従業員同士のコミュニケーション不足やモチベーションの維持・向上について心配している経営者の方も多いのではないでしょうか?
そんな課題の解決策として、OKRと呼ばれる手法が着目されています。
この記事ではOKRに詳しい専門家のアドバイスを参考にしながら、要説やツールを選ぶ際のポイント、おすすめのOKR管理ツール9選を初めての方にも分かりやすく紹介します。
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このページの目次
OKR(オーケーアール)とは、Objective(目的)と Key Result(主要成果)の2つから成る目標を定め、その目標に組織を向かわせる、組織マネジメント手法のひとつです。
会社のビジョンをもとに、部署やチームの目標が整合するように設定し、それらを全社で共有します。
が可視化され、モチベーションの向上・コミュニケーションがとりやすくなる上に連帯感の高まりを期待できます。
ただ、社員全員がOKRを理解し、会社全体で運用していくことは容易ではありません。
OKR管理ツールは、OKRの理解を深めて円滑な運用をサポートしてくれます。
株式会社永和システムマネジメント 天野 勝
トップダウンで目標値を決めるのではなく、各組織の目標(Objective と Key Result)を各組織が主体的に検討した上で決定することも大切です。
このような状況がそろっていない中でツールだけを導入すると、現場からは強い反発が起こりかねませんので気を付けましょう。
画像出典元:「HRBrain」公式HP
人事評価から人材データ活用・タレントマネジメントまで、人材に関わる一連の業務を効率化できるOKR管理ツールです。
目標管理だけでなく、総合的に業務改善したい企業に向いています。
シンプルなUIで誰にでも使いやすく、人事のスペシャリストの専任サポートが無料で利用できる点も魅力です。
目標管理システムをはじめて導入する企業や、エクセル管理からの移行を検討している会社などに特におすすめです。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
要問合せ | 要問合せ | 7日間 |
社員ひとりひとりの目標が他の社員にも公開可能となっているため、互いに作用しあって、社員のモチベーション向上に役立っています。
(webサービス:従業員100人以下)
HRBrainは都内のタクシー広告でよく流れているので「タクシーでよく見るツールね」という感覚で社員が素直に受け入れて使ってくれて有り難かったです。新しいツールを嫌がる人も多いので。ただ最初は、人材管理システムを導入すると聞いて「管理が強まるのでは」と心配する社員がいました。
(IT関連:従業員30人以下)
※参照:「HRBrain」公式HP
あしたのクラウド®️は中小企業やベンチャー企業を中心に圧倒的な支持を得るOKR管理ツールです。
大手企業での導入事例も多く、4,000社を超える企業に活用されています。
その豊富な実績から得たノウハウをシステムに反映しているので、目標管理そのものの精度を格段に高められます。
目標管理に悩んでいる企業におすすめです。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
要問合せ | 45,000円~ (参考価格) |
無料デモあり |
モニタリング項目は期日管理・目標管理・中間レビュー・評価・フィードバックの5つ。これらの合計得点で、評価者の能力を可視化できることに魅力を感じています。
(医療関連:従業員1,000人以上)
チームを組んで取り掛かる業務でも評価を個人ごとにする事で、パフォーマンスが向上しました。運用コンサルに相談できたのも便利でした。もう少し字が大きく表示されるとよいです。
(IT関連:従業員100人以上)
※参照:「あしたのクラウド®️」公式HP
画像出典元:『sai*reco』公式HP
従業員管理から人事評価、給与明細のデータ管理・帳票作成まで、人事業務を効率化できるOKR管理ツールです。
目標管理精度を高めることはもちろん、人事に関わる業務の効率化を優先する企業に向いています。
ワークフロー機能が充実していて、社内申請の電子化・人事情報更新の自動化・評価運用の効率化・面談や研修などの履歴管理が叶います。
クラウド型給与計算システム、給与奉行クラウドと連携できる点も大きなメリットです。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
400,000円~ | 100名以下:22,000円 100名超過:1名220円で積算 |
あり |
その他、システムメンテナンス費用が月額1,000円かかります。
人事・管理職の人事評価業務負担を減らすために導入しました。導入前はエクセルで管理していたのですが、過去資料の管理が杜撰になっていました。導入後は過去の評価内容の管理も容易となり、電子上で評価シートのやりとりが行えるようになりました。
(コンサルティング:従業員50人以下)
月額は安いのですが、初期費用は他社と比べて高い点が導入時のハードルになりました。会社規模がまだ大きくないため、人員配置等のツールを活用しきれていません。人員配置の適正化を考えるレベルに達していないベンチャー企業にも対応した機能があればありがたいです。
(コンサルティング:従業員50人以下)
※参照:「サイレコ」公式HP
画像出典元:「WAKUAS」公式HP
「WAKUAS」は、1on1の記録管理やフィードバックだけでなく、OKR管理・コンディションチェックも可能な1on1効率化ツール。
1on1中の「気づき」を他のメンバーと共有したり、「フィードバックがほしい」とおもったときにメンバーへ気軽にリクエストすることが可能なので、チーム全体の作業効率をアップさせるだけでなく、コミュニケーションの活性化が図れます。
ダッシュボードも見やすく、会社全体の目標からメンバーの個別目標まで、ドリルダウンして各メンバーの目標達成状況をチェックすることができます。
501人以上~の利用にも対応しているため、社員数が多い会社にもおすすめです。
1on1プラン (1on1の記録+ フィードバック) |
パフォーマンスプラン (1on1プラン+ OKR管理) |
コンディションプラン (1on1プラン+ コンディションチェック) |
|
初期設定料 | 50,000円 | 100,000円 | 無料 |
~50名 | 月額25,000円 | 月額50,000円 | 月額38,000円 |
51~100名 | 月額500円 /1人あたり |
月額1,000円 /1人あたり |
月額74,200円 |
上の表は~100名までのプランです。
1on1プラン/パフォーマンスプランは501名以上のプランまであり、人数が増えるほど1人あたりの利用料が割引されます。
コンディションプランは、301名以上での利用は応相談です。
※無料デモ依頼も可能です。
画像出典元:『commita』公式資料
「Commita」は導入しやすく使いやすいと評判の、OKR管理機能に特化したOKR管理ツールです。
導入にはサポートが伴走支援してくれるため、専門的な知識や特別な準備は不要。
チーム内での目標や進捗の共有も簡単で、個々のモチベーションを向上させて業務効率を高めることができます。
使い方によっては他ツールとの併用が必要になる点は注意が必要です。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
50,000円~ | 25,000円~ | あり |
有料プランは最低12ヶ⽉〜のご契約となります。
「スキルナビ」は人材の採用・育成・評価・活用のすべてを見える化するタレントマネジメントシステム。
ひとつのプラットフォームで人材の管理業務とマネジメントをおこなうことができます。
初期導入の負担が少なく長期的に使いやすいという点も魅力で、10~20名程度の企業から大企業まで幅広く利用されています。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
0円 | 40,000円~ (登録人数により変動) |
要問合せ |
画像出典元:「MotifyHR」公式HP
MotifyHRにはOKR機能があり、期間ごとの数値目標と進捗を一元管理できます。
質問テンプレートや部下への質問設定などが可能な1on1機能もオプションで付けられるので、目標に対するフィードバックも円滑になり便利です。
さらに新入社員へのオンボーディング機能や従業員の満足度を調査できるエンゲージメントサーベイ機能など、とにかく機能が豊富なのも特徴です!
1つのシステムで様々な課題を解決できるので費用対効果大です。
初期費用は30万円〜で、料金プランは以下の5つがあります。それぞれの詳しい機能は資料から確認できます。
今ならテレワークを応援する無料サービスとして、スタンダードプラン、エンゲージメントプランが無料で利用できので非常にお得です!
スタンダードプラン | エンゲージメントプラン | オンボーディングプラン | OKR・1on1プラン | プレミアムプラン |
400円/ID | 400円/ID | 800円/ID | 800円/ID | 1,000円/ID |
One人事[タレントマネジメント]は組織内に分散しがちな人材情報をクラウド上で一元管理。
従業員の経歴やスキルを正確に把握することができ、経営層や人事担当者におすすめのクラウド型目標管理システムです。
データベースや評価シートの設計も簡単におこなえるシンプルな使いやすさが魅力。
人材管理や人材育成、人事評価などのタレントマネージメント機能だけでなく、労務や勤怠、給与などの人事業務をまとめて管理することができます。
One人事[タレントマネジメント]の料金プランは非公開となっています。
詳細は問い合わせでご確認ください。
画像出典元:「Resily」公式HP
Resilyは、2017年設立ながら導入実績100社を誇るクラウドOKRツールです。
特にコミュニケーションの効率化を重視し、組織全体がツリー構造でひと目でわかるOKRマップや、色を使った視覚的なUIを特徴としています。
加えて、マネージャークラスが各メンバーの掲げる目標や進捗状況を一覧できるダッシュボード機能など、OKR施策の運用負荷を削減してくれます。
導入支援ワークショップやコンサルティングを提供しており、OKRが定着した後も自走して運用できるようサポートしてくれます。
初期費用 | 月額費用 | 無料お試し |
0円 | 要問合せ | 14日間 |
OKRツールは、部署やチームの間の垣根を超えた数多くの従業員が使うツールです。そのため、使い方が難しすぎる・手間がかかるツールでは、OKRそのものが失敗してしまう可能性があります。
IT初心者に優しいか、スマホ対応しているか、日本語対応しているかなど、どんなメンバーでも使いやすい仕様になっていることが大切です。
株式会社永和システムマネジメント 天野 勝
誰でもが、使いたいと思ったときに、手軽に使えることがポイントです。
OKRは日々を運営する仕組みとして機能しなくては意味がありません。
日々の行動情報の入力が人力頼みで、手間になるようだとなかなか定着しなくなってしまいがちですが、他のツールのデータを自動で取り組むなどの機能が備わっていると便利です。
OKRでは、企業目標をそれぞれの部署やチーム・個人に落とし込んで行います。この「O=目的」を決める際、達成指標を何にするかは、業界や経営方針によって多種多様です。
そこで、管理したい項目の変更はできるのか、データの蓄積や移行、組織再編に対応できるかなど、カスタマイズ性の有無を調べておくことをおすすめします。
株式会社永和システムマネジメント 天野 勝
少人数から始めて、少しずつ人数を増やしていきながら、それぞれのチームにあわせてカスタマイズしていくことをおすすめします。
最初から、全チームにぴったり合う形の運営方法を見つけようとして、なかなかスタートが切れないといった状態は避けるようにしてください。
OKRツールの操作そのものは簡単でも、OKRを達成するには社員の考え方を改革することから始める必要があります。効果的に使いこなせるようになるまで、苦労するケースも少なくありません。
これまで同類のツールを利用していない場合は、コンサルティングやサポートが充実しているツールを選ぶと良いでしょう。
株式会社永和システムマネジメント 天野 勝
OKRの4つの原則は「フォーカス」「アライメント」「トラッキング」「ストレッチ」。
この4つの原則を活かして運用できているかは、意外と分かりにくいものです。
第三者の視点でアドバイスをもらえる、コンサルティングやサポートが充実していると安心です。
OKRツールはどんな企業で有効活用されているのでしょうか?
OKRは、もともと1970年代に米国のインテルで開発されたマネジメント手法です。それがGoogleに持ち込まれ、今日の成長を後押ししたと言われています。
今ではTwitter・Facebook・Uberなどシリコンバレーの最先端IT企業で導入され、成果をあげています。
国内企業では、ChatWork株式会社や株式会社メルカリ、株式会社ココナラなど、急成長を遂げた企業で活用されています。
最近では、製造業・飲食業といったIT業界以外での関心が高まっています。今後様々な業界に広がっていくでしょう。
いきなりマネジメント手法を変えようとしても、すべての従業員が同時に正しく理解して進めることは難しいものです。
正しく理解されないと、意に反して価値観のギャップが深くなってしまうかもしれません。
OKRツールを導入すると、プロバイダー会社によるコンサルティングやセミナーを受けられるほか、ツールを使いながらOKRを理解していくことができます。
つまり、OKRの理解を深め、円滑に運用できようになります。
株式会社永和システムマネジメント 天野 勝
OKRのメリットは、集計や視覚化といった作業の負担が減ることです。
各人の行動が視覚化されることで、次の行動が明確になったり、動機づけが行われることです。
OKRは各個人が定めた目標を公開・共有することで、チームや部署を超えたコミュニケーションが促進されることを目的の一つとしています。
OKRツールを使うことで、目標や進捗状況を簡単に共有できるようになり、社内でのコミュニケーションがより活性化します。
リモートワークにおけるコミュニケーション不足の解消やモチベーションの維持・向上を期待できるでしょう。
OKRでは目標・進捗・結果といった一連の流れをオープンにすることが鍵となります。
OKRツールを活用すれば、各従業員やチームの目標、難易度や進捗状況を簡単かつリアルタイムに把握でき、運営体制をオープンにすることが可能です。
オープンにするといっても、部署や職種毎に閲覧権限を設定できる機能が搭載されたツールもあります。機密性を保持しつつOKRを進められる点もメリットの1つです。
OKRそのもののデメリットと言えるのですが、導入してから定着するまでに時間がかかる可能性が多分にあります。これはOKRが従来の目標管理方法とは異なるため、従業員の意識改革を必要とするからです。
OKRツールを導入することで定着がよりスムースになるとしても、会社の文化に根付くまで、ある程度の時間や手間が必要になると認識しておきましょう。
これはどんなマネジメント手法にも言えることですが、OKRツールを導入したとしても企業風土や従業員にそぐわない可能性があります。
例えば、健康増進を目的として社員に毎日運動を強制しても、かえってストレスを溜めてしまう結果につながりかねないことと同義です。
社員の反応やマネージャーの負担を考慮して、自社と相性の良いOKRツールを見つけましょう。
株式会社永和システムマネジメント 天野 勝
うまく使いこなせないと、個人の実績や行動が視覚化されることで、自身が劣っていると感じる人が出てきたり、劣っていると見られたくないがために、誤った情報をインプットする人が多発する傾向があります。
その為、仕掛けがうまく機能しなくなってしまう事もあります。
株式会社永和システムマネジメント 天野 勝
まずは、OKRについての実績を作ることです。
30人位の部署ではOKR管理ツールを使わなくてもよいと考えますが、いきなり全社で実施するのではなく、OKRを使った組織運営を経験しておくとよいでしょう。
しかし、昔ながらのOKRで有名な企業は、OKR管理ツールを使わずに、OKRで組織を運営していました。
OKRを導入することで、どのようなメリットを得たいのかを、事前に経営層レベルで合意しておくことも重要です。
今回は編集部おすすめのOKR管理ツール7選を比較紹介しました。
OKRツールの導入により社員間のコミュニケーションがしやすくなったり、オープンな運営体制になったりすることで、モチベーションの向上が見込めます。
新しい働き方に対するソリューションのひとつとして、検討してみてはいかがでしょうか。
画像出典元:O-dan