ての手順と注意点を徹底解説

【事例と対策】人事評価への不服申立ての手順と注意点を徹底解説

記事更新日: 2024/09/27

監修: 免色渉

人事評価の結果に納得がいかない、そんな不満の声を耳にすることはありませんか?

人事評価への不服申立てをしたい従業員や、対応に追われる人事の方に向けて、

知っておくべき不服申し立てへの対応策や未然に防ぐための評価制度設計のコツを詳しく解説します。

公正で納得感のある人事評価制度を構築し、社員全員が気持ちよく働ける環境を構築しましょう。

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【人事向け】人事評価で不服申し立てされたときの対応策

人事評価は、従業員のモチベーションや会社へのエンゲージメントに大きく影響します。しかし、評価に対する不満や不信感が募ると、不服申し立てに発展する可能性があります。

人事担当者として、不服申し立てを受けた際には、冷静かつ迅速に対応することが求められます。ここでは、不服申し立てへの対応策をステップごとにご紹介します。

まず確認すべきこと

不服申し立ての申し出があった場合、まず落ち着いて状況を把握することが重要です。申し出の内容、申し出の時期、申し出の方法などを確認し、記録に残しておきましょう。

具体的には、以下の点を詳しく確認します。

申し出の内容: どのような点に不満を感じているのか、具体的に確認します。

申し出の時期: いつ評価結果を通知し、いつ申し出があったのかを確認します。

申し出の方法: 口頭、書面、メールなど、どのような方法で申し出があったのかを確認します。

これらの情報を整理することで、今後の対応方針を立てることができます。

不服申し立てへの対応手順

不服申し立てへの対応は、迅速かつ誠実に行うことが重要です。対応が遅れたり、不誠実な態度を取ったりすると、従業員の不満を増幅させ、状況を悪化させる可能性があります。

具体的な対応手順は以下の通りです。

申し出の受理: 不服申し立てを受け付けた旨を、書面またはメールで従業員に通知します。

面談の実施: 従業員と面談を行い、不満の内容や理由を詳しく聞き取ります。この際、感情的な発言が出ても、冷静に耳を傾けることが大切です。

事実確認: 従業員の発言内容に基づき、評価者や関係者から事実確認を行います。

対応策の検討: 事実確認の結果を踏まえ、適切な対応策を検討します。

対応結果の通知: 検討した対応策を、書面またはメールで従業員に通知します。

不服申し立ての内容に応じた対応方法

不服申し立ての内容は、評価基準の曖昧さ、評価者とのコミュニケーション不足、評価結果への不満など、さまざまです。それぞれの内容に応じた適切な対応を行う必要があります。

評価基準の曖昧さ: 評価基準を明確化し、従業員に周知する。

評価者とのコミュニケーション不足: 評価者と従業員の面談機会を増やし、相互理解を深める。

評価結果への不満: 評価結果の根拠を丁寧に説明し、納得してもらう努力をする。

それでも解決しない場合は

誠実な対応をしても、不服申し立てが解決しない場合があります。その場合は、第三者機関への相談や人事評価制度の見直しなどを検討する必要があります。

第三者機関への相談: 社外の専門機関に相談し、解決策を模索する。

人事評価制度の見直し: 不服申し立ての原因を分析し、評価制度の改善を図る。

一般的に、人事評価に関する不服申し立てを扱う第三者機関には、以下のようなものがあります。

労働局:労働局は、労働に関する問題に関する相談やあっせんを行っています。

都道府県労働委員会:都道府県労働委員会は、労働関係紛争の解決を目的とした機関です。

裁判所:労働関係紛争が解決しない場合は、裁判所に訴訟を起こすこともできます。

 具体的な相談窓口や手続きについては、各機関のウェブサイトなどで確認できます。

人事評価に対する不服申し立ては、従業員の権利を守るために重要な制度です。もし、人事評価に納得がいかない場合は、一人で悩まず、積極的に相談窓口を利用しましょう。

再発防止策を策定

不服申し立てを未然に防ぐためには、人事評価制度そのものを見直すことが重要です。以下の点を考慮して、評価制度を改善しましょう。

評価基準の明確化: 曖昧な表現を避け、具体的な行動目標を設定する。

評価者研修の実施: 評価者の評価スキルを向上させる。

多面的な評価の導入: 上司だけでなく、同僚や部下からの評価も取り入れる。

定期的な面談の実施: 上司と部下のコミュニケーションを促進する。

【従業員向け】不服申し立てをする場合の手順と注意点

人事評価の結果に納得がいかない場合、従業員は不服を申し立てる権利があります。しかし、感情的に行動するのではなく、冷静に手続きを進めることが重要です。ここでは、不服申し立ての手順と注意点について詳しく解説します。

不服申し立てに関する法律

従業員が人事評価に不服を申し立てる権利は、労働契約法や労働基準法などの法律によって保護されています。これらの法律は、使用者が従業員を解雇したり、不利益な扱いをすることを禁じています。

また、労働契約法第15条では、使用者は、就業規則で定める場合を除き、労働者に対して解雇、賃金の減額その他の不利益な取り扱いをしてはならないと定められています。

 参考:厚生労働省HP「労契法15条(懲戒)、16条(解雇)の両規制が適用

不服申し立ての具体的な手順と提出先

不服申し立ての手順は、会社によって異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。

直属の上司に相談: まずは、評価を行った直属の上司に相談し、評価結果の理由や根拠を説明してもらいます。

人事部に申し出る: 上司との話し合いで解決しない場合は、人事部に不服申し立てを申し出ます。この際、書面で申し出るのが一般的です。

面談の実施: 人事担当者と面談を行い、不服の内容や理由を詳しく説明します。

再評価: 人事部が評価内容を見直し、再評価を行います。

結果の通知: 再評価の結果が通知されます。

不服申し立ての提出先は、人事部または会社が指定する窓口になります。

不服申し立ての内容を整理するポイント

不服申し立てをする前に、具体的な不満点や改善してほしい点を整理しておきましょう。感情的な言葉ではなく、客観的な事実や根拠に基づいて説明することが重要です。

以下の点を参考に、不服申し立ての内容をまとめるとよいでしょう。

どのような点に不満を感じているのか

なぜそのように感じるのか

どのような改善を望むのか

注意点とリスク

不服申し立ては、労働者の権利ですが、リスクも伴います。例えば、不服申し立てをしたことで、上司や同僚との関係が悪化したり、今後の評価に影響が出たりする可能性があります。

また、不服申し立てが認められない場合、法的措置を取ることもできますが、時間や費用がかかる場合があります。これらのリスクを十分に理解した上で、不服申し立てを行うかどうかを判断しましょう。

不服申し立てが認められなかった場合の対処法

不服申し立てが認められなかった場合でも、諦める必要はありません。労働組合や労働基準監督署に相談したり、弁護士に依頼したりすることもできます。また、転職という選択肢も検討できます。

不服申立てが発生する主要なケース5選

人事評価に対する不服申し立ては、さまざまなケースで発生します。ここでは、代表的な5つのケースとその原因、解決策について解説します。

ケース1:評価基準が曖昧で不公平感がある

評価基準が曖昧だと、評価者によって評価が異なったり、従業員が自分の評価に納得できなかったりすることがあります。

原因

評価基準が抽象的で、具体的な行動目標が示されていない。

評価基準が統一されておらず、評価者によって解釈が異なる。

評価基準が古いまま更新されておらず、現在の業務内容に合っていない。

解決策

評価基準を具体的に定義し、行動目標を明確にする。

評価基準を全社で統一し、評価者間で認識を共有する。

定期的に評価基準を見直し、最新の業務内容に合わせる。

評価基準に関する説明会や研修を実施し、従業員の理解を深める。

ケース2:上司とのコミュニケーション不足

上司とのコミュニケーション不足は、評価に対する不満や不信感を増幅させる原因となります。

原因

定期的な面談が行われていない。

上司が部下の仕事内容や成果を把握していない。

上司からのフィードバックが不足している。

上司との間に信頼関係が築けていない。

解決策

定期的な1on1ミーティングを実施し、目標の進捗状況や課題を共有する。

上司が部下の業務内容や成果を把握するための仕組みを導入する(日報、週報、進捗報告会など)。

上司は部下に対して具体的なフィードバックを行い、改善点や成長を促す。

上司と部下の信頼関係を構築するための研修やワークショップを実施する。

ケース3:目標設定が高すぎる、または低すぎる

目標設定が適切でないと、従業員のモチベーションが低下したり、不満につながったりします。

原因

会社の目標達成を優先し、従業員の能力や状況を考慮せずに目標を設定する。

目標設定のプロセスに従業員が関与できない。

目標達成度に応じた評価や報酬が明確でない。

解決策

従業員の能力や状況を考慮した上で、達成可能な目標を設定する。

目標設定のプロセスに従業員を参加させ、目標に対する当事者意識を高める。

目標達成度に応じた評価や報酬を明確にし、従業員のモチベーションを向上させる。

定期的に目標の見直しを行い、状況の変化に対応する。

ケース4:評価結果が自分の実績と乖離している

評価結果が自分の実績と大きく異なる場合、従業員は不満を抱きやすくなります。

原因

評価者が従業員の実績を正確に把握していない。

評価基準が曖昧で、評価者の主観が入りやすい。

評価者が偏見や感情によって評価している。

解決策

評価者は、日頃から従業員の実績を把握し、客観的なデータに基づいて評価する。

評価基準を明確化し、評価者の主観が入り込む余地を減らす。

多面的な評価(360度評価など)を導入し、評価の客観性を高める。

評価者研修を実施し、評価の公平性と客観性を担保する。

ケース5:評価プロセスに不透明な部分がある

評価プロセスが不透明だと、従業員は評価に対する不信感を抱きやすくなります。

原因

評価基準や評価方法が従業員に開示されていない。

評価プロセスに関する説明が不足している。

評価結果のフィードバックが適切に行われていない。

解決策

評価基準や評価方法を従業員に開示し、透明性を確保する。

評価プロセスに関する説明会や研修を実施し、従業員の理解を深める。

評価結果を個別にフィードバックし、改善点や今後の課題を明確にする。

不服申し立ての窓口を設け、従業員の声を聞く機会を確保する。

不服の申し立てのない人事評価制度を作るコツ

ここでは、不服申し立てのない、公正で納得感のある人事評価制度を作るためのコツを解説します。

公平性・透明性を確保するための評価基準設定

評価基準は、人事評価の根幹をなすものです。曖昧な基準や主観的な評価は、従業員の不満や不信感を招きやすく、不服申し立ての原因となります。評価基準は、具体的かつ客観的な指標に基づいて設定し、全従業員に公開することが重要です。

例えば、営業職であれば、「新規顧客獲得数」「売上目標達成率」「顧客満足度」など、具体的な数値目標を設定することで、評価の公平性を担保できます。また、行動評価を取り入れる場合は、「コミュニケーション能力」「問題解決能力」「リーダーシップ」など、具体的な行動指針を明示することで、評価の透明性を高めることができます。

納得感のある目標設定と定期的な進捗確認

目標設定は、従業員のモチベーションに直結する重要な要素です。目標が達成不可能なほど高すぎたり、逆に低すぎて挑戦意欲を削いだりしないよう、従業員と上司が合意の上で、適切な目標を設定することが大切です。

また、目標設定後は、定期的な進捗確認を行い、必要に応じて目標の修正やサポートを行うことが重要です。

進捗状況を共有することで、従業員は自分の評価がどのように行われているかを理解でき、納得感を持って業務に取り組むことができます。

積極的なコミュニケーションによる信頼関係構築

上司と部下の信頼関係は、人事評価の納得感を高める上で不可欠です。日頃から積極的にコミュニケーションを取り、業務上の課題や悩みを共有することで、相互理解を深め、信頼関係を構築することができます。

また、評価面談は、単に評価結果を伝える場ではなく、今後の成長に向けた対話をする場として活用することが重要です。評価の根拠を丁寧に説明し、従業員の意見に耳を傾けることで、納得感と信頼感を醸成することができます。

多面的な評価を取り入れた評価制度の導入

従来の一方的な評価だけでなく、多面的な評価を取り入れることで、より公正で客観的な評価が可能になります。例えば、360度評価やピア評価を導入することで、上司だけでなく、同僚や部下からのフィードバックも参考に評価を行うことができます。

また、自己評価を取り入れることで、従業員自身の成長に対する意識を高め、主体的なキャリア形成を促すことができます。多面的な評価は、評価の精度を高めるだけでなく、従業員の成長意欲やエンゲージメント向上にも貢献します。

評価者研修の実施による評価スキルの向上

評価者の評価スキルは、人事評価の質を左右する重要な要素です。評価基準や評価方法に関する知識だけでなく、コミュニケーションスキルやフィードバックスキルも求められます。

評価者研修を実施し、評価スキルを向上させることで、より公正で客観的な評価が可能になります。また、評価者同士が評価事例を共有し、意見交換をすることで、評価のばらつきを抑制し、組織全体の評価レベルを向上させることができます。

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まとめ

不服の申し立てのない人事評価制度を作るためには、公平性・透明性、納得感のある目標設定、積極的なコミュニケーション、多面的な評価、評価者研修など、さまざまな要素を総合的に考慮する必要があります。これらのコツを実践することで、従業員のモチベーションを高め、会社の成長に貢献する人事評価制度を構築することができるでしょう。

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